クーチミラン

根を、張るときと花の咲くとき

9羽 新世界 未知との遭遇 その5(終)

2022年05月02日 | 日記

30日 巣立ち後4日目
 朝、庭から複数の鳴き声と姿がありました。親鳥もそれには含まれていましたが、全部で何羽居たかは分かりませんでした。ユズの木がベースキャンプとなっていました。                 

                                              両親鳥は、巣作りから幼鳥の巣立ちまで一体、何回巣箱に出入りし何匹の虫を運んだのでしょうか。数百回否、千回を超えるのかも知れません。また、巣立った後もちゃんと幼鳥の行動を見守っていたに違いありません。妻が保護する姿も私の場合も含めて。

扉を開け5羽の幼鳥を目撃したとき彼ら彼女らが身を寄せ合っていたのは出入り口とは反対側となる扉の所でした。恐らくそれは飛び立とうと出入り口で猛烈に羽ばたきをする鳥に対する配慮からだったのでしょう。

巣は箱の内部全面に敷き詰められていてその厚さは5cmありました(写真2)。弾力ある作りとなっています。全ての鳥が巣立った後も親鳥は数回訪れて中を覗いていました。

妻は、巣箱からの飛び出しが極めて困難だった7羽目の鳥に「なな」と命名し「ちゃん」を添えて呼び続けていました。今もそうです。

巣箱は友人が知人の方から戴いたものを更に私が譲ってもらったものです。私が完全に諦めていた巣作りが今回大成功を生み出し有終の美を飾れたことは奇跡のような気がしています。7年以上も日ざらし雨ざらししていたことから巣箱自体が傾いていて果たして巣立ちまで持つだろうか、との危惧を抱き続けてきました。板の反りは勿論、あとで扉を開けた折に分かったことですが蝶番のネジは完全に外れていて扉が落下したりもしました。また、扉を固定していた金具は錆つき工具を使用しないと動かせませんでした。更に、土中に埋めた土台は木材でしたので腐食でグラグラと動く状態となっていました。期間中ずっと、それらが頭から離れませんでした。もし、巣箱の落下や支柱が折れたりしたらどうするか、その対応も真剣に考えました(結論は出せませんでしたが)。巣箱に雨漏り防止は施しましたが風の影響までは思いが至りませんでした。後に、強い風が、巣箱に被せたクリアーファイルの一方を反対側のクリップで固定した部分までめくっていました。ただ、雨漏りしていた部分は覆われていましたので影響はなかったようです。手当ての時、当然予想できる風のことに気が回らなかったのは流石、私です。

今後当分の間、巣箱は現状を維持します。また、鳥たちが訪れるかも知れませんから。その後は、次回に向けてコンクリートの支柱を土台に使い、新しい巣箱を自作するつもりです。

幼鳥の巣立ちは数羽までは動画で記録しましたが翌朝の撮影時、カメラ誤操作により、収めていた画像全てを静止画共々削除してしまいました。うたた寝の幼鳥もそうです。今回撮影の最大のポイントは巣立ちの場面でしたのに、それを完全に無にしてしまったのです。従ってその当日の画像は1枚も、1コマも存在しません。しかし、その失態はシジュウカラの命を2度救えたことや全期間に亘ってシジュウカラに深い配慮をして全鳥を巣立ちさせその信頼を得たであろうこと、そして確かに観察を遂行できたことと比べますと取るに足らない些細な、実に些細なことです。

写真2種を添えます。

                                   写真1 巣立ち翌日の幼鳥  写真2 巣(扉側から出入り口方向を見もの)