クーチミラン

根を、張るときと花の咲くとき

9羽 新世界 未知との遭遇 その4

2022年05月01日 | 日記

巣箱内の2羽を保護すべく脚立に上がって巣箱を再び開けますと何と、内部は空っぽでした。いつの間にか2羽は巣立っていたのです。9羽全てが巣立っていたことに私は心から安堵感に包まれました。結果的には不要と化した私の保護準備作業でしたが本当に、本当にそれで良かったのです。全てのことはそのことに在ったのですから。幼鳥の中の1羽はツツジの花に囲まれた中でジッとして動かず、瞼を閉じたり開いたりしていました。睡眠不足だったことは間違いありません。その日の、巣箱が接する築山は両親鳥と9羽の幼鳥、計11羽による乱舞が繰り広げられました。暗くて狭い空間から解き放たれ制限がない空間に出会ったのです。チ・チ・チの鳴き声は姦しく、同場所内に在る樹木間を右へ行ったり左へ行ったり、前へ来たり向こうへ移動したりの絶え間ない行動で、幼鳥たちは嬉しさを、感動をもろに表していました。鳴き声はお囃子、行動は総踊り、と表現しても足りないほどです。そしてその夜は全鳥が築山で眠りに入ったのだ、と推量します。

28日 巣立ち後2日目
 朝早く、親鳥1羽と幼鳥2,3羽を築山で視ましたがその他は確認出来ませんでした。同じ場所に居たことには違いないと思いますが。内1羽は岩の先端に留まりその場所で親鳥から餌を貰っていました。そのうちに1羽もいなくなっていました。

29日 巣立ち後3日目
 雨天でシジュウカラの姿は全く見かけられませんでしたが夕刻、PCに向かっていますと妻が「シジュウカラが来ている」と知らせに来ました。直ぐにその現場へ行きますと桜の木に親鳥が1羽止まっていて私たちの方に顔を向けていました。そしてその後は直ぐ近くの塀の上端に移り、其処でも視線は私たちの方を向いていました。先の、ヒヨドリの場合と同じで私たちはそれを“お礼”と捉えています。それから少しの時間が経過した時、やはり私がPC作業をしていますとその部屋の脇に植えているサクランボの木付近からチ・チ・チの声が聞こえてきました。正に幼鳥の声です。私は直ぐに部屋を出て足音にも注意を払ってサクランボの木に近づき、鳥の居場所を確認しようとしたとき相手は私の方へ飛んできて地面に落ちました。まだ、よく飛べないのだったと思います。私が手で掴もうとしますと飛んでカーポートと公道との境に設けたフェンスの、雨樋との間の、その鳥が頭をやっと通せる程度の僅かな隙間に頭を突っ込み、そこで止まりました。そのことは丁度、鳥が自ら掴まれ易すさを作ってくれたようなものでした。私は容易に鳥を捕まえることができました。鳥籠に収めて保護しようと考えましたが、そのとき私の頭上2mほどの所に電柱から我が家に引かれている電話線に2羽の親鳥がやってきて幼鳥と私を視ました。直ぐに幼鳥を放してやりました。親の後を追って幼鳥は飛び去りました。飛ぼうとすれば飛べるのだったのです。巣箱・桜の木とサクランボの木は我が家の住居を挟んで丸反対側にありますが、後者にシジュウカラが来たことはこれまで視たこともその声を聞いたこともありませんでした。では、逃げる方向には制限が無いのに何故、私の足下へ。更に、自分が動きがとれなくなるようなごく、ごく狭い隙間に頭を・・・。  次回がこのテーマの最終です。