私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

『秋田の淡水魚 』など4冊(秋田県):ご当地お魚図鑑めぐり⑤

2019-03-14 09:41:29 | 各地ローカル図鑑
2019年3月14日(木)


「ご当地お魚図鑑めぐり」第5回は秋田県。


出版年の古い方から4冊紹介するけど、筆者はすべて同人物。
採集はさておいても、撮影・執筆はまさに孤軍奮闘で生まれた本たちなのである。


『秋田の淡水魚』(杉山 秀樹著 秋田魁新報社 1985)


ほぼ自分で採取したおよそ80種類をきれいな生態写真で紹介した優れもの。
淡水魚のうち、クニマスやゼニタナゴなど絶滅種・希少種にページをさき
周縁魚類は後方にまとめてるのも分かりやすくていい。
秋田県の淡水魚類相の特徴が解説にあり、これまた実におもしろい。

筆者は学生時からずっと『淡水魚類界の巨人 中村守純氏』に師事し、活動をし続けてる。
実にうらやましくなる一方、一人で続け、まとめる根気・執念には敬意しかない。
実にすごい。


『淡水魚あきた読本』(杉山 秀樹著 無明舎出版 1997)


前書後の知見や現状を詳しくまとめたもの。
紙質を抑え、希少魚以外はすべて白黒印刷。
生態系・生息環境と、図鑑からさらに一歩踏み込んでるのも読みごたえがある。
より多くの人に手にとってもらえる低価格を目指してるのもいい。


『田沢湖まぼろしの魚 クニマス百科』(杉山 秀樹著 秋田魁新報社 2000)


秋田県の田沢湖にだけ生息してた固有種クニマス1種にしぼった1冊。
この魚の特徴や習性などだけでなく
生息当時の歴史から絶滅にいたるまでの経緯が、実に詳しく書かれてる。
種の保存のための情熱は、執念と言ってもいいくらいすごい。

2010年、おさかなくんや京都大学研究チームの調査で
移植先の山梨県の西湖で生息が確認されて、本当によかった。


『クニマス・ハタハタ 秋田の魚100』(杉山 秀樹著 東北出版企画 2013)


お~っ! 今度は海水魚にも手を出されましたね。
地元が誇る魚たち、地元に愛されてる魚たちを生息域別にまとめてる。
調理・食味なども書き加えてて、肩の力をぬいて読めるようにしてる。
お魚好きでなくても十分楽しめるおすすめ本。


淡水魚に限らず、特有の生き物たちを守ろうとする活動と、その証となる書物は、地元だけでなく国の誇り。
そんな苦労をしょって頑張ってる人たちの姿が好きだ。
だから、ついつい価格を無視して買い込んでしまうのかもしれない。

お城なんかの歴史的建造物の保存と希少生物の保存、少なくとも同じくらい価値があると思うけどなあ。
建造物は修復できるけど、生き物は絶滅すると二度と元には戻らんもん。

コメント
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