性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

ひさしぶりの風邪

2009年11月30日 16時12分40秒 | Weblog




いやぁ、完全にやられておりました。
のどの痛みから始まったのですが、
土曜日なんとか札幌に帰還したものの、日曜日は完全にダウン。
それもだんだんと悪くなっていってしまう。
日曜日の夜は完全に熱が上がってきて
カラダがふるえてくる始末。
ということで、本日月曜日は銀行関係の用事だけ済ませて
さっそく病院に行っておりました。
まぁ、疑わしいのはインフルエンザなので、心配していったのですが、
どうやら違うようだと言うこと。
ややひと安心でしたが、悪寒は続いているし、
熱からか、ぎっくり腰のような症状も出てくる。
ということで、以前点滴治療を受けたことがある病院へ。
ハシゴですが、まぁしょうがない。
で、これがものすごく汗をいっぱいかいて
熱をたたき出すって言う感じの治療なんですね。
みるみる熱が下がっていくのが、汗かきとともに実感できる。
まぁ、薬で無理矢理なんで、あんまり好ましくはないのでしょうが、
熱が下がると一緒に、あれを食べたい、これを食べたい、
っていう妄想が浮かんでくる(笑)。
なぜか、調理パンや、あんパンが食べたいという気になりました。
点滴治療は約3時間ほどかかって、
で、病院の近くのパン屋さんでくだんの調理パンを買ってきて
いま、ようやく家にたどりついたところであります。
なんとか熱が下がったので気分はだいぶ楽になっています。
なによりこうしてブログの更新を思い出してパソコンに向かえている。
やっぱり健康でいないと考え方もまとまりませんね。

今週は週末から1週間ほどふたたび出張日程が入っていまして、
その前に片付けなければならない案件も多い。
無理矢理にも風邪には治まってもらう必要があるわけです。
しかし、無理は禁物。
書き終わったら、ふたたび寝ることにいたします。






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ひと足伸ばして

2009年11月29日 10時30分49秒 | Weblog




木曜・金曜と道東は十勝川温泉で会合に出席。
ということで、せっかくの機会なので釧路から根室まで
しばらくご無沙汰しているところに、と考え足を伸ばしてみました。
こっちの方面は、ホントに北海道らしくて
クルマを走らせているだけでも気分のいい景色が連続します。
とくに厚岸から国道を離れて霧多布湿原方面まで行くと
もうたまりませんね。
マイフェイバリット絶景ポイントが連続いたします。
で、ほとんど人里が見られない、という地域です。
北太平洋なんとかラインとか書いてありましたが、
人跡未踏のような海岸線が連続しているし、
湿原の枯れ草が連続している様は、まさに北海道らしい。

っていうことですが、
そこから国道44号線に復帰して、根室へ向かって走ると
写真のような光景が見られます。
国道沿いにある道の駅で「スワン44ねむろ」。

街の玄関口となる国道44号沿いの、手付かずの自然を色濃く残す環境の中に位置しています。施設に入ると全面ガラス張りになっており、日本有数の野鳥の宝庫「風蓮湖」や「春国岱」が一望でき、タンチョウ、オオハクチョウなどの鳥たちとの出会いの場でもあります。レストランは魚介類を中心としたメニュー、鮮魚コーナーでは新鮮な魚介類の展示販売を行っています。

という施設なんですが、壁面一面に自然の営みが展開しています。
ここでコーヒーを飲まないと根室に来た気がしません。
自然や野生の営みに自分の生体リズムも合わせる時間って、
やっぱり人間には不可欠な部分なのではないでしょうか?
謙虚さや、素直な考え方って、
こういう光景に接すると実に明快にわかる。
結局は自然の前では自分たちは無力で、実にちっぽけなんだと
いつも、気付かせてくれることが大切なんだと思うのです。
そんなことで、今回、道東の日程が入ったとき、
つい遠くまで「ひと足」伸ばしてしまった次第。

おかげさまで、その後、移動は強行軍で
根室から都合、480km超を走破して帰って参りました。
よせばいいのに、のどの痛みもお土産にもらってきまして(泣)、
本日はうがい→のどトローチ→風邪薬→睡眠→・・・
というスケジュールに忠実になっております(笑)。
さて、なんとか早期に治すぞ、っと。





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不景気の中で・・・

2009年11月28日 04時51分01秒 | Weblog




写真は帯広市近郊に忽然と出現したという某医療法人の建物。
なんだけれど、実は建物完成を前に設立に動いていた理事長は
行方不明になっているということ。
岐阜県の方でこの医療法人設立の話が持ち上がって
その理事長とやらが、一般大衆からやれ5万だ、10万だ、という小口出資を募り
この帯広にごらんのような立派な建物を建てた。
ところが、支払の段階になって、
そのような病院設立に向けた動きはまったく見られず、
出資金とともに、理事長は行方不明。
まぁ、ようするに巨額詐欺事件という顛末だそうです。
金融機関は地元の中小で、まったくずさんな話なのだそうで。
建設業者も、総工費10億円ということで、
大変な負債を背負い込んでしまった。
まぁ、不況期、「仕事を餌」にした話に地方経済が食い物にされてしまった顛末。
なんとも世も末、っていうような事件ですね。
一方で、昨年帯広近郊の某「森林組合」では
単年度で「儲かった」からといって、
社員10数名に対して、総額1億7千万円もの「賞与」を支給して
地元では大問題になったのだという。
どうも、補助金がどんと入って儲かったから、
そのように支払を行ったと言うことだそうなんですけど、
ちょっと耳を疑いたくなるような事件、
というか、あきれた税金の無駄遣いの実態暴露。
まぁ、どちらもきのうまでの会議参加者からの伝聞での話なので、
わたしとして調査はしていないのですが、
必死に不景気の中、戦い続けている多くのみなさんにとって
まことにいたたまれないような話題のことが続発しているようです。

少子高齢化、低所得層の拡大っていう
現在の経済状況の中で、社会のしわ寄せのような事件が起こっているのですね。
ちょっと前まで、日本は中流階級が非常に多い社会で
普通に就職していれば住宅を取得することができた。
それが、世界的な資本主義競争社会の拡大の結果、
多くの低賃金層を生み出して、世界的な競争への体力を作ろうとした。
小泉構造改革って、そういうものだったのでしょうか。
結果として、多くのワーキングプア層を大量に社会に生み出しているのが
現在の状況なのでしょう。
そういうなかで、国がこれまで推進してきた
「持ち家政策」というものが、今後どのように展開できるのか、できないのか。
まさに大きな大変革期が、いまの現状なのだと思います。
さてどうしていけばいいのか、
なかなか、厳しい現状認識が共有された会議だった、という印象です。
でもまぁ、動いて突破口を見つけていく中からしか、
今後の方向性も見えてこないには間違いがない。
ただ待っていて、いいことが起こると言うことはあり得ない。
そう信じて頑張っていくしかないでしょうね。





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初冬の日勝峠越え

2009年11月27日 06時25分04秒 | Weblog




さて、きのうは久しぶりに長距離運転で札幌から十勝川温泉へ。
毎年この時期には、全道住宅ビルダーさんのネットワークの会合です。
到着後は、バスにゆられての住宅現場見学三昧。
お昼12時過ぎから、たっぷり18時前まで
強行軍スケジュールでした。
まだ、パソコンにその様子を移し替えることができませんので、
本日の写真は、ちょっと違う写真で、日勝峠の現在の写真。

勝手知ったる道なのですが、
高速道路・道東道がかなり開通しておりまして
占冠から以東、なんでも「浦幌」まで通れるようになっていると言うことです。
なので、以前、日勝峠越えでこの時期だと積雪しているだろう道を通ることなく
十勝地方にスムーズに行くことができるようになっていました。
開通は10月24日だそうで、
まだ1ヶ月ほどしかたっていないようです。
でも圧倒的に楽になった、というのが実感。
こういう道も、来年度からは無料で通れるのでしょうか、果たして。
っていう次第であります。
これから日勝峠を通ることはさすがに減っていくことと思われます。
で、これからは越えることがなくなるだろうと思うと、
不思議と峠道のことが思い起こされるもの。
長生きになってきたのか、この石狩地方と、十勝地方を結ぶルート、
ついこの間、石勝樹海ロードというルートができる前までは、
大きく日高方面に迂回して、
日高路から日勝峠を目指したものだったのですね。
それがこの路を通り始めたころだったのです。
それが次々と道路ができて、どんどん便利になってきている。
まぁ、長く通り続けた路だなぁと感慨ひとしおであります。
やっぱりだいぶ、歳を取ってきたということでしょうか(笑)。
さて、本日も缶詰めで会議の連続であります。
がんばるぞ、っと。






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東横インは樹脂サッシ

2009年11月26日 05時48分49秒 | Weblog




年間の出張日数はわたし、大体ことしで、60日くらいになるのですが、
ほとんどビジネスホテルであります。
そのなかで、よく利用するのが東横イン。
以前、いろいろコンプライアンスの点で叩かれて、悪いイメージもありますが、
そういう問題は、端的に正せばいい。
それよりもいつも感じているのですが、
窓が、必ず樹脂サッシを採用しているのですね。
そのうえ、北関東以北でしょうか、部屋には
電気熱源と思われるパネルヒーターが設置されているケースも多い。

これって、誰も言わないでしょうが、なかなかポリシーがある。
日本のホテルって、たとえば北海道のリゾートホテルでも
本州地区の一流シティホテルでも、ほとんどがアルミサッシというケースが多い。
インテリアはすばらしく、床にはふかふかの絨毯が敷かれているけれど、
一歩部屋にはいると、なにやらかすかにカビくさい。
っていうような高級ホテルが多い。
あれ、全部、結露被害が原因ですね。
ひどい場合は、窓面木枠から結露水がしたたり落ちていたりする。
そういうなかで、東横インは少なくともそういう様子は感じられない。
樹脂サッシですから、窓も当然ペアガラス。
メインの暖房機としてはエアコンでしょうが、
よくデスクの下などに、電気式のパネルヒーターも設備されているのです。
なので、冬場、たとえば東北地域に出かけるときは
東横インだと、寒さを意識することは少ない。
パネルヒーターは、輻射型の暖房なので、
エアコンから吹き出してくる空気温度上昇暖房と比べて大変マイルドな暖房なんですね。
ホテルなんですから、
顧客の快適性ということを第1に考えて欲しいのですが、
多くの「一流ホテル」では、目を奪っての驚き性は追求するけれど、
そこに一定時間を過ごす肌合いに感じられる快適性に配慮していない。

窓の基準って、日本は大変遅れていて、
ヨーロッパの性能基準がいまや、世界的に標準的になってきて、
当然断熱性能は、数値で厳しい基準適合が条件化されていますが、
いまや、中国や韓国もそういう世界標準を採用しているのに、
日本だけはアルミサッシで押し通そうとしている。
まぁ、窓のメーカー団体とか、
大手ハウスメーカーとか、窓枠の太さを嫌う「デザイン設計者」などの
複合的な圧力で、このような遅れた基準環境に置かれているのが実態です。
民主党の「業務仕分け」で、
こういった日本の遅れている基準なども、ぜひあぶり出して欲しい。

まぁ、樹脂サッシ自体は日本独特に発達してきたものですが、
性能的には、世界標準となんら遜色のないレベルを達成している。
依然として、寒々しい「シンプルデザイン」で
日本の住宅をダメにし続けることは止めて欲しいと思います。
ぜひ東横インに見習って欲しい(笑)。
あ、わたし、東横インから宣伝費、もらっていませんから。





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息子の美術作品

2009年11月25日 06時22分35秒 | Weblog



こどもの授業参観って、楽しいやら心配やら・・・ですよね。
学校というと、楽しく遊ぶところと思っていたわたしのこどもなので、
やっぱり、というべきか、
のびのびと中学校生活をエンジョイしている様子が目の当たりにできて
なんというか、汗が出る思いがするものです(笑)。

っていうことなんですが、
意外や意外、息子の美術の作品が廊下に張り出されておりまして、
思わず、親バカにも、「いいじゃん、これ」
って、唸ってしまいました。
どうも、漢字から連想を膨らませて美術作品にする、というテーマだったようです。
もっともストレートに感受性が表現されていて、屈託がない。
その単純さに、つい引き込まれてしまう。
そんな印象を持ちました。
先生も同様だったようで、日頃のあなたの生活態度からは想像できない、
どうしてこういう絵を描いたの? と問いただされて困った、という話でした(笑)。

そんなことがありまして、
一昨日、坊主とカミさんとで、焼鳥屋さんで食事。
あ、もちろん、飲み物はウーロン茶です。わたしも、ですが(笑)。
カミさんだけは盛大にビールを「ぷハー」っと、やっておりました。
久しぶりに楽しい一時を過ごしながら、
「あの絵、どういう思いで描いたのよ?」って、水を向けてみました。
ふだんはあんまり詳しくしゃべってくれないのですが(泣)、
この日は焼き鳥で上機嫌になったものか、
ふだん考えていることとか、いろいろ話してくれまして、たいへん楽しかった。
どうもあるきっかけでの着想はあるそうなんですが、
丸の筆のかすれ具合には相当にこだわったみたいで、
10数回、書き直してようやく納得できるものができたのだそうであります。
さもありなん、「うん、あそこは凄く良かったよ、父さんもそう思った」
っていう合いの手を入れると、どんどん、考えていることが出てくる。

ついでにいろいろ、勉強のこととか、
前から不思議に思っていたカードゲームのこととか、
いま、少年たちの世界の様子を聞き取り調査することができました(笑)。
っていっても、半分以上は、なんのことやら、意味不明ではあるのですが、
まぁ、おぼろげには輪廓が理解できる、っていう感じですね。
焼き鳥の効果は、かなり期待できるなぁと、
認識を新たにいたしました。
どういうワケか、男同士の話には焼き鳥が似合っている(笑)。
なぜか、本音が出てくるという効果があるのではないでしょうかね。
あ、絵の話がいつの間にか、焼き鳥の話になっている(笑)。





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土地単位とコメ生産

2009年11月24日 08時12分33秒 | Weblog



土地の単位の歴史を調べていて
大変興味深かった。
きっかけは人口を歴史的に推移を把握した本を読んでいることなんですが、
コメを基盤とした経済がいかに日本人の観念に深く根付いているか
その実態に触れて、まさに驚く次第です。

日本は、なぜこんなに計画経済的で官僚制国家的なのか
やはりコメ生産を経済の基本にしている、ということが大きいのでしょうね。
コメ生産は生産収量を土地面積で比較的単純に把握しやすく、
税金の計算も非常に把握しやすかったと思います。
コメの収量単位に1石、という単位がありますが、
それは人間1人の一年間の必要量を基準にしている。
そしてその生産に必要な土地の広さが1反、というもの。
1反は時代によって、コメ生産効率が変化するけれど、大体、300坪。
江戸期の人口推計を見ていると、基本単位である農家の平均的な生産石高は
一軒につき、大体5石を基準的に見ています。
そういう家で、家族数が6人とか8人とかになっているのですから、
税金としての年貢で収奪される分(約5割と考えても)を考えれば、割が合わない。
まぁ、コメ生産だけではない収入方法が歴史的に大きくなってきたのが
日本の経済歴史だから、そういう部分でなんとかやってきたのでしょう。
江戸期に盛んになる商品作物の生産や、農家の大型化による、
養蚕業の副業化など、経済の実際的主体者である自作農は
さまざまな形で、経済活動を営んできたのでしょうね。
税の収奪者と、納税者とのあいだのさまざまなやり取りの経緯
たとえば納税の方法の変化、コメの物納形式から
換金しての銭での納税まで、実にさまざまな納税方法がとられています。
制度の中で、なんとかそれをかいくぐって
いかに自分たちに有利なようになるか、考え続けてきた様子が明瞭。

そう考えてくると、日本の経済運営って、
どうも社会主義的な計画経済的な方向のための方向性のように思える。
お上の権威性の異常な高さ、などの歴史的民族感情は
このような経済構造が大いにあずかっているように思えます。
たいへん面白かったので、しばらくはこの辺の研究を続けたいと思います。





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田植えの芸能化

2009年11月23日 09時04分24秒 | Weblog




写真は室町のころの田植えの様子。
日本の芸能って、ごく初期には朝廷内部で行われる雅楽とかが起源ではあるでしょうが、
基本的に民衆のものとして発展をはじめたのは
室町期くらいの地方の農業生産が上がってくる時期からのように思う。
人口で見ても、平安末期1150年ころの総人口が680万人。
そこから戦国を経て、関ヶ原1600年のころの人口が1230万人。
350年間くらいの間に、ほぼ人口は倍増している。
それ以前、800年ころの人口が550万人だから、人口の増加は急角度になっている。
<資料は鬼頭宏さんの「人口から読む日本の歴史」から>

こういうふうに人口増加が見られてくると、
主要な経済であるコメ生産を中心に、ゆとりが生まれてくるものか。
あるいは、田植えという、一種祈りを込める瞬間に対する「ハレ」感が強くなる。
そういうなかから、自然発生的に農耕儀礼化が進んだ部分があるのだろう。
写真のなかで、労働する人たちをはやし立てるように
扇子を広げてまるで踊っているような動きを見せている人がいる。
原初の姿としては、「田楽」というのはこういうものだったのでしょう。
1年の豊穣を等しく願う思いが凝縮して、
こういった肉体動作を、多くの人間が見続けた既視感が残って、
それを芸能民たちが定型化し、デフォルメして面白さに高めたのでしょう。
自分たちの日常的な動作をテーマにして、それが芸能に高められる瞬間を
たぶん、一般民衆ははじめて目にしたのではないか。
数少ない娯楽の瞬間としての「祭り」の場で
村の広場、多くは神社仏閣の広場で、こういった芸能が行われ、
多くの民衆の共感を勝ち取っていったのではないでしょうか。

多くの古典芸能の中に残されている人間の所作、
カラダの動かし方のデフォルメへのこだわりって、
共通言語としての、肉体言語として大きく育っていったものと思われます。
よく伝統芸能、能や狂言などで、昔の日本人のカラダの使い方が
典型的に表現される瞬間があって、
思わず身を乗り出してしまうほど、至当だなぁと手を打ってしまうことがあります。
田植えは、現代では機械で行われてそれこそあっという間に
終わってしまうものだそうですが、
あれをひとつひとつ手で植えていくというのは
腰も曲がってしまう、大変きつい動作だろうと思うのです。
そういう労働を、できれば浮き浮きと楽しく終わらせよう、
一種の祭事に仕立ててしまおうというのは、大きな知恵だと思います。

っていうことで、本日は勤労感謝の日です(笑)。
まぁ、わたしは勤労に感謝して仕事しているのですが(泣)
そこそこ家庭仕事をこなしながらの一日であります。
明日からは、ふたたび年末進行の作業が再開なんですが、
いっとき、歴史世界にひたっている時間です。






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日本という国のかたち

2009年11月22日 07時46分23秒 | Weblog




最近、いろいろな機会を通して
官僚機構などと接触したり、関係を持ったりすることが多い。
とくに住宅についての補助金などの政策が施行されるようになって
好むと好まざるとに関わらず、関与するようになってくる。
そういう経緯の中で感じることなので、
特定のだれかれ、ということではないと申し上げた上でなのだが・・・。
やはり、東大という存在はものすごいピラミッドを構成していると感じます。
東大が悪いという話ではないのだけれど、
どうしてこういう構造になってしまったかについては、
もうちょっと、論議があってもいいのではないか。

明治までの国のかたちは、
封建であり、身分制が固定された社会が300年間続いてきた。
そういう社会の閉塞感を打ち破ったのが、
明治の維新だった。
そして、明治の政権が基本的な国家戦略として打ち出したのが
教育勅語という大方針だったのは疑いがない。
まことに近代国家にとって、教育は国家の礎石になってきた。
このことは、その後の独立運動に目覚めた民族国家すべてに言える基本だった。
ここまではまったく正しいと思える。
それまでの社会のように、個人の能力と関係なく
生まれついての身分によって生き方が定められている社会よりも
はるかに開放された社会だと思う。

しかし今日、その教育の結果、
東大を頂点とする社会構造が固定化され、
とくに官僚機構トップにおいては、厳然と東大閥が国家を専断している。
かれらは自負心も強く、責任感にもあふれ、
まさにエリートとしての教育も徹底されていて、モラルも一般的に高い。
江戸時代の武士階級が、かれらに置き換わった、と考えればわかりやすいのだろうか。
明治維新も、結局は支配階級内部での政権交代的なものであったように
これからも、こうした構図の中で進行していくのが
日本の国のかたちなのだろうか?
結局、勉強ができる、ということが
すべてにおいて優先される社会が今後も継続していくのだろうか?

別にそれでもいいのだけれど、
そういう判断基準だけで、国が運営されていっていいものかどうか、
まぁ、論議をリードするのも東大だろうから(笑)、
一般庶民は、ただただ、頼み参らせるしかないのでしょう。
まぁ、武士にはどうやってもなれなかったのに比べて
勉強さえして、いい成績を取れば、道自体は開けているのだから、
やはりいい社会といえるのでしょうか。
社会人入学枠というのも東大にはあって、
現にその制度を利用して、50を過ぎて東大に入って活躍しているひともいます(笑)。
さて、どうなんでしょうか?
さっぱり勉強ができなかったひがみが
歳とともに強くなっているようですね(笑)。






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江戸深川下町情緒を探す

2009年11月21日 09時19分43秒 | Weblog




先日の出張では、深川・門前仲町の近くで宿泊。
朝には雨が治まったので、界隈を散歩してみました。
東京都という地域は、狭い範囲にいくつもの雰囲気を持った街が散在している。
ほかの県域とはかなり様相が違うと思います。
ほんの少し、場所を変えるだけでいろいろな街の表情がある。

門前仲町って、来たことはなかったのですが、
地下鉄から地上に上がったら、
いきなりタイムスリップする感覚がある。
江戸情緒の駄菓子の専門店が目抜き通りで商売している。
考えてみれば、驚くほど「ローカルな」地域性を保全している。
ちょうど七五三の時期でもあり、
有名な「富岡八幡宮」境内を歩いていると、
早朝、出勤途中の会社員・OLのみなさんがほとんど、神宮本殿方向に向かって
拝礼をしてから、急ぎ足で会社に向かう光景と出くわす。
え~、いまどき珍しいっていうような印象を抱きます。

いわゆる地方では、その地方性を否定するような風潮の方が強い部分があるけれど、
東京のなかの地域性については、
それが大変尊重されている部分があると思えるのですね。
メディアのものの伝え方が人間の感じ方に大きな影響を与えてきていることの
ひとつの事例なのかも知れませんが、
どうもそのように感じることが多い。
社会というのは変化して行くものですから、
こういう東京一極大集中というようなことが定着して
日本という社会全体がそのような方向に向かっていくのかも知れません。
ちょっと、ずれてきたかなぁ(笑)。

写真は、八幡宮の門前町の中の甘味店。
江戸情緒の感じられる味わいを復活させたら
たいそう人気になってありがとうございます、という案内。
店構えといい、なんとも江戸情緒なんですが、
こういうの、地方でやっていてもなかなか維持できない。
その地域の人口の集積というものが
決定的な文化格差を生み出してきているように思います。
このような一種タイムスリップした文化も
生存していけるだけのゆとりが、この東京の街にはあるのでしょう。
だからといって、地方都市でこういうコンセプトでやっても
けっして成功しがたいしなぁ、という感じ。
そういえば、うどんのユーザー選択式トッピングというのが
東京では一部、受けているようですが、
それをまねた店舗を札幌の豊平で始めた店を見かけましたが、
そういった東京コピーでは、今どきちょっと難しいのでは、
という思いを持ちました。
きょうはちょっと、テーマが複雑になったブログですね(笑)。
まとまりません、申し訳ありませんでした。




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