性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

人類史の「通史」的見方~大英博物館展

2015年05月31日 04時46分50秒 | Weblog
本日は札幌、朝方、久しぶりの雨模様の日曜日のようです。
年を取って夜やすむのがはやくなってきて、反動で朝が早くなってくる。
でもそういう時間は集中もできる時間なので
ブログを書くのに適した時間なんですね。
むかし、日本の貴族たちは日記をしたためたりするのが多かった。
そういう日記が歴史研究の第1級資料になったりする。
鎌倉以前、それまでの京都の中央政権を担っていた貴族たちは
国家運営についての有識故実に通じ得るだけの、学習能力を持っていたけれど
武士の鎌倉新興権力者たちは、そうした教養の背景を持っていなくて
支配の法体系も整備できてもいなかった。
かれらは、漢字の読み書きなども満足にはできず、
守護・国司といった上級連中でも、旧支配者たちとは比較にならないほどの
教育レベルの低さだったとされていたそうなのです。
より実利的直接的な「御成敗式目」などで、実際的な地方における権力行使を
はじめて担うようになって、その実際に接するようになって初めて
被支配階級に対して、「撫民」思想を持って接するという
行動哲学を持つことができるようになったというのです。
そんなことで、まことに知識と学の積み重ねというのは、面白い。
現代ではインターネットという知の世界の進展があって、庶民でも
ある程度は、興味を持つ領域を幅広く知を求めやすくなってきている・・・

あ、横道に大きく逸れた(笑)。
本日は、先日見学した「大英博物館展」のことを書くつもりだったのです。
歴史って、とくに日本の研究者のみなさんは、
古代史とか、中世史とか、それぞれ専門に分かれていて、
いわゆる「通史」としての視点が育ちにくい、というように言われています。
学者の世界でも、「縦割り」の弊害が出ているとも言えます。
やむを得ない部分もあるとは思うのですが、
そういった部分については、最新の学究の研究成果を受け取る読み手の側で
整理と統合的な役割を果たしていく必要性があるのではと思っています。
そんななかでは、「世界を征服した」大英帝国が、
世界中から略奪してきた文物をコレクションしている
この博物館展示は、「通史」という視点を明示してくれる存在だと思います。
このあきらかなエスニシティへの「侵略・略奪」は、どうなのか、
っていう思いがあったので、ぜひみたいとはこれまで思わなかったのですが、
今回、東京都美術館で展示があると聞き、
たまたま行った「鳥獣戯画展」が、3時間待ちとか言われて、
炎天下の行列には耐えられないと、こっちを見学して来た次第。
まぁ、ほんの「さわり」展示なのでしょうけれど、
それでも厳選100点の人類史のベンチマークのモノたちは、
まさに人類とはなにか、という視点を持たせてくれる。
最初期人類の、ハイエナ的な生き様を伝える石器には驚かされます。
他の動物が食べ終わった大型動物の骨からその髄液を飲むために
石を加工した「道具」で破砕したという展示。
なんと、人類の脳の進化にそうした「栄養素」が大きな役割を果たしたという。
そんな展示から始まって、農耕社会と都市の形成が一体であった様子など
まことに「人類の通史」展示にふさわしい。
そして最後近くに展示された、モザンビーク内戦後、大量に集められ
廃棄された武器を使ったアート作品は、やはり胸を打たれました。

100点全部を見終えるのはけっこうな体力勝負でもありますが(笑)・・・。
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住宅投資と資産価値、日米の比較

2015年05月30日 05時56分31秒 | Weblog


さて今週はReplan北海道版の次号6月28日発売号の進行ピーク。
来週の下版を控えて、もろもろ準備してきたことが
一気にラッシュの作業になって来ます。
やはりどうしても、ものづくりには、作業のヤマというのがつきもの。
ということですが、わたしのブログでも、
「日本人の財産、住宅の価値」というテーマなどで、
たくさんの方から反響をいただきました。
わたしは日経の3月4月に掲載の記事を初見以来、考えていたのですが、
思いの他の反響だったので、ふたたび、資料などを集めて
もうちょっと考察を深めてみたいと考えた次第であります。

日経の記事にしても、もと資料はどうやら、
国土交通省が「中古住宅流通促進」という目的に向かって
諮問機関会議などに提起した資料だったようで、
そのなかでも象徴的なのが、上に掲載した資料のようです。
これは、確かにインパクト抜群の表だと思います。
単純に言って、アメリカ人は住宅投資がそのまま「資産」になっていくのに
日本人は、負債になってしまっている現実であります。
で、国としても、こうした資料を作成し発表した以上、
政策誘導として、アメリカの住宅市場を目標にしていこうと、
そのような志向が伝わってくる次第です。
わたし自身も、この不均衡ぶりには、今後考えていく大きなテーマだと
強い思いを持たざるを得ません。
これは民族的な義憤に駆られざるを得ない。
アメリカ人は、自分が働いて入手した住宅資産が、ほぼそのまま
それを信じられるのに対して、日本人は半減以下になるのが現実。
あるいは、結局残る資産は土地だけであって、
建築にはもともと、資産価値はないという事態が放置されてきたともいえる。
1980年前後くらいまでは、投資と資産価値に乖離が少ないのは
戦後の「土地価格の上昇」が与っているように見えます。
その後の「資産価値」のみごとな停滞ぶりは、
同時に土地価格の停滞の実態を表していると見えるのです。
しかし、日本の住宅建築を取材し続けてきた人間として
建築された住宅に価値がないワケはない、という強い思いがある。
問題の基本は住宅が金融資産として機能していないマーケット構造にある。
逆に言えば、その問題点を明確にして、
市場の構造に対して、経済合理性や経済民主主義の概念を
反映させていくルールや慣習を作って行けばいい。

日本人はこうした大テーマが明瞭になると
しかし、その克服に全力で立ち向かって行く民族性も持っている。
坂の上に色鮮やかな雲が見えてくれば、
必ずその高見に上がっていこうとするのだと信じたい。
そんな思いを持って、どうすべきか、ということを
知恵を絞っていきたいと思っています。
日本人の生きる「シアワセ」のために、大きな意味がある営為だと。

追記:
読者の方から、表には「土地コストは含まないのでは?」
という疑問が寄せられました。
きょうは確認の術と時間がないのですが、
国道交通省発表の、図表についての「解説部分」がありましたので、
追記します。

日米の住宅投資額累計と住宅資産額
○ 日本の住宅ストック額(国民経済計算上の額)は、建物価値の減価や早期に除却される実態に即して累積。投資額に比して500兆円程度損なわれている計算。このギャップを埋めるためには、中古住宅における建物評価の適正化、リフォーム投資等による質の向上等が必要。

アメリカ ●ストック額が投資額を上回る理由
資産評価:減耗のある再調達原価で設定
・市場の実勢を反映し、法人税法上の償却(27.5年で償却)よりも、遙かに低い減耗率を使用
・大規模なリフォーム投資も資産額に反映
投資がストックとして、少ない減耗で積み上がっているため、
好景気などにより再調達原価が上昇すると、評価額が投資額を上回る。

日本 ●ストック額が投資額を大きく下回る理由
資産評価:減耗のある再調達原価で設定
・我が国住宅の実態を反映し、築年数の経過で急速に減耗する計算
・価値の減耗、統計の未整備等により、リフォーム投資も資産額に織り込まれ難い。
投資額累計に対し、資産額が500兆円程度下回る。

引用以上

まぁ要するに、アメリカと日本で、住宅の「減耗率」のとらえ方が
まったく違いがあるようです。アメリカでは法定減価償却年数を
27年とみる法人税法上の会計基準があるけれど、
それとはまったく違うように、より資産保護の側に立って
住宅資産を査定するのに対して、
日本では、法人を対象とした国の会計基準そのままに、
それも日本の住宅の一般的な劣化速度を勘案して
22年と短く耐用年数を決めて、その「減耗率」を設定しているという。
極言すれば「不動産業」の業としての未成熟が引き起こしている
民族的損失である可能性が高い。


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北海道は日本住宅革新のフロンティア

2015年05月29日 05時27分47秒 | Weblog
さてきのうは、ブログに書いたとおり、
北海道の「北方型住宅会議」に参加しておりました。
日本の一地方政府としての北海道は、しかし、こと住宅政策という側面では
好むと好まざるとに係わらず、日本の住宅について
きわめて先端的な役割を果たしてきたと思います。
全国レベルでの省エネ基準の策定に当たっては、その基準作りで
先導的な役割を担い続けてきました。
他地域とはかなりレベルの違うQ値1.6という地域基準を
国に対して示し、ある意味、戦い取ってきた側面もあったのです。
いまも、地域を代表する形のメンバーが、まさに中核的メンバーとして
国の制度設計の根幹に関わっている。
わたし自身、「北海道R住宅」というリフォームについての
地域基準を策定する会議のメンバーとして
制度設計、組織作りにまで関わってきた経験があるのですが、
なるほど、行政サイドが本当に真剣に取り組むと
こうまで現実を「変えられるのか」ということに驚愕した経験もある。
リフォームでの「ローン」について、地域としての住宅性能認証である
北海道R住宅基準について、その会議に地域銀行を巻き込んで
話し合ってきていたのですが、その銀行担当者が頑張ってくれて
なんと、リフォームローンで新築と同等の35年ローンを創設してくれた。
その流れでいまでは、ZEH住宅に対して40年ローンも作ったそうです。
工務店の担い手組織作りにしても、なんとか形になるように
地域の有力ビルだーさんたちを巻き込んだ組織を立ち上げてきた。
そういった北海道の熱気に満ちた論議が話題になったのか
途中からは、国土交通省からも住宅担当者が傍聴人として参加してきた。
住宅リフォームについての政策的基準を作るという
一地方政府の役割を超えるような行動に、かれら国交省側も
「どうしてこんなふうに論議展開できるのか、知りたい」
とまで言ってくれていました。
いま、国のリフォームに対しての政策の基本に、いろいろに
その時の論議が形を変えて盛り込まれてきている事実もあります。

そういったまさに「フロンティア」としての役割を
北海道という地域全体が、こと住宅という部分では担っている。
先人のみなさんがさまざまに努力してきたことを
いま旗をつないで、次世代にこういう住宅フロンティアスピリットを
受け継いでいく使命が、わたしたちには課せられていると思っています。
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日本人の財産・住宅の価値

2015年05月28日 06時03分57秒 | Weblog
本日、わたし、北海道の「北方型住宅会議」というのに出席します。
北海道の住宅政策についての基本になるものであります。
ということもあって、「北海道の住生活を取り巻く現状と課題」といった
文書を読み込んだりもしているのですが、
いつも考えが及ばざるを得ないのが、表題のようなこと。

わたしたちは一生懸命に考えて、いい家を推奨しようと努力もするわけですが、
その一方で、日本の住宅の資産価値というものは一向に上がらない。
日経新聞WEB版3月3日号では、
「日本の家、なぜ資産にならない」と題した記事も掲載されています。
<編集委員 谷川健三>という記者署名記事です。
そこでは不動産流通業界の中古住宅売買情報の「囲い込み」が
閉鎖的な情報環境をもたらして、住宅価格を頭打ちにさせるように
機能している、というような悪玉論が展開されていました。
このことにいろいろな意見はあるでしょうが、どうも違和感がある。
問題の本質は少し違うのではないか。
同じく日経新聞4.27号<有料会員限定記事>では、
「日本には通常20~25年で住宅が無価値と評価される<慣習>がある。
約40年で(日本人は)900兆円を住宅投資したが、実際に資産となっている
評価額は400兆円弱。アメリカでは評価額が投資額を上回っている」
という、ごく正常な感覚の記事が掲載されていた。
モノとしての住宅が世界標準と大きな性能的な差異があるというのは考えにくい。
ドイツですら、一般にある既存住宅は断熱付加がむずかしい古いレンガ造が中心。
アメリカの住宅性能というのも、まぁ日本の温暖地住宅とさして変わらない。
いずれも力任せに全室を暖房して、暖房エネルギーを爆使いしてきて、
エネルギー国家戦略的な瑕疵になってしまって、
ドイツなどそこから猛反省して、住宅性能基準を世界一にした。
なぜ日本で評価が半減以下になるのかと言えば、
財務省令で木造住宅の耐用年数を
22年と定めていることが影響したとされている。
戦後の混乱期に建てられたような劣悪な住宅を
基準にした考え方と思わざるを得ない。
そうでなくとも、会計の評価基準と住宅の価値は本来、自ずと違うだろう。
そういうなかで、地域として住宅性能向上に取り組んできて
Q値1.6という地域基準を持ち、ここ十数年、平均値として
世界でも有数の住宅性能先進地である北海道の中古住宅の価値は
しかし、そのようにはまったく評価されていない。
「評価軸」自体がおかしいのではないか、というのが正常な感覚ではないか。
逆に言えば、この評価軸が変われば、日本の国富、日本人の財産は
一気に世界最高水準になるのかもしれない。
もうすでに会計的には無価値とされるわが家ですが、
十分な住環境をわたしと、家族にもたらせてくれています。
そういう当たり前の評価を住宅に適用するように、政府サイドも努力すべきだ。
もうちょっと、じっくり書きたいテーマなのですが、
みなさん、いかがお考えでしょうか?




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Facebook友達1,000人に

2015年05月27日 05時50分58秒 | Weblog
きのう、気がついたらFacebookの友達が、999人になっておりました。
昨年の8月か、9月ころから
高校同期の情報交流のためのFacebookグループを立ち上げて
そのきっかけからSNS利用に積極的になりまして
どうせ毎日更新のブログも書いているのだから、その拡散の意味もあって
情報の輪を広げるようにしてきました。
おかげさまで身内ではない方から(笑)めでたく1000人目の申請もいただいて
きのう、大台に無事、到達いたしました。

SNSの使い方は人それぞれでしょうが、
わたしの場合は、毎日のブログの更新に対して、
双方向性メディアらしく、いろいろコメントをいただくケースが増えてきています。
まことにありがたくも、自分の考えに対して、それをもう一歩進めてくれる。
そういう「背中を押してくれる」機能っていうのが強いと思います。
いろいろな方の声が気付きをもたらせてくれるワケですね。
書いたブログに対しての反響から、世の中の関心事項を再確認し、
そこからまた、自分自身の思索が広がっていく、というケースが多い。
書き続けることに、強い動機も与えてくれました。
そういう意味で、1,000人というのは、ひとつの節目にもなってくれます。
最近では、現実に初めて会う方からも、
「Facebookで」と枕詞のように声を掛けていただくケースも増えています。
けっこう、中身も読んでいただいているようで、
直接、感想やご意見を聞かせていただく場合もある。
まぁ、現代でしかあり得ないコミュニケーションのかたちですね。
また、このFacebookを通して現実に知り合うケースも増えています。
人数自体にはそれほど大きな意味はないでしょうが、
これもまたひとつの契機にして、
より多くのみなさんとの会話、対話ができていけば、シアワセだと思っています。
これからも、みなさんどうぞよろしくお願いします。
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健康と住宅性能、近畿大・岩前篤先生講演

2015年05月26日 04時58分16秒 | Weblog


どうも最近、講演の取材が連続しております。
先週末の首都大学東京・星旦二先生に引き続いて
今度は札幌で、近畿大学・岩前篤先生の講演であります。
なんですが、講演のテーマについては期せずして
「健康と住宅性能」ということに収斂できるお話しで、
いま、このテーマに興味や関心がほぼ集中してきている様子が見えます。
1枚目の表現内容など、大きな方向性は同一性を感じます。
2020年の省エネ基準義務化に向けて、
たぶん、全国の工務店ビルダーさんの関心が大きく高まってきていて
そういうやや追い詰められた心情に、頼りになる説得力を欲しい
っていうような欲求が高まっているのか、というような気が致します。

主催は樹脂窓の3重ガラス化で市場に革新を投入したYKKさんで、
ここのところ、相次いで講演会などのラッシュであります。
全国でこうした企画が目白押しだそうで、
札幌からキックオフで、全国を縦断するように開催されるとのこと。
このような「断熱強化」にシフトした普及促進が
大メーカーから情報発信されることは、
これまでの北海道での住宅性能向上努力からするとある種の驚き。
北海道や東北など寒冷地での標準的な話題が
そのままスライドしてきているように思われる次第。
なんですが、盛りつけられるメニューは同じでも
味付けには変化の兆しが見えてきている、ということかも知れません。
それが「健康と住宅性能」という切り口であるのかも知れません。
いずれにせよ、そういったことは歓迎すべき事と思います。
日本全体という大きなマーケットの地殻変動が始まっているなかで、
これまで北海道が取り組んできた住宅市場革新が
より広く一般化されていく可能性が高い。
こうしたことは、やがて、北海道の住宅デザインがどう変化してきたか
そういったことに興味が向かっていくと思うのです。
同じ日本人的な感受性が、こういった性能向上された住宅環境の中で
どのように空間デザイン的に「反応」してきたか、
そのような形での、日本の住まいのめざす方向性の
ビジュアル的な、「わかる形」がやがて求められてくるように思います。
みなさん、いかがお考えでしょうか?





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健康と長寿への行動学

2015年05月25日 07時09分31秒 | Weblog


さて、5月22日の仙台での首都大学東京・星旦二先生の講演報告です。
先生は医学と建築工学の両方にまたがる稀有な存在。
学究でありながら、一面で叩き上げのような側面もお持ちで
話題展開の説得力に引き込まれるパワーを持っています。
最初に、最近大きな話題になってきている
ピンピンコロリ(PPK)という高齢者の生き方について触れられます。
反対概念は、ネンネンコロリ(NNK)。
長く生きたとしても、病院や介護の世話になって寝たきりを続けるのではなく
死ぬ直前まで元気で、健康な暮らしを謳歌して生きる、
そういった行動的な長寿を生きようという主張であります。
まことにわかりやすく、同意できるお話し。

先生のお話でも枕的に触れられていましたが、
日本の総医療費は約40兆円というビッグサイズ。
このお金をどのように削減できるのかどうかは、
日本の将来にとっては、きわめて大きなテーマになると思います。
もちろん近代医学の進歩によって、
さまざまな病理が解明され、長生きの条件が解明されてきたことは事実。
しかしながら、同時に血圧降下剤などの消費量が世界の半分などという
かならずしもエビデンスが明確とは言えない領域で
国富が消費されてきているのも事実。
「病理」に主体を置く医療投資ではなく、
「健康に生きる」ための投資を進めていこうと主張されています。
そのためのもっとも有効な手法は、住宅が健康を支える環境になること。
住宅性能の革新が、こうした「健康長寿」社会にとっての
不可欠なインフラになるということについては、
まことに深く同意させられる次第です。

先生の講演の内容全体については、
さっそく内容をわかりやすくテキストに変換し、
資料画像などとも照合させて、広報拡散していきたいと考えています。
どのような発表方法になるかは、今後検討していき、
適切な手段で多くの一般のみなさんにお知らせしていきたい。
これも、「行動学」の一環ですね。

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やっぱラーメン、サッポロよりも仙台かなぁ

2015年05月24日 07時41分05秒 | Weblog
本日は、きのうのブログの続きで
東北フォーラムでの首都大学東京・星旦二先生の講演内容を、と思っていたのですが、
休日でもあり、ややアタマを休めたい。
って、いつも休んでいるかも知れませんが(笑)、
きのうは札幌帰還が遅くもなったので、軽めの話題で失礼。

仙台に行くと、わたしは俄然、ラーメンを食べたくなります。
星先生のご説をうかがって、コレステロール値などの金縛りが解けたこともあって、
ラーメンが食べたくなったのもあるのですが、
普段生活している札幌よりも仙台のほうが、わたしの好みの味が多いのです。
魚醬系でしっかりとした出汁がとられていて、
味付けはあっさりとした薄味っぽいスープが、
ほっそりとした麺にからんで、どばっと数十本単位ですするよりも、
数本の麺を、愛おしむようにすすっていく食べ方の方に、こころがそそられる。
どうもそういった好みには、札幌の店ではお目にかかりにくい。
どこに行っても、これでもかと濃厚な油ギッシュ系のスープで、
肉もこれでどうだ、みたいにこってりとしていて、
麺は、縮れまくっているみたいな店が異常に多い。
札幌の人の中にも、昔の「駅前ラーメン」に郷愁を持っているひとは多いはずだけれど
マーケティングの法則でもあるのか、
やたりそういった味付けの店が多くて、
いきおい、札幌ではラーメン店に向かうことが少なくなっています。
ということで、金曜の夜、軽めだった食事を取り戻すように
久しぶりに酒のシメに「麺柔目」というリクエストとともに、
仙台市内中心部のラーメン店で舌鼓を打ち、
きのうの昼にも、ついつい、事務所近くの「東京ラーメン」というヤツを。
写真のヤツであります。
ここのは、ちょっと麺が太めなのがちょっと、なんですが、
まずまず、楽しくラーメンを楽しめます。
実家がラーメンの添え野菜として利用が広がったもやし製造業だったので、
札幌ラーメンの老舗「三平」をはじめ、まぁ食べ歩いてきました。
って、ながくラーメンを愛してきましたが、
日本人の人生とラーメン、奥行きはさらに広い世界だと思います。

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住まいと環境 東北フォーラム2015総会

2015年05月23日 06時55分06秒 | Weblog
きのうは表題の通り、総会に出席であります。
当会の理事長である吉野博・東北大学教授は、
現・日本建築学会会長として幅広く活動されています。
2年間の任期もようやく終えられることになり、
今後とも、東北フォーラムの活動に注力されます。
学究の先生らしく、会員のみなさんも研究者が中心の研究組織。

審議事項を決定する総会に引き続いて
首都大学東京大学院教授の星旦二先生による
「予防医学からみた住居環境のあり方 ピンピンコロリの秘訣」
と題した記念講演を拝聴させていただきました。
先生の講演は、学究的なものではなく、
むしろ、聞く人に対話的にユーモア一杯に問いかけていくスタイル。
なんと、聞いている質問の答が
パワーポイントの画面にそのまま出ているのにもかかわらず
遠慮なく、聞く人に答を聞いてくる(笑)。
そのおかしさについつい釣り込まれて、話題に集中してしまう。
あとで、先生に聞いたら
「わたしの講義は、学生たちの人気で常にトップランク」
ということでした。
面白く、を心がけている人は、聞く人のこころに響いてくるのでしょうね。
先生の講演内容については、このあと札幌に帰還したあと、
じっくりとまとめて、明日以降、この欄で
書いていきたいと思います。
先生からも発表・拡散について、積極的な了解をいただいております。

その後、東北フォーラムの毎回の形式である
各会員の2分間スピーチでの近況報告会(写真の通り}など。
このスピーチ集は、何回か参加してみるといいですね。
2分間と言うことで、言うべきことのポイントが限りなく圧縮されて
発表する側でも、絞りきったコメントだけになる。
そのあとに懇親会があるので、興味を持った人には
あとで、「あれは、どういったことなんでしょうか?」と
声をかけやすく、ポイントも絞れているので、話に無駄がなくなる。
知らず知らず、中身の濃い情報交換が可能になってきます。
ということで、星先生とも3次会までご同行させていただき、
人となりも含めて、深く情報交換させていただきました。
ありがとうございました。


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暮らしていくシアワセと、北海道移住希望

2015年05月22日 06時06分44秒 | Weblog
NHK朝ドラでは、あまちゃんの成功を踏まえて、
今回の「まれ」でも、地方と首都圏の対比で、「住む」ということが、
大きなテーマに設定されてきているのではないかと思っている。
日本人の意識構造の中で、別に年齢に関係なく、
「どこに住んだらシアワセになれるのか」というテーマが
大きくなって来ているのではないかと思う次第。
まぁもちろん、これまでも一貫して大きな問題だったけれど、
そういうことについて、けっこう具体的な問題として考えられる人々が
徐々に増えてきていることを表しているのではないだろうか?

そんなテーマでものを考えていて、
「住生活基本法と北海道」という、道庁がまとめた資料を見ていて
図のようなデータを発見した次第であります。
このような国民意識調査のようなものは民間企業では不可能なので
たいへん参考になります。
母集団措定として、三大都市圏に住む40代以上というようになっている。
「移住」というテーマなので、まぁ妥当性はあるのでしょうね。
そうした人の中で3.3%ほどの人が
「かなり具体的に移住を検討している」とされ、
実数で72万人以上となっています。
そのうちの「検討」割合が、50%を超えていて、
「大いに検討している」割合が、25%近くになっている。
17.7万人が、具体的に北海道を移住先として
希望している、となっているわけです。

これまでの社会は、戦前までの地縁血縁関係が主体だった時代を超えて
資本主義高度成長時代に、「職縁社会」というのが完全に根付いて、
首都圏集中が進んでいくと思われたのですが、
その「職縁社会」からの離脱が具体的に見えてきて
「暮らしていくシアワセ」というものの価値観が高まってきている。
クオリティオブライフ(QOL)というようなことなのでしょう。
この「暮らしていくシアワセ」というと、すぐに
「ライフスタイル」的なとらえ方に直結していたけれど、
もうちょっと幅広いとらえ方の方が、現実的なのでしょう。
たしかに人口高度集中地域での「生きづらさ」は確実にあり、
そしてその対極としての「自然に浸って生きる」みたいな願望はあるけれど、
そればっかりでもなくて、やはり利便性は基本ではあるみたいに。
まぁ、「なんちゃって自然派」みたいなのが、透けて見えてくる。
こういう新しい日本人の生き方について
やはり主導しているのは、団塊の世代なのだろうと思います。
最初に戻れば、あまちゃんのヒットって、
団塊の世代の柔軟性の高さに、ようやくNHK朝ドラがフィットしてきた
っていうようなことを表現していたのかも知れません・・・。
って、なんか整理がまだついていないようなテーマですが、
面白そうな事業分野研究テーマではないかと
思い始めております。
住宅とか、住む、ということの価値観は、
こういう人間主体の意識変化によって、変化の振幅が大きくなるでしょうね。

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