三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

給湯装置~能代の家.3

2007年01月31日 05時47分06秒 | Weblog

京都議定書から離脱したブッシュ政権、何を言い出すかと思ったら
こんどはとんでもない「地球温暖化防止策」を打ち出したそうですね。
宇宙ステーションに巨大な鏡を作って、太陽光を反射させて、
地上に降り注ぐ太陽エネルギーを1%削減させよう、という計画なのだとか。
石油利権がそのままアメリカの政策になったようなブッシュ政権の
体質を良く表現している提案だなぁと思います。
その実行可能性とかは、わかりませんが、
エネルギー消費の削減などという面倒くさいことは絶対にイヤだ、
というような、わがまま放題の本音だけはよくわかります。

っていうような話題になると、本旨がずれますね。
この家では、給湯の熱源としてメインは屋根に取り付けた温水ソーラーを
利用しています。
太陽熱で温水を温め、足りない分は写真右の灯油ボイラーで沸かして
家中の温水に利用しています。
能代は日本海側に面した街ですが、比較的積雪は多くない地域。
ただ、そうはいっても冬場の日射量は太平洋側のようには行かないと思います。
お湯は、どんな気象条件でも生活には欠かせないので
気象条件のみに依存するエネルギー利用では生活できません。
こうした合わせ技が現実的なスタイルでしょうね。
その地域の自然条件に合わせて、最適と思われるエネルギー取得の手法が
それぞれ探求されていく必要がありますね。
札幌なんかまでくると、こういうソーラーパネルはどうなんだろうと
躊躇するケースが増えてくる。
冬場の積雪と、日中の日射しによる融雪、それがさらに温度低下で結氷する、
という条件になってくるので、難しい面があると思います。
やはり秋田県は、比較すれば札幌よりは温暖なのだなと、思いますね。
しかし、こういう工夫を聞かせていただけるのは、
大変共感できて、楽しい思いがいたします。

太陽光反射鏡もいいけれど、
やはり地道な日常レベルでのエネルギー削減努力がベースであるべきです。
石油の値段を上げるのが目的だったといわれても、仕方ないような
政策の連続だった気がします。
21世紀初頭の世界をリードしたかれ、ブッシュの評価は、
さて、どういうことになっていくものなのでしょうか?
超大国アメリカとの付き合いを考えれば、妥協もしなければならないけれど、
困った政策のツケは、どっかにしわ寄せされてくるだろうと思います。
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がっしりとした壁厚~能代の家.2

2007年01月30日 06時09分36秒 | Weblog

きのうから札幌は雪が降り続いています。
暖冬暖冬と、言っていたのがウソのような降り方。
おい、まだかよ、というような状況です。
これはちょっと、まとまって大雪が来た感じですね。雪かき、何度やらされることか?

ということですが、きのうからの能代の家。
きょうは中の居間の様子の写真です。
暖房は、真ん中にある薪ストーブを使用しています。
これ1台で、基本的には全館暖房が実現しています。
というよりも、室内にいるともちろん気づかないのですが、
壁の厚みが、全然レベルが違うのですね。
左側に窓の周囲の写真を載せました。
壁の断熱厚みは230mm。構造材は通常の105mm角のものなのですが
間柱には、なんと2×10を使っています。
構造材の105角には2×6を足すことで、面を揃えて
内装ボードとしているわけです。
こうして出来上がった230mmの壁に対してGWを充填し、付加断熱を内側でしているのです。
この家では、性能面を考慮して窓にも木製3重ガラス入りサッシを
使用していますから、重厚感と厚みも調和していますが、
もし、樹脂サッシを使用した場合には
相当の壁厚が強調される窓まわりになりそうです。

窓の下には地下室との空気対流を計るスリットが設えられ、
また、薪ストーブの煙突周囲、階段室なども上下の空気環境一体化のため
吹き抜けにしています。
壁の重量感はなるべく存在感を感じないように、
白く塗装されて、白木の質感そのままの秋田杉との調和を考えたインテリア。
たっぷりの太陽光が室内にふりそそいでいましたが、
その温もりだけで、十分な暖かさが維持されていて、
1月末の時期でしたが、暖房は入れていませんでした。
このあたり、自然を感覚しながらのシンプルなすまいが実感できます。
建築の性能向上が、自然エネルギーをもう一度、活用させる方向で
進化を遂げつつある実感を持つことが出来ましたね。
(明日以降に続きます)
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自然エネルギー活用~能代の家1

2007年01月29日 05時56分52秒 | Weblog

前日、命からがら移動してきのうは秋田県能代市で取材です。
地元ビルダー・池田建築店さんの見どころ一杯の家。
基本設計は室蘭工業大学・鎌田紀彦先生で、
壁の断熱厚さは、230mmにもなるという省エネルギー住宅です。
実にさまざまな取り組みを行っている住宅なので、
何回かに分けて、ご紹介します。

写真撮影に合わせてくれたようにこの日は好天。
ごらんのような青空が広がっておりました。
左の写真は南側・道路側からの外観。
地元らしく、秋田杉がふんだんに使われている、というか、
構造材から、針葉樹合板まで、すべて地元の材料が使われ、
外壁にもたっぷり使われています。
窓は木製3重ガラス入りサッシ。
で、よくみると、左右に見慣れないガラス被覆の装置が取り付けられています。
「あんまり、技術公開したくないんだけど(笑)」
といいながら話す、池田さんの説明に聞き入りました。
右側がその詳細なんですが、これは太陽熱の集熱装置なんですね。
南面に向けられたこのガラス集熱体に、下部から空気を導入して
ガラスを通して太陽熱で暖め、
2階軒の位置まで上昇させたあと、上部から室内に回して
暖房の補助にしようという算段なのです。
途中に、10cmピッチ程度で空気のストッパーのような
横桟木が取り付けられています。
これは、空気の「たまり場」を意識して作られたもので、
十分な空気滞留をこうして造作することで
温度上昇作用を、より加速させる意味合いを持っているものだそうです。

新住協の永年のメンバーである池田さん、
いろいろなノウハウを結集して、取り組んだ実験住宅。
いわゆる「無暖房」ではないけれど、
自然エネルギーとの環境調和型の住宅であり、
また気候条件がほんのちょっと変われば、たとえば仙台では年間灯油消費が
30リッター程度、焼津(?)を超えると
暖房ゼロエネルギー住宅になる計算の性能値だそうです。
いや、おもしろい。ということで、続きは明日以降に。
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冬の十和田湖超え

2007年01月28日 04時58分23秒 | Weblog

さて、きのうは青森県十和田市で午後に取材をすませたあと、
秋田県への移動の予定。
前日に仙台から八戸までわたしは移動していましたので、
夜からのみぞれ交じりの雪には影響されずに十和田に到着していましたが、
他のスタッフは、到着が遅れました。
ケータイでの連絡によると、東北道と八戸道で事故の発生や、除雪が間に合わないようで
通行止め区間が発生しているということ。
取材時間には大きく遅れるので、わたしとカメラマンで撮影先行。
約1時間ほど遅れて、たぶん昼食抜きで駆けつけてきました。
で、撮影が終わっても、雪は全然降り止む気配がありません。
通常、青森県太平洋側から秋田県に抜ける場合は
素直に高速で盛岡あたりから、秋田を目指すのが安全策なんですが、
高速通行止め情報はそのまんま、継続中。
そこで、地元カメラマンさんの情報を頼りに十和田湖畔を通って、
小坂、鹿角に抜けるルートを通行することにしました。
ずっと雪が降り続く不安な道です。
午後3時から走り始めましたが、途中、大雪で片側通行案内が
見えなくなっている箇所もあって、難渋を極めました。
しかし、景色自体はまさに冬の厳しさを感じさせながら
奥入瀬の豊かな景観をモノトーンで見ることができるもの。
とはいっても、とても写真撮影のゆとりは持てない(冷や汗)。
重たい雪なもので、車にはドン、という衝撃音をともなって、木から落ちてきます。
ようやくの思いで冬の十和田湖畔に到着。
しかし初めて通る道。これから先も不安だし、車を止める余裕はありません。
最近出来たというトンネルを通って、ようやく今度は「休屋」に到着。
ここまでこれれば、というカメラマンさんの言葉だったのですが、
そこからも吹雪の急峻な山道走行がややしばらく、続きます。
道路幅もギリギリなので、たまにくる対向車への注意も怠れません。
ほんとうは、ようやく人間に会えた、というようなうれしさの方が強いのですが・・・。
というような不安一杯の吹雪道走行、2時間半ほどで、ようやく東北道と交差。
秋田県の鹿角に抜けられました。
というようなことで、ほんとうは秋田市まで移動を予定していましたが、
すっかり疲れ切ってしまいまして、
予定を変更して、大館市内のホテルにバタンキューでチェックイン。
合計で走行距離は100kmほどでしたが、
冬道の怖さをひさしぶりに体一杯に体験いたしました(笑)。もういいです。
でもまぁ、除雪は一応、全線してあったので、遭難の恐怖まではありませんでしたけどね。
ことしは北海道も全体に雪が少なくて、
暖冬、ということで、タカをくくっていたのが、
一気に、おもいっきり、肝を冷やされましたです、ハイ。参りました。
写真は、のどかな(笑)奥入瀬の冬景色です。
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落とし物

2007年01月27日 05時43分50秒 | Weblog

朝、飛行場へ向かう駐車場の出迎えバスの中でのこと。
「いやぁ、前のお客さんが車の中に財布を忘れた、って連絡がありましてね」
「え、財布を?」
「そうなんですよ、これなんですけどね」
って、見させられました。
なんか、見るのも悪いような気がしてきますね。
「しょうがない、もうすぐ飛行機飛ぶって言うので、これから届けるんですよ」

で、ふと思ったのだけれど、こんなに親切な国って
地球上でも珍しいのだろうな、と。
確かにこのバスのなかで落としたのは間違いないと確信したのでしょうが
海外で、こういうケースがあったら、
まず間違いなく出てこないか、出てきても中身はまず消えているだろうな、と。
わざわざ、そのお客さんのためにこのバスを飛ばしてまで、届けてくれるのですね。

こういう安全って、日本社会はどうして獲得できたのでしょうか?
やっぱ、歴史的なものが大きいのかなぁと、思いますね。
日本の歴史って、知れば知るほど、中国との関係を抜きにしてはありえない。
しかし、かれら儒教社会では、こういう倫理観の徹底はまず見られない。
イスラムの社会では、盗賊まがいのアリババ、じゃないシンドバットがヒーロー。
さらに、欧米の社会でもこういうことはない。
前に見た「チャーリーとチョコレート工場」っていう映画では、
人間存在の正直さや家族愛の象徴のように描かれた主人公の少年が、
大幸運をつかむきっかけが、
「落とし物」を拾って
それが、なんと世界で5枚しかない大当たりのチョコレートになった、
というストーリーが展開していました。
子どもと一緒に見ていて、「ちょっとこの展開はどうなんだろう・・・」と
思ってみていたら、特段の心理的痛痒もなく、大サクセスストーリーの
起点になっていくのです。
「落としものは、神様がくれたチャンス」なんですね。
このあたり、交番に届けるように子どもに言うか、
単純にラッキーだったね、というストーリー展開に身を任せるか、
日本人社会としては、ちょっと考えさせられる部分でした。

無事、落とし主には財布は届けられたようですが、
やっぱ、お礼はきちんとする必要があると思いますね。(笑)
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屋根の伝統デザイン

2007年01月26日 05時43分29秒 | Weblog

日本ハム・ヒルマン監督ってすっかり北海道に馴染んでいるんですね。
きのう、かれが札幌に到着してから降り始めた本格的な雪。
~けっこう泣かされましたね。合計3回くらい雪かきはやらされるは、
道路はスリップしやすくて、車はあちこちで衝突事故。
という天気だったんですが、
「札幌はこれがいい、雪、シンジラレナイくらい美しい」
って、感想を述べているそうです。(笑)
かれはテキサス州出身ですから、まだ知らないんですよね、雪の辛さ・・・。
とかいいながら、やっぱ、にやりとさせられる言葉。そうです、雪はいいんです。
こういう感想を言ってくれるのは、やはり地元の人間として親近感がわく。
やっぱり頑張れ北海道日本ハムファイターズ、となりますね(笑)。

さて、いきなり写真と違う話題で失礼。
これは先日の山登りさせられた山寺の本堂、立石寺の正面写真。
いやぁ、いいですね。絵に描いたようなGOOD LOOKING。
というような印象を、伝統的な美意識では思う建物。
わたしは、こういうの、そこそこ好きなんですけど、みんなどうなんでしょうか?
こういう、言ってみれば「屋根のビーナスラインによる建築デザイン」って。
屋根の形状としては、入母屋スタイルを基本にして
四隅の屋根の端を、ピンと立てたようなスタイル。
日本の建築の中でも神社仏閣というのは、きわめてデザインに留意した建築。
その伝統的なデザイン美意識がこういう表現なんですね。
こういう屋根デザインを見させて、
西方極楽浄土を現世にイメージさせるという目的だったのです。

まぁ、少なくとも一般住宅ではいまどき、こういう感覚は
採用することはあり得なさそうですね。
しかし、こういう屋根に仕上げるにあたっては
それこそ、入念な大工技術が動員されているのだ、ということ。
こんにちでも、非日常性、という意味では
こういうデザインも、存在価値は高いとも言えるかも知れませんね。
背景の山の緑のなかで、典型的な日本的風景を見せています。
札幌の雪の景色の美しさもいいけれど、
こういう風景が醸し出す雰囲気って言うのも、やはりDNA的に共感する部分がありますね。
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プロ野球労使交渉

2007年01月25日 06時09分46秒 | Weblog

さて、ヒルマン監督もアメリから帰ってきて、
もうすぐキャンプイン。ことしも球春まじかな時期になって参りました!
昨年は「けっこういいとこ、あっかなぁ」くらいの期待レベルで
あれよ、の間に一気呵成に頂点まで駆け上ってくれて
田舎に住んでいても、野球は「民主的」だなぁ、と実感させられたシーズンでした。
まぁ、あんな奇跡はそうは続かないのが自然なので、
ことしは、大変ゆとりを持って、楽しくプロ野球を楽しめるのではないかと、
ワクワクしてきております。ことしも、頑張れ、北海道日本ハムファイターズ!

そんななか、ストーブリーグのダントツの話題提供だったのがオリックスさん。
中村ノリの契約交渉が新聞紙面を賑わせていますね。
というか、インターネットというメディアも加わって、
「世論」というものも、いろいろな変化を見せている状況が現在のように感じます。
まぁ、端的に言えば、どんなものでも「雪崩を打つ」ということ。
以前のアナログメディアだけの時代には、もうすこし世論の反応って
抑制的というか、多様性があったように思うのですが、
いまは、ちょっとおかしいとなったら、すさまじいバッシングですね。
「増幅して、どんどん肥大化していく」というような反応が強い。
で、こういう選手側の不手際、おかしな対応を
経営者側、プロ野球球団側はたいへんうまく利用してきているな、と感じます。

目先の中村選手の活躍への期待よりも
この際、ちょうどいいから、プロ野球球団と選手との年俸交渉を
一気に球団側優位に変えてしまいたい、という思惑が強くなってきていると思います。
中日の福留選手に対して、球団側が「調停」をすぐに言い出しているあたり、
この球団有利のムードの中で、世論を味方に付けてしまいたいという思惑が見えます。
このあたり、丁々発止のギリギリの労使交渉だとも言えますね。
ファンとしては、まずは日本プロ野球がどういう方向で存続していくのか、
ということが大きいので、まずは経営的にバランスが取れるように考える、
というのが、現時点では支持される方向だと思えます。
ここ数年は、そうやって地域密着とかの地道な経営努力を行って、
バブル寸前と思われる、アメリカ大リーグの金満攻勢のなかでの生き残りを
計っていく必要は理解できます。
選手会も、こういう世論に対して、もうすこし敏感になるべきだと思いますね。
あきらかにおかしな交渉態度であった中村選手を、無条件で擁護するようでは
世論の支持は得られないだろうと思います。

さて、すっかりこういう底流としての大きな争点の
シンボルになってしまった観がある中村選手。
当人にとっては死活問題ですが、まぁこれまでたいへんな高給を取ってきたワケですから、
あまり可哀想、みたいな声も出てこない四面楚歌。
税金のこととか考えたら、きっと大変だと思いますけど・・・。
どういうふうに解決していくものかどうか。
きっと、とりあえず最悪を免れて、やれやれよかったね、
というようになるだろうとは思いますが、どうなるのか、先は見えてきませんね。
たぶん、日本社会的にはオリックスが助け船を出して
それを「十分反省した」中村選手が素直に頭を下げて、助けてもらう。
というような筋書きが想定できます・・・。
これだと、厳しい中にも人情もある、大向こう受けのいい結末か、と思いますが、さてさて??
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仙台ラーメン食べ歩き

2007年01月24日 10時44分21秒 | Weblog

まえから気になっていた高速仙台長町インター方面への
国道からの曲がり口にあるラーメン店「D」。
ラーメン店は、その工夫ぶりや店主の気構えのようなモノが
建物の外観に表現されているものですよね。
このあたり、ちょっと難しいけれど
やはり一見さんで入っていく側としては、店構えの印象などが唯一の情報。
角から2軒目のような立地と、その引き込みの感じなどが
なかなかそそられるものがあったのです。
こういう場合、判断が難しくて、
店舗のデザイン関係者の上手さが、店主の味の判断力や
商売人としての判断力と食い違っているときには
食べてみてから、あれ、という残念さが残ってしまいますね。

って、前置きばかりですね・・・。
この店のラーメン、そこそこはいけるんだけれど、ちょっと惜しい!
期待していたこちらの、上記のような気持ちが
すこし空回りしてしまった部分がありました。
基本的には、和風で細麺、その出汁にずいぶんと工夫もしている。
その意味ではわたしの好みそのまんま、見てくれにウソ偽りなし、なんですね。
岩手産銘柄いわい鶏、豚げん骨、三種のこんぶ・野菜など18種類の素材を8時間かけて
丹念に仕上げるスープ・・・。って、いいんでないかい!なんですが・・・、
やはり、味はバランス感覚なんでしょうか、
コンセプトまでは、店構えまでは、その通りと
相づちが打てるんだけれど、ちょっと惜しい。好みがすこし違った部分がありましたね。
たいへん残念。
まぁ、期待が大きかったので、その分のすれ違いなのかもしれませんね。

こういうあたり、建築でも、どんなものでも同じようなことがあるのですね。
注文住宅づくりとたいへん似ている部分があるものだと思います。
なかなか、建て主さんの思いと調和する家づくりって、
現実にしていくのは難しいものがあると思います。
というような思いを抱いたラーメンでした。たぶん、もうちょっとの違いのように思うんですが・・・。
頑張って欲しいなぁ、と思うお店です。
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白っぽいインテリア空間

2007年01月23日 05時35分52秒 | Weblog

ある時期から、シンプルモダンっていう志向性が強まってきましたね。
まぁ、写真のような空間なんですが、
こういう空間へのこだわりっていうのが若い年代を中心に受け入れられている。
若いといっても、住宅年齢的な意味でして、
30代っていうことですね。
住宅はだいたい30代に最初の家を持つというか、
家庭を持ち、その家族生活のために、守るべき生活の拠点として
家を所有するようになるのが一般的。
この30代のみなさんの志向性の中にこういう空間があるわけですね。
取材に行くと、たいへんいいと思いますね。ある種の明快さが感じられます。
シンプルで、装飾的でない、素の空間性、光の移ろいだとか、
その中で逆に、暮らしの機能性というものが浮き立って見えてくるような感覚があります。

かえって精神性の方を感じる部分もあります。
「ごちゃごちゃとした生活感」という部分を排除したい、という気分は濃厚ですね。
っていうか、そういうのだけは許せない、という雰囲気が一般的に多い。
全般に硬質なイメージが強い。
手触りとか、柔らかな質感、という感覚からは遠い印象。
こういう空間への感受性について
最近はあらたな年代論的に、ちょうどホリエモン年代であることから、
ロストジェネレーションとか、いろいろにいわれるようにはなってきていますね。

まだ、手がかりはあんまりないのですが、
こういう白っぽい空間をベースにして、そこからまた、テイストの違いが意識されているように思います。
いえることは、全体としてベースはローコストに出来るだろう、とイメージできる点。
ただし、窓の開け方はメリハリを利かせて
数は絞っている印象がありますね。
たくさんは開けないけれど、開ける方向はどーんと大きく開けるのが基本。
まぁ、歌は世に連れ、じゃありませんが、
人が好む空間っていうのも変化していくモノなんでしょう。
そこで営まれる生活ぶりの変化とともに。
でも、考えてみれば、こういう無機的で生活感のない、
っていう住宅は、やはり少子化の反映とも言えるのでしょうかね。
子育てが始まれば、ごちゃごちゃするのは当然なので、
それでも簡単に片付けられるようなインテリア、という志向が高まるのではないか?
そんな気もします。さて、どうなっていくものなのでしょうね。
いろいろに建てられる住宅を、しっかりウォッチしていきたいです。
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広い家より、使いやすい家

2007年01月22日 06時03分50秒 | Weblog

最近のユーザー動向の中に目立ってきていると感じているポイント。
とくに団塊世代の人たちにとっては、子どもの巣立ちとともに
スペースがもてあまし気味、という事情が出てきていると思います。
先日の、日刊ゲンダイにも、

減築リフォーム 我が家を使いやすく直す
団塊世代の間でマイホームの「減築リフォーム」が増えている。
子供が独立し、夫婦2人の暮らしには広すぎるのだが、
売却してマンションに引っ越すには愛着があるという家を「削減」して、
庭を広くしたり、維持負担を軽くしたりするのだ。・・・

という記事が掲載されていました。
事情はすこし違うけれど、札幌などでも郊外型の一戸建て住宅から
よりコンパクトな住宅を求めるという動きは
この年代のみなさんを中心に広がってきているようです。
逆に、若年層向けにコンパクトな住宅を売り出したら、
買いに来たのは、周辺の戸建て居住者で、
住み替え需要にマッチした、というようなケースも出ています。

長く欧米のキャッチアップ志向が喧伝されてきたけれど
よく考えれば、そんなに広い家って、ほんとうに必要なのか?
っていうような、アンチテーゼが広がってきているのかも知れませんね。
訳あって、床面積の大きい家に住んでいるわが家には
とても良く理解できるお話なんですね。
たしかに大きい家はいいことではあるけれど、
他人に見せびらかすために住んでいくわけでもあるまいし、
人間が住み暮らして行くには、そこそこ管理しうる限度と、
ここちよさのバランスするような面積っていうのがあると思うのです。

ただまぁ、減築するにもお金がかかるので、
急激に需要が盛り上がる、ということはないのかも知れませんが、
こういうニーズ自体は、底を流れるトレンドとして
これからの住宅のありように微妙に作用していく気がします。
<写真は記事と無関係です>
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