性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

学生の匠07_大賞作品1

2007年07月31日 04時57分43秒 | リプラン&事業


さて、先日速報でお伝えした
学生の匠リフォームコンクールの大賞受賞作品のご紹介。
室蘭工業大学大学院工学研究科2年(鎌田紀彦研究室)の青山義孝くんを代表にして、
建築システム科4年の尾崎温子さんと、山内麻梨絵さんの3人のチームでの作品。
タイトルは「バラエティ×ワンルーム」。

以下は、書かれているコンセプトです。
札幌にある築16年のマンション。細かく仕切られた自由度の低い古い
マンションプランを、ひとり暮らし用の魅力的な空間へと変える。
ひとり暮らしする施主にとって、しきりはまったく必要なく、
狭いマンションを出来るだけ広く見せるため、
できればワンルーム空間が望ましい。
そのためには、一般的にイメージされるマンションという画一的で
平凡な空間ではなく、これからのライフスタイルに柔軟に、かつ、
さまざまな雰囲気を作り出す必要もある。
そこで、ワンルームと「バラエティ」という、一見矛盾する要素を盛り込んだプランを提案する。
ワンルームとするために、家具の高さを低くし、
収納をまとめる。また材質にも半透明の素材を使用することで
奥行きをつくり、ひとつながりの空間を演出した。
それらを、傾斜した天井によって統一感を作り出している。
また、棚に工夫を加え、床の材質や段差を変えることで
視覚的・体験的に変化を与え、シンプルな動線上に、
用途に応じたさまざまなスペースを作り出す。生活のリズムに対応した
バラエティある空間をも、生み出すことが出来る。
自由度の高いワンルームと、多彩なバリエーションを融合させることで、
今後のさまざまなライフスタイルに対応することが出来る。

という、たいへんまとまりのあるプランです。
長くなるので、内観パースなどをお見せしながら、
あしたも、続編として、取り上げたいと思います。


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優美な窓飾り

2007年07月30日 06時13分28秒 | 住宅性能・設備



写真は北海道開拓の村に建てられた
「擬洋風建築」にあった窓の外部飾りです。
いまはこういう手の込んだ優美なデザインは無視されがちですが、
このように詳細に見ていると、
このものの建築的な意味合いが明確に見えてきます。
わたしの少年時代、昭和30年代には、なぜか札幌って
こういう「擬洋風建築」が多かったものです。
開拓期の残像がまだ、残っていたということを表しているのだと思います。
そんな建物のあちこちでこういう窓の表情を見ることがありました。
前に気づいた出窓もそうなんだけれど、
こういう窓の外部意匠も、「擬洋風建築」を特徴づけるものだったように思います。
ただし、このように見ていると、けっしてこれらは
デザインを優先しただけのものではなく、
外部からの日射しを調整したり、雨や雪と言ったものから
建物でもっとも弱い部分・窓を守る働きをしていたことが明瞭。
現代でも、最先端の住宅性能を考えてくれば、
こういう部分が果たす役割に大きく注目が集まっているのです。
現代の多くの住宅では、施工の手間を省略するように
こういう手の込んだ手法は顧みられなくなっているのですが、
外部からの日射をコントロールするためには
このような装置でオーニングする手法がもっとも効果的と思われるのです。
また、長期的に窓を保護するためには
やはり水分進入を厳重に防御する、こういう考え方がベストと思えるのです。

こういう明確な役割を果たしながら、
優美なディテールをそのかたちに与え、愛着を演出もしている。
外側から見たときにも、建物に奥行きのある美しさをもたらしています。
目鼻立ちを考えて、しかもその陰影感を強調もしてくれるのですね。
しかも、日射の変化に応じて刻々と表情も変えてくれる。
こういうクラシカルなデザインに、豊かな機能性も見いだせるワケなんです。
よく「効率優先」と、現代を表現しますが、
自然との調和、というこれからの社会を考えていくときに、
知恵は、むしろ、こういう時代のものの方が遙かに優れていたのではないかと
感じられてなりません。


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学生の匠リフォームコンクール07

2007年07月29日 06時58分43秒 | リプラン&事業


きのうは毎年恒例になっている、
「学生の匠リフォームコンクール」の審査。
このコンクールは、住宅リフォームの業界団体である
「Japan Reform Netwaork(略称JRN)」が
住宅リフォームの地位向上と、業界への学生さんたち若者の
認識向上のために毎年実施しているものです。
この手の学生コンペとはまったく違って、
実際にリフォーム工事まで実施する、というコンクールなので、
毎年、リフォーム希望の方を先に募ってから、学生さんたちに考えてもらいます。
ことしの事例は単身居住のためのマンションリフォーム。
そう大きなスペースは必要ないけれど、
でも、自分仕様の空間にしたい、という願いに対する解決方法プランを募るもの。
ことしもたくさんの応募があり、厳重に審査を行いました。
これまでの反省に踏まえて、応募期間をきわめて厳格に絞り、
時間を遅れた作品については、その点をしっかり考慮。
基本的に時間をしっかり守った作品を中心に審査しました。
ことしは、作品の質、施主さんの要望対応力、プレゼンテーション技術など、
総合的な観点から、きわめて自然にJRN大賞が決定しました。
本人への通知を経て、
明日以降、このブログでもご紹介していこうと思います。

しかし、全部で37作品、
審査基本対象でも26作品という応募作品を見るというのは、
たいへん気骨の折れる作業。
毎年、日本建築家協会北海道支部長・圓山彬雄さんに
審査委員長をお願いしていますが、
本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。
審査委員長として、学生たちの作品に対して、
その建築的評価を行い、広い意味で教育の任を引き受けていただく。
同時に、実際的なリフォーム工事としての現実性も踏まえる、
という困難なお仕事をお願いしている次第。
この企画自体、審査委員長としての圓山彬雄さんの存在なくして
ありえない、という思いを強く感じます。
住宅リフォーム業界の願いも理解していただいて、
引き受け続けていただいていることに、頭が下がります。

写真のように、この模様は、
テレビ局も毎年取材してくれています。しかも、工事の進行・完成の様子まで、
一連のドキュメントとして放送していただいています。
北海道の地元を盛り上げようというみなさんの熱意にも、
本当に感謝の念で一杯です。ありがとうございます。
ことしも、折に触れて、この進行の様子をブログでもお伝えしていきたいと思います。


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移住促進策

2007年07月28日 06時18分40秒 | 出張&旅先にて


写真は羽田空港第2ターミナル地下のモノレール構内の電飾看板。
東京モノレールへの広告って、
目的的なひとびとへの集中的告知という意味では、
ちょっと特殊性があって、面白い存在です。
羽田空港の利用客って、1日にどれくらいあるのか、
そういうサーキュレーションデータは調べていませんが、
飛行機での移動中という非日常的なシチュエーションで接する情報って、
ある意味、サブリミナル的に訴求できる部分があるかも知れません。

以前は東京モノレールの車内額面広告を手がけていたことがあります。
そんな意味で、気がついて見るワケなんですが、
今回の出張で、こんな看板を発見した次第。
最近は地方自治体自身が、こういう広告を出しているのですね。
人口の減少に悩む自治体の、数少ない投資対象が移住促進。
そのこと自体は悪くはないのですが、
訴求のパターンが、どうも画一的だと思います。
確かに首都圏や、都会に暮らす人のあこがれとして、こういう心理は存在しますが、
だからといって、移住にまでいたる心理って、
控えめに書かれたキャッチ、「ヒルズ族よりロハス」とか、「100分で着く」っていう、
こういう告知要素だけではない気がします。
地方が、都会に対して、自分自身の魅力を
もっと明確にする必要があるような気がします。
この告知を見ている範囲では、他の地方ではない、
中標津でなければならない理由がどうも伝わってこない。
広告担当者の方と、広告代理店の方に、どうも想像力がイマイチだった気がします。

この広告費が、きっと地方の貴重な財源から捻出されていることを思うとき、
もうすこし、人の心を捉えるような表現を目指して欲しいものだと思います。
移住を、「iju」とかと言いかえるのには、どういう意味があるのかわかりません。
もしかしたら、「iju」という表現がかっこいいかなぁ、と思っているレベルなのか?
せっかくの貴重な投資機会なのですから、
もっと知恵を絞った広告をドーンと、やってほしいもの。
思わず、その元気良さに引き込まれるようなモノを作って欲しいと念願します。
ちょっと、辛口過ぎるかなぁ。(笑)
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格差の問題

2007年07月27日 07時05分02秒 | 状況・政治への発言


もうすぐ参議院選挙。
今回の選挙では、イヤな言葉だけれど、やはり格差の問題でしょうね。
年金の問題が大きく取り上げられているけれど、
その問題も含めて、「公正性」というものが大きく揺らいでいるのが
いまの一番大きな問題だと思います。
将来への展望のない地方の現実と、繁栄する一部地域。
経済って、変化する環境に合わせて、生きていく方法を考える
というような部分が、大きいと思うのですが、
残念ながら、いま暮らしている地域によって、
チャンスのスタートラインが大きく変わってしまった、という社会になっています。
こういう社会では、これまでの価値規範が大きく変わると思います。
これは必然なのだと考えるとすれば、
きちんとその哲学を明示する必要があります。
いまの安倍政権の選挙向けのスタンスは、そうではなく、
現実に地方を切り捨てて来た結果としての「好景気」を
地方にも、すこしは分けてやるよ、と傲慢に言っているように聞こえます。
口先でのごまかしとしか思えません。
比較的に若いのに、こころのなかの退廃ぶりが伝わってくる、
緊張感の欠如した相次ぐ閣僚の発言からは
格差の問題も、「しょうがない」としか考えていないと伝わってきます。
自分は人気があると思っているひとには
格差によって切り捨てられようとする地域の苦しさはわからないのでしょう。

いろいろな意味合いから、今回の選挙は
その結果が注目されるものだろうと思います。
ここまでの、格差を生み出してきたようなシステムに対して
国民の判断はいったいどんなものになるのか、
日本人の民主的なメッセージの結果が知りたいと思います。
このまま、格差を是認するのであれば、
どういう社会規範哲学がありうるのか、その方向も見たいと思います。
天気が良くてレジャーに行きたいとは思うけれど、
そういう棄権も狙っての日程かも知れません。
賢い民主主義のためにも、ぜひ選挙には、行きましょう。
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大正末期の写真館

2007年07月26日 05時01分25秒 | Weblog


先日行ってきた北海道開拓の村から。
しばらく見に行っていなかったら、こんな面白い空間を持った建物が建てられていました。
大正末期、1924年建築で、昭和の半ば、1958年まで写真館として
岩見沢市で使われていたという兼用住宅。
写真スタジオや絵のアトリエとかは、大量のたっぷりと安定した太陽光を求めます。
写真左側は内部の様子ですが、
たぶん、北側に面した屋根を全面ガラス張りにして、
太陽光を室内に取り入れる設計にしています。
日光の変化があまり大きくないのは北側からの光。
南側からの光は強烈すぎるものなのです。
いまでこそ、こういう空間を作ったとしても、温熱環境を犠牲にしないで済むことが
可能にはなっていますが、この当時はそうではなかったでしょう。
しかも、建てられていた岩見沢市は有数の積雪地帯。
屋根はここまで壁に近い急傾斜なので、積雪はしなかったでしょうが、
室内から奪われる熱が雪を溶かし、夜になれば
その水分が結氷して、巨大な氷柱を形成したのでは、と推測されます。
その氷柱の重みを受けたのは、ガラス面でしょうから
いろいろな不具合が発生したことは明白。
はたしてまともに、冬期間、スタジオとして機能させられたのかどうか、
取材は出来ませんが、想像するにあまりある大胆な設計。
まぁ、商業目的ですから、建築的困難は織り込み済みではあっただろうと思われますね。

こういう採光の仕方は、シングル・スラントと呼ばれるそうで、
写真スタジオ建築としては、良く試みられたものなのでしょう。
しかし、当時のみなさんはこういう空間を見て、驚かれたことだろうと思います。
商業目的とはいえ北海道で、こんな大空間を開放的なスペースにしてしまう、
荒唐無稽ぶりに、あっけに取られたに相違ありません。
ガラスは単板ものでしょうから、
いったいどのようにメンテナンスしてきたのか、
詳しく聞いてみたくなったような兼用住宅です。


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東京都心の北海道コーナー

2007年07月25日 05時12分15秒 | 出張&旅先にて


東京有楽町の東京駅寄り側駅前の交通会館に
「北海道どさんこプラザ」っていうのがあります。
北海道がこのスペースを借り上げていて、運営は確かほくでんさんが行っています。
行くといつも大体、ごった返しています。
北海道の食材を中心に展示販売しているので、
食の「北海道ブランド」の強さを実感できますね。
で、この同じビルの3階に今度、札幌市がサテライトコーナーを作りました。
地元企業のひとたちの東京出張時にお使いください、ということで、
LANによるインターネット常時接続環境が完備したビジネスコーナーを設置してくれているのです。
メールでも案内があり、知人からも紹介されたので、
今回、有楽町で知り合いと待ち合わせたときに利用させてもらうことにしました。
スペースは一般用のデスクコーナーがだいたい10坪くらいでしょうか。
隣接して会議室もあって、20人くらいの収容が可能のようです。
デスクコーナーには電源とLAN配線がしてあり、
ノートパソコンを持参すれば、ちょっとした仕事を片付けるには快適。
って、わたしは大体持ち歩いているので、
こういう環境の場所が確保できるというのは、予定とかも立てやすくなっていい。
刻々とケータイで連絡が入ってくるので、
こうした環境も確保できれば、東京にいても仕事連絡がたいへん楽です。
今回は、都合1時間半ほど、お昼前後の時間、利用しましたが、
大切なデータをPCから取り出して加工して、
PDF書類を作成して、顧客先にメール送信したり
会社と連絡を取って、エクセルのデータを更新させたりも出来た次第。
まぁ、出張時ですから、都内のどこに行くかによって、利便性は一口では言い切れませんが、
JR有楽町の目の前ですから、移動のなかの拠点と考えれば、
まぁ、利便性は高いのではないかと思います。
できれば、簡易でいいので間仕切りなどを工夫してもらえば、
より使い勝手のいい、出張時の臨時オフィスに使えると思います。
現状だと、ややプライバシーというか、仕事に集中するのに
気合いが入らなければならない、という感じがありました。
まぁ、フリースペースなので贅沢は言えないのですが、
これからもっと北海道の中小零細企業の方が、東京とのビジネスを活性化させるのに
こういう取り組みは大変いいことだと思うので、
もっと、使い勝手を良くしてもらえば、みんな勇気を出して、
首都圏マーケットを切り開こう、という意欲も出てくると思うのです。
そういう公共投資と考えれば、ごくわずかなものではないでしょうかね。

いつも、公共のことに触れるときは辛口のことになってしまうのですが、
こういう狙いの良いことには大いに拍手を送りたいと思います。
北海道の中小零細企業のみなさん、大いに利用しましょう。


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演劇の青春

2007年07月24日 05時35分54秒 | Weblog


横浜の散歩道で見かけた薄汚れたテント。
関内駅の北側、大通公園に設置してありました。
大通公園って、札幌のシンボルの名前ですが、横浜にもあったんですね。
建築的に見ると、みごとに仮設そのもの。
よくもまぁ、こんなので公共空間の専有使用が認められているな
と、絶句してしまうような代物ですね。
「唐ゼミ」って書いてある看板なので、たぶん唐十郎さんの流れを汲んでいる
学生っぽいみなさんが主体でやっていることは明らか。
早朝、和気あいあい演劇論を戦わせているのか、
それともきのうの練習のことを話し合っているのか、
3人の若者が一睡もしていない感じで、ある熱っぽさを醸し出していました。
声を掛けてみると、市から許可を取って、きわめて安価な料金で
この場所の使用を許可されている、と聞きました。
一様に目に輝きがあって、なにかに打ち込んでいる様子が伝わります。
演目のこととか、聞いたりしましたが、残念ながら公演は見ることができないスケジュール。

わたしも昔、学生の頃、演劇に関わっていた時期があって、
こういう青春の過ごし方をしていたものですから、
今の青年たちも、同じように生息していることに親近感を持ちます。
演劇って、人間ってなにか、という事柄に真っ正面から向き合う部分があると思います。
人間の感情とか、ナマな部分をまるごと表現する、という部分。
それを自分の身体、全部で感受しながら表現するというものだと思うのです。
そのことにこだわって、それを全身で感覚するのに、
やはりこういう異形に身をさらす時期っていうものが必要な気がします。

いまはもう、こういう世界とは縁の遠い世界で生きているわけですが、
ときどき、伝統演劇とか、無性に観てみたくなる根底には、
この青年たちと同質な思いがまだ、からだのなかに残っているんだと思うのです。
こういう非日常的な異形な姿形から、日常の世界に生きる人たちに
どういうメッセージを伝えられるのか、
こういうたたずまいのなかから、どういうメッセージが生み出せるのか、
一度、もう一回、観てみたいなぁ、という気を起こさせてもらいました。


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中国的建築デザイン

2007年07月23日 05時28分11秒 | 出張&旅先にて


横浜中華街のなかの目立っていた建物です。
見せ物的な要素が強い建物ですから、一般化して言うのは
どうか、ではありますけれど、
同じアジアなんだけど、そして、こういう文化は導入したんだけれど、
なぜか、少し変化している部分。
わたしには、どうも、屋根の端部の「反り返りぶり」が違うかなぁと
いつも感じています。
中国のこういう建築では、大体、ピンと反り返っていて、
いわば、立派さを誇示している、という印象。
ひげの端を反り返らせる心理に通じているのか。
それに対して日本のものは、どちらかといえば、優美さを強調表現している。
日本の建築はよく女体のふくよかさにイメージを重ねて
「ビーナスライン」というような言い方をします。
あと、極彩色の色彩感覚も違和感を感じます。
でも、これについては安土桃山の流れを引く日光東照宮とか
仙台の伊達政宗廟所などの建築では、
ほぼ同様のキッチュさが表現されているので、
大きな違いとは言い切れないでしょうか。
時代を経て、風化などで色彩が落剥する度合いで、
日本の方が、雨量が多い分、そのスピードが速いということなのかも知れませんね。

このあたりが日本の方が田舎なので、
競争的な部分が、より少ないと言うことを表しているのかも知れませんね。
権力が一番違うと思うのだけれど、
日本の場合は古代の国家建設の頃は別として、
天皇家が曲がりなりにも存続し続けたのに対して、
中国では王朝が変わるたびに、皆殺しが頻発しています。
中国が独裁型権力なのに、日本はどちらかといえば、調整型権力という感じでしょうか。
日本は西洋型の民主主義を形式上は受け入れやすかったのに、
中国ではいつも「革命」でしか、権力交代が出来なかった。
大国である分、そういう部分の明快さが必要だったとも言えるかも知れませんね。

また、中国では木造の技術がすっかり廃れていて、
ほぼ煉瓦の家にみんな住んでいると、聞きます。
一度、じっくり見に行きたいなぁと考えているところなんですが、
なかなか、出会いの機会に恵まれない中国建築とわたし、です。
みなさん、どんな印象を持たれますかね?


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巨大な隣人たち

2007年07月22日 06時22分54秒 | 出張&旅先にて



やっぱり横浜といえば、ここに来てしまいますね、中華街。
写真は東側に面した位置にある門です。
日本と中国との関係って、本当に長い歴史を背負ってきている関係です。
大航海時代によって、ヨーロッパ世界が世界進出を果たすまでは、
日本にとっての「国際関係」といえば、
ようするに中国との関係が主要なテーマだったことでしょう。
中国という大きな光源の強弱によって、
日本のスタンスは変遷を遂げてきたといえます。
中国に巨大な中央集権国家が成立したことで、
その影響があって、日本にも「国家」が成立したのは疑いがありません。
文字の導入・律令の体制であるとか、仏教による「鎮護国家」など
関わり合いは、かなり直接的です。
第一、「日本」という国号自体、中国との地理的位置関係に由来するそうです。
古来、この列島社会の東端の文化地域と認識されていた
津軽・十三湊を中心とする地域の支配者に対して、
「日本将軍」という呼称が当てられていたように、
中国文明地域に対して、日の本、東側の果てに存在する、という意味なんですね。
日本が朝貢的に国家関係を行った遣唐使のころに
この国号を定めたようです。
そのこと自体も、やはり中国との関係性のなかで生起した。

中国という国家の基本理念は「中華思想」。
皮肉なことに、その基本理念を奉じて国家を作ると、
自分自身も「中華思想」を持たねばならなくなるのですね。
自らが「中華」であって、蛮国はへりくだるべきだ、という。
渤海とのやりとりなどに、そういう関係性が見られるそうです。
古代の外交関係で、東アジア世界ではこのことが難しい関係性をもたらす。
外交関係としては、結局は中国を宗主国として、
自らはその弟分のようになる朝鮮のような方向しかなかったのでしょう。
日本はそういう方向を明確には取らなかったので、
やや距離を置いた外交関係だったと言えると思います。

どうも、中国との関係というと、
こんな歴史的概観が先になってしまいます。それだけ付き合いが長いのに、
同じ文字を使っていながら、英語のようには会話が出来ないという日本の教育環境が、
相手をもっと理解しようという気持ちを起こさせないのかも知れません。
中国の人たちと会話しようとするときに
とっさに英語を選択してしまうというのは、
どうも、同じアジア人同士で、しかも歴史的にも付き合いが長いのに、
どうも、違和感を持たざるを得ないですね。情けないな、と。
みなさん、どう感じられるでしょうかね。


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