性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

立って半畳、寝て一畳

2010年07月31日 08時21分39秒 | Weblog




北海道の南西部から中北西部にかけて
にしんを追って狩猟採集活動を旺盛に行った痕跡遺跡が点在します。
いわゆる「にしん番屋」とか言われる建築ですね。
このシステムは、松前藩の「知行地場所」という概念が淵源のように思います。
北海道は蝦夷地と呼ばれた当時から
漁業資源の収奪が基本的な経済基盤だったでしょう。
松前藩が自分でその権益を差配するようになるのは、
いつの頃からだったのか、
それ以前の和人と現地民との関係は、アイヌ中期などの時期までは
こうした交易品は、アイヌ人などが収穫して和人に渡していたものと思います。
それが、本州地域からの需要の増大にともなって
次第に漁獲量が拡大し、
大規模な漁業権益となってくるようになると、
和人資本が直接進出するようになったのでしょう。
その傀儡として松前政権が存在し、ピンハネ構造を作っていた。
松前では、高級藩士などに漁業権の「場所」を
あたかも「知行地」のように与えていたのでしょう。

時代が下って、
この写真のような漁業施設痕跡施設は
本州から進出してきた資本家による建物です。
こういう施設では、「ヤン衆」と呼ばれた出稼ぎ人労働力を
番屋で寝泊まりさせて使役した。
写真は、その宿泊部分なんですね。
日本の建築寸法は、たいへん合理的なものだと思わされるのが
この写真のような寸法感覚。
ほんとうに「立って半畳、寝て一畳」という寸法そのまま、
畳の縁が個人と公的部分との仕分けになっていますね。
畳1畳は、布団を広げればちょうど一人分の空間。
布団を上げれば、居間として一人分には寸法が理にかなっている。
また、「行李」ひとつに身の回り品を詰めて出稼ぎに出てくるのですが、
その行李を収めるのにちょうど、窓下の収納空間が用意されている。
和室の広さと「押し入れ」という収納装置の大きさ寸法との対比で考えても
まことに合理的そのものの感覚であります。

この畳空間の手前側には土間があり、
そこを一またぎすると、大きな「広間」があり、
食事や語らいの場所として活用されている。
大きないろりがあって、暖房と食事の煮炊きに利用されていた。
こういった「出稼ぎ人」たちの空間体験って
その後の移住者であるわたしたち北海道人にも
ある意味で伝わっている部分があるのかも知れません。
北海道の現在の住宅では、ほぼ一体型の大空間指向が強い。
大きな吹き抜け空間や間仕切りの少なさという
「合理的空間感覚」は、暖房効率と合わせて考えるべき特徴かも知れません。

合理主義のマザーは日本だけれど、
その後の空間感覚は、北海道独自のもの、
っていうようにも言えるでしょうか。
いつも、こういう建物で感じていることです。






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海辺の家

2010年07月30日 07時12分32秒 | Weblog





写真は、松島湾に面して建っている家。
画面中央の白い家なんですが、
複雑な湾入りの対岸側から撮影したものです。
昨年の夏に撮影に行ってきた住宅。
東北では不思議と、海に面した住宅を撮影する機会が少ない。

リアス式海岸の地域では
海辺に建てるのは、地盤強度の面から難しい、
というようなことも聞いたことがあります。
それと比較的に地震被害が多い地域であり、津波の心配から、
出来れば避けるというような事情があるのでしょうか。
しかし、自然環境と住まいという側面から考えると、
市街地では、窓を開けるにも
いろいろな配慮をしなければならないけれど、
少なくとも眺望の面では大きなメリットがある。
松島地域などは、仙台都市機能とのアクセスで考えれば
大きなメリットもありそう。
普段からそんな思いをしていたので、
この住宅は、新鮮な思いをしてみていました。

松島とか、気仙、塩竃といった地域は
狩猟採集の縄文時代から、人口集積の大きな地域だったようです。
暖流と寒流がぶつかる湾入りの多い、気候的に東北でも温暖な地域なので、
非常に有利な居住条件だったのでしょうね。
家の中にいると、そういう自然条件が手に取るように感じられます。
この家は、奥さんの実家がすぐそばに建っている
実家は漁師さんで、それこそスープの冷めない距離でも生活なのですね。
人間は、DNAに刷り込まれるように
生まれて暮らした地域や気候風土に愛着を抱くものなのでしょう。
ただし、現代では経済的な基盤は
会社勤務であって、この家はいわば生活するためだけのもの。
そんなことから、「生活感のない」
まるでホテルのような生活が実現しています。
こういう「生活感が感じられない」ということに
どうも現代人は大きな憧れを持っているのは事実でしょう。
長い年月、経済活動と暮らしというものが強く結びついてきた「伝統的な暮らし方」
に対して、会社勤めが標準的な暮らしになって、
住むと言うことが、比較的に自由度が高くなっている。
会社勤務を優先させれば、あちこちと転勤するのが当然の社会になった。
そんな時代の感覚表現の一種が
「生活感を感じない」という「価値観」といえるでしょう。

世界規模での資本主義大競争時代にあって、
その方向は拡大していくでしょうが、
住宅と地域的経済性との連関性の消失という側面はどんどん、進行していくでしょう。
さて、そういった価値観が
ずっと永続的になっていくのかどうか、
どうなっていくものでしょうか。






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市街化調整区域

2010年07月29日 06時45分50秒 | Weblog




札幌の街を特徴づけるものに
「市街化調整区域」の多さが上げられるのではないでしょうか。
市街化調整区域というのは、
都市計画法(第7条以下)により、都市計画で定められる都市計画区域における、
区域区分のひとつ。市街化区域と対をなす。
同法は、「市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。」としている。
この区域では、開発行為は原則として抑制され、
都市施設の整備も原則として行われない。
つまり、新たに建築物を建てたり、増築することが出来ない地域となる。
体験的に、住宅取材経験から言うと、
そういった地域が、たとえば本州地域の都市とはまったく比較にならないほどに
たくさん残されている、という印象が強い。
全国の平均は10%程度が指定されているのに対して
札幌市では
平成22年(2010年)4月6日時点で
市街化区域 25,017ha
市街化調整区域 31,778ha
と発表されていて、
市の面積の56%ほどが市街化調整区域になっています。
他の都市とか、これから若干比較を試みてみたいと思いますが、
数字的にも、この割合はきわめて高いだろうと思います。

で、写真は、ある札幌市中央区内の住宅の裏庭風景です。
大体、札幌駅までの距離は5kmくらいではないかと思います。
写真画面に占める刈り込んだ緑の芝生が自己管理の敷地であり
そこから延長している山裾は
市街化調整区域ということになるわけです。
この借景は、たとえば東京では望んでも、決して叶えられない。
まぁ、皇居内くらいがかろうじて、でしょうが(笑)、
こういう環境は、どうやっても入手できないでしょうね。
しかし札幌では、全市域の56%がこういった地域なのであり、
意識的に探せば、利便性と自然環境の調和とが
一気に両立させることが可能です。
都市性と言うことでは、東京以北最大の都市環境であり、
商業施設や行政サービスの窓口などの面でも
首都圏とは比較にはならないまでも、
まず、一般的な暮らし方であれば、不足が生じることはありえない。
逆に、自然環境と言うことでは、
こういったロケーションの敷地に住みながら、
夏にはいちばん時間距離で近い海辺・銭函まで30分程度。
冬のアウトドア、スキー場にも10分程度でたどり着ける。
健康を維持して、体を使って楽しむには最適立地。
北海道で航空撮影写真を専門に撮り続けているカメラマンの方が
「北半球でも一番豊かな自然環境」と表したことがある
北海道の大自然とのアクセスが、きわめて容易なのですね。

家づくりでも、
他の地域とすごく違いがある、と感じるのは
こういう数字に裏付けられた違いの部分なのだなぁと
そう思えている次第です。
みなさん、札幌のまち暮らし、どう感じられますか?





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雨上がりのレンガ敷石

2010年07月28日 06時23分20秒 | Weblog





写真はわが家の2階から玄関前の路面を見たところ。
新築の時、って、もう19年前ですが、
敷地と前面の歩道部分にレンガの敷き込みを行ったのです。
目地をモルタルで打ったりせず、
下地に砂を敷いて、その上に敷き込みました。
目地部分は適度にコケが生えたりして
雑草が芽吹くということは、縁辺部くらいで
そんなにメンテナンスを一生懸命にやらなきゃいけないことはありません。
レンガ自体は、そのままでは売り物にならない「ハネ」品ですので
安かったのですが、でも敷き込みの作業は丸1日がかりの作業。
面積は15坪ほどだったのですが、
縁辺部など、切ったりしなければならず、
根気のいる作業でした。

普段は気に掛けることもない日常的な風景ですが、
札幌は昨晩、雷も鳴る土砂降りの雨。
ここんところ、雨がちの日が続いているので
けさ、カーテンを開けた瞬間の路面のレンガ色が目に鮮やか。
鮮烈に目に、美しい色彩が飛び込んできました。
雨上がりなので、補色関係にある緑も鮮やかで
一方のレンガも、乾燥しているときとは違う
なまめかしい湿気を帯びた色彩。
思わず、カメラを握って写真に収めた次第です。

暮らしって、こういうなんでもない景色や素材の変化に導かれるところが大きい。
アスファルトでは、こういう変化は感じにくいし、
さりとて土の露出ではメンテが大変。
そんなことから選んだレンガ敷石でしたが、
折に触れてこうやって、こころに飛び込んでくる。
そういったいわば、背景装置の演出が一番大事な部分なのでしょうね。
主役ではないけれど、
さりげなく季節感を引き立てたりしてくれる。
札幌の四季の色合いの中に、レンガというのはまことによく似合う。
道庁の赤煉瓦庁舎の例を見ればわかりますが、
雪にも、緑にも空にも、実にいい対照を見せてくれる。
地域性とライフスタイル、っていうようなことを考えているのですが、
やはりこういう素材の力はきわめて大きいと思います。








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リフォーム工事金額の1/3補助

2010年07月27日 07時40分12秒 | Weblog





今年度の「長期優良住宅先導事業」のリフォーム部門で
わたしはいくつかの提案事業に関係していたのですが、
その補助金の規定が、当初案から変わっていました。

当初は、比較設計による標準的な試算に基づく、全体改修工事費の1/3以内
とされていました。
比較設計とは、
「提示されている事項をないものとした場合の工事費と
提案された設計による工事費との比較設計により算出する方法。」
とされていて、要するに
提案内容でのリフォームをした場合、
一般的なリフォームとの工事の差額分について
その1/3を補助する、その上限が200万円、という説明だったのです。
ところが、7月12日公開の要領書では、「比較設計による標準的な試算に基づく」
の表記は削除され、比較設計方式は行われないことになりました、とされ
したがって、(補助対象外となるものを除いた)改修工事費全体の1/3を補助する。
というように、変更されているのです。
加えて(算出方法は平成21年度の全体計算方式とほぼ同じ方法であり、
比較設計を行う必要はありません。)というように追記されています。
まぁ、ちょっとわかりやすく書けば、
昨年と同様に「全体工事金額計算方式」(一部対象外工事種目がある)で
その1/3を補助する、その上限が200万円ということなのです。

補助金事業を募集するときの細目が
このように変更されるというのはきわめて異例。
どう考えればいいのか、とまどうところであります。
これは、ユーザー側にとってはたいへん有利な変更であり、
メリットはきわめて大きい。
この変更について、8月4日に国交省側からの説明がある、
ということですが、文書を見る限り
間違いはないと思われます。
どうも、国の政策は振幅の範囲がきわめて大きくなっていますね。
リフォームに対しての国策としての振興策が
きわめて積極的な状況になってきた感じがいたします。
ユーザー側、ことしリフォームを計画している方は、
ぜひ、この制度を利用されることをオススメいたします。

全国的には、新住協の「断熱耐震同時改修」システム、
新住協
北海道内では「北海道R住宅」が、この対象になります。
北海道R住宅

まぁ、業界内的にはびっくりするような国交省の方針転換であります。
どうしてこういう事になったのか、
経緯が知りたいところではありますが、
まずは多くのみなさんにお知らせすることが必要と考えて
このようにお知らせするものと致します。
<写真は沖縄の住宅の塀、記事とは無関係>





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大河ドラマ「炎立つ」

2010年07月26日 07時07分25秒 | Weblog





1993年と言うから、いまから17年前、
NHK大河ドラマとして放送されたのが「炎立つ」。
そのころは、というか、大河ドラマというのは
いつころからか、まったく見なくなったので、
そういうドラマが放送されていることは聞いたけれど、
実際に見たことはありませんでした。

で、その後、仕事で東北に関係するようになって
東北の歴史に興味が湧いて
知らず知らず、このドラマで描かれていた世界にどっぷりと
歴史的興味が集中しておりました。
そういうことで時間があれば、ぜひこのドラマを一気に
見てみたいと思っていたのです。
高橋克彦さんの原作小説は以前に読んでいたのですが、
とくに最後の一作、藤原氏滅亡のくだりは退屈な政治的動きをなぞるばかりで
ドラマ性に乏しい内容になっていて、厳しい。
小説の後書きでも、高橋克彦さんも正直にそのように書いている。
文書に残った史実が乏しくて、
背景調査、歴史把握自体が難しいだろうなぁと思っていました。
それで、ドラマではどのように描いたのか、興味を持っていました。
で、途切れ途切れになりつつ、ようやくきのう、
最後のくだりまでドラマを見終えました(DVDレンタルにて)。

むむむ、でありましたね(笑)。
大河ドラマで、これはないだろうというような展開。
渡辺謙が主演して熱演しておりましたが、
どうにも演技のしようのないような終わり方で、
「おいおい、こうするのかよ」というストーリー。
最後はやむなく、霧の彼方、夢想の世界につつまれて終わるという
大団円の展開。
・・・まぁ、難しいのはよくわかります。
しかし、こういう終わり方で、大枚のお金を掛けたドラマを終わらせるのか、
という残念な思いばかりが残りました。
<調べてみたら、大河ドラマ1回放送分の予算は公式発表で6000万円相当。>
ということでインターネットでの反響を調べてみたら、
やはり、こういう意見が多かったようですね。
このドラマ、最初のほうの前九年合戦のほうはまぁ面白く見られた。
しかし、後三年合戦のほうでは、かなり無理のある飛躍が感じられ、
最後、藤原氏滅亡の描写は、ちょっとどうなのでしょうか。
調べてみたら、原作執筆とドラマ制作が同時進行で進んだと言うこと。
で、最後の章は、原作執筆が間に合わなくて
バラバラに進行していったようなのですね。
であれば、最終章は描く必要もなかったように思います。
前九年、後三年合戦の描写だけにした方が、
比較的に史実をなぞりやすかったのではないか。
以前、福島大学の工藤雅樹先生から
この原作について批判的な意見を聞いていましたが、
まぁご指摘は無理からぬ所と思いました。

まぁ、前後の事情がいろいろ明瞭に想像されて、
歴史記録の乏しい時代を描く難しさを思い知らされました。
まぁ、完全なフィクションというように思い切って
最初からそのように展開させれば良かったかも知れないですね。
でも、大河ドラマでもこういうようなことが起こっていたのだと
むしろ違う意味で、すごいなぁとも思わされた次第です。







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バス見学会~公園隣接の家

2010年07月25日 12時43分35秒 | Weblog





建築家住宅バス見学会、1日仕事終了いたしました。
イベントというのは、大変難しいもの。
参加していただいたみなさんからは「参考になった」「良かったです」
っていうような印象をいただくのですが、
イベントにはいろいろな立場があって、
そういう意味では、たくさんの成果を求めるのは厳しい。
とくに雑誌ビジネスとの両立と言うことでは、
目線的にも難しい部分が出てきます。
まぁ、表現しにくいことも含めて、反省しながら次のステップをと
考えている次第です。

バス見学会もこれで4回目。
今回は4軒の住宅を見て回ったのですが、
写真の住宅は2軒目の住宅。
関東から北海道への移住の方の住宅です。
事前には「敷地が狭い」とか、
「旗竿敷地」というように設計者からの説明がありましたが、
現地に行ってみると、すぐとなりには公園緑地が広がる
まことに緑豊かな環境に建っておりました。
やはり札幌の住宅を取材していて
一番感じるのは、こういう周辺環境の豊かさなのだと思います。
関東などでは、窓を開けると言うことの意味が
北海道での当たり前のことが実現させにくい。
四季折々、自然の変化を感受しながら生活する、
という基本的なポイントが住宅設計の基本要件になる地域と
そうでない地域のズレなり、認識の違いが大きい。
そういう意味では、北海道では
住宅建築はテーマとかが簡単に見えやすい。
そういうことを設計者と依頼者が語り合える素地がある。

逆に言うと、そういった環境ではなく、
明かり取りの窓すら、どのように考えて開けるべきか
悩んでしまうような環境の中、日常的に設計していると、
そのうちにそういった「想像力」も枯渇してきてしまう部分もあるのではないか。
見学しているみなさんと、説明している設計者との
会話を聞いていて、そんな印象を強く持ち続けていました。






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印刷博物館まである会社

2010年07月24日 06時48分53秒 | Weblog





ウチの雑誌は、
凸版印刷さんにお世話になっております。
とはいっても、札幌での話ですので、
東京の本社というのは、はじめて伺った次第。
小石川にあって、本社事務所となっています。
でも登記上の本社は、台東区台東1丁目にあるようですね。
高速道路にすぐ隣接していて
通りの反対側から見上げるほどの高層ビルですが、
外観全景をきれいに見ることはできにくい。
でも、なだらかな曲面を見せて優美なフォルムのビルです。
内部には、エントランスに面して大きな吹き抜け空間があり、
写真のような広場的空間になっています。
こちらの2階でセミナーが行われていたのですが、
その階には、レストランも併設されていて、
来客への利便も考えられていました。

で、驚いたことに
さすがは、日本の印刷会社をリードする存在だけあって
地階には「印刷博物館」まであるのですね。
貴重な印刷の歴史的な遺品が展示されておりまして、
セミナーの休憩時間などに、見学させてもらいました。
 
日本は、戦後の高度成長の結果、
多くの大企業が生まれました。
そういう存在をたくさん生成させること自体が
国家的な目標だったのか、
っていうような思いも致します。
住宅産業のことでいえば、
このことは明瞭で、ハウス55計画という国家事業で
多くの住宅「大企業」の育成が目的的に行われてきました。
明治以来の国家独占資本主義的な、政策誘導の結果、
このような大企業が伸びてきたというのが、歴史的経緯なのでしょう。
市場の整備と、競争の結果、
こういった存在が、経済を支える主要プレーヤーとなってきた。
そして、こういう中で、大企業が
国境を越えて、世界規模の競争の中でさらに成長していくという構図が
基本的な日本の国家戦略だったのでしょう。
中小零細企業は、そういった大企業の活動に刺激を与え、
その成長発展をさらに助けるように
そのように経済が生きて成長してきたと言うことなのでしょう。
ただし、こういった大企業寡占が、
経済の固定化をも招いている要因にもなってきている部分はあるでしょう。
寄らば大樹、的な発想が若い年代に極端にかいま見え、
独立企業的な動きが見えにくくなっている、という状況も見逃せない。
地方零細出版としては、まぶしいような光景であります。

<以下、PR>いよいよ、本日開催です。雨ですが、ぜひご来場を。

「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 開催!
~建築家に「なんでも聞ける」家づくり相談会
「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 ~
◎ 開催日時 :2010年7月24日(土)10:00~17:00
◎ 開催場所 :パナソニックリビングショウルーム札幌(札幌市北区北9条西2丁目1) 3階ショウルーム・6階会議室・7階ラウンジ
◎開催内容
 ●建築家住宅・バス見学会
 ●建築家と一緒にまわるショウルームツアー
 ●家づくりの相談コーナー
 (セミナー/スライド上映/パネル&模型展示/ワークショップなど)
◎参加費用 :無料




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本のデジタル化は・・・

2010年07月23日 06時17分42秒 | Weblog





写真は東京小石川の凸版印刷ビル。
ここで、電子書籍・雑誌についてのセミナーがあって
参加してきた次第です。
講談社の野間さんのセミナーもあるということで
まぁどんな方なのか、という興味もあったのですが、
まぁそれはそれとして、さすがに電子書物の話題は
長期的な販売不振にあえぎ続けている出版業界にとって
大きな変化をもたらす構造変化。
そういう認識が大きく広がっている状況で、
たくさんの参加者が来られていました。
わたしのような人間でも強い興味を持つくらいなので、
やはり多くのひとたちが、固唾をのんで、
この構造変化に耳をそばだてている状況なのだと思います。
アメリカでの状況ばかりではなく、
中国での状況なども報告されていて、
どういように推移していくのか、目が離せませんね。
ただし、まだ電子化の市場性の見通しは不鮮明。
i-Padは、直近の3ヶ月の累計で全世界で374万台の販売だとか。
事実上、雑誌のデジタル視聴はi-Padのみというのが現在の日本の現実ですから
多く見て日本で売れているi-Padはせいぜい5万台。
まだまだ「市場性」を云々するようなプラットフォームとは言えない。
しかし、電子本のリーダーデバイスは秋から
たぶん、爆発的に市場投入される。
Google開発のAndroidOSを搭載したデバイスが目白押しのようです。
Appleにしてみると、デバイスが売れればいいのでしょうが、
情報の供給側で考えれば、まだ市場性は見えてこないのが現実。

そういった動きの中で
不思議だなぁと思っているのが、
著作者や、カメラマンなどには広範に「著作権」が認定されているのに、
その依頼者としての出版社には、特段の権利が認定されていない問題。
産業構造的に考えると、
出版社がなければ、なにも始まらないのですが、
そこは、いわば無資格状態に放置されているに等しい。
結局は市場での認知度とか、専有力のようなものしか、
出版社というものは寄って立つ基盤というのはないのですね。
これは新聞社と比較してもちょっと疑問ではあります。
新聞社というのは、固定資産税の免除とか減免とか、
マスコミと言うことで、けっこう「保護」されている存在。
さらにテレビ局などは、許認可ビジネスそのものであり、
非常に狭い範囲での競争しか起こらない構造。
それらと比較しても、出版の不条理感は強いと思います。
転換期ということで、
さまざまな社会の問題点というのが、浮き彫りになってきますね。

セミナーでのポイントとして
「本と雑誌の違い」という部分が見えてきます。
まぁ、端的にi-PadとKindleの違いというような部分。
デバイス開発の初期からコンセプトの違いがあったと思います。
テキスト中心のコンテンツ対ビジュアル中心のコンテンツの違い。
日本の現在のユーザー状況では
主要な提供コンテンツはマンガ、ということから考えると
本来は、Kindle端末の方が適しているのかも知れません。
価格的にも下げられる可能性が高い。
一方のi-Padは、狙っているマーケット規模からすると
「デジタルブック」マーケットは1割前後の規模だと言うこと。
i-Padにしてみると、本は小さな市場なのですね。
まさに「多機能デバイス」というもの。
さて、どのように推移していくものか、
まだまだ明瞭にはなってきていないマーケットだと思います。

<以下、PR>
「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 開催!
~建築家に「なんでも聞ける」家づくり相談会
「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 ~
◎ 開催日時 :2010年7月24日(土)10:00~17:00
◎ 開催場所 :パナソニックリビングショウルーム札幌(札幌市北区北9条西2丁目1) 3階ショウルーム・6階会議室・7階ラウンジ
◎開催内容
 ●建築家住宅・バス見学会
 ●建築家と一緒にまわるショウルームツアー
 ●家づくりの相談コーナー
 (セミナー/スライド上映/パネル&模型展示/ワークショップなど)
◎参加費用 :無料






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顕熱蓄熱材の家

2010年07月22日 10時23分34秒 | リプラン&事業




さて、今週土曜日は
北のくらしデザインセンターのイベントが開催されます。
建築家住宅のバス見学会を中心に
いろいろな相談が可能なイベントです。
そこで公開される住宅の最後の情報が
建築家の宮島豊さんから寄せられました。

宮島さんは、お父さんが北大の工学部教授という生まれで、
実家のお宅も高断熱高気密技術の実験的住宅。
そういうことで、最先端の住宅環境について
非常に積極的な設計者として知られている存在です。
こういう存在がいるのが北海道の建築家グループのユニークさ。
関東や東北などの地域では
建築家という存在は、特定のひとの幸せな暮らしの支援者、
いわばデザイナーとしての職能と見なされている部分が強いのですが、
住宅性能という、環境系の部分というのは、
いわば透明な、誰にとっても不可欠なテーマを扱う、
それも大きな公共建築ではなく、
個人の責任において建てる一般住宅で、そういうことを考えるという
そのような志向性を持った建築家、というのが北海道には、いるのですね。
今回の公開住宅は
「顕熱蓄熱材」を使った住宅です。
Replan最新号で、座談会で取り上げているのですが、
「壁暖房」という、面白い暖房方式を使っているのです。
いわば、目に見える快適性をデザインすることには
多くのユーザーも建築家も気がつくけれど、
空気感でしか理解できないデザインについて
北海道では、いろいろな挑戦や試行が続けられているわけです。

今回の住宅見学では
この住宅の他にも、3軒の住宅を公開します。
わたし自身も大変楽しみにしております。
また、相談会自体は無料で行っておりますので、
ぜひ会場にお越しいただければと思います。
どうぞよろしくお願いします。

「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 開催!
~建築家に「なんでも聞ける」家づくり相談会
「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 ~
◎ 開催日時 :2010年7月24日(土)10:00~17:00
◎ 開催場所 :パナソニックリビングショウルーム札幌(札幌市北区北9条西2丁目1) 3階ショウルーム・6階会議室・7階ラウンジ
◎開催内容
 ●建築家住宅・バス見学会
 ●建築家と一緒にまわるショウルームツアー
 ●家づくりの相談コーナー
 (セミナー/スライド上映/パネル&模型展示/ワークショップなど)
◎参加費用 :無料






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