性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【京都景観賞(平成26年) 八百一本館】

2017年12月31日 05時57分25秒 | Weblog


さて、年末の気ままな夫婦旅道中であります。
人間はそれぞれ、好みがあるので昨日は午前の部はわたし、
午後はカミさんの好みの散策としました。
で、午後は「京都街歩き」篇であります。
瀬田駅から京都駅に着いてから、地下鉄で四条御池で下りて
そこからあちこちと散策であります。
わたしは、カミさんに一生懸命に京都の街割り、通りを伝えるのですが、
何度言っても、なかなか伝わらない。
「地図を読めない」というワケなんですが、なんどでも話すしかない。
南北と東西での位置関係が、すぐに見えなくなるようです。
烏丸通りと、鴨川などが南北にほぼ「平行」していて、
それに対して四条通り、御池通などが「直交」している、というのが、
なぜか、すっきりと空間認識されにくいようなのですね。
札幌の街割りは京都をまったくコピペしたのですから
わたしなどには、全国一わかりやすいなぁと思えるのですが・・・。
まぁ慣れっこではあるのですが、いつも面白いなぁと思わされる。

でも、審美眼的な空間認識の部分ではいろいろ教えられることが多い。
位置感覚と審美感覚で男女にはそれぞれ得意が分かれているのではと思う。
今回は準備の時間もあんまり取れなかったので、
訪問場所の選定まで話し合うことがまったくできなかったのですが、
この「八百一本館」も彼女のイチ押しでの訪問場所。
平成26年の「京都景観賞」を京都国立博物館を抑えて受賞した。
インターネットで公開されている受賞理由は要旨以下の通り。
〜 青果物を中心とした物販店舗,飲食店及び屋上農場からなる複合施設である。
事業主の株式会社セントラルフルーツは,全国の百貨店に青果物専門店を
展開するとともに,農業生産法人として農業も営んでいる。
建設地は15m高度地区及び旧市街地型美観地区に指定されており,
商業・業務施設と住居が共存し,京町家や近代洋風建築が
歴史的風情を湛える歴史的都心地区に立地している。
建物のボリューム,壁面の道路後退,道路からあまり屋内を見せすぎない窓や
ブラインドの配置等により近隣へ十分な配慮がなされている。
スクラッチタイルを用いた微曲線のメインファサードが,素朴で優しくありながら
力強さも感じさせ,周辺の町並みと一体となり,通り景観の向上に寄与している。
さらに本物の畑土や里山の植栽,樹木を移植した3階の屋上農場では、
一般に開放された遊歩道から四季の農作物の生長や収穫を眺めることができ,
京都の都心部に「農場」という新しい屋上景観を創りだしている。
歴史的な町並みに調和しつつ,これまでにない
新たな優れた景観を創造した,極めて優れた建築プロジェクトである。〜

八百屋さんとして京野菜文化の担い手意識が昇華された店舗。
というイメージを受け取ることができました。
ただ、屋上の「見せる畑」はあくまでひとつの象徴でしょうね。
一品一品の販売商品についてもそれぞれこだわりがみられ、
ずっとみていても飽きることがなく時間を過ごせる。
サツマイモなど、旅の身の上を忘れて思わず買い求めたくなるほどでした(笑)。
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【え、繋がってない? カーナビ頼りの高速迷子】

2017年12月30日 06時30分53秒 | Weblog
みなさんは、旅行に出られたらどういった移動行動を取られますか?
わたしの場合は、だいたいがレンタカーを借りて、あちこち行動したい方。
カーナビが進化しているので、各地の高速網を利用すれば、
おおむね時間節約で行動できるのが最大メリット。
なんですが、やっぱりトラブルも避けられない。

きのうは、琵琶湖周辺の瀬田を朝早く出て、
適当に高速SAで朝食を済ませて、奈良周辺をあちこちと考えて出発。
最近は中途半端に関西の高速網になれてきて
安易に考えてしまっていた。
いきなり瀬田西のICへの道に迷ってしまい、名神の桂川SAを見失う。
どうも「京滋バイパス」を走行してしまった様子。
「でもまぁ、そのうちどっかSAがあるだろう」
と軽く考えていたのですが、どうも借りたレンタカーのカーナビがやや古くて
奈良方面への「木津」ICへの高速が反映されていない。
で、いったん大阪を回ってというルート選択になってしまい、
途中2つほどはPAがあったけれど、トイレだけか、コンビニ店舗だけのもの。
結局空きっ腹を抱えて、最終の「南阪奈道」葛城で下りてから橿原市内の
24時間営業のレストランまで約2時間超のドライブに・・・。
やむを得ない展開でしたが、なんとか、奈良県明日香村周辺中心で楽しい観光。
で、あちこち見たあと、シメで東大寺大仏殿を参観後、
カーナビの導くままに「木津」から高速に乗った。
ところが、最後の「久御山南」ICから先の高速道路をカーナビが認識せず、
高速道路で「迷子」になってしまった(泣)。
途中でカーナビの「古さ」を知ったのでカミさんがiPhoneアプリで
読み上げカーナビをやってくれていたのですが、
それでもとっさの判断が間に合わなかったりしたのです。
結局、いったん高速を下り一般道で「Uターン」という情けないことに。
最後は速度も上げられず慎重運転やや低速走行で、全車に追い越される(泣)。
で、なんとか、「瀬田東IC」に帰着できた。
道中のてんやわんやで、疲労感ハンパなく、食事も心ここにあらず状態(笑)。

あとの祭りで調べてみると、どうも
この最後で迷ったあたりは、各高速間の相互乗り入れが十分でないようです。
高速道路はどこでも「繋がっている」というように信じていたのですが、
一部相互乗り入れできない部分がこちらにはあるようです。
っていうか、連絡が取れてはいたとしてもナビ表示が十分ではないようですね。
まぁ単純な高速網しかない北海道に慣れているせいでしょうか?
う〜む、信じたわたしがバカだった(泣)。
今日以降は、もうちょっと事前調査してから、走行したいと思います。
深く反省、であります。
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【工務店グループ・アース21の本、出版10周年】

2017年12月29日 06時09分17秒 | Weblog
工務店という企業は、おおむね中小企業が占めています。
住宅建築が中心的な営業対象になる。
そうすると、競合相手は大きくは大手ハウスメーカーが対象。
大手ハウスメーカーはなんといっても巨大な資本力を持って市場専有している。
当然、社員教育に掛けられる費用も大きく、
大手の場合、数カ月間も新入社員を缶詰めにして導入教育する。
あらゆる「営業テクニック」を叩き込んだ末に巨大住宅展示場に配属し、
大量宣伝で集客した顧客に対して営業攻勢を掛けさせる。
それほど人生経験を経ない社員でも、大手の知名度で受注が可能だという。
しかし、そこで受注できた件数をもって自分の実力と勘違いして
他メーカーに転職すると、まったく受注できないことに気付くとされる。
ようするに体力勝負的な大手企業の「コマ」であるに過ぎない。
また、情報力も中央省庁などから直接に入手も可能になっている。
住宅についての情報は、全社的に共有され即座にスタッフで組織的に活かされる。
金融とか補助金など営業情報として即、入手活用される。

このような競争相手に対して、工務店が対抗していくためには
「地場」であること、その地域に根ざしていることが最大のパワー。
いわゆる住宅性能についての「差別化」も大きな武器になってくる。
大手ハウスメーカーでも性能に力を入れ始めているけれど、
地場に密着して、しかもまったくの注文住宅的な自由度を持って
なお高性能住宅であるという点では、優良工務店のプライオリティは高い。
しかし、そうであっても大手への対抗という意味では、
さらに「ネットワーク化での情報力の向上」が不可欠になってくる。
ネットワーク化することで、さまざまな技術の共有が可能になる。
こういった狙いから北海道で組織化された「アース21」は大きな成功例。
地域の中でも先導的に住宅技術を研究開発してきた工務店が、
横断するように情報共有のために組織化されてきた。
おおむね2カ月に一度程度、おたがいの住宅現場を公開し切磋琢磨する機会とする。
工務店がそのときどきで解決すべきテーマについて
徹底的に研究する勉強会も重ねてきている。
そしてさらに、ここで紹介するような「情報誌」を年に1度のペースで発刊。
大手ハウスメーカーの宣伝とはまたひと味違った手づくり感で
ユーザーに継続的にメッセージを送ってきたものです。
そうした活動が今回の発刊で満10周年、まことに「継続は力」。
今回は特別付録まで付いている。
付録〔創刊10周年特別企画〕家づくりお楽しみクーポン。
全国的にもきわめて稀な活動だと思います。
わたしどもReplan誌としてもその活動のサポートをさせていただいています。
全国の工務店企業のみなさんにとって、参考になると思います。

2018年1月10日発売 A4版・オールカラー184p(表紙共)
本体価格630円(税込:680円)
北海道内の主要書店、セイコーマート(一部店舗)、Replanホームページにて発売!
WEBでのお求めはこちらから。
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【活気あふれるディナー・フードコート in 京都】

2017年12月28日 06時04分00秒 | Weblog


きのう朝、事務所に出て年末の挨拶を済ませて、カミさんと年末休暇に。
ことしは夫婦ふたりで関西方面でゆったりしたいと。
きのうの札幌は寒気が戻って来てクルマで見たら外気温マイナス5度。
前日までの積雪と融雪で路面が滑りやすい状態で各所で事故多発。
高速入り口、新川インターが事故閉鎖。下道渋滞に巻き込まれながら、
ようやく「札幌北」で高速に乗ったけれど、こっちでも渋滞。
50km規制がかかって、そのうえ先頭は警察車両が先導(!)。
通常1時間見ておけば間に合う千歳空港までのクルマが倍の2時間。
ようやく民間の空港パーキングに入れたけれど送迎バスが一向に動けない。
普段と違ってビジネスではない人たちのピックアップに時間がかかる。
通常15分も見ておけばいいところが倍以上時間がかかる。
で、ようやく飛行場に着いたのがフライト15分前。やむなく走る、走る!
座席などの予約はすべて済ませていたのでチェックインは機械で
スムーズに済みましたが、最終の搭乗口付近も長蛇の列。
航空会社の案内の方に頼んで便を告げたらショートカットさせてくれて、
ようやく最後から数人という搭乗順で機内にギリギリ飛び込めた。
通常のビジネスツアーではこんなピンチには遭遇しませんが、
やはり年末移動には細心の注意が必要ですね。
でもきのうは、通常1時間10分で済む時間に対し2時間半くらいみていた。
それでもアウト寸前だった、ということは倍でも足りないことになる。
本日以降の移動予定のみなさん、ご参考までに。

ということで、ようやく関西に来られたのですが、
来て見たらこっちもかなり寒い(笑)。京都周辺では降雪も始まった。
移動にはどうせレンタカーを利用するので、やや遠隔の滋賀県瀬田にホテル。
県はまたぐけど、京都駅まで電車で17分という立地なので、
まぁ東京の感覚で言えば、上野に泊まって東京・八重洲に行く感覚。
ただ、北海道サッポロでこれくらい中心から離れれば、
街はゆったりとするものですが、さすがに関西圏ではここまで離れても
駐車場などかなり空間的なゆとりは感じられませんね(泣)。
ようやく見学地を調べたらことしも「京都御所」はタイムアウトで27日終了。
きのうはホテルに着いて人心地を付けてからだったので、
原広司設計の大好きな京都駅を見て周辺で軽く食事をしてきました。
駅ビルも数ありますが、京都駅はやはりモダン+(プラス)の感じが楽しい。
食事の方は京都タワービルの地下が写真のような様子で、
にぎわい感がハンパない感じで面白かったのでわたしたちも街に「参加」。
年寄り夫婦で、最近は繁華街など行かないことでの驚きもありますが、
食べるものはステーキから寿司、てんぷら、中華、野菜系などなど、
ないものはないような食べ物満艦全席ぶりであります。
こういう食文化空間は昨年行った高知「ひろめ市場」の雰囲気に似ている。
日本中でこういった店舗形式が流行っているのでしょうね。
たぶん、AEONのようなフードコートスタイルが支持されてきて
アルコールの入るディナーでも採用が増えてきているのでしょう。
店舗内装としては、剥き出しのコンクリート床と排煙ダクト、
直線的なLED照明などが相まって、さらにその間を
いろいろ多国籍な老若男女が行き交うという雰囲気、にぎわいが楽しい。
また各店舗それ自体も厨房が丸見えで、多様な演出感。
全体として「食べる街」といった雰囲気を醸し出している。
・・・ということで年末琵琶湖周辺から二人旅、探訪したいと思います。
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【北海道にほぼない風景〜京都・竹林の美】

2017年12月27日 06時17分12秒 | Weblog
先日関西を行脚したときに、京都市内のビルダーさんを訪問した。
いわば表座敷ではない、普段着の京都の街を走り回っていた。
やや郊外に位置する工務店が集結していた地域だったけれど、
そこを走り回っていると、そこかしこにこんな竹林に出くわしていた。
見る度にその姿に強く惹かれるものがあって気になっていたが、
ようやく訪問が終わっての帰り道、クルマを停めて
なにげない竹林にiPhoneカメラを向けていた。

竹というのは、その生態系がほぼ「コメ」と重なる植物種だとされている。
しかし、本州以南地域では普遍的に存在しているけれど、
北海道では「姫タケノコ」はあってもこの写真の「孟宗竹」を見ることは稀。
函館地方では見ることがあるとされているけれど、
わたし自身は確認したことはありません。
日本には中国から移植されたそうですが、日本の気候特性に似合うのか、
北海道から本州に行って一番目に付く植物種だと思います。
それも孟宗竹の竹林がこの京都近郊地域ではたくさん見られた。
工務店の数の多さを重ねて考えると、建築材として涵養しているように思えた。
北海道人は、こうした光景を見ることがほとんどないので、
その美感がたいへん新鮮に感じられるのですね。
Wikipediaを見ると,以下のような記述。
〜戦後の竹材需要の減少に加え、20世紀最末期になって以降は
中国産の安価なタケノコの輸入が増えて市場価格が下落したため、
日本国内の竹林は放任傾向にある。それによって引き起こされた
モウソウチクの他植生への侵入によって、広葉樹の生長が阻害され
枯死することが判明している。さらに、他の樹種の影響をうけにくい杉でさえも
モウソウチクの特性、柔軟で風が吹く度にしなってスギへ当たることから、
その生長が妨げられ、放置されたスギ林へもモウソウチクがよく侵入して
群落を拡大している。その竹林は、密になって荒れると同時に、
周囲の放置されている里山や休耕田などに広がる。中には山の斜面全体が
竹林と化した場所も見られて環境保全上の問題となっている。〜なのだという。
人間が管理しなければ、その美感も維持しにくいのですね。
こうした竹林から切り出された材料が、和風建築に多用される。
素材として、たいへん表情豊かな建材としてうらやましい限りです。

さて本日からわたしは年末年始休暇に入ります。
年始始業の方も、カレンダーの関係で遅めになりますが、
どうぞよろしくお願いします。
このブログについては、休暇中も休まず書き続けたいと思います。
住宅ネタも非住宅ネタも、最近は書く材料には事欠きませんね。
とくに非住宅ネタの多さには、やや困っていますが(笑)・・・。
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【1.29日本建築学会「地球の声」in 北海道】

2017年12月26日 06時23分00秒 | Weblog
さてわたしは明日から休暇を取ることになっていますが、
昨日は大きなビジネス上の契約があり、無事終了。
なんですが、すっかり風邪にやられてそこからはひたすら寝ておりました。
で、各所にご迷惑をおかけしてしまいました。

年末から年始へ途切れることなく、いろいろな案件が進行中。
そのなかのひとつ、
日本建築学会 地球環境委員会「地球の声」デザイン小委員会
(なんとも長いので、“日本建築学会「地球の声」”と略します)
さんから申し入れのあった、北海道での会合開催のご案内について、
現状をお知らせ致します。
幹事役の川嶋範久・東京工業大学助教と先般来連絡を取りあい、
来年1月29日(月)に先方の中心メンバー数人が
北海道に来られて、住宅見学や討論会などを予定される運びになりました。
昨年の「新建築住宅特集6月号」での環境住宅特集に端を発して
その論調に対してわたしが拙ブログにて疑問を呈して以降、
巻頭論文記事を書かれた川嶋範久さんと意見交換などを重ねてきた。
この特集記事を巡って東京で昨年夏場に開かれた学会・会合や
川島氏が年末になって北海道に来られて住宅関係者と会合したり
またことし11.24には日本建築学会「地球の声」が東京で開催された。
そうした流れを受けての北海道での意見交換となります。
わたしどもとしては、そのきっかけを提供したような形ですが、
やはり日本建築学会「地球の声」への対応は一住宅メディアの役柄を超える。
そこで日本建築家協会(JIA)北海道支部に受け入れ窓口を依頼し
わたしどもとしてはサポート役となる方向にいたしました。
もちろんこの間の経緯もあるので、繋ぎ役、あるいは
さまざまな「協力者」として関わっていきたいと思っています。
昨日朝、そのような連絡対応を関係者と行わせていただきました。

会合としては1.29夕方に北大で会場を設けて
各所からの参加も募ってのものとなる予定です。
荒谷登先生の提起された「開く・閉じる」論争以来、
北海道の住宅建築総体は、高断熱高気密として本州中央の流れとは
相対的に独立的な歩みを進めてきたのが現実だと思います。
わたし自身、北海道の住宅制度設計の諮問会議などにも参加し、
先人のみなさんの努力にリスペクトし刺激されることもまことに多い。
いま、日本の国の住宅基準が大きく変化してきた流れの中で、
実りある方向での「対話」が実現することを大いに期待したい。
また詳細が明らかになった時点で、この場で逐一お知らせしていきます。
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【なぜ売れる? 名物編集長・花田紀凱「Hanada」】

2017年12月25日 07時33分52秒 | Weblog
さていよいよ今年の最終週。最近はとくに本の危機が叫ばれて久しい。
いち地方出版としても重大な関心事ですが、そういうなかで、
過去に週刊文春を週刊誌のトップに押し上げた名物編集長・花田紀凱さんが
最近頑張っている月刊「Hanada」誌が6号連続完売だという。
花田さんという人は、ときどき失敗をして浮沈の激しい方のようですが、
保守的な主張を繰り広げて週刊文春をトップにするかと思えば、
一転して左翼的主張の朝日新聞社に移籍したりと、
奔放に出版界を走り回ってきた名物編集長と言われています。
やはり出版というのは、そういった「機を見るに敏」な人材が不可欠なのでしょう。
ちなみに花田さん曰く「日本で月刊誌の長い文章をきちんと読みこなせるのは、
だいたい100万人以内」なんだそうです。国民の0.8%程度、面白い見識。
やや右寄りの誌面作りが真骨頂の方ですが、
いま、月刊誌のトップ「文藝春秋」がまったく売れない中で
この「Hanada」がトップをうかがう勢いとかで、俄然売れているようです。
「どうして売れているのか」考えるため最近2号ほど買って読んでいます。
次号2月号では安倍総理への独占インタビューを敢行している。
中小出版社として、なかなか冒険的なチャレンジ。
印象としては左派系が主流を占めているメディア界への一石かと。
一般読者の購買傾向として、最近左派系の衰退が激しいように思われる。
象徴的なのは、朝日新聞のモリカケ報道への批判を
小川栄太郎さんという人が書いてこの「Hanada」の出版社が出した
「朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」という本が売れていること。
出版後1カ月ほどで、なんと朝日新聞社が「広報部長」名で
「謝罪と訂正、損害賠償」を求めた。
一作家に日本を代表する大報道組織が「賠償」をちらつかせる弾圧的手法。
「2週間以内」と期限を区切られ小川氏が冷静な「反論」を発表したのに、
当の朝日新聞からはその後2週間以上再反論が出てきていない。
関わりはまったくありませんが、これには朝日のためにも少し心配している。
そもそも「朝日新聞社・広報部長」という肩書きで恫喝もどきの発表をしてしまい
社内的にも収拾が付かなくなっているのではないかと。
寄せられた反論が冷静な論調なのに、朝日はどう読んでも感情的。
相手側に2週間と期限を区切って恫喝的に対応しながら、
大組織メディアがそれへの再反論対応に手間取っている姿はどうなのか。
噛みついたのだから、しっかりと再反論しなければ世間も納得しない。
このままでは従軍慰安婦問題での誤報、原発事故吉田氏発言虚報以来の
「訂正と謝罪」を朝日新聞がしなければならなくなってくるかも。
そういえば先述の「Hanada」の安倍総理独占インタビューに対して
「あんな弱小雑誌に」と朝日新聞が居丈高に言い放ったとされる。
このような朝日の姿勢が、むしろ「Hanada」のような雑誌の売れ行きを
加速させているようにも感じさせられます。
こうした出版界の動向について遠目ですが(笑)、注目している次第です。
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【冬至過ぎ、千変万化する雪の散歩路】

2017年12月24日 08時55分25秒 | Weblog




冬至もおとといに過ぎました。
古くから人間はこの時期に太陽が新生すると考えてきた。
クリスマスと言ったり、正月と言ったり違いはあっても
なにかが新たになる、という意味合いのまつりを行ってきた。

冬になっても散歩を続けるぞ、宣言から楽しく散歩をしています。
雪道の散歩、やってみると面白いことに気付かされています。
スタートに当たっては服装の準備は欠かせない。
ヒートテックのズボン下を穿き防寒ズボン、ダウンジャケット、
そして首から口元を防寒する襟巻き状のもの、
さらに頭からは毛糸の帽子という完全武装で、靴は先日紹介の冬靴。
こういった状態なんですが、
きょうはマイナス4度程度と比較的に温暖だったので、
体内のエネルギー燃焼もあって熱くなってくるので、
歩いているうちに吐く息からの水分が口のまわりに湿気としてたまってくる。
いまのところは、口のまわりをそのときに開けばいいのですが、
もっと寒くなってきたら、「湿気だけを吐き出し表皮は保温する」
そういった防寒具を検討しなければならないかも。
なにやら熱と湿度の関係、住宅の環境物理そのままです(笑)。

そういう生体物理的な発見などもありますが、
なんといっても、道の千変万化ぶりがすごいのであります。
クルマも走る舗装路面は、ツルツルのアイススケート路面。
あんまり人が通らない道は雪の深みもある。
それらの中間のさまざまな路面表情が一瞬も途切れないほど変化をみせる。
油断をするとすぐに足を取られるので、
足下には細心の注意をしながら歩くことになって、
それがだんだん、楽しくもなってくるのです。
どのように足を踏み込んでいくかも考えながらの行脚が、なかなか思索的(笑)。
散歩って、無念無想というわけにはいかず、
いろいろ考えを整理整頓しながらでもあるので、
こういった瞬間的対応力勝負の鍛錬になるかも。
まぁ、こじつけっぽいけれど(笑)、それなりに面白いのです。
ということで、本日は朝、約40分ほどかけて、
3kmの道を4343歩、歩いてまいりました。気分爽快であります。
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【人類史視点の進化発展と縄文時代人】

2017年12月23日 09時49分37秒 | Weblog
先日12月15日の読売新聞WEB版で注目の記事。
「縄文人」は独自進化したアジアの特異集団だった!
という考古学的な新説が発表されていた。
〜日本人のルーツの一つ「縄文人」は、きわめて古い時代に
他のアジア人集団から分かれ、独自に進化した特異な集団だったことが、
国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の斎藤 成也教授らのグループによる
縄文人の核DNA解析の結果わかった。〜という記事であります。

わたしたち、いま60代の人間にとっては、
古めかしい「原始共産制」思想というバカげたユートピアイメージに毒され
歴史というものの見方もかなり偏向していたと思う。
それに対していま、インターネットを初めとする知の拡散は、
こうしたバカげたイメージを粉砕し、リアリズムが貫徹してきている。
最近の現生人類の出アフリカ以降の足取り探求成果は目覚ましい。
そもそも出アフリカという人類史的エポックですら、
そこに赤道付近で地球史的火山大爆発による寒冷化が原因として
浮かび上がってきているようにも思われます。
わたしのテーマ領域、住宅についてもまずは、この寒冷化への対応で
衣類が人類に普遍化したという考えがあるように思う。
衣類を得て、世界の寒冷地帯への人類進出も可能になったのではないか。
そして、やはり寒冷化への対応が「家」というものを生み出した。
そのような経緯での人類のグレートジャーニーのなかで、
この記事中では、わたしたち日本人の祖先には最初期ほぼ4万年以前に
この列島に到達し独自進化してきたと考えられる縄文人があり、
かれらから受け継いだ現代日本人の遺伝情報は約12%とされています。
この縄文人のベースに対して弥生人が重なるように混淆し、
現代日本人が形成されたというように展開されている。

こうした縄文人のエコライフスタイルはその後、
日本列島の中で「海民」といわれる人々に生態風習が色濃く伝承したとされる。
さらに、敬愛するわが母校・札幌西高後輩の研究者・瀬川拓朗さんの
最新本「縄文の思想」でも、この海民と縄文人との関係が深く追究されている。
ひからびたマルクス主義的な歴史観が、どんどん破砕されてきている。
やはり、インターネットでの「知の進化・拡散」の破壊力はすごい。
老後の知的楽しみと思っていましたが、
いま、考古的領域の進化発展はすさまじいものがあって、
まことに目が離せないなぁと思わされますね。
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【核の傘に入ると「共犯」なのだろうか?】

2017年12月22日 07時12分35秒 | Weblog
本日は、住宅ネタではなく、メディアネタ。
たまにカミさんの実家に行くと目にする「北海道新聞」さん。
12月12日付の1面トップを見て、強い違和感を感じていた。
北海道で育ったので紙面の雰囲気には馴染みもあるのですが、
広くインターネットで、それこそ海外の報道などとも接する日常からは
こういう紙面を久しぶりに見て、なにこれと思わされた。
報道内容としてはノーベル賞の平和賞をことし受賞したICANという
非政府系組織が受賞のあいさつで語った内容の「要約」のようでした。
核保有国に対して核を廃絶せよという意見を述べ、
北朝鮮などに対して非難を投げかけるという主張を展開し、
さらに返す刀で非核保有国に対しても「集団的安全保障」組織への加盟について
「共犯者になるのか」となじっていたということでした。
こうした主張に対して核保有国のスウェーデン在住の各国大使たちは、
その演説をボイコットしたことも事実として報じられていた。
その記事の要約タイトルとして〝核の傘に入る国「共犯者」〟としていた。
新聞というメディアの端的な現実をみた思いがしました。

このICANの主張自体は理解出来なくもない。
現実政治とはまったく関係なく、いわばユートピアに行きたいみたいな
願望を持って行動され、主張されることは自由。
またノーベル賞委員会がそれを受賞させることも勝手だと思う。
しかしだれが考えても核廃絶がいま実現可能だとは思わない。夢物語。
一方で、核を自国では持たず抑制的に非核保有国であるふつうの国に対し
「共犯者」呼ばわりは、異常な言いすぎではないかと思う。
これではNATOや日米安保などの加盟国はみんな「共犯者」にさせられる。
あまりにも荒唐無稽で小児病的な発言だと思う。
できれば核を廃絶したいのは人として山々だけれど、
少なくとも非道な核開発国に隣接しその脅威にさらされている日本を、
「共犯者」であると罵るのはちょっと人類的常識とは思えない。
であるのに、北海道新聞の1面トップにこの発言の要約が
大見出しになって踊っていることへの、名状しがたい違和感があった。
新聞は自分自身はストレートには言わないけれど、
その主張の大部分に共感するような発言を押し出して誌面構成して「伝える」。
この日に生起した事実の中から、道新はこれを一番に言いたかったのでしょう。
できれば現政権を叩きたい底意が強烈に浮かんでいる。

こういう誌面構成が常態化しているだろうことをまざまざと知らされて、
本当にインターネットがあって良かったと思った次第。
インターネットで初めて「報道」というものと「客観的に接する」ことが可能になった。
現代はそういうことが、幅広く情報の世界で広がっている時代だと思います。
若者がほぼ新聞を購読しなくなりWEBで情報摂取することは、
このような恣意的な意見から自由であることを表しているのだと思います。
WEB時代、もうすこし既存メディアは学ばないものだろうか?
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