北国では冬の経済活動を雪が妨げる部分があるのは当然です。
まぁ一方で、雪のおかげで寒さがそれ以上進行しない、
いわゆる放射冷却が軽減されるとか、
断熱材として機能するとかの側面もあるのは事実とはいえ、
やはり、交通とか物流の阻害要因になることは避けられない。
ことし、大豪雪に見舞われている岩見沢の知人の様子などみると
「経済活動4割減」というように書かれています。
とくに雪が道を狭くして、交通に時間がかかって移動と物流がマヒするのが
どうしても大きな問題ですね。
そういったことから、ロードヒーティングというのも一案ではある。
わが社の前の駐車場でも敷設しているのですが、
年々高騰する石油の値段から、徐々に考えを改めてきております。
北海道などでは気温が低いので
たとえば北陸地方や東北地方でよく見られる
廃温水などを道路に流して融雪するというようなタイプは計画できない。
温泉地などで、その使用後の湯水を道路に流すというのはよくみられる。
ただし、車での交通にはいいけれど、
人の通行には、とくに気温が低下したときなどは危険も伴う。
まぁ、北海道ではハナからそういうのはムリ。
そうすると、石油エネルギーを燃焼させて温水を作り
その不凍液をパイピングして路面を融雪する、ということが一般的。
しかし、この経費は石油の値上がりとともにだんだん大きくなってきている。
それに心理的に、地球を温暖化しているだけのような気分があって、
罪悪感に似た心理にかられるのですね。
そういうことと、経費削減ということから
数年前からわが社ではやめております。
写真は青森市駅前のロードヒーティングなんですが、
見ていて、なんとも微妙な心理に襲われてきます。
エネルギーはきわめて大切であり、
そういう利用途としては、どうも十分には腑に落ちていかない。
利便性とエネルギー利用の関係性ということですが、
なかなかに難しいものがあると思います。
しかし、札幌では十数年前にある友人が先頭に立って、
スパイクタイヤをやめてスタッドレスに社会全体として移行した経験があります。
あの体験を思い起こせば、
利便性とエネルギーの問題も、あるカギが見えてくるのではないか。
そんな思いがしております。