性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

オモシロお風呂拝見

2006年11月30日 04時28分15秒 | Weblog

きのうは、青森県南部地域のビルダーさんたち12人が
札幌で建築家住宅視察研修に来られて駆け足視察。
おとといはリプランオフィスでスライドレビューを行っていました。
地道な積み重ねではありますが、
北海道の寒冷地住宅としての性能・デザインレベルを
本州地域のみなさんに、広げていくために、不可欠な営為だと思っています。
こういう視察を積み重ねてきていますが、
その参加者の中から、けっこう性能向上への取り組み努力を
聞くことが多くなってきました。
北海道と東北、さらに日本全域で、ビルダーレベルの技術交流が
盛んになっていくように、願っている次第です。
北海道は、厳しい自然条件の中から、伝統的な束縛から自由に
合理的な家づくりが育っているアジア有数の先進地域。
このコンテンツは、北海道にとっても、環境の時代を迎えている
日本全域にとっても、大変有用性が高まってきているものだと思います。

ということなんですが、
まぁ、住宅の面白いディテールを発見できる機会にもなっています。
きのうの研修でも、何回かうかがっている小樽市の建築家・奥村晃司さんの
職住一体型住宅でのお風呂で、ディテールを再発見。
眺望を楽しむお風呂の配置的な面白さに、これまで目を奪われていたのですが
参加者の方からの質問から、壁天井の造作に
感嘆させられた次第。
ふつう、ユニットでない造作のお風呂の場合、
相当念入りに内装下地の防水は行われるのですが、
この建築家の自邸では、実験的に挑戦していて、
なんと、下地には壁天井部分では、特段の防水処理をしていないということ。
そのうえ、使用している壁の素材も、一般的で安価な木材を使っています。
他の居室でも、内装の仕上げに使っているものです。
お風呂なのに! という驚きなのですが、
このお風呂にはしっかり床暖房が敷設されていて、
しかも換気は24時間連続運転でなされています。
湿気が滞留する要素がなくなれば、
お風呂の丹念な防水は、そこまでは必要ないのではないか、
という実験なんですね。
で、それは4年間以上の居住経験に踏まえると、成功しているということ。
というような会話に、みんな感嘆していました。
もちろん、この家は建築家の自邸なので、メンテナンスなど、
プロであり、その内容をすべて把握している人間が自分で毎日チェックしている、
という特殊条件の下での実験であり、
そのまま、一般化できるものではありませんが、
ひとつのおもしろい成果ではあると思います。

もしこういう考え方が可能になってくれば、
お風呂の内装の可能性は大変大きくふくらんできますね。
今後の展開が面白いなぁ、と感じられるひとつのディテールでした。
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昔の台所

2006年11月29日 06時38分54秒 | Weblog

写真はきのうから紹介の青山家本邸の台所です。
どうもこういう写真を撮るのが、好きみたいなんですね。
というか、こういう写真からは、具体的な食生活のことが浮かび上がってくるから
いろいろな想念がふくらんできます。
右側のステンレス製の流し。
住宅としての建築年代は明治初期にさかのぼる建物ながら、
ステンレスで造作されているということは
ごく近年まで、この家が実際の住まいとして使われていたことを
想起させてくれます。
やはりすぐそばに海が迫っている立地なのですが、
こういう流しを見ていると、食生活の基本は魚料理だったんだろうな、と
思えてきますね。そういう耐久性を考えてステンレスにしたのだろうし。
窓側一面には調味料の瓶が整然と並べられ、
左側にはかまどが二つ、配置されています。
なかなか、合理的な配置で、作業性は高かったように思えますね。
流しは作業面が大きくて、魚をさばくのにも
相当の大型の魚まで、料理していたのでしょうね。
床も、磨き込んだようになっていますから、
流しと、かまどを往復しながら、
瓶や桶に汲まれた水を大量に使いながら、
忙しく立ち居振る舞いしながら、料理する様子も浮かんできます。

こういう人間生活の様子が、やっぱり面白い。
今日のシステムキッチンの変化のありようとかと、考え合わせながら
むかしの合理的な台所のことを見ていると、
日本的な食文化も、いろいろにふくらんだ思いで考えられると思います。
こういう中から、伝えられてきている郷土料理なんかは、
作られ続けてきたんですね。
しばし、そういう雑感に浸っていた暮らしのたたずまいでした。
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青山家本邸

2006年11月28日 07時50分02秒 | Weblog

山形県庄内地方、酒田の北方に遊佐町があります。
ここには、江戸から明治の時期に「北海の漁業王」といわれた青山留吉が
残した本家の青山家住宅があります。
かれは、24才で、この地から北海道に渡り、
折から空前の豊漁に沸いていた
北海道西岸地域での漁業で大成功を収めたのです。
かれが、どうして「北海の漁業王」になれたのか、
素人としては、わかりませんし、この家の見学でも、
その辺りの消息は記載がありませんでした。
漁の方法が、大量化していく段階にあって、その時流の中で、
資本投下と、その運用、回収といった事業家としての部分での
先見性がすぐれていたのでしょうか?

ともあれ、かれは少なくとも3つの建築を残していっています。
ひとつは小樽市祝津にある、「青山家別邸」。
そして現在は、北海道開拓の村に移築保存されている青山家漁家。
さらに、ここ遊佐町にある「青山家本邸」というわけです。
にしんなどの、活況を呈した北海道漁業の最盛期を語る建築を残したのですね。
前記の2つとも、見て感銘を受けてきていたので、
残されていた最後の本邸を見る機会を探しておりまして、
たまたま、取材があったので、早朝から訪問してみたというわけです。

前の二つの、北海道に残された建築のイメージが強烈すぎるのでしょうか。
「別邸」は、かれの最愛の娘さんのために建築した、
という明確なポリシーがあって、まさに贅を尽くしたしつらいになっていました。
当時の最先端建築、日本橋の百貨店をその予算で上回っていた、
という絢爛豪華の世界です。
客間だったかの天井には、屋久杉の無垢板が張り渡されるほど。
一方、青山家漁家はまさに生業のありようを
まざまざと伝えてくれる迫力満点の建築。
ヤンシュウと呼ばれた出稼ぎ労働者のための空間など、
その機能性と、合理精神の高さに、打たれるようなものがありました。
それに対して、この本邸は建築としてみると、用途が住宅に限定されていて、
しかもライフスタイルというのが、明確に伝わってくるものではありませんでした。
退隠後の、落ち着きのある風格のある住まい、といった印象でしょうか。
事実、北海道での事業活動後の、引退してからの住まいなので、
そういう迫力には欠けるような建物なのだと思います。
古民家としてみる住宅は、ほとんどが生業のなりわいを色濃く投影していて、
生活感が匂い立ってくる部分があり、
どうも、わたしはそういう部分に強く惹かれているのだなぁ、と
腑に落ちたような印象を抱いた次第です。
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目の不自由なひとのための家

2006年11月27日 06時27分43秒 | Weblog

仙台市で、視覚がだんだん衰えていき、全盲も覚悟しなければならない
そういう方のために、住宅はどうあるべきなのか、
こういう問題意識に基づいて建築された住宅を見る機会がありました。
ご存知のように、白内障などの目の病は広く発症するもので、
成人の多くが視覚障害の可能性をもっているのが現実。
しかし、この問題を建築的問題として考えるというのは、
ほとんど聞いたことがありませんでした。
設計にあたった本間総合計画・本間貴史さんに聞くと、
いろいろな文献や、資料などを探してみたけれど、
その範囲では、有効な先人の業績を探し当てることは出来なかった、といいます。
そこで、この家では、福祉の専門家と相談しながら、
有効と考えられる方法を、試行するアプローチを取っています。
建築設計って、表面的なデザインという面がクローズアップされますが、
そのデザインっていうのも、人間の暮らしのためのもの。
暮らしやすい、という本然のかたちを考えれば、
こうしたアプローチこそ、建築設計の核心的なものがあると思います。
しかし、デザインの要素って、やはり基本的には「窓をどう開くか」というのが
与えられた敷地の中に、住宅という装置を作る最大のもの。
そういう意味では、視覚的な要素というのがやはり一番ではあるでしょう。
あらかじめ、そういう手法からアプローチできない中で、
いったいどういう建築的な手法があるのか、
大いに考えさせられる家づくりになりますね。

この住宅作りは、試行しながらのものだったので、
目的に至るための「試みの要素が大きいです」と控えめに語っていましたが、
有効と考えた手法のひとつが、
床材の素材・張り方・仕上げなどの変化の付け方。
基本的には、1階だけでの生活をイメージして、
視覚障害の方が、そのなかで生活が完結できるように考えています。
足の裏からの触覚的な、あるいは温度感知能力などに訴求する方法。
その考えから、間取り的には家の真ん中に動線空間としての廊下を配置し、
そこから左右に各空間を仕分けています。
その空間ごとに、床材が張り替えられています。
実際にスリッパなしで、皮膚感覚を通して感じてみれば、
あまり繊細とは言えないわたしでも、空間認識はできそうな気がいたしました。
主に暮らされる個室は、杉の板が使われ、ほかの材質とは明確な違いを感じます。
暖かさも、杉が一番感じられるのだそうです。
ほかにも居間はパインの無垢材など、微妙な皮膚感覚が
たしかに違いとして認識可能だと思いました。
写真のように、居間には防音壁も設置され、
今度は聴覚からの空間認識へのアプローチも試みていました。

こうした皮膚感覚を、住宅性能面から阻害しないように、
床面が基本的に一体的な温度感覚が得られるように、断熱気密が配慮され、
そのうえ、暖房配置で温度に変化が出ないように
床面一体の温熱環境が得られる「土壌蓄熱型」暖房方式が取り入れられています。
いろいろな人がいて、いろいろな家づくりがある。
その原点のような部分を強く感じさせられた住宅取材でした。
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白鳥が群れる庄内の晩秋

2006年11月26日 06時22分16秒 | Weblog

きのうは山形県庄内地方、鶴岡市近郊で取材。
大変いい天気に恵まれて、絶好の取材日和です。
リプラン東北版、1月15日発売号では、「山形特集」をやっています。
で、高速を降りて、コメどころらしい風景を眺めていたら、地名のとおり、
いましたね、写真のように白鳥さんたちです。
シベリアの冬を避けて、温暖地を求めて庄内地方に飛来するのですね。
稲刈りの終わった田んぼの周辺で、
きっとおいしい食べ物がゲットできるんでしょうね。
なにを食べたりしているんでしょうかね?
庄内は、日本海に面して天然の良港に恵まれ
北前の交易の拠点として栄え、
同時に、その財力から本間家などの資本を生み出しました。
いま、庄内地方の海岸線を走ると、豊かな松の森が
生い茂っていますが、庄内が有数の米所になったのは
この日本海からの砂を防ぐ、防砂林が完備して以降なのだと聞いたことがあります。
最上川の水利に恵まれ、気候も恵まれていた庄内ですが、
この海砂に、悩まされていたのですね。
それに対して、資本家・本間家は、この防砂林に尽力したのだとか。
その結果、庄内は、日本有数の豊かな米所にもなったのです。
こういう風景の中にも、こういう歴史が投影されています。

取材地に訪れる途中には、三川とか、長沼とかの
北海道と同じ地名が見られました。
また、北海の漁業王、青山留吉の例にあるように、北海道との
北前交易を通したつながり、人的な由縁も大きいと感じます。
きっと、明治の開拓期、多くの農民も北海道に渡ったのでしょう、きっと。
ひとの営みもハクチョウも、大きなスケールで、
繋がっているというのが、わかるような思いをいたした次第です。

っていうような、雑感に浸っていたら、
いきなりケータイが振動。しばらくぶりの友人からの所用の連絡。
どこでも繋がるというのは、さて、いいこともあるけれど、
暮らしの中の境目をどんどんなくしてしまっているような・・・、
まぁ、便利な時代ですかね。
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学生の匠~8 インテリアデザイン

2006年11月25日 06時18分37秒 | Weblog

プロセスを中心にご紹介してきた学生の匠受賞住宅。
今日の写真は、完成後のインテリアの様子です。
さすがに絵描きさんだけあって、家具の選択は秀逸。
床壁の色合いや材質選択の、生活背景の選択とも相まって、いいインテリア空間です。
こういう感覚っていうのは、やはりその施主さんの個性。
建築の側は、背景となる部分までは関与できるけれど、
最後の空間品質を決定づけるのは、こういう部分だと思います。
写真左側の居間・ダイニングのバランスは、
広さ感覚ともマッチしていて、過不足がなく、
いごこちのよさが伝わってくるかのようです。
ものと、ものの距離感や、それぞれの個性の主張、それらの
バランス、ハーモニーをいろいろに検討していく、ということなのだと思います。
建築の側は、やはり大まかな配置計画までは考えるけれど、
具体的な家具にまで落とし込んでは、考えにくい。
その点、昔の建築、たとえばミケランジェロの作り出した空間などでは
最終的な家具の一切まで、デザイナーの一貫した感性で
家具造作まで行われていたのだそうですね。
現代では、そこまでの徹底性というのはなかなかないでしょうけれど、
住宅というようなスケールでは、われわれ、現代人はかなりチャンスはありますよね。
ぜひ、自分自身の暮らしの舞台を
こころゆくまで、こだわり、楽しんでみるのがいいと思います。

この家では、学生さんの住宅デザインイメージが
いろいろに施主さんにも刺激になって、
団塊世代の第2に人生の拠点という住宅なんですが、
なんとも、むしろ元祖・ビジュアル系のようなインテリア空間になっていますね。
わかわかしく、元気になるような空間性を感じました。
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学生の匠~7 構造補強

2006年11月24日 06時11分59秒 | Weblog

さて、学生の匠に戻らせていただきます。
基礎がしっかり出来上がったあと、こんどは構造の補強工事にかかりました。
この家は、当初から賃貸を目的に造られたような建物なので、
構造材などが細めで、頑丈さの点で、やや心配がありました。
解体してみるとその通りだったようで、
大きく空間を取りたいリビングなどでは、鉄骨の梁を新たに2本入れるなど
しています。写真上の右側が既存解体の時の写真で、
過去にも鉄骨を補強で入れたりしていたことがわかりました。
写真上の左側が今回の補強で、色違いになっているのが、鉄骨。
合計3本、鉄骨が入れられているのがわかります。
基礎が出来上がってから、外壁が撤去されたのもわかります。
基礎工事が出来上がるまでは、養生のような仮設的なかたちで
既存壁を利用していたわけですね。
本格的に構造補強するために、壁も撤去して、外壁側の柱なども
大部分、入れ替えられています。
その後、写真右下のように、その外壁側に構造用合板を張っています。
気密性と、構造的な安定性、さらに耐震性の向上などを狙ったもの。
こうして出来上がった現代住宅と同等の構造仕様にたいして、
写真左下のように、防風シートの施工など、
防寒性能の向上も引き続き図られていきます。

こうして見てくると、やはり新築を初めから行った方が、
コスト的にも有利だったとも言えるかも知れません。
しかし、このようなリフォームのしっかりした手順とか、プロセスを
確認しながら進めるということは、
業界にとっても、やはり必要な部分なのではないででしょうか。
既存の住宅を長寿命化させる方法を、つねに進化させていくことも
リフォームの技術開発に直結することだと思います。
その意味で、なるべく多くのみなさんにも、
関心を持っていただきたいものだと思います。
このリフォームについては、リプラン北海道版次号でも
記事として掲載予定ですので、ぜひごらんください。
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プロ野球危機と小笠原FA移籍

2006年11月23日 06時41分50秒 | Weblog

きょうは閑話休題。
住宅ネタから、日ハムネタなんですが、ご存知小笠原FA移籍の発表がありましたね。
折しも北海道は初冬の嵐が吹き荒れていて、各地で被害も出ていました。
東京は晴天の穏やかな一日だったそうですね。
って、すごく皮肉っぽいでしょうかね(笑)

まぁ、ファンの立場からすると、やっぱり辛いのが真実。
ただし、プロ野球の存続とか、経営とかという観点からすれば、
こういう事態を、ファンとしてどう対処していくべきなのか、
ひとつ試されるべきことだなぁと、考えています。
北海道はこれまで、プロ野球地元球団がなくて
日ハムが移転してくれて以来、地元チームを持って、プロ野球というものと向き合う
という経験をファンとして、はじめてさせていただいているわけです。
そういう時期に近鉄球団の消滅というプロ野球の危機が露呈しましたね。
まぁ、ようするに長く存続していくために、
どう考えていけば、プロ野球はやっていけるのか?
ということだと思うんです。

プロ野球はいま、メジャーへの選手の流失、唯一の地上波テレビ放送の消失危機、
慢性的な球団経営の赤字問題などの多くの問題を抱えています。
現状で黒字なのは、巨人、阪神、中日などの一部球団だけでしょう。
巨人も、テレビ放映がなくなれば、急速にやばい。
こういう日本プロ野球の構造的な危機が、今回の小笠原FA移籍にも投影されています。
巨人は、経営的な危機もあって、なりふり構っていられない状態ですね。
一極集中、全国放送のプロ野球唯一のコンテンツ巨人戦ナイター、という
これまでの巨人の繁栄をもたらしてきた経営資源、環境が崩れつつある。
一方で、メジャーへの選手たちの志向はどんどん高まり、
メディアもそちらを持ち上げるかのように報道するので、
日本の地方球団の、どうこう、よりもはるかに扱いが大きくなってしまっている。
CMの野球選手価値で見れば、いまや巨人ブランドなど存在せず、MLBが圧倒的優位だ。

こういうなかで、弱小なパリーグは必死に存続を模索し、
ひとつの方向性として、地域密着型経営に向かおうとしていると思います。
広島が孤軍奮闘しつづけ、福岡ソフトバンクが頑張り、
わが北海道日ハムが北のファンを開拓し、そして東北楽天も田中投手獲得で
飛躍の条件が整いつつある。
確かに経営的には、絶対にきついと思う。経済の基礎的条件でも
関東一極集中の経済繁栄が小泉改革以降、定着してしまっている。
各地域経済単独では、広島がいい例のように経営は、やっていけないだろう。
その意味で、ソフトバンクや、日ハムという全国企業と地域密着という組み合わせは
今後のプロ野球存続の、基本モデルになりうると思う。

こういう条件の下で、今回の小笠原FA移籍は起こったのですよね。
わたしは、いまの北海道日ハムの方針を支持したい。
「ドラフトと、育成で戦っていく」という方針ですね。
お金はない。はっきりしている。でも地域密着型チームとして
絶対に存続していってやるんだ、というような決意を感じさせてくれます。
選手に野放図にお金をかけていくことは出来ない以上、
常に若くて有能な選手を発掘し、即活躍してもらう、
低い選手年俸総額でも、勝てる野球チームを作り出す、そういう方針です。
ことしの北海道日ハムの戦いがすでにそうだった。
2年目のダルビッシュ、新人の八木、武田勝、はい上がってきた武田久、
2年目の外国籍も持つドラフト選手、マイケル。
こういうピッチャーの大活躍が大車輪になって、ことしの快進撃はあった。
これは素晴らしい! こういう部分こそが、地域を本当に勇気づけてくれると思う。
ことしも、もっとも安価な補強が可能なドラフトでたくさんの有望な選手獲得に、投資しています。
このなかから、第2の八木や武田、マイケルが出てくれば、まさに痛快です。
そして、ことし、田中賢介選手や、森本選手がブレークしたように
多くの2軍選手の中から、来年多くの活躍選手が出てくれることを願っています。
そして、その楽しみこそ、地方弱小球団のファンは誇りとすべきだと思います。
どんなに、金満球団に有力選手を持って行かれても、
へこたれない、地方球団ファンであり続けたいと思います。

小笠原選手との別れは、本当に辛いものだけれど、
札幌で、来年戦うときは、全力で北海道日本ハムの若い選手たちを力づけたいと思います。
絶対に巨人には負けて欲しくない! というのが今の気持ちです。
経営的に弱小なパリーグファンのみなさん、いっしょに盛り上げていこうじゃありませんか!
それが、一極集中型の経営球団に勝ったら、まさに野球の醍醐味です。
がんばれ、北海道日本ハムファイターズ!
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学生の匠~6 基礎型枠工事

2006年11月22日 04時41分28秒 | Weblog

さて、無事に土間コンクリートが打ち込まれて、
その後、写真右側のように立ち上げ布基礎の型枠工事になります。
写真左側に、立ち上げられた鉄筋の様子がありますが、
このように配筋だけ先に出来上がっていて、
それを囲むように型枠工事を行います。
右側写真は、玄関まわりの部分で、土間部分に若干の高低差があります。
家の真ん中と、外周部の基礎については
たびたび触れているように「無筋」なので、室内側から、新たに
鉄筋入りの150mmの布基礎を「増築」します。
鉄筋が入っていない部分と合わせて、270mmの布基礎と言うことになりますが、
さらに土間と一体になっている基礎になるわけです。

基礎工事の大切さは、家づくりでも最大のポイント。
極端に言えば、ほかはいろいろやり直しは利くけれど、
基礎だけはなかなか、やり直すことが難しい。
このリフォームでも、公開される前提でやっているので、徹底的に
しっかりとした工事を行ったわけですが、
ここまでやるためには、家の内装一切を撤去した上、
最低限の構造材のみに還元しなければならなかったわけです。
そういう意味で、これから新築をお考えのみなさんにとって、
基礎工事の意味合いを十分に理解していただきたいものだと思う次第。

リプランの編集作業も、いよいよ追い込みラッシュ時期になって参りました。
まだ、北海道内でも取材もあり、また、東北版はちょうど今時期が
取材もピークにさしかかります。
そのうえ、初冬の日射しは落ちるのが早いですね。
今は札幌では、午後4時になるともう夜と変わらない感じ。
高緯度地域って、冬期間の日照不足から、
いろいろなハンディが出てくるものなんですよね。
年末に向かって、なにもかもがなだれ込むように忙しくなりそうです。
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光のガーデニング

2006年11月21日 05時37分06秒 | Weblog

しばらく「学生の匠」のリフォーム事例の建築プロセスが続いていますが、
きょうは少し、箸置きで。
札幌の街も、だいぶん寒くなってきました。
先日のファイターズの優勝パレードは気温5度のなか、やっておりましたね。
雪がまだ降っていないこの時期は、かえって、地表面からの
放射冷却効果で、実際の気温以上に寒く感じる季節。
むしろ、積雪したほうが、雪の断熱効果が期待できるのですよ。
風が吹いたりすれば、もっと寒さがこたえますね。
というようなことで、風邪引くのもいやなので、
パレードの様子はテレビで拝見しておりました。
今年は本当に奇跡のような、まぁ「新庄マジック」だったのかもしれませんねぇ。
本当に最後の最後まで、北海道日本ハムで盛り上げてもらった一年でした。
でも、基本的には地方弱小野球チームというのが現実。
浮かれることなく、地道な、堅実な球団経営で、
ファンを大切にしながら、拡大し、隙あらば優勝を狙う、というような
運営方針で、球団運営、頑張ってもらいたいです。
あんまり無理せず、末永く地域に根ざしていくことが大切だと思います。
ことしは奇跡のような優勝が出来たわけですが、
だからといって、巨大戦力を金を使ってずっと維持させよう、
というようなのは、すぐに経営を圧迫してしまう、もとだと思うのです。
優勝すると、やっぱ、選手の報酬はアップするので、単純には経営を圧迫する。
そういうのを考えながら、経営と地域密着、戦力増強を
トータルで考えてやっていって欲しいと思います。
今年は十分に楽しませてもらったから、
この夢をまた、何年か先に叶えられるように、それも
自分のチームが発掘した若い戦力のレベルアップを基本に頑張って欲しいです。
 って、また、熱くなりそうです(笑)
まぁ、日ハムネタはしばらく封印と言うことで。

で、寒くなってきて、札幌では大通公園のホワイトイルミネーションがきれい。
電飾が公園の木々を色鮮やかに彩って、幻想的なのです。
北国では、高緯度ということもあって、
どんどん夜の時間が加速度が付いたように長くなってきます。
北欧では、そんなことから照明器具が伝統的に発達し、
世界的に素晴らしい照明デザインが生み出されてきています。
北方日本でも、この分野は可能性がありそうだと思います。
写真は、わが家のすぐ近隣のお宅の冬囲い後の樹木への電飾の様子。
きれいに縄で整理整頓された冬支度の庭が、夜になると、
たいへんロマンティックな表情を近隣のひとたちに見せてくれています。
こういう草の根的な、光のガーデニングって、
北欧なんかで、クリスマス時期に、窓辺の飾り付けとして楽しんでいますが、
北海道でもこんな演出を楽しむみなさんが増えてきているようです。
たいへん心を和ませていただけるので、感謝している光景です。
あ、どうしても長押しシャッターになるので、手振れしています。
お許しくださいね。
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