性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

日本人のハレ空間

2007年12月31日 07時27分16秒 | 住宅性能・設備

大みそかになりましたね。
ことしも1年、なんとか休まずブログを書き続けてこれたのは、
500~600人くらいの定期読者のみなさんのおかげです。
日頃からお付き合いいただき、ありがとうございます。
先日、なにげに発見したのが写真の説明図。
今どき、なかなか、和室の各部についてその名称を正確に言える人は少ないと
たぶん、多くの人が思っているから、こういう写真図を作成したと思われたモノ。
でも、お正月などのハレのときには、
こういう空間の凛とした雰囲気もやっぱりいい。
写真の床の間とかの装置って、さてどんなものなのか、
Wikkipediaでひもといてみると、

<床の間(とこのま)とは、日本の住宅の畳の部屋に見られる座敷飾りの一つ。ハレの空間である客間の一角に造られ、床柱、床框などで構成されている。掛け軸や活けた花を飾る場所である。
中世の押し板が起源であり、典型的には近世初期の書院造、数寄屋風書院において完成した。書院造においては、上座に座る人物の格式を示すものであったが、その後の和風住宅では、客人をもてなすために季節に合わせた掛け軸や花を飾り、住まい手の心配りを示す存在であった。(もっぱら家族が使う茶の間などでは床の間を造る必要はない)
床の間のある部屋においては、床の間側を上座とし、その部屋の中心となる。(室内空間に方向性を与えるという点では、洋間のマントルピースに相当するともいえる)
江戸時代には、庶民が床の間を造るのは贅沢だとして規制されていたが、明治時代以降になると客間に床の間を造るのが一般的になった。現在では掛け軸をかける習慣が衰え、畳の部屋でも床の間を省略することも多い。既に床の間がある部屋も、最近は床の間を潰してクローゼットにすることが多い。和風旅館では床の間がテレビやセーフティボックス(要は金庫)を置くスペースになり下がっていることもよく見受けられる。>

ということなのだそうです。
現代生活的には、こういうハレの部分ではなく
むしろ、テレビを中心とした居間、台所・風呂・水回りといった
より動物的快楽性に近い「快適性」が、テクノロジーの進歩もあって進化した。
まぁ、写真のような精神性を強調した装置も
歴史的な文化産物ではあるので、
生活文化が変遷していくことで、廃れていくことになること自体は
ちょうど、言葉が移り変わっていくのと同じなのではないかと思います。
ただ、先人がこうした空間を作ってきた精神的な背景とかは
正しく知っておく必要はあると思います。

ことしも今日でおしまい。
大みそかまで、お越しいただき感謝いたします。
また、新年も書き続けていきますので、どうぞよろしく。
みなさん、良いお年をお迎えください。ではでは。

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屋根の建築デザイン

2007年12月30日 09時15分34秒 | 住宅取材&ウラ話

写真は、勿来の関周辺の新設和風建築。
ごく最近建てられたことは明白な建物なんですが、
ごく和風な作り方をしているのですね。
で、この写真撮影位置は周囲を巡らせている築地塀らしき塀の
正面、なんだけれど、やや右手側寄りから入る門のあたりからの眺望。
この建物が主屋であって、それに至るまでが右手側に回廊がある。
なので、意図としては、主屋をこの角度から見ることを
あらかじめ想定している角度がこの写真と言うこと。

日本の建築って、金閣に行くとわかるけれど、
大体がこのような写真撮影角度が多くの人たちに好まれてきたようです。
たぶん、この建築を設計した人も
そのような日本的な建築の「韻」を踏んでいるのでしょうね。
こういう角度から、このような寄せ棟を変形させた、
入母屋屋根のプロポーションを眺め、
その屋根の端部の反り返りぶり、いわゆるビーナスラインを
美的な審査対象にしてきたのではないか。
かえって昨日今日、建てられた建物だけにそのことが見えてくる。

やっぱり屋根ですよね。
こういう風景の中で、わかりやすいのは屋根のかたち。
さきにこういうかたちがあって、それから初めていろいろな構成要素に
目が行くのだと思われます。
で、ふつうは瓦だとかの素材感・質感に目が行って、
もっと、豪華さを出すには、ということから隅角部の瓦を特殊にデザインする。
あるいは、茅葺きの質感を愛でる、など。

北海道はこういう屋根デザインの建物が少ない。
日本海沿岸に点在する漁業の成功者たちの遺した建築くらいで、
一般的にはいきなり洋風建築の切妻屋根からスタートしている気がします。
雪のことを考えていけば、より単純な形態が求められた、
いわば、地域風土がやむなく求めたかたちだったのかも知れません。
いずれにせよ、北海道から東北以南地区に行って、
こうした屋根デザインには、敏感にならざるを得ないものがあります。
また、一方で現代東京の無国籍風デザインというものもある。
主に、都市的な経済要因が主たる決定因子として選択され続けている
あのような無国籍風デザインが、今後どうなっていくのか?
いろいろ面白く見えてきます。

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勿来の関

2007年12月29日 10時44分28秒 | 歴史探訪

勿来の関、と書いて「なこそのせき」、と読むんですが、
読めないですよね、一般的には。
まぁ、そういうことなんですが、
王朝期から平安期ころには盛んに日本史に登場する関所。
関東から奥州に向かうところにあるわけで、
「まつろわぬ」ひとびとと、王朝国家を隔てるための装置だったのですね。
いわば、国境線。
江戸期以降の近代化は、日本人から地方感覚、独立的感覚を奪ってきた歴史。
近代国家としての普遍性が一般化しましたが、
ちょっと歴史をさかのぼれば、日本には多くの「国家」感覚が存在した証だと思います。
ちょうど、藤原氏が奥州に派遣を樹立した頃には、
外ヶ浜から白河まで、里塚を建てたという時期とも重なる。
言葉は通じるけれど、違う国家が並立していたのでしょう。

だから、「征夷大将軍」というような役職が存在もしたのだと思います。
というようなことはさておき、
この勿来の関には、源義家の像が置かれています。
こういう人物がおかれているあたり、この地の歴史が伝わってきますが、
現代から見れば、やや遙かな感じがする。
でも、関東や東北各地には源氏の氏神といわれる「八幡神社」が多い。
源義家は八幡太郎という別名のような武名が高い武将。
対奥州国家への侵略者というのが実相のように思われるのだけれど、
英雄視されて伝わっているのは、その後の頼朝による全国制覇が預かっているのではないか。

そんな雑感が思い起こされるのですが、
やはり歴史の深さが直接的に伝わってくるような史跡です。
ただ、周辺は最近になってやや整備が進んできてはいますが、
資料館などもそれほどの奥行きはない、
やや残念な資料蓄積と感じられました。
しかし、白河の関と並ぶ、関東・奥羽の境の関所。
訪れることができて、うれしかったです。

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平泉・茅葺きの能舞台

2007年12月28日 05時59分37秒 | 歴史探訪

ことしも今日が仕事納め。
とは言っても、来年に向けて打合せや計画づくりなど、
作業は休み中も結局、継続しそうではあります。
しかし、まぁ、閑話休題。

ことしも休まず、書き続けてこられたので、
また、がんばっていこうと思いますが、
年末年始の時期には、すこし歴史系のテーマを増やして、
日頃の「うっぷん」を晴らしたい(笑)、と考えています。
仕事が関係なければ、やっぱり歴史にどっぷり身を浸していたいのが
わたしの本性なのではないか、というのがブログを書き続けてみての実感。
そういう意味では、ブログって、自分自身を知る鏡でもありますね。
仕事の関係で、日本中、とは言っても北日本中心ですが、
歩き回るなか、ちょっとした時間を見つけてはいろいろな土地の
歴史遺産のようなものに触れたくなるのです。
北海道のみならず、東北各地を巡るようになって、
幹線的に東北自動車道を使うので、必然的に平泉は定番になっています。
平泉・奥州藤原氏については、敗者の側の歴史ということで、
比較的につまびらかではない部分もあり、
大きくそそられるものがあります。

開祖である、藤原清衡が堀河天皇の勅命を受けて伽藍を整備したのが、中尊寺の創建とされます。
というのが通説ですが、それ以前に天台宗の実質的創業者
第3代天台座主である円仁(慈覚大師)が嘉祥3年(850年)、
関山弘台寿院を開創したのがはじまりともいわれます。
円仁については米国大使であったライシャワー氏が注目し、研究されたことでも有名。
かれは日本最初のリアリズムに満ちた旅行記を著したことでも知られます。

こういう茅葺きの能舞台まで残されている中尊寺。
能は、どのような機能を果たしていたのか、
民衆のための舞台と言うよりは、もうすこし権威的なものではあったと思いますが、
きらびやかな衣装をまとってた役者たちが
この地で舞い演じたさまを想起すると、さまざまな想念が沸き上がります。
多くの肉親を戦乱の中に失ったり、殺し合ったりした
藤原清衡が、鎮魂の志も込めて、この地にこの寺を建てた思いも
そうしたなかで、見えてくるような気もします。
昔の人たちが、いったいどのような思いを持ってこうした建築を遺し続けてきたのか、
そんな興味は、尽きることがやっぱりありませんね。
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「エコ住宅 Q1.0」臨時増刊

2007年12月27日 07時08分19秒 | リプラン&事業

リプランでは、来月末28日に「東北版臨時増刊」として
「エコ住宅 Q1.0~キューワン」を発売いたします。
これは、このブログでも折に触れてご紹介している
北海道における高断熱高気密住宅の進化の現在時点をまとめたもの。
民間の木造住宅についての工法開発研究機関としての
新住協が進める、次世代省エネ基準を大きく超えるQ1.0住宅についての特集です。
で、この本を北海道東北地区ばかりではなく、
関東を中心に、広く日本全域で発売する予定です。
わたしどものリプラン誌は、全国流通可能な「雑誌コード」を取得しまして、
それを利用して、寒冷地でのリアルな「住宅性能向上」の現実の姿を
「ごく当たり前のモノ」として、
多くのユーザーのみなさんにお知らせしたいと考えています。
首都圏以南では、高断熱高気密住宅といえば
きわめて例外的な、高額で高級なものという認識、宣伝が
一般的に多いと思いますが、北海道東北では、
ごく一般的なコストの範囲内で、研究熱心な工務店によって、
驚くほど高性能な住宅が、一般ユーザーに提供されている。
そういう現実をありのままに、お伝えしたいと考えたのです。
これまで、リプラン誌面に掲載された室蘭工業大学・鎌田紀彦教授の
高性能住宅づくりの指針を集大成し、
同時に、日本各地・中部地区、関東地区・新潟・東北・北海道と
多くの地域で実践されている家づくり実例もご紹介します。
以下、内容紹介を抜粋。

はじめに

日本の伝統的な住まい・古民家などを見ると、「夏を旨」とした通風に配慮した造りが基本。
が、そうした住まいは、開拓期以降、北海道でその致命的な弱点をさらけ出しました。ようするに、防寒性能・室内居住環境性能という考えをまったく持っていなかった。
北欧・北米水準に相当する寒冷地域に対して、日本の建築技術・文化では、その地にふさわしいような性能の住まいを実現できなかったのです。

そういうなかで北海道では、実践的な工法の暖かい家づくりが、独自な省エネルギー住宅として発展してきました。厳しい気候条件で暮らす連帯意識を基盤としたこの住宅技術革新の運動は、日本の建築技術の歴史のなかでも、きわめて稀有なことだったと言えます。
その中核的な部分を担ってきたのが、この本で取り上げる新住協<新木造住宅技術研究協議会>です。新住協が築き上げてきた技術蓄積・きわめて実践的な家づくりの具体的ノウハウは、いまや日本の住宅性能の標準的な位置を占めています。

こんにち世界が、省エネルギーで持続可能な社会、「環境の世紀」に大きく向かっていこうとする中で、貴重なエネルギーを無駄なく、活かしきる住宅技術は、いまや、待ったなしで求められています。
ごくあたりまえの標準的な金額で、だれでもがエコロジカルで高性能な住宅を建てることができる。
この本は、そういう願いを実現させてきた多くの住宅実例と、家づくりの指針をご紹介します。
その目指すものと、実際の住宅の様子をありのままにお伝えし、全国のみなさんに、本物の高性能な家づくりの参考にしていただきたいと思います。


ということです。
発売は、新年1月28日。朝日新聞全国版1面記事下でも広告予定です。
現在、書店ルートでの販売折衝中ですが、
びっくりするほどの手応えで、首都圏を中心に配本予定。
北海道東北では、地域のそのもののテーマとして当然ですが、
その他、中部・関西などの大都市圏でも発売します。
省エネが時代のキーワードになり、
環境問題が待ったなしに緊迫してきた現代社会。
根源的な解決策に向かっての住宅分野での積極的な挑戦です。
わたしどもにとっても、未体験な販売エリアでのチャレンジ。
ぜひ、多くのユーザーのみなさんに読んでいただきたいと考えます。

なお、現在、「先行予約」を以下のURLで、受付中です。
価格は1,000円。オールカラー124P。銀色の目立つ表紙です。
どうぞよろしくお願いします。
「エコ住宅 Q1.0」臨時増刊
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親子将棋

2007年12月26日 07時09分13秒 | こちら発行人です


現在小6の息子が最近、わたしに将棋を挑んできます。
「本当は囲碁も良いんだけど」とか言っていますが、
わが家は囲碁はありません。碁盤って重たそうだし、高そう。
それにどうもわたし、碁は五並べくらいしかできない。
なにかで見たことがあるのですが、
碁か将棋か、人間にはタイプがある、ということでいけば、
わたしは完全に将棋派。
もちろんヘタな素人将棋ですが、けっこう好き。
むかし、広告の仕事で「日本将棋連盟」の仕事もしたことがある(笑)。
そうなんです、で、当時の広告関係の担当理事があの憧れの米長さんで、
「ごあいさつ」ということでお会いしたことがあるんです。
会ってみたら、さすがにいつも将棋のことを考えているようで、
こっちと話していると言うよりも、次の対局のことを考えている風でしたけど(笑)。
って、ようするに心ここにあらず、目線は頭のなかの譜面を見ている目でしたね。

で、本題。どうも最近、話題がとんで申し訳ありません。
息子との将棋、なかなか負けてあげるのが難しい(笑)。
って、駒落ち勝負を申し込んでも、ガンとしてプライドをかけて断ってくる。
カミさんからは、「接待将棋、接待将棋」とアドバイスが来るのですが、
どうしても将棋は「戦闘的」なので、一手一手、対応してしまう。
最後は涙目の息子との対局になって・・・。
でも、こういう貴重な機会は逃したくない、
で、息子のプライドも傷つけないでどうやったら、駒落ち勝負に持ち込めるか。
そこで一計を案じまして、駒を並べる前に
山崩しで、駒のとりあいっこを先に勝負することにいたしました。
このとりあいっこの結果で、将棋の持ち駒を決定するという
いわば、2段階の将棋の勝負なんですね(笑)。
で、これはこれで、けっこう本気に勝負できるので楽しい上に、
写真のようなみごとな「駒落ち」が実現する(涙)。
まぁ、こうなると、ちゃんと駒の動きがわかっている相手では、
どうやってもひとたまりもありません。
空いているこっちの陣地に、いきなり飛車や角を「張られる」のですから、
どうやっても防ぎようがない(笑)。
そのうえ、研究するにも持ち駒が想定できないので
ほぼ対応もできない、という2重苦、3重苦の将棋であります。

でもまぁ、親子関係的には大正解でして、
そこそこのルール(?)に則っていて、しかも悔しがるお父さんに、
大喜びの息子、ということが実現できております(笑)。
親子将棋と言うよりは、親バカ将棋でしょうか(笑)。
本来はこんなことでは教育にも良くないでしょうが、
いわば苦肉の策ですね。
お父さんはけっこう、真剣に戦っております。が、
いまのところ、連戦連敗。って、これじゃ勝てません。
でも、このハンデ戦で一回は勝ってみたいと思っております。
う~む、くやし~い!
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温水ルームヒーター

2007年12月25日 06時37分29秒 | 住宅性能・設備

北海道では、まず見たことがない暖房システムとして
この写真の「温水ルームヒーター」があります。
大体が灯油を熱源とするボイラーを屋外に設置して、
そこから温水を、室内に4カ所ほど設置したヒーター装置接続場所に送るのですね。
で、ごらんのように接続して使用する。
間歇的な暖房として使えるのですが、同時に簡易なセントラルヒーティングとして
使用できるというメリットのある暖房システム。

ときどき、南東北地域で施工例を見かけることがあります。
必要な部屋だけに暖房が欲しい、というような需要に対応しているモノ。
ただし、室内で複数台を設置すれば、ある程度のセントラル暖房装置にはなる。
実際には、冬場で冷え切ってしまう床面などへの送風立ち上がりが早いので、
留守中に暖房しない場合、重宝されているそうです。
ある程度の工事は必要だけれど、
エアコン並みの工事で済むので、家電量販店ルートなどで気軽に買える。
まぁ、建築的ではない暖房、「採暖」的な暖房ということになりますね。
その意味では、逆に高断熱高気密で住宅性能がしっかりしている
そういう建物で、日射の熱取得がかなり期待できる、というような地域では、
省エネな暖房選択としてあり得るのではないか、とも考えられます。
しかし、最近は温暖地では需要が伸び悩み、
寒冷地では灯油の異常な値上がりということから電化に押され、
マーケット自体が縮小してきているのだそうです。
それと、エアコンのような室外機がセットであるわけで、
積雪寒冷地では、ボイラーも室内に置くケースが多いので、
そうしたことへの対応も、まだ十分とは言えないようです。

メーカーさんのお話を伺っていると、
やはりオール電化の需要の伸びが顕著で、
なかなか、対抗策に苦慮されているのが現実のようです。
いまや熱効率と費用のバランスでも、電化の方が安いというような現実だそうで、
そのうえ、火のない安全性ということも考え合わせれば無理もないところかも知れません。
世界的なエネルギーコストの上昇局面は
どう考えても今後、劇的に変化することはなさそうで、
こうした暖房機もユーザーの厳しい選択眼に対して
どのような打開策を打ち出せるのか、苦慮されるところですね。
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空気を写真に写し撮る

2007年12月24日 08時09分07秒 | リプラン&事業

きのうは岩見沢の武部建設「結ホール」で開催中の
並木博夫さん写真によるイタリア在住の彫刻家・安田侃さんの写真展を見学。
っていうか、先日観に行ったので、写真家と会いに行ったというところ。
カメラマンさんって、仕事上いろいろに付き合いがあるのですが、
彫刻家・安田侃さんとの仕事について、じっくりと話を聞けました。
ローマで10日間滞在して多くの作品をファインダーに収めてきたのですが、
わたしが興味深かったのは、天候条件のこと。
多くの作品写真は、ふしぎと雨上がりの条件の中で撮影されていることでした。
そのあたりにフォーカスしてお話を振ると、
まるで、玉手箱のように撮影条件と手法について、
とめどない洪水のような思いが表出されてきていました。

お話の中で「やはり」と思えたのが「空気感」というフレーズ。
住宅の写真でも結局同じようなことを考えながら、工夫を凝らしていくのだけれど、
「平面的な意味」の構図を整えながら、
っていうのは、ようするに彫刻であれば、そのプロポーションの発見。
建築であれば、その構成要素への写し撮る側の「了解」を
一枚の写真の中に表現するということ。
その作業もそうたやすいことではない。
なかなか、たとえば「住宅性能」的なことというのは写し撮りにくい。
また、建築の意図、というものもそうは簡単には理解はできない部分がある。
しかし、いずれにせよそれは「感受する」という部分。
一方で、そうした受け身を超えて、その作品なり住宅なりに
真っ正面から写真家が向き合ったとき、
いちばん、求められるのは、臨場感とかいうように語られる部分。
もっといえば、やっぱり「空気感」なんですね。

空気はもちろん、無味無色の存在。
しかし、感受性をとぎすませていけば、その湿度は比較的簡単に理解できる。
ようするに雨とか、曇りとか、晴れとか。
そして、最大のファクターが太陽と、その日射が生み出す表現力。
「現実」という中では、まことに驚くべき多様な表現力を持って、
この太陽光はわれわれに、実に多彩な感動的ビジュアルの一瞬、一瞬を見せている。
さらに風であるとか、水の表現力とか、
そうしたさまざまな要素を「わきまえながら」写真家は与えられたテーマに向き合っている。
それが、写真家・並木博夫さんが撮った安田侃さんの彫刻写真では
まるで、七人の侍のクライマックスシーンのように、雨を利用しているのです。
それも雨が上がったときの、色々な素材の乾燥スピードの違いがもたらす
一瞬の表情が、みごとに感光されているのですね。

というようなことなのですが、
まぁ、わたしのヘタな解説を読むよりは、やはり実際の写真に触れるのがいちばん。
まだ写真展は開催されていますので、
ぜひ、見に行かれることをオススメいたします。

■並木博夫「時間の風景」写真展 
安田侃ローマ野外彫刻展「時に触れる」

(2007年12月14日(金)~2008年1月13日(日)10:00~16:00)
開催期間 2007年12月14日(金)~2008年1月13日(日)
 12/23・24日は並木博夫氏自ら接客します (12/29~1/7は休館します)
時間   10:00~16:00
場所   武部建設(株)「結ホール」
     岩見沢市5条東18丁目31
      0126-22-2202
料金   無料

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遠刈田温泉・神の湯

2007年12月23日 08時10分24秒 | 出張&旅先にて

ことしもそろそろ押し迫ってきてましたね。
天皇誕生日が年末に来てから、この時期って、
ちょっと味わいが変わってきた感じがあります。
そろそろ今年を振り返り始めるような連休、といったところです。

ことしもいろいろ巡り会えた温泉。
最近は、ビジネスホテルだけれど温泉付き、っていうのが増えてきた。
そのうえ、インターネットの常時接続環境っていうのが
出張族に受けているのだろうな、と実感します。
考えてみると、東横インの大当たり以来、
ビジネスホテル大戦争がにぎやかに展開していますね。
これって、背景に企業の「支店リストラ」があるのではないかと思っています。
これまでは、支店・営業所拠点を持って運営してきたけれど、
経費的に支店や営業所は今後、リストラされて、
整備される交通網を利用した「出張」で、地方での企業活動を維持する。という方向。
地方都市でのシャッター街化と、ビジネスホテルの出店が
同時進行していると感じるのはわたしだけでしょうか?

って、話題が完全にずれました(笑)。
印象に残った日帰り温泉と言うことで、
これがなかなかよかったでした、遠刈田温泉・神の湯。
高速では東北自動車道・白石インターから
宮城蔵王を目指して走らせる道の途中にあります。
高速インターから30分くらいでしょうか?
建物の外に、無料の足湯を提供していて、これについ、吊られて
みごとに温泉に、「釣り上げられた」次第なんですね(笑)。
なかは青森ヒバの香りが、むせかえるほどに充満しておりまして、
「掛け流し」温泉のふくいくとした肌触りとともに癒されます。
結構、地元のみなさんの利用が多いあたり、
湯の品質についてはレベルは高いのだろうと推察されました。

歴史はけっこう古いのだそうですが、
まだまだ木の香りも新しく、清潔感もあります。
というようなことで、オススメの日帰り温泉でした。
値段はすいません、忘れました(笑)。が、そんなに高くはなかった。
っていうか、地元の人たちが毎日来るような
銭湯並みの値段だったと記憶しています。
あいまいなご報告ですが、許してください。ではでは。

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ようやく忘年会

2007年12月22日 08時08分18秒 | リプラン&事業


ということなんですが、写真はまったく無関係ですね(冷汗)。
申し訳ありません。お酒飲んでいるウチに料理の写真を撮るのも失念。
まぁ、ことしは超多忙のまま、忘年会にようやくなだれ込んだ、という印象で、
去年の場合は、芸をやっているゆとりもあったようですが、
ただただ、酒をつぎ合っていて時間が過ぎていった感じです。
年末近くに、通常号を北海道と東北の2冊アップ。
(って、東北はまだですが・・・)
それに加えて、特別誌面企画が大型のものが3つ進行。
そしてそれとは別に、臨時増刊的な企画が同時進行で合計3冊進行。
というような殺人的ハードスケジュールでした。
まぁ、なんとかメドは立ってきたのですが、
まだまだ、積み残しの仕事、来年の20周年号特別進行など、
年末ギリギリまで、作業が続きそうです。
仕事の段取りがどうしても付かなかったスタッフもいまして、・・・。

きのうの札幌市内はさすがの渋滞ぶりで、
タクシーもさっぱり捕まりませんでした。
ちょうど、忘年会開始時間頃が、タクシーのピークなんですね。
でも、2次会は地下鉄の終了時間にあわせて波が去るそうで、
昔のような狂躁はさすがに影を潜めているのでしょうね。

まずはなにはともあれ、無事に忘年会にたどり着けました。
で、写真なんですが(笑)
これは道央高速道の岩見沢と、砂川のPAにある彫刻なんですね。
岩見沢は、農産物の集散地として栄えた街らしい力強い馬車。
砂川はジンギスカン名物のゆかりの地、ということを表しています。
まるで、いまにも動き出しそうで楽しい。
とくに、お馬さんが引っ張ろうとしているのはベンチなんですよね(笑)
テーマとはまったく関係ありませんが、
若干、二日酔いですので、お許しください(笑)。ではでは。

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