三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

現代中国人の「世論調査」結果

2015年09月26日 06時19分46秒 | 状況・政治への発言
きょうのウォールストリートジャーナル日本版に
「中国、一般市民の懸念は官僚腐敗と大気汚染」という
そうだ、こんな記事が読みたかった、という調査記事があった。
この記事は、ワシントンの調査機関ピュー・リサーチ・センターが
24日に発表した調査結果の概要を伝えるものだった。
折から中国の習近平首席が訪米して、オバマ大統領と会談する
その前段としての調査報道だけれど、
まことに的確な報道主旨だと、まずはそこに感心した。
会談する相手国家の人々が、どんなことを考えているのかという
きわめて当然に持つべき冷静な調査報道を行っていることに
メディアとしての成熟した姿勢を感じさせられる。
ひるがえって、わが国では、安保法制論議の間、
冷静な国際環境分析などへの興味関心を示してきたメディアは少なかった。
本来であれば、国益と国防の重なる中国の真実を
しっかりと実像として読者、国民に知らせるべき役割こそが
メディアには求められていると思う。
相手が、とくに共産党独裁で民意が測りにくい国家だけれど、
しかしその国の為政者にとってもっとも細心に配慮しているに違いない
中国国民が、いったいどのような「意識」を実際に持っているか、
こういう地道な報道姿勢は、まことに信頼に値するし、貴重だ。
たしかにこの調査自体は、アメリカのさまざまなシンクタンクのひとつが
ある目的を持って行ったことは明白だとは思うけれど、
メディアとして、そうした動きをしっかりチェックしていること、
それが、国益国防にとっても最重要であるという判断力のレベルは、
やはりアメリカの底の厚みを感じさせてくれた。
それに対して、日本の大メディアたちは、
むしろ、感情論丸出しでレッテル貼りに狂奔していたメディアが多かった。
インターネットの時代に対応するのに、、日本のメディアは
自社の「主張」としてのプロパガンダに傾きつつあるけれど、
基本的に、冷静な調査報道、事実の解析こそが不可欠だ。
先の日米戦争開戦時に、アメリカは日本人の心の構造にまで
調査を進めて、「菊と刀」という本が著されたりしていたけれど、
対して日本の朝日新聞は、その時点の民衆の情緒プロパガンダに流れ、
国家破綻の方向での報道に邁進していた。
今回の安保法制の局面で、同じように冷静さのない、
国益にとって損害でしかない報道態度を取り続けたことは
まことに残念でならない。

横道に入りすぎてしまったけれど、
いまの中国人の、共産党政権の桎梏の中からのホンネの
ほんの一端、それも共産党支配構造でも容認可能レベルの情報だけれど、
やはり「民の声」は、重く受け止められるものだと思います。
なにより、その国の民のいちばんの懸念が「官僚の腐敗」である、という国家と、
われわれは、否応なく至近距離で向き合っている現実から
片時も目を離すことなど不可能なのだと思う。
そしてそういう国との関係において、イデオロギーではなく、
冷徹なパワーバランス問題としての安全保障論議を、
健全な国内世論として喚起していかなければならないのだと思います。
その声の数字と内容をじっくりと見ていました。




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贖罪意識から心情論に至る病

2015年09月14日 05時25分00秒 | 状況・政治への発言
知人の考古学研究者に瀬川拓郎さんという方がいます。
わたしの高校の後輩になるのだそうですが、
実に素晴らしい学問的な業績を上げ、また、著作も多くの人に読まれている。
その研究事跡について、わたしはたいへんリスペクトしています。
かれは、旭川博物館の「主幹」として勤務されていますが、
いまやアイヌ研究の第1人者といっても過言ではないと思います。
かれの「アイヌ学入門」という著作の前書きでは、こんな記述がある。

アイヌを単純に「自然と共生する民」と評価してしまうと、
交易民として生きてきたかれらの複雑な歴史の意味を
見失うことになりかねません。そもそも「自然と共生する民」は、
閉じた世界に安住してきた未開で野蛮なアイヌという
負のイメージを肯定的に評価するために、それをただたんに
裏側からみたものにすぎないのではないでしょうか。(以上、引用)

なにか、これまでモヤモヤしていたものがクリアになる一節でした。
先日も、敬服しているある学者の方と話していて、どうも
「アイヌ=自然と共生する民」という素朴な刷り込みに囚われていた。
そこで、瀬川さんの著作を1冊、プレゼントしたところ、
その実証性に満ちた論旨をすぐにご理解いただいたようでした。
近作「アイヌの歴史」では、

「エコロジカルなアイヌ像ではなく、宝を求めて異文化と交流しながら
激動の世界をしたたかに生き抜いてきたアイヌの歴史を提示したい。
このことは、アイヌの歴史に自然との共生を学ぼうとする態度を
否定するものではない。しかし、多くの場合のそれは裏付けを欠き、
「自然」破壊を進めてきた「文明」の贖罪意識や、アイヌを「自然」の一部と
みなすことで侵略を正当化してきた「文明」の贖罪意識といったものが
一体になった、心情論でしかないようにみえる。」
と、書いている。

さらに、夭折したアイヌ人女性・知里幸恵さんの書かれた
「アイヌ神謡集」の序文に触れて、
~その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました。
天真爛漫な稚児の様に、美しい大自然に抱擁されて
のんびりと楽しく生活していた彼等は、真に自然の寵児、
なんという幸福な人だちであったでしょう。(以上、抜粋)~
こうした美しい文体から紡ぎ出される文学世界観が多くのひとに
前記のような贖罪意識から、無意識の前提として刷り込まれていった。
瀬川拓郎さんは、これに対して実証的態度で
「もちろん、
このような一切の苦悩から解放された楽園が実在したわけではない」
とハッキリと書かれている。
いま、多くの学者のみなさんと交流する機会があるのですが、
こういった非実証的な刷り込みに囚われている傾向は、
あらゆる領域の学問のみなさんに共通してあると思います。
どうも「いい人」でありたいがために、実証性を顧みない傾向が
むしろ学者さんの世界に広く存在するのかも知れない。
その弊害が、さまざまに現れてきていると思っています。
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一部「人権派」のヒステリー化を憂う

2015年09月02日 05時37分25秒 | 状況・政治への発言

こうした発言について、この人は、謝らないのだろうか?

8月30日、国会議事堂前での安保法案抗議集会。
山口二郎法政大教授は安倍晋三首相に対し
「お前は人間じゃない」
「たたき切ってやる」
との暴言を吐いたとされる。
権力者とはいえ明らかに、一個人に対する言葉の暴力でなくてなんだろう。
普通に考えれば、こういう発言は言葉のテロと言われても仕方ない。
その場の雰囲気に高揚して、言いたい放題口走っている。
まことに言葉が先鋭化して、ヒステリーが昂進している。
あぶない状況が進展していると思う。

疑問が次々と湧いてくる。
安保法制反対派であれば、なにを言っても許されるのだろうか?
普段から人権を言いつのっている朝日新聞は、たしなめるべきではないのか?
こういうふうに考えるような人間は、「人間じゃない」のだろうか?
人間じゃない⇒殺されても仕方ない⇒たたき切ってやる。
こういう言葉の先鋭化の果てに、
本当にヒステリーと化した人物が現れてこないとも限らない。
それを、「人権派」といつも自認しているひとが公言して憚らない。
そして、こうした公然たる発言事実に対して
「報道しない自由」を発揮しているメディアが多い。
安保法制反対派メディアとして、こういった「騒然たる雰囲気」づくりが大切で
目的のために手段にはすべて目をつぶっているのか?
なにが「人権」か、と思わざるを得ない。
本来、科学的な態度で、冷静な論理で語るべき学者こそが
ヒステリーを煽っている状況。
これが、いまの時代の真実なのだ。
賛成とか反対とか関係なく、こういうヒステリーにだけは毒されてはいけない。







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社会的人口減少

2008年06月10日 06時23分57秒 | 状況・政治への発言


きのうの続きです。
って、どうもこういう話題はシリアスすぎるかなぁ(笑)。
でもまぁ、先行きのことを考えるのは冷静に判断しなければならない。

人口減少って、日本では縄文の末期に気候変動の結果としてあったそうです。
ただ、これはあくまでも推定のことなので、まぁあまり考慮しようがない。
それ以外では、江戸中期の冷害に襲われて不作が続いた時期。
これはオホーツク海高気圧が東北関東にかけての地域に
冷たい夏をもたらして、基幹産業である農業が壊滅的に被害を受けた時期ですね。
この頃には、天明の大飢饉など、すごい被害がもたらされている。
ただし、この時期でも、西南日本では人口増が見られていたと言うことで、
東北太平洋側北部地方のように一部では、人口半減近い減少というなかで、
全体としては、そう大きな人口減少ではなかった。
むしろ、人口減少と言うよりは、停滞期というようにも考えられます。
あとはもう一度、第2次世界大戦による「社会的減少」。

前2回はいずれにせよ、自然エネルギーのみに依存する社会構造のなかで
天候の変動が直撃した、という事態だったのですね。
こういう概括からすると、
これから到来する、といわれる人口減少は、
現在の少子化の傾向分析から導き出されている考え。
宋文州さんのように、日本人というDNAが人口を無意識的に「調整している」のであって、
構造的にそのような人口減少などは起こらないのではないか、
という意見を述べられる方もいます。
このあたりの論議がきちんとされる必要があるのですが、
経済とか、企業経営とか、長期的戦略立案など、
あるいは国家の政策基調の部分では、こういう悲観的(?)な分析を基本にして
そうなったとき、どういうようにやっていくか、
という考えになっていくのは当然といえる。

少子化、というのが根本的な問題なのですが、
なぜ少子化が進行しているのか、
それは避けられないことなのか、
どうも、よく理解できないと思えるのですね。
増えすぎてしまった人口が自然的に調節をしようとしているのでしょうか。
それとも、第2次世界大戦の結果、ショック的に人口減少した
日本民族が、そのDNA的危機感から人口急増をもたらし、
そのことの調整過程が現在である、というようにも考えられます。
一定の減少は進行するだろうが、
ある時期で減少スピードが停滞して、ゆるやかな人口数停滞がはじまると
考える方が自然ではないのでしょうか?
こういう問題になってくると、直感的な予測の部分になってきますね(笑)。
どうもこの問題、不安感ばかりが先行しすぎではあると思われます。
いかがでしょうか?

<写真は再び無関係です(笑)北海道の大規模漁家保存建築>

北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A


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「地方経済」の危機

2008年06月02日 06時28分24秒 | 状況・政治への発言


<以下、きのうの北海道新聞より抜粋>
道内主要企業の7割が経常減益 2、3月期 原油高など直撃(06/01 07:55)
 北海道新聞社の集計によると、七割に当たる二十八社が経常減益(赤字転落、赤字拡大を含む)となった。原油高や原材料高で費用がかさんだのが主因。好調な輸出を背景に三月期決算で六年連続増益を達成した東証一部上場企業全体と比べて、業績悪化が目立つ。主要四十社の経常利益(黒字と赤字を通算)は千三百九十四億五千八百万円で、前期比27・6%減。東証一部上場企業千二百二十九社の三月期決算の経常利益は同4・7%増だった。道内四十社の純利益は同20・8%減(東証一部上場企業全体では10・7%増)、売上高は同2・6%増(同7・0%増)だった。

まぁ、なんともすごい状況になってきていますね。
主要な地場企業、軒並み赤字転落とか、利益縮小になってきています。
一時期、「勝ち組」とか言われてきた企業でも
エネルギーコスト・原材料価格の高騰という未曾有の事態のなかで、
進行する消費の落ち込みのなか、価格転嫁できず、
企業業績が大きく落ち込んできているという状況です。
東証一部上場企業との乖離が大きくなってきているとも伝えています。
地方経済は、国の無策の結果、立ちゆかなくなってくるのでしょうか?
同じ誌面では、もと大蔵省の榊原さんが
グローバルな石油価格上昇・食料原材料価格上昇の要因として
サブプライム問題以降の過剰流動性・投機資金のこの分野への過剰流入が指摘されています。
日本が国策としてきた原材料への付加価値戦略が、
このような「投機」の動きによって、破綻寸前の状況になってきたと告げています。
高付加価値な工業製品・サービスなどの「価値」が相対的に低下し、
投機資金の流入で、原材料自体が投機の対象にされてきている。
しかも、こうした変化のなかで、
アメリカの政策能力は破綻を続けており、
同時に日本は、伝統的な工業立国路線から新事態への対応ができていない、
というように指摘されていると思います。
一部の大手企業は、まだ対応がギリギリ可能なのでしょうが、
地方経済に立脚している企業は、この事態に対応が追いつけていない。
原材料が投機によって不安定な状況では、
それを使って加工組み立てするタイプの産業では厳しい。
大手ではまだ、活発な海外市場で活路があり得るけれど、
地域密着タイプの企業には、展望が見いだしにくい状況になっている。

静かに、大規模に進行している危機って、
案外、そのなかにいると、気付かないことが多い。
ちょうど、台風の真ん中にいると静かなようなもの。
石油価格の上昇・資源価格の上昇は、
どうも、のっぴきならない局面にまで来ているという感じが強まってきました。
一番の危機は、政府や政治家、省庁に打開への動きがみられないこと。
資本主義経済世界を共有する人口が急拡大して、
その大部分が、資源加工型経済構造~日本がこれまでやってきたこと~に
一斉に参入してきて、その相対価値が下がり続けてきている。

さて、暗中模索の経済状況が続くのでしょうね。
国の基本戦略が明示的に論議もされないなか、
企業としては、自分たちの方向性を見いだしていかなければなりません。
別に北海道だけの問題ではなく、地方経済ってもの、
いよいよ、正念場と思ってかかる必要があります。
<写真は無関係です>

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超長期住宅政策について

2008年05月02日 06時35分37秒 | 状況・政治への発言

さて、きのうの動きの続編です。
国土交通省では、この200年住宅についての説明会を4月11日に開き、
提案応募の締め切りを5月12日に設定する旨、発表を行ったというところ。
正直に言って、この1回だけの説明会で、130億円とも言われる
国費を投入するに足る「周知徹底」が、行われている
という前提のように見受けられる。
その後は国交省のHPなどで質疑応答などが行われていて、
それを見なさい、というのが関の山の対応のよう。
このあたり、いったいどのように考えているのか、釈然としませんね。
国交省としては、業界一般は業界専門誌みたいなメディアを全員読んでいて、
そういうレベルにだけ通知すれば事足りると考えているのだろうか。
今回の乱暴な推移を見ていると、知らないヤツは置いていけばいい、
業界専門誌だけに情報開示すれば、あとはほっとけばいい、というように思われる。
こういう進め方で、大きな国費が執行される実態を見て
ちょっと、大きな違和感を感じていると言うことなのです。
たしかにわたしどもも業界専門誌的な存在ではあるけれど、
だからといって、行政側の垂れ流す情報が本当に意味がある情報とも思えない。
行政の側の情報が、「知らないと損する」みたいなことになってしまったら、
そもそも、税金の使い方としての公平性を著しく欠いてはいないか、と思うのです。

何人か、東北地域の住宅関係者に電話で取材してみたけれど、
それも、今回の「超長期住宅」について一生懸命に努力してきた人たちなのですが、
「なんとなくそんな話は聞いたことがある」
「詳しく聞きたくて話を聞いたけれど、難しいと感じた」
というような反応。
わたしとしては、こういうひとたちが対応できないような「超長期住宅」政策、
というようなことが、どうしても信じられない。
たまたま、北海道では地方公共団体としての道庁が
こういう住宅施策について、それこそ「先導的」な役割を果たしてきている経緯があるので
地域の工務店ビルダー組織がなんとか対応できるけれど、
国との間に、情報を持っている地方公共団体とかがない場合、
それこそ、独自に取材する「業界紙」くらいしか、詳しい情報媒体がない。
そんな、拙速そのもので、大枚の公費が使われようとしている。
なんと、来年4月末日には、ことし、この情報を知って、
この政策に合致すると認定される住宅を建てた「建て主」個人に対して、
政府から直接、上限200万円の「補助金」がばらまかれるのです(!)。

ダムを造ると言うことについては、
たとえば地元と調整したり、ヒアリングしたりとか、
いろいろに情報公開されると思うのですが、
今回のこの「補助金政策」はもっと直接的なものだと思います。
国という行政単位、官僚組織というものが、
いままでどんな風にやってきたのか、次第にそのやり方がわかってきた、
ということを実感しているところ。
逆に言うと、こういう情報をごく一部、大手ハウスメーカーだけしか知り得ないように
やってきたのが戦後以降の日本の住宅政策だったのかも知れないと思います。
さて、どのように展開していくのか、ウォッチが必要ですね。
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石油大高騰

2008年01月20日 14時23分59秒 | 状況・政治への発言

きのうの除雪作業で、やはり疲れがどっと来たようで、
本日はなかなか、本調子ではありません(笑)。
情けないですが、やはり大雪には勝てませんね。

で、きのう駐車場の除雪中に灯油販売のトラックと遭遇。
契約しているので灯油タンクで配送中なのですね。
まぁ、買う側も今シーズンは一生懸命石油の節約を進めていて、
販売している彼には申し訳ない部分もあるのですが、
「いやぁ、あんまり使わない方が良いですよ。メチャクチャですからね」
というふうに語ってくれていました。
誰が悪いという問題ではないのですが、
かれのような立場の人間は、なんとも心苦しい部分があるのだろうな、
と察せられます。

さて、この石油大高騰。大状況から言って、
諸悪の大根源はアメリカ・ブッシュ政権だろうと思います。
世界中がへきえきしているイラク戦争を始めた大失敗と
終わらせる戦略のなさ、という両方の意味で。
イラク戦争の開始以来、石油はずっと一本調子で高騰を続けてきている。
アメリカがイラクから撤退しなければ、石油問題の進展もなさそうです。
ここまで世界を混乱させて、ブッシュにはなんのメリットがあるのか、
どうにも理解できない、まぁ、かれなりにはあるのでしょうね。
どうも、資質として、世界の指導者たる人物としては、大きな疑問。
アメリカ一強体制の結果がもっともひどい惨禍をまきちらした、
と、そろそろ結論づけるべきではないかと思います。

いまでは、石油は株に代わって、投機商品になってきてしまっている。
エネルギー源が血みどろの世界戦略になるのは趨勢ではあるけれど、
経済の根幹を成す石油が、投機の対象になってしまえば、
ちょっと後退できない破局への道筋のような気もしてきます。
ブッシュが交代せざるを得ないこの秋の大統領選挙がどうなるのか、
結局、そこまで、石油問題は大きくこそなれ、小さくはならない。
そういうなかにわたしたちの今日の生活状況はあります。
そして、これが日本の政治も揺さぶりそうですね。
民主党は石油価格の中の税金部分にメスを入れてきた。
考えてみれば、石油消費立国としてやってきた日本の骨格に関わる議論。
日本は相対的な低石油価格の恩恵にもっとも依存した国家運営をやってきた。
たしかに官房長官が説明するように、
石油の税金を下げるというのは、たいへんなことだろうと思う。
しかし、これが契機となって国家自体の基本まで論議していくのに、
この石油問題が格好であることは明白。
石油高騰という、国難レベルの事態を災い転じて福と成す、
良い機会であるのかも知れません。
ぜひ、根源的に論議していっていただきたいものだと思います。
次世代のエネルギー戦略に発展もするだろうし、
国家としての基本的なスタンスの論議にもなっていく。
もちろん、直接は税金の構造、そしてそれの使い道ということにも繋がる。
政治がもっとも期待される領域の事柄なのだ、と思います。

<写真は寒波で、随所に結氷が見られる付近の発寒川。>
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首都圏経済大集中

2007年11月27日 06時15分32秒 | 状況・政治への発言


昨日、ある道内企業の社長さんと打合せ。
その会社では首都圏に出店して、そちらの売上がうなぎ上りの状況とか。
マーケッティング的なお話をさせてもらったのですが、
世田谷区に拠点を設けているとのこと。
北海道とは、顧客の注文のレベルがまったく違っている。
商品に対する知識レベルも高く、選別眼も持っている。
そのうえ、なんといっても世帯収入レベルが高く、
たった80万人の人口に対して、1万世帯以上が
世帯収入1000万円を超えるのだという。
いわゆる「富裕層」の厚みが全然違っている。

土地を持っている場合、その平均的な坪単価は300万円を超えるそうで、
その分、面積は小さめとはいっても
資産としては35坪程度で、それだけで1億を超える。
渋谷や新宿といった、なにをするにも日本一の利便性を持つ都市機能にも
電車でほんの十数分でアクセスできる。
気候は温暖であって、しかも区は大変な富裕自治体だそうで、
税金関係なども安い。
生活者の暮らし上の満足度はきわめて高く、
地域への愛着度もきわめて高い。
マーケッティング的に、費用対効果を考えれば、
もっとも魅力的なマーケットであり、企業として考えたとき
こういう地域に足場を持たなければ、今後は存続も難しくなってくる。
首都圏以外の地域との「格差」は、すさまじいレベルに達している。
北海道での仕事の常識とは、かなりかけ離れてきている。
というか、首都圏と一部地域と、それ以外の地域の
「生活実感格差」も拡大こそすれ、今後、縮小するということはないのではないか
そんなナマなお話を聞くことができました。

これからの企業経営というものを
長期的に考えたとき、こういう社会状況に対して
いい、悪いは別にして、対応を考えていかなければならない。
現実的に、首都圏とそれ以外の地方との経済格差は
もはや、調整不可能なレベルまで到達している。
暗黒の十年以降、政治的には、国家としての地域間格差調整を止めますという流れ。
というか、そういう国家論がけっこう幅を利かせてきている。
企業の側としては、対応を考えていくことになるけれど、
一市民、日本人として考えたとき、
その生まれた地域によって、すでに格差が付いているような社会は
どうなんだろうか、と思わざるを得ません。
みなさん、こういう問題、いかがお考えでしょうか?

<写真は「ゆりかもめ」からの車外風景>
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安倍政権の総括の開始

2007年10月03日 07時05分34秒 | 状況・政治への発言




自民党の擬似的な政権交代「劇場」効果が
高い内閣支持率というかたちで出てきていますね。
まことに、ゆれ動く民意なのか、メディアによる目くらまし効果なのか?
そもそも、選挙による民意と、こういう調査による支持率って、
同じようには扱えないものではないかと思います。
そういう情勢の中で、沖縄の民衆の声が政治状況の本質を暴き出しつつあると思います。
例によって、安倍さんを筆頭とするような復古主義者による
歴史歪曲の「教科書検定」問題で、
なんと、沖縄戦での集団自決について「旧日本軍の関与はなかった」
とするように記述を改めさせている動きに対して、
沖縄で11万人の集会が開かれて抗議の声が上がったということ。
現地でここまで大きな声が上がった問題を強行するのか?
これは、巨大与党勢力を背景として次々と、
「戦後レジュームの総決算」を強行採決し続けた安倍政権がもたらした負の遺産。
この安倍政権というのは、自民党総裁選挙は経たけれど、
選挙による民意を経た政権ではなかった。
いまの巨大与党体制は、小泉政権の郵政民営化選挙の結果にすぎない。
あの選挙で、「戦後レジュームの総決算」など、だれも付託してはいなかった。

さて、野党4党は多数を占めた参議院で、
教科書の記述改悪に対して、共同提案で法案を提出するようです。
多数の参議院では可決されるでしょう。
それに対して、すでに公明党が与党の枠ではない動きを始めている。
世界的に日本の外交的孤立を導き出すだけの
「戦後レジュームの総決算」というものが、しっかりと論議されるべきだと思います。

そろそろ魂胆丸見えの目くらましから、目を覚まして、
こういう根源的な政治問題をまじめに論議すべきだと思います。
野党勢力は、こういう地道な努力によって、
現在の政権の、非正統性部分を暴き出す政治的努力を続けるべきです。
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安倍政権の総括って?

2007年09月25日 06時25分33秒 | 状況・政治への発言




ここまで最後がしっかりできない政変劇っていうのも珍しい。
安倍さんって、わたしはどうして人気になったのか、よく知らないうちに
「国民的人気」とかという摩訶不思議な要因で
自民党内的人気が高まっての就任だったと思います。
で、よく聞いてみたら、拉致被害者が日本に「一時帰国」した段階で、
そのまま、北朝鮮に帰国させず、
永住帰国させるべきだというように動いたことが、
情緒的な感情にぶれやすい「国民感情」に耳障り良く聞こえて、
いわゆる「人気が高まった」と、なったらしいのだそうですね。
まぁ、わかりやすい「ポピュリズム」を刺激した手法ということ。
そういうやり方が、小泉後継としてふさわしいと圧倒的に支持したのが自民党なんですね。

さて、今回、安倍さんから福田さんへ政権が変わるのですが、
お決まりのテレビによる「総裁選報道ラッシュ」という目くらまし効果は、
まぁ、ここまででしょう。
福田さんという政治家は、こうした自民党の流れに対して、
明確なメッセージを打ち出すことが出来るのでしょうか?
もししっかり打ち出す、というのであれば、
前政権とはどのように違うのか、ハッキリさせるべきです。
安倍さんという政治家は、ちょっと考えられない失態、
自分の健康状態によって、所信表明演説をやって翌朝、
首相の座から「逃げ出した」というような印象を国民に与えてしまっている。
ここの原点から、国民に対して明確なメッセージをしなければならない。
昨晩、遅ればせながら、安倍さんがバツが悪そうな会見をしましたが、
こういう姿勢では、政権を持って、信ずる政策を実現しようという、
政治家、政党としての基本的な部分での破綻を押し隠すことは出来ません。
ハッキリ言って、安倍さんの政治路線は明確に国民から拒否されたのに、
それでも政権にしがみつくといったのに、
そうやってまで国民にメッセージを出したのに、逃げ出したことから
自民党は、どうすべきなのか、なにも語っていない。
政党、政治家として、体を成していないといわれても否定できない。
どのような「立て直し」があるのか、国民は厳しく見ていると思います。
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