三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

世界規模の人の流動性と日本住宅マーケット

2015年10月08日 05時33分37秒 | Weblog
さて本日は、福島県白河で講演であります。
「超」大型に大成長した台風の影響を避けるべく、昨日のうちに
東北に移動しました。
しかしきのうも来客対応に、東北移動後も面接などがあって、
ひとつの会合にはついに参加できず。

ここんところ、いろいろな調べ物をしたり、
情報の豊かな方とお話ししたりして、
今後の住宅マーケットの推移、先行きを見通していきたいと
いろいろに考えを巡らせております。
きのうはある企業の方が、札幌に支店を開設したということで
あいさつに見えられていました。
お話ししていると、なんと動機は札幌のホテル確保の危機的状況。
これまで4000~5000円も見ておけば良かった予算が、
土日にかかったりすると、なんと1泊で25,000円
というようなケースも出ているのだとか。
これは明らかに中国やアジアからの「流入」の多さを物語っている。
札幌の場合、こうした状況がほぼ恒常化しつつある。
で、やむなく、これまで出張対応で済ませてきたのを
「支店開設」と、スタッフの賃貸住宅借り上げになったということ。
たぶん、多くの企業でいま、こうした対応が進んでいることが、
容易に推測できますね。
いまのこういうアジアからの流入による日本社会の「現在人口」って、
どの程度のモノで、数量的にはどれくらいであるのか、
いまのところ、そういう指標データは出てきていないけれど、
実感的には、東京の繁華街や札幌の状況を見ていると
街中で日本語とアジア各国言語の割合は、大きく変化している。
こういう状況は、一過性的なのかどうか。
観光から始まって、やはり社会定着という意欲が高まることは自然。
現に、当社にすら韓国の方が就職を希望されてきた。
一方で、国レベルのデータ指標では「日本人」の人口割合は
これは明瞭に下がっていくことはあきらか。
しかし、いまのドイツやヨーロッパの状況を見ていると、
人口問題は、国レベルだけでは考えられなくなる方向に
世界は大きく変化を見せてきているのではないか。



ひるがえって、住宅のマーケット状況は、
この先、大変悲観的なデータが山のように出てきている。
確かに「日本人」だけのマーケット構造、これまでの常識ではそうなる。
しかし、移民政策がどうなっていくかは不明だけれど、
日本得意の「なし崩し的変化の受容」という方向にいま、この社会は
大きく変化してきているのではないか。
少なくとも、いまの経済規模を支えるに足る人口1億3,000万程度は
維持されていく方向に、日本社会は向かうのは明らかではないか。
相対的にインフラ整備、生活文化程度も高い社会の魅力は
世界の人にとって、強い魅力になっていくのではないか。
ドイツの「難民」流入意欲の高まりのようなものが
アジアに於いて、日本をターゲットにして押し寄せてくる可能性も
相当程度、実現性が高いものとして考えられるのでは。
そうなるとすると、日本住宅へのニーズはどんな変容を見せていくのか、
想像力を相当働かせていく必要があると、思っています。


コメント
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