三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

縄文食と鍋料理

2012年05月05日 05時32分53秒 | Weblog



日本料理のなかで大きな位置を占めているのが鍋料理だと思います。
すごくシンプルで、日本民族的なマザーを感じる食事。
外国の料理の中でも、こうした食事のスタイルはあるにしても、
ひとつの鍋をみんながつついて食べるという食習慣は、
日本人の体質にも根ざした食文化のような気がします。
以前、アイヌの食文化を体験してみようという催しに参加したことがありますが、
それも基本的には鍋料理と言っていい食事でした。
民族的には、アイヌのひとたちは、色濃く縄文を継続してきた人々だと思うのです。
この写真は、先日見学した伊達市の遺跡博物館で見た「縄文食」。
10000年前くらいからこの列島社会で成立していた縄文社会は、
写真のような食生活が基層的にあった文化。
サカナを採集して、それを主要なタンパク源とするという
そういった食習慣は、石器時代から縄文社会への一番の大きな
食文化革命だったに違いないと思うのです。
縄文土器という土器も、こういった鍋料理を基本として考えれば
その成り立ちが明瞭になってくる気がする。

やはり日本という独自の人類文化を生み出した基底は
こういった縄文文化の、世界の中での独自性なのではないか。
弥生以降の日本は、基本的には大陸からの輸入文化が主軸になった文化だと思うけれど、
それを受け入れた基底は、豊かな縄文の文化だったのではないか。
日本の木造建築の文化も、
基本的には三内丸山のような木造技術があって、
その上に、アジア的な大型建築の文化が輸入されてきたように感じられる。
日本文化に、世界に誇るべき独自性があるとすれば、
こういった縄文の痕跡こそが、その基本的性向ではないのでしょうか?




どうもこういった縄文という縦糸で
日本の歴史をもう一回再構成してみる必要があるのではないか
そんな思いが強くなってきています。


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