三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

鉄刀木と北の和風建築

2012年05月01日 06時08分33秒 | Weblog





きのうは暖気に誘われて
北海道の「湘南」といわれる伊達市周辺へ。
サクラを見ることはなかったけれど、
木蓮やツツジなど、25度を超えたという陽気で
一斉に咲きほころびはじめている。
「一気にやってくる」北国らしい春満開と言ったところですね。
知人から、縄文の遺跡・北黄金遺跡の存在を知らされて
その見学に行って、周辺を見回ってみた次第。
まぁ、どうしてもそういった趣味での行動になってしまいますね(笑)。
で、この写真は旧伊達家の迎賓館内部の床の間。
日本人の数寄屋道楽という文化では
こういう床柱などに粋を凝らした材料を使うのが好まれる。
どうしてなんでしょうね。
ここでは代表的な銘木である鉄刀木(タガヤサン)が使われています。
原産地は東南アジアなので、茶の湯にも由来するような舶来趣味なのか。
Wikkipediaでは、

タガヤサン(鉄刀木、学名:Senna siamea、シノニム:Cassia siamea)は、マメ科(クロンキスト体系の分類ではジャケツイバラ科)の広葉樹。タイ、インド、ミャンマー、インドネシアなどの東南アジア原産。
唐木のひとつで、代表的な銘木である。
<特徴>
荒地にも耐え、比較的造林が容易な為、アジアに広く栽培されている。木材としての使用というよりは、小さいうちに伐採され、燃料として使用されることが多い。
高さ20m、直径40cmを超えるものは稀。花は鮮黄色の五弁花で芳香がある。美しい花を咲かせるものもあり、熱帯地方では庭木や街路樹としても用いられる。
木材の重くて硬いさまが、まるで「鉄の刀のようだ」ということから「鉄刀木」の漢字が当てられる。なお、「たがやさん」という名称の由来は定かではない。一説に、フィリピン語の「tambulian」が変化したものとされる。
<用途>
木材は硬く耐久性がある。気乾比重は0.80前後。柾目として使用する際に独特の美しい目が見られる。薬品で色抜きし、明るい色にして使用される。乾燥に狂いやすく、加工は困難。腐食に強い。なお、加工する際に出る木屑は目を刺激するので、加工時には注意が必要。最も良質とされるのは、ビルマ近辺産のものであるが、現在は資源保護のため輸出禁止となっている。
家具、仏壇、数珠、建築材(床柱、内装)、ステッキ、木刀、ブラシの柄など、主に装飾的な用途に用いられる。腐りにくいことから、家が長く続くということに掛けて床柱に使用される。辺材は燃料用にしか役立たない。
タガヤサンには表面に黒褐色の面と少し淡い金色を帯びた筋が通ることによる縞模様がみられ、この金色を帯びた黄色い筋は横断面にも見られる。ウェンジなどの類似樹種は、木目こそ似ているが、無塗装での色合いと柾目面での導管に加え、この黄色の筋が見られない。また、ウェンジなどの類似樹種は、タガヤサンに比べて加工性が良い。

っていうような木材であります。
北海道に残されている明治初期のお金をかけた建築では
こういった「銘木趣味」が随所で見ることができる。
植民地的な収奪型経済であった北海道で財をなした人たちは
こういった建築道楽で己の成功を実感することが好きだったようだと思います。
屋久杉なんかもよく見ることができる。
どちらも移送に相当にお金が掛かり、
そういった貴重さが、建築自慢の大きな部分を占めていたのでしょうね。
まぁ、わかりやすいと言えばわかりやすい。
しかし、ステレオタイプだとも言えるでしょう。
和風建築ではこのような、モノを通しての個性表現が主流だったのですね。


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