三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

防犯性能

2010年05月06日 07時28分20秒 | Weblog





北海道や東北地方と関東の住宅で違いがあるなぁと感じることに
「防犯配慮」という点がありますね。
北海道などでは、写真のようなトイレの外部窓に防犯格子が付くなどは
ちょっと考えられません。
居間のテラスドア、デッキなどとともに
開放的な造作で、北国の短い夏を存分に楽しむようなデザインが採用される。
第一、隣家との間に塀を建てるようなことも少ない。
冬期間の落雪と、堆雪スペース確保の関係から
隣家との間の空間をそのような空隙地として確保しておく方が
より合理的という地域文化だと言えるでしょう。
それに対して、そのような条件がない関東では、
むしろ「社会的な要件」のほうが住宅建築の要件になってくる。
居間の大きな開口部に大きなシャッターというのが多く採用されている。
聞くと就寝する前には、必ずシャッターを下ろしてから寝るという。

それらと自然とのふれあい、という意味合いでは
なかなかに難しい部分が出てくる。
まぁ自然とのふれあいといっても、利用できるような自然環境に乏しいというのが現実。
周囲の環境条件に合わせるのが住まいの基本とはいえ
こういう環境条件というのでは、住まいのデザインという部分で
どうしてもさみしい部分にならざるを得ない。
まぁ札幌などでも、集約化された住宅地は多く
そういう地域では中庭の活用というケースが散見される。
今回取材した住宅でも、完全に家の中に取り込まれた中庭もありました。
ちょっと不思議な感覚の空間ですが、
元気な子育て世代の住居で、
こどもさんたちには面白いスペースで、それこそ走り回っていました。

なんといっても、敷地条件が厳しいワケで
そのような条件下、どのような住宅デザインが可能なのか、
基本的には確保可能な床面積に比例した土地面積が
流通可能性としては一番高い。
そうなると、土地面積は条件がどんどん厳しくならざるを得ない。
そのうえで道路付きの問題があるので、
注文建築でなければ解決できないけれど、
さりとて自由な設計デザインの方向を向いたものではなく、
このような社会的要件に対する対応が一番求められている。
さて、こういう条件下で
「いい家ってなんだろう?」っていうところですね。








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コメント
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