漁業経済学者のひとりごと in 小浜

東村玲子のWebsiteはこちら → http://www.s.fpu.ac.jp/reiko/

ベトナムの雑貨屋の女の子

2018年03月02日 23時17分40秒 | Weblog
2014年に「日刊県民福井」に載ったエッセイです。
パソコンの整理をしていたら出て来たのでここに投下してパソコンから削除。

昨年,ベトナムのホーチミンへ水産物加工場の調査のために出張した時のことです。
たいてい夕方には仕事が終わり,その後は通訳の人と夕食をとってホテルに戻っていました。
ある日,夕食には少し時間が早かったので,ドンコイ通りに行きました。
ベトナム雑貨といえば,可愛いものがたくさんあります。
バッグとか小さい飾り物とか,色々と。
そういうものが買える小さな雑貨屋が並んでいるのが,ドンコイ通りなのです。
私は,そのうちの1軒の店が特にセンスの良いものが揃っているので気に入り,たくさん買い物をして,値切り交渉もしてお金を払いました。

ベトナムでは,20000ドン=100円と桁が多いこともあり,
正直言って,いくら安くなったのか,本当に安くしてくれたのか,よく分からなかったのですが,
可愛いものをたくさん買えたので,満足して店の前でタクシーを拾って夕食に行きました。

それから数日後のことです。
通訳の人が「用事があるので2時間くらい独りで時間をつぶしてくれないか?」とのこと。
私は,早速ドンコイ通りに向かいました。
色々な店を見て回ったのですが,やっぱり,あの店が良いなと再度訪れました。
そうすると店員の女の子が奥から走って出てきました。

何ごとかと思ったら,
「前に来た時にお金をもらいすぎた。追いかけて行ったけれど,見つからなかった」と言って,
紙に包んであった「もらいすぎたお金」を返してくれました。

日本人(観光客)なので,また来るかどうかも分からない。
そもそもお金を払い過ぎたことなんか分からないでしょう。
でも私のために,ちゃんと取ってあったのです。

私は,すごく嬉しくて,また雑貨を少し買いました。
小さいバッグを手に取って,オレンジ色のと水色のとで迷っていたのですが,
さっきの女の子が「水色の方が良い」と言ってくれたので,それにしました。

そのバッグを見る度に,あの雑貨屋の女の子のことを思い出しています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新しいノートパソコン | トップ | brainstorming »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事