蘭の国から

富貴蘭を中心に我が家の植物栽培や自生地紹介等など

薫風牡丹

2014年08月31日 | 富貴蘭(縞)


今日は、薫風の金牡丹芸、薫風牡丹(くんぷうぼたん)です。



本来薫風とは吟風の萌黄縞で、墨のしっかり流れるタイプに付けられた名前ですので、
それが黄縞に変化すれば吟風と呼ぶべきなのかもしれません。
しかし我が家では元々薫風だった木の殖え木には、系統名として薫風のラベルを付けています。









この木は細かい墨が流れ小型化し、黄縞が美しく且つ金牡丹芸を併せ持っています。







天葉の冴えは春が綺麗で、今はパッとしませんね。泥根も出すからまだいいものの、ルビー根はすぐに成長を止めてしまいます。





このタイプが出現してもう10年近く経っています。
私は吟風の魅力にはまってすぐ、いつか金牡丹芸!と夢見たものですが、それがあっという間に叶ってしまいました。
それはそれで嬉しいのですが、夢はあまり早く叶わない方が夢見る楽しみが長くていいような気もします。まあ贅沢な悩みですね。
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吟風覆輪

2014年08月29日 | 富貴蘭(覆輪)

今日は、吟風覆輪(ぎんぷうふくりん)です。



吟風は完全な覆輪にはなりにくいですが、このくらいになると覆輪って呼んでもよさそうですね。











こういう木を買うとなると、ちょっと派手じゃないかな、大丈夫かなぁ、なんて不安になりますが、自分の棚で出たのなら、安心して楽しめますね。
それに意外と派手目な木でも継続してそれなりに殖えてくれます。





吟風についてはあちこちで散々書いてきましたので、ここではさらっといきたいと思います。

あ、よく考えたらこの木、覆輪だということで、そこそこいい値段で買ったやつでした。
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美鈴

2014年08月27日 | 富貴蘭(花)

今日は花変わりの美鈴(みすず)です。
花は先月に撮影したものです。



高知産と紹介されることもあるようですが、宮崎産で、高知の鈴木園芸さんのオリジナル品種です。








涼しげでいいですよね。
はじめて見た時には、正直青軸で距が短いだけの大したことない花だと思いましたが、作って咲かせてみると、
飽きのこない、なかなか魅力的な花です。

泥軸で同じタイプに千葉産の奴凧があります。









こちらもそれなりに可愛いですけど、美鈴は単に青軸なだけでなく、多肉質な感じがさらに魅力的に感じます。



花もの品種は、ごく一部を除いてずいぶんと手に入れやすい価格になりました。
種類も豊富で、気軽に楽しめるいい時代だと思います。富貴蘭栽培への入り口になってくれるといいですね。
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来年度の新登録品種決定!

2014年08月24日 | 富貴蘭(覆輪)


本日の登録審査会において、来年度の新登録品種が決まりました。

ひとつ目は、以前このブログでご紹介した「古都の雪」です。

『可愛い蘭』さん、『風蘭三昧』さん『富貴蘭讃歌』さんと私のブログ4人衆と、工藤翁の5人で登録しました。

以下は審査会の説明に使った文章です。



10年ほど前に愛知県で東出都から芽変わりした、雪白三光中斑(二重覆輪)。

富貴蘭の三光中斑は、一般的に稚葉でははっきりしていても本葉では表面的には覆輪となるが、本種では全葉が明瞭な三光中斑となる。
紺覆輪部分が非常に紺性強く、且つ葉肉が盛り上がり、この紺の部分と白い斑の部分との生長スピードの差が歪みを生じ、
あたかも地合が変化しているかのように見える。
花にはこのタイプの芸特有の花弁の変化が見られる。
古都の雪の名は、母種である東出都に因んで、また古刹の庭に降った雪をイメージして命名。

8年前高浜の交換会で伊藤守氏が東出都の株を購入。その中に1本だけ芽変わりした状態であった。それが同年韓国に渡り増殖され、3年前に里帰りした。


今回このメンバーで登録することが出来たことは、私にとっていい思いでが出来ました。


ふたつ目は、「小野小町」です。
こちらは、日本富貴蘭会としての登録です。



何とも言えない不思議な魅力の品種です。ただ変わっているだけではない、この佇まいが大好きです。

九州産で、福岡県京都郡の福田捷征さんから伊藤守さんが入手し、名付けられました。
誰も顔を見たことがない、という意味でしょうか、いい名が付けられています。葉姿の良さも、花ものとして大事な要素ですね。

今回偶然にも、両品種とも伊藤さんが世に送り出されたものです。
伊藤さんは数多くの素晴らしい品種を世に送り出しておられ、富貴蘭界の大功労者です。


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天竜錦

2014年08月23日 | 富貴蘭(縞)
今日は、天竜錦(てんりゅうにしき)です。



有名な天竜川に因んで付けられた名前のらしいですが、命名された方がその近くに住まわれていたからと言う訳で、
静岡産ではなく、九州産であろうと言われています。













この木は上部が完全に覆輪に移行していますが、錦は縞に付けられた名前で、覆輪は天竜冠(てんりゅうかん)と呼んでいます。









初めて見た木はグリッグリッと力強く姫た素晴らしい木で、金広錦の木姿に大江丸の葉をくっ付けたような雰囲気、さらに八十宮錦に見られる「折りひだ」が見られ、
『なんて素晴らしい縞なんだろう、これはぜひ登録しなくては』と思い、ご多分に漏れず何鉢も購入しました。

だいぶ後から聞いた話しでは、次々と買うものだから価格が急騰したとかで、
御当地では天竜錦に何が起こったんだと、ちょっとした騒ぎだったそうです。

しかし我が家ではそのグリッとした感じには作れず、今さらこの縞の登録はちょっと難しいかなあ...と思っていましたが、
ここ数年で何本かが覆輪に移行してきてます。
姫葉の覆輪では国輝殿がありますが、ほとんど一過性の品種なので、この品種の存在価値があると思い、目標を切り替えています。


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