小学生の頃、我が家から歩いて行ける範囲にあったラン科植物は、
フウラン、キバナノセッコク、ムギラン、マメヅタラン、ヨウラクラン、
クモラン、カヤラン、カンラン、シュンラン、ナギラン、コクラン、エビネ、
ガンゼキラン、サイハイラン、キンラン、ギンラン、ミヤマウズラ、ベニシュスラン、
ヒナラン、オオバノトンボソウ、ダイサギソウ、ネジバナなど、ちょっと考えただけでこれだけ出て来ます。
さすが蘭の国です。
そんな中でも一番特別な存在だったのが、シガバチソウです。
我が家から、小学生の足でも15分ほどのところに、シガバチソウ畑がありました。
畑は大袈裟かもしれませんが、松と照葉樹の混生する林床に、
数十株が群生する、私の秘密の場所があり、毎年見に行ってました。
松葉の上に寝転がっては、この花に顔を近付けて虫になったような気分で楽しんでました。
いま自分がそんな子供を見たら、絶対に変わった子やなぁ、って言うでしょうね。
さて、中学生になってからはランよりもシダを見に行くことが多くなり、
ジガバチ畑には久しく行ってませんでしたが、先月40年ぶりくらいに見に行ってました。
でも林床の様子はすっかり変わってしまい、一本も見当たりませんでした。
下見のつもりで、まだ葉が展開する前に行きましたから、きっとどこかにあるはずと、
またいつの日かと願いながら山を降りました。
と長々書いてしまいましたが、これは青森から取り寄せたものです。
先日のスズムシソウでも、普通の人から見るとすごく地味な花なんでしょうから、
これが子供の頃の思い出の花だなんて言ったら、なんて変わった子だったんだろうと思われますね。
まぁ、そのとおりなんですけどね。
ナメクジの餌にならなきゃいいけど、難しいだろなぁ。
あまりにも地味なので、最後にヤクシマシャクナゲを
上品な桃色で、おふくろの大好きな花です。