先日紹介した三福には覆輪もあるそうですが、中斑もあります。


中斑は覆輪に比べると地味地味ですが、墨を伴う中斑は格別です。



やや艶消しの質感の葉に、墨と縞を流す独特な姿には、
枯淡の美を感じます。
またこの品種の墨には二種類の墨が流れていて、
一つは墨流しタイプのオーソドックスな墨。
もう一つは渋墨とでも呼びましょうか、
柿渋タイプのポリフェノール系色素が墨吹雪のように流れます。





この渋墨は青軸の品種に出やすく、最も顕著に流れるのは、墨隈の誉だと思います。
また本芸の孔雀丸や太陽殿などにも少しだけ出ることがあります。
泥軸ならアントシアニンを纏うところが、青軸はそれを作ることができないので、
代わりにこのようなポリフェノール系色素を纏うのでしょう。
そんなことを考えながら見るのも面白いものです。

