蘭の国から

富貴蘭を中心に我が家の植物栽培や自生地紹介等など

台風の落とし物

2019年08月29日 | その他の蘭


先日の台風10号は、かなりの被害が出そうな予報にびびってましたが、
我が家の周辺では大きな被害はありませんでした。

風は大きな枝が折れる程には吹かなかったけど、
神社の周りには小枝がいっぱい落ちてたので
翌日ミルクを連れて見に行きました。

5年前にはフウランやキバナノセッコクが落ちてましたが、
今回はムギランとマメヅタランだけで済みました。













なんて言ったらムギランとマメヅタランに失礼ですね。


よく見ると、どちらもプニプニした葉で多肉植物のような魅力があります。










さて数年前、地元新聞の読者投稿欄にこんな内容の投稿が紹介されていました。

台風のあと神社の境内にキバナノセッコクが落ちているのを見付け、
標本にしようと思い神社を管理している人にコンタクトをとって了解をもらい、
後日取りに行ったら盗掘された後だったという内容でした。

私は憤慨し、新聞社に苦情の電話をしようかと思ったくらいでした。

憤慨したのは投稿した方に対してではなくて、掲載した新聞社に対してです。

投稿した方はおそらく植物大好き人間で、栽培して楽しむのではなく
自生地を見たり、保護のための調査をボランティアで行ったりしている方
なんだろうなと想像しました。

そういった方の中には、山採り品、特に絶滅危惧種を栽培することを
悪と考える方が少なくありません。

そういった考えはよく理解できるし、上記の投稿者のような方は
尊敬に値する方だと思います。

しかし台風で落ちてしまった植物は、通常放置されて枯れてしまうか、
掃除の際にゴミとして捨てられます。

実際今回のムギランとマメヅタランもゴミとして山積みされてた中から
救出したものです。

黙って持って帰るのだから盗んだと言われればそうかもしれませんが、
救ったつもりで持ち帰った方が新聞に盗んだと書かれたらどう思うか、
新聞社にはもっと考えていただきたいと思ったことでした。

それと、調査研究のための標本は大変重要なものですが、植物にとっては、
標本にされるよりも栽培してもらう方が幸せだろうとも思います。

いろんな考え方の人がいることをもっと皆が意識し寛容になれば、
世界はもっと平和になるはずなんですけどね。

そんなことをよく感じてしまう、今日この頃です。

なんのこっちゃ。

さて盗んできたムギランとマメヅタランは忍玉と庭木に着けました。
















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新登録

2019年08月27日 | 富貴蘭(覆輪)


週末は役員会のため大阪に行ってました。

銘鑑編成会議と新登録審査会は先月上野で済ませたので、大阪では常任理事会のみでした。

内輪の話ですが、2ヶ月連続の役員会は日程的にも費用的にも辛いものがあり、来年に向けての課題です。


さて新登録は先月決まってたのですが、常任理事会での報告が終わってからと思い、
紹介は引き延ばしてました。

令和初の登録は崋山と影虎です。


影虎は以前に紹介してますから、解説は前回のを見てくださいね。

あれから4年近くになり、先月はじめて子供を1本外しました。















影虎らしい魅力的な柄です。


一方、崋山の方は









斑の冴えが悪く、崋山らしさがイマイチです。

4年前に紹介してますから、そちらを見てください。

どちらも来年の全国毎回のお披露目で、良い木が見られると思います。

来年は5月23〜24日、浜松市で開催されますので、早目の予定を。



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今年の力作〜盛り盛りセッコク

2019年08月24日 | セッコク・キバナノセッコクなど




5月に作ったセッコクのヘゴ着けです。



















来年花が咲いたら紹介しようと思ってましたが、夏の姿もなかなかいい感じ〜
なので撮影しました。

3ヶ月でこの状態とは、我ながら大したものだと思います。

あの時の雷山が気に入って、追加で送ってもらったのでこれを作ろうと思い付きました。

ヘゴはフェニックスガーデン、セッコクは小川ガーデン、サングリーンきむら、華幸園さんの協力です。



ヘゴは丸太ではなく、すごく大きな原木の一部を切ったものです。



このヘゴにセッコクを着けること自体は、それほど大変な作業ではありませんでしたが、
これをどこにどう置くのか悩みました。

ただ置いてはつまらないし、吊れるなら吊りたいけど、巨大かつ重すぎて、とても無理です。



一週間くらい考えました。

吊れないけど空中に浮かす方法はないかなぁ・・・いいのがあった!

池の浄化槽のヘリに使った御影石の石柱



これが余ったので、縁側に座った時の足置きに敷いて



さらに余った切れ端があったのを思い出し、柱に使いました。



でもこれに乗せただけでは不安定なので、石材屋に持ち込んで形を整えて、
上面の真ん中に穴を開けてアンカーボルトを打ち込みました。

そしてアンカーボルトの長さをヘゴの厚さに切ってから、
ヘゴの左右のバランスをとった位置に穴を開けて、
ブスッと差し込んであります。

これだと普段はこのままで栽培しながら観賞できます。

足元の通路はコンクリートに御影の細石を入れた洗い出しになっているので、御影の柱に風合が出てくれば、さらに調和のとれた良い感じになるはずです。



さてセッコクが盛り盛りですが、このあたりが雷山です。



ここが素心



手前に垂れてるのはキバナノセッコク



おまけのオサラン




3ヶ月でこの自然な雰囲気になってるのは、サングリーンきむらさんが送ってくれた、シノブ付きの山採り株のおかげです。
栽培品、ましてや長生蘭ではこうはいきません。





あれ?









なんと斑が入ってるではありませんか。

子供の頃なら大喜びするところですが、よりによってなんでここに斑入りが。

これ以上斑が賑やかにならないよう祈るしかありません。




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漆黒牡丹からの金牡丹

2019年08月21日 | 富貴蘭(金牡丹・黒牡丹)



刈谷大会の会場で、何人もの方から漆黒牡丹について質問され、
中には
「○○さんが先日売った漆黒牡丹は漆黒牡丹とは思えないけど、本物ですか?」
といった困った質問もありました。

漆黒牡丹は、我が家で一番いい系統の黒牡丹に、ベタ墨が流れた状態のものを私が勝手にそう呼んでるだけですから、
他の方が同じ名前を別系統に対して使ったとしても私がとやかく言うような話ではありませんので、
私が困るような質問はしないでくださいね〜。


さて前回紹介したベッタベタの漆黒牡丹は、相変わらずベッタベタです。








最上芸の墨山みたいです。


このままベッタベタでは縞は出てこないですが、これはこれで観賞価値があるので、
このまま維持してほしいものです。


墨が減って、良い感じ〜な縞の木が今ないので、4年前のこちらの画像を見てください。

今よりずっと作がいいです。


さて後くらみの縞が派手になると金牡丹になるわけですが、この系統は金牡丹にはなりにくくて、
縞の状態をキープする性質が強いです。

また金牡丹になっても、普通の金牡丹とはちょっと違う雰囲気の金牡丹になるので、
総合的に見て、我が家で一番面白い黒牡丹です。

この木は'白金牡丹?'って顔をしてます。






















金牡丹と白牡丹と至楽の良いとこ取りみたいな雰囲気です。


しかもこの木については墨がしっかり残ってます。




少なくとも我が家の白牡丹よりは数倍魅力的です。



この白牡丹は、今年清水会長が大会に出品されてたのと同じ系統の白牡丹ですが、
あれに比べてまぁ貧相なこと。

しかもこの系統の最上柄を2度も真っ青にした実績があるものですから、
我が家の棚の白牡丹との相性の悪さは半端ないです。

この木がもしまた青くなったら、もう2度と(もうすでに四度目だけど)白牡丹は作るまいと思ってます。





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羅生門

2019年08月18日 | 富貴蘭(紺覆輪・中透け)


玉金剛の土台に錦紺冠芸を被せた驚愕の(究極のと書こうと思ったら、
以前錦紺冠をそう表現してました)紺覆品種、羅生門です。



あれから1年1ヶ月、成長はのんびりしたものです。



















消毒したばかりで、ちょっと柄が見にくいですね。


今年の大会には素晴らしい株が展示されてました。
僅かながら売り物も動いたようなので、安かったら買い足そうと思いましたが、
まだ私が買った頃の3分の1程度でしたから、もうちょい待つことにしました。

そんなことを言うと、「持ってるじゃん!」と突っ込まれますが、
気に入ったものは3・4・5鉢と欲しくなってしまう病気ですから。

さてこの品種、荘厳な雰囲気に凄味のある名前ですが、
柄の影響でしょう、けっこう可愛い花を咲かせます。

豆葉の花は天咲とひとくくりにされがちですが、それぞれそれなりに特徴があり、
ちゃんと見てあげないともったないですね。




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