昨年の夏、東京酒田のWebShopで買った金司龍です。







母体の貴宝青は、私は富貴蘭の中で最もつまらない芸の品種だと思っています。
しかし、この頼りない木姿の熨斗葉に黄縞が流れると、
なんとも雅かつ珍奇な姿に見えます。

また芽変わり品種は、より下位の品種からである程、
その落差が大きい程、面白いものです。
さらに金司龍は、古に存在したものの絶種してしまったものが、
100年の時を経て当時の静岡富貴蘭会会長だった福井宇一さんの棚で再登場したという歴史があり、
そこがまた趣味家の心をくすぐります。

さて、この株の1本1本はお世辞にも上柄とは言えませんが、
株全体の形と斑のバランスは悪くなく、この品種としてはいい株だと思います。
いつも居間に飾ってある鉢の中から、千野さんの若い頃の鉢を合わせてみました。




これで展示品としては十分だと思いますが、こちらの方がより面白いと思います。



陶磁器ではなく、銅製の、たぶん中国鉢です。
この品種の面白さを表現するのには、断然こちらの方がいいと思います。
鉢合わせって楽しいですね。

