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多数派のための「クレド」 vs 少数精鋭のための「 不立文字」

2016年11月21日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

先日、ある経営セミナーに出席しましたら「クレド」を中心としたお話でした。 企業の「経営理念」、社長だけでなく従業員の隅々まで自分たちの会社の存在理由、自分たちの価値、何をすべきかの使命、などを明確なメッセージで全員が理解する大切さを訴えておられました。ご自分の事務所を大きく育てられた実績を背景に所員全員の心を一つにまとめるために「クレド」が重要であるとのお話は、分かるのですが、天邪鬼な私としては、講師の方が熱く語れば語るほどに脳裏を横切るのは「不立文字」の4語でした。 

米国では第二次大戦を前に大量のパイロット、メカニックを養成する手段として「教育工学」が発展しました。 これらの職種はただの兵士よりも高度な知識が必要なため、そういう要員を短時間で効率的に育成する手法が必要であったのです。 この「クレド」もその流れです。 米国のジョンソン&ジョンソン、リッツ・カールトンなどが「クレド」の成功例として挙げられるのですが、米国のような文化的な背景の異なる社員を一つにまとめるためには、また理解力にも幅がありますから短く簡潔な表現で自分たちの目標を言葉にしてそれを明示する。 また、心理学的にも心に秘めておくよりは、それを言葉として明示し、努力目標を常に忘れない事の大事なのです。 こういう仕組み作りは残念ながら、日本は米国の足元にも及びません。

しかし、「クレド」なる言葉が通行してまだ10年程度のものです。 私が、こういう単純な「クレド」に多少抵抗を感じるのは、日本には数百年の歴史のある「不立文字」の世界があるからです。セミナーの感想にも失礼ながら、「不立文字」と書いてしまいましたが、「クレド」なるラテン語を使用せず、自分の言葉でこれを説くのならまだましですが、こういう借り物思想を熱く語れば語るほどウソッポサが見え隠れしてしまうのです。 「クレド」なる言葉や手法を用いずに、事務所を拡大させ、所員も目的意識をや志を高く持っているという成功事例であればもっとよかったのですが。。 しかし、外国から借り物を取り入れる事を一つの活力にしてしまう、この日本の柔軟性は大したものです。

日本はほぼ単一民族とはいいながら、最近は価値観が多様化し、米国と同じ状況になりつつあるということです。 1)言わなくても分かる社員 2)言えば分る社員 3)言っても分からない社員。 昔、言うまでもなく 日本では、1)であるこが期待され努力しましたが、最近では、2)と3) の社員ばかり多くなってしまったので、「クレド」という単純な方法が大切になってきたというのは、日常生活は便利になっても人間は退化している傾向かもしれません。 

1)の社員ばかりであればクレドなど必要ない「不立文字」の世界です。 国民の間にコミュニケーションの問題がある米国社会のマネをして「クレド」と騒ぐ前に、日本流の気遣いのできる「言われなくても分かる社員」の育成は、諦めてしまったのでしょうか? 「クレド」の方法論は、理解力、知識レベルがバラバラの大人数を相手に短時間に統制するための「教育工学」的な手法手法としては、まっとうな方法です。 「クレド」vs「不立文字」では、米国流の実利的な手法と日本流の精神世界の手法では、最初から勝負にならないのは分かっていますが。。。「阿吽の呼吸」とか「以心伝心」とか、そういうものもなくなっていくのでしょうね。。。

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