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あなたの体は9割が細菌 アランナ・コリン  矢野真千子訳  河出書房新社

2016年08月31日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

昨日に続いて腸内細菌についてですが、この本では、腸内細菌の数は100兆個、昨日の1000兆個の1/10 ですが、それでも、体を構成する細胞より腸内細菌の方が多いという点では同じなのです。 腸内細菌の本当の数など、どうやって調べるのでしょう? 国による差、都市/農村の差/年齢差/性別などで万遍なくサンプルを集めれば、10倍程度の差があってもおかしくはないでしょうから100兆でも1000兆でも問題なし、誤差の範囲内ということにします。 本書は、著者のアランナ・コリンさんの情熱を感じる300ページを超える大作なのです。

食品添加物が無害か有害か? それは体細胞を対象とした議論ばかりなのですが、食物を摂取するのは自分自身の体だけでなく、腸内細菌も同じことで、むしろ腸内細菌が食べたもので体が出来上がっている、ということで、太る原因として 

(過剰な摂取エネルギー)-(体に必要なエネルギー)=(余剰で太る原因となるエネルギー)

という考えは、時代遅れと指摘しています。腸内細菌にも、肥満型、ヤセ型で腸内細菌の種類がちがうとのことで、デブ型細菌とヤセ型細菌の腸内細菌も関係していて単純なカロリー計算ではないそうです。 腸内細菌の作り出すものは、脳にまで影響し、食の大事さを再認識しました。

像やチンパンジーなど、糞を食することがあるようで、それを見て動物のすることは汚らしいと単純に理解しては間違いなのが、塩分補給のために塩分の多い土を食するのと同じで、自分の腸にない別の種類の腸内細菌を取り入れるための行動の様で、人間においても人様の排せつ物を自分の腸内に取り入れる治療方法も確立されているそうです。 もちろん、口から食するのではなく、肛門から水溶液を取り入れるのですが、自分の腸の中には無い別種の腸内細菌を取り入れることで改善する症状が多いとのことです。 気持ち悪い? 腸というのは体の中であっても、外の様なもので、口から肛門までは、ただのパイプの内側ですから、そこに他人の糞を入れる方が、輸血して他人様の血液を完全に体内に取り入れるよりは軽度であると思います。 韓国には「トンスル」という人糞から作ったお酒があるとのことで、それを知った時には信じられない驚きでしたが、昔から行われていることの中には案外、医学的に意味のあるものもあるようです。 

食べ物だけではありません。人類25万年の歴史の中で、石鹸で毎日体を洗うなどということは、この20~30年の突然の変化で、体など年に数回洗えばたくさん、という説もあるそうです。微生物と人間との関わりは複雑で、食べ物だけの話ではなく、誕生の時から、母親の産道を通過してくる中で母から子に必要な細菌が伝授されるのを手術で取り上げると免疫に問題が生じるとか、幅広く人間と細菌の共生について解説されています。

抗菌グッズを使い、なんでも殺菌してしまうというのは人間の思い上がりで、本当は有用菌に支えられた体であり、健康なのです。 昨日の藤田先生の言う相互共存、コリンさんの警鐘も根本は同じものでした。 科学、とり分け医学も進んでいるように見えても、我々の知識レベルでは、まだまだ分からないことだらけの世界で暮らしている、いや、生かされているということを痛感します。  

この本を読んで損をした気分には絶対にならないでしょう。 幅の広さと奥の深さでは、脱帽で、今年読んだ中では、One of Best です。 久々に出合えた、2000円の定価が安く思える、アッパレ本です。

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