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新幹線の何が悪いの?

2013年12月24日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

先日、新幹線がガラパゴスと紹介した事に付いて質問がありましたので補足します。私は新幹線には120%満足していますが、以下は、世界の高速鉄道との比較すると日本の新幹線には弱点があるようです。日本は、東海道新幹線で鉄道の高速化のパイオニアでしたが、その後、世界も高速鉄道は時速350kmを目指して、日本より進んでいるようです。

1)レールは世界の標準の1435mmで同じ。上下線の軌道中心間隔もTGVと同じ4200mmですが、新幹線は車体幅が広い(3380mm)ため上下線がすれ違う時の車体側面の間隔が東海道新幹線で820mm(N700ではこの基準より-20mm) しかありません。 それで時速320km、上下線の相対速度640km ですれ違うには風圧が問題となり、320kmでのすれ違いはしないようにして、最高速度を抑えざるを得ないこと。世界の高速鉄道は、上下線の間隔を広くする方向で進められているのに、日本では最高速度260km を想定した離隔距離しなかのいので車両をいくら高速化したところで線路の制限で高速化が困難。これは、当時としては仕方なかったのが、上下線の離隔を大きくするとトンネルの断面積まで大きくなり、工費がかさむのでこの規格になったようです。フランスのTGVは、車体が在来線と同じ2904mmなので車体側面の間隔は1296mmもあり、これなら320km同士ですれ違っても揺れないそうです。

2)新幹線はどの型もアヒルのくちばしのように前方を尖らせているのは、この狭い断面積のトンネルに高速で侵入する際の風圧対策であるが、このような形状にしているのは世界の高速鉄道の中で新幹線だけであること。車体幅の割にトンネルの断面積が小さい【つまり、トンネルを工費を抑えた結果】のでこのような工夫をし、結果、列車両端の積載量が少なくなっている。

3)また、最高速度260km を想定して作られた線路のカーブでの曲率も小さいので、これのカーブを高速のまま曲がりきるために車両を傾斜させるようにている(振り子式車両)が、これはカーブの半径を大きくすれば不要な装置であること。

著者の川島さんの御指摘は、東海道新幹線が最初に作られた時のこの線路の規格 260km は最初は仕方なくても、40年以上経過しても無神経にいつまでも使われ続けている事かと思います。高速鉄道ではパイオニアであったのにいつしか世界の目指す350km/hに乗り遅れてしまった鉄道ファンの無念が表れています。新型の車両ばかりは派手で目を引きますが、これは車両の問題ではなく根底の線路と言うインフラの問題です。

日本では、力のあった先達の決めた事を後輩が変更することは中々できないのです。これは、JRだけでなく、日本海軍でもそうでした。艦隊は一列縦隊で進む規則であったため、米国の潜水艦が真横から狙うとまるで射撃ゲームのように次から次に標的が等間隔で現れ、次々に魚雷を当てられる場合もあったが、規則を守り通したそうです。明治の名参謀秋山真之さんの決めた事を覆せる後輩はいなかったのです。その時代には潜水艦から発射される魚雷などなかったので、一列縦隊も問題はなかったのですから、秋山さんが悪かったのではありません。状況の変化に対応しなかった後輩が悪いのですが、どこの会社でも、昔、偉かった社長の時代に決まった事で変えられない規則は、大会社ほどありそうです。憲法第9条もこの類です。

国鉄が分割され、新幹線を全国に張り巡らす体力が無くなり、線路は安上がりに作ろうとしている間に世界に抜かれてしまったようです。まあ、国内で利用している分には大きな問題はありませんが。。。

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