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バンカー船とLNG

2017年04月05日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

バンカというのは昔、石炭を入れた箱のことで、船舶が石炭を動力とした頃の名残でしょう。 その後、燃料は重油がメインになりましたが、この重油を補給する船が「バンカー船」と呼ばれます。 大型船舶は喫水の深い岸壁にしか停泊できませんから、大型船の場合、自分で燃料補給を受けに行くのではなくて、バンカー船と呼ばれるる小型のタンカーが補給を受けたい船舶まで燃料を届け、大型船舶の横に停泊して重油を補給します。 この重油、原油からガソリンや軽油を取り去った後の、ベトッとした残りカスのようなもので、加熱しないと流動性もありませんが、廉価であるため大海原での燃料として用いられてきましたが、最近は、海の上でもゼロエミッション、排気ガス規制がかかり、今後は使えなくなるそうです。

では、今後、何を燃料とするのか? それがLNG(液化天然ガス:メタンガス)です。 海での排気ガス問題はなくなっても、次のような問題があります。
1)メタンガスは熱量が低く、都市ガスでは、プロパンを加えて熱量を調整していますし、非常にたくさんのLNGを詰め込まないと東南アジアから米国西海岸までは行けません。
2)船に積み込むために気体のままでは体積が大きすぎるので、冷凍圧縮した液体にします。これはマイナス160℃の低温で、これを貯蔵するタンクはいわば魔法瓶のようなタンク使わねばなりません。

そこで日本が東南アジアと米国の間でLNG補給をするハブになることを目指しているそうです。 バンカー船も重油だけでなく、LNGを補給するようになるのです。そのためには、陸上に大きなLNG基地があり、バンカー船もLNGを供給できる様になっていることが必要です。 LNGのような超低温のものを蓄えるタンクは高価ですから、船舶用にだけ作るのは経済的ではなく、LNGの巨大輸入国日本であれば、船舶へのLNG供給もバンカー船だけで事足ります。 ここ横浜も、LNG補給のハブを目指すそうです。。

しかし、日本でLNGを補給しても問題は全て解決されるわけではありません。 ガソリンを取った後の残り物である重油の需要がなくなれば、この産業廃棄物をどのように処理するのでしょうか? 部分を最適化するとその余波が他に影響します。 全ての船舶が脱重油化が可能な訳ではありませんが、使用しなくなった重油の行方については、どうするのでしょう? 海運業界は、重油の大口需要家ですが、自分の業界だけ改善してもその影響が他に波及する。 エネルギー問題は複雑で、すべてを解決する満点の答えは無いようです。

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