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午餐会〜航空基地開設記念式典

2015-10-01 | 自衛隊

記念式典に続き、儀仗隊のドリル、放水デモが終わりました。
ここまでが招待された参加者の必須参加となります。

遠方から参加した人の中には帰ってしまう人もいたようですが、
大抵の人たちにとっては待ちに待った午餐会となります。



格納庫前の式典会場から皆三々五々午餐会会場まで移動します。
広い基地ゆえこの距離はだいぶありました。

道中見つけた看板には、

「給養班事務室」→
「幹部・搭乗員食堂」→
「隊員食堂」←

という案内。
士官と下士官兵が違う食堂であることは旧軍の昔からの倣い。

現在でもその慣習は踏襲されていてますが、旧軍と違って
「搭乗員」は幹部と同じ扱いであるということを改めて知りました。 



多くの人が一つの建物に入っていきます。

本日の午餐会は会費制で、一人1000円の参加費が徴収されました。
「いずも」「ふゆづき」の引き渡し式はJMU、三井造船による「お振る舞い」で、
特にJMUなど、パーティーコンパニオンまで投入するという豪華なものでしたが、
さすがに自衛隊主宰ともなると、全くの持ち出しはご予算的に厳しいのかと思われます。

会場の手前には荷物預かり所と控え室を兼ねた部屋があり、そこには
本日の式典に寄せられた祝電が掲示されていました。



そのなかのひとつ、自民党の佐藤正久議員の祝電。

先日の安保法案可決時には、議長代理として大活躍?

議長(密接な関係にある他国)に対する小西議員のダイビング(武力攻撃)が発生したので、
小西議員を押し戻し(集団的自衛権を発動)自ら法案の必要性を証明した功労者です。

招待されていた自民党議員は全員代理出席でしたが、一応の可決を見るまでは
ほとんど休みなしでそれに向けて当たってきたはずですから、
とりあえず一息ついているのか、それとも成立に向けてなお一層多忙なのか・・。



また控え室では、当基地での自衛官たちの様子がパネル写真で紹介されていました。



搭乗員学生が、救難信号銃の発射訓練をしています。



飛行準備中の搭乗員学生。
何をしているかというと、P-3Cの機体下部にあるソノブイ投射孔に充填中。
ソノブイって、こうやって入れるんだ・・・。

P-3Cは対潜哨戒機であり、ソノブイとは海中での潜水艦の動向を探るソナーです。
昔はソナー員が耳で解析をしていたそうですが、潜水艦の静粛性が進歩した今は、
潜水艦の艦体そのものが生じる極低周波を探知可能なローファーブイ
(Low Frequency SONAR Buoy)が採用されています。



夜間、P-3Cを誘導している列線員。



構内を移動している時に見かけた列線事務室。
第203列線整備隊の看板があります。
植え込みにはCOS(部隊略称?)の刈り込みがあります。



P-3Cを整備中の整備員。



同じく。
専用の高さの整備台があるようですが、ずっと中腰は辛い作業じゃないかと思います。



救命用の落下傘を整備している隊員。
どんな作業でも基本そうですが、特に落下傘の整備不良は直接命に関わります。



給養員カレー作成中。

ここの「特別カレー」を、今日はいただくことができます。楽しみ♪

しかしこの鍋の巨大なこと。
右側には蓋が見えていますが、どうも人力ではなく蓋の開け閉めは機械で行うようです。
かき混ぜるだけでもものすごい力が要りそうですし、おそらく夏は地獄です。

この後どうやってこの鍋を洗うのか、気になって仕方がありません。



さて、そんな写真を見ながらざっと30分くらいは待ったでしょうか。
会場がオープンになり、入り口に近いところで写真を見ていた私たちが
入室すると、こんな状態でした。



入り口には基地司令が一人一人に挨拶をするために立っているので、
会場にどっと人が流れ込むことはありません。



段に一番近いテーブルには、賓客(政治家など)の名前が小さな紙に書いて貼ってあります。
立食ですが前の方はVIP席となっているわけです。



会場の隅にはすでに料理の運搬などをする隊員が待機。



招待客はほとんどが協力会や防衛団体、協力会社などの方です。

デザートのフルーツ皿にはたった二つだけエッグタルトがあります。
これが美味しそうなので、ぜひ食べてみたいと狙っていたのですが、
各テーブルに二つずつしかないので、あっという間になくなってしまいました。

TOと「あれ食べたかったねー」と言いながらふとVIPテーブルを見ると、
全く手をつけられていないままのエッグタルト二つ確認!!

速やかかつ迅速に場所移動し、それを狙っている人、つまり競合者

周りに誰もいなさそうなのを確かめ、素早く確保して
一つづついただきました。
美味しかったです。 


本日食べたものの中で、カレーとこれが最も美味しかったという意見の一致を見ました。



さすが海自、ちゃんとお刺身用の船を完備。



VIPテーブルには、他自衛隊の幹部などもいたようです。

それはともかく、TOははこのとき前に立っている隊員たちを見てこんなことを言いました。

「自衛隊なのに太ってる人がいるんだけど。あれっていいの?」

「いや、自衛隊と一言で言ってもいろんな職種があるから。
事務職だってあるし、一日モニター見ている仕事もあるし」

「あ!もしかしたら相撲部かも」

そういえば司令官の部屋のある棟の入り口に、相撲大会優勝したというお知らせもあったな。

「いや・・、調理する係の可能性が高いかな。味見があるから」

そんな会話をしていたら、基地司令が一通りの挨拶を済ませてから段の下に並ぶ
4人を指し、

「今日ここに並ぶ午餐のメニューを作った給養員を紹介します」



「ほらー!やっぱりそうだった!わたしってすげー!」

壇上に上がって紹介を受ける4人の給養員(のうちの一人)をみて勝ち誇るわたし。
教育航空群司令が料理長に当たる給養責任者に、

「自己紹介と本日のお料理のお勧めポイントなどを」

と促すと、マイクを持った隊員は、まず自分の出身地などを言ってから、

「本日のお勧めはローストビーフです。リブロースという部位を使用していて、
厚みのあるロースなので、キメが細くて美味しいです。
リブロースはローストビーフやステーキなどに使われ・・・」


とリブロースについてひとしきり熱く語ってから(´・ω・`)

「どうぞご賞味ください」

と締めくくりました。



シェフの一押し、ローストビーフとリブロースのステーキ。
わたしはどちらもなんとなく食べ損ねました。
向こうの深川飯風ご飯はいただきました。美味しかったです。



教育航空集団司令の乾杯の発声。
この日は司令の奥方も地方からわざわざ来ておられました。
午餐会が始まるやいなや、司令の前には挨拶をしようとする人の列ができ、
みている限り海将も基地司令も昼食どころか、食べ物を一口も口にできない状態でした。

兵学校同期会の会合で元海将が講演を行った時には、会の進行役が

「聞いてみたいことはあると思いますが、最初は食事をさせてあげて下さい」

と「押しかけ挨拶」を前もって牽制していたものですが、ここは自衛隊。
間違っても客に対してそんなことは言いません。


司令は1時間最初から最後まで挨拶のしっぱなし、さらには夫人は、

その横でニコニコと何回も頭を下げ続けて、本当に将官の奥さんは大変だと思いました。




会食が始まるなりわたしとTOはカレーの屋台に突進しました。
給養員を紹介した時に、

「自慢のカレーは数に限りがありますのでお早めに」

とか司令がいうものだから、早々に屋台に列ができてしまったのです。
屋台では三人の配膳係が目にも留まらぬ速さで小さなお椀にカレーをよそっていました。

さすがは海自のカレー、こっくりと溶け込んだルーは甘口で、
大鍋で煮込まれた
野菜はまだ原形をとどめているも、まろやかな舌触り。

やはり今日のお料理で一番美味しかったのがカレーでした。




刺身はあっという間に大量のツマを残してこの通り食い尽くされました。
わたしがこの写真を撮っていると、前にいたおじさまが

「ほら、ここ(菊の花の下)に身が隠れてるよ〜」

と教えてくれたので、せっかくだからそれをいただきました。美味しかったです。



宴会も終盤、集合していた陸空海自衛官らが全員で記念撮影。
真ん中に三人幹部がいる以外は准尉、曹長クラスです。

同階級での三自衛隊における横のつながりというのがあるのかもしれません。



会場の舞台両脇に、ピラミッド状に積まれた枡がありますが、これは
樽からの振る舞い酒を受け取って飲み、持って帰ってもいいことになっていました。

木の香りも清々しいこの枡を、夫婦ともにお酒の飲めないわたしたちですが、
せっかくなので二ついただいてきました。

ところでビニール袋に詰め込めるだけ詰め込んで持って帰ろうとしている

おじさんがいましたが、何に使うのでしょうか。



さて、1時間にわたる午餐会は和やかに終了し、わたしたちが海将に挨拶してから

会場を後にしようとすると、海将の副官らしき若い自衛官が追いかけてきて

「P-3Cの体験搭乗の受付の場所、おわかりですか?」

と尋ね、知らないと答えるとそれを丁寧に教えてくれました。
そう、わたしはこの日、P-3Cに乗って空を飛ぶ、体験搭乗に参加したのです。


続く。