ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

台南を行く~ローカル線車窓から

2013-02-12 | お出かけ

10日間台湾にいて、台湾から高雄、あるいは八田ダム最寄りの隆田など、
台南を中心に30分ほど電車での移動をしました。

台湾の鉄道は統治時代に日本が敷設したものですから、線路は勿論、
駅舎のたたずまいや運行システムに至るまで、日本式と言っていいでしょう。
先日台南駅でその日本時代の建築そのまま使用しているこの駅について
いろんな角度から語ってみましたが、今日は、その台南駅をも含む
「鉄道百景」と題して写真を淡々と貼っていきます。



駅前のロータリーにはタクシー乗り場も。
タクシーには何度も乗りましたが、総じて皆運転は荒かったです。
都会の運転手ほど飛ばす傾向にあり、車を運転しないTOは、
何度も青くなってシートベルトをチェックしていました。



おなじみ台南駅の裏口。



写真を撮っているエリス中尉が写っていますが、気にしないでください。
「区間」は各駅停車、「ろこう」(漢字が出ない)は区間特急、「自強」は特急。
どうやらそうであろうと理解したときには、帰る日になっていました。



晩、というのはわたしのかすかに残る中国語の知識によると「遅れている」。
高雄行き、塀東行きともに2分、3分遅れである、と表示にあります。

いかん。いかんぞー!

どんな山の中の無人駅でも、一分違わず電車がホームに滑り込み、
数センチの狂いもない場所に停車してドアが開く、というミラクルさが、
もはや世界の「伝説」ともなっている日本の鉄道ですが、
その流れを引く「弟子」とも言うべき台湾さんがこんなことではいかん。

だいたい、当たり前みたいにどの路線も微妙に遅れてんじゃねー。

公衆電話も健在。



統治時代のホームに最新式のエレベーターと通路。
しかし、完璧にバリアフリーと言うわけではなく、裏の改札口からは階段を使わないと、
ホームにはいけない仕組みになっております。

 

全面的に広告(観光地のお誘いが多い)をプリントした電車。



大阪環状線あたりでそっくりの駅を見たことがあるような気がする。





 

高雄に行くとき「自強」つまり特急に乗りました。
一部指定席です、
台湾の電車は新幹線は勿論、古い車両もとても清潔でした。



どうも全体的に台鉄はオレンジ色をメインカラーにしている模様。
車体に見える台鉄のマークは「台」と言う字と、線路のレールを輪切りにした形を
組み合わせた意匠であろうと思われます。
上方の看板には鉄道警察はこちらにありますという表示が見えます。



なんと、ホームの端っこに警察署があって、それが鉄道警察。
駅のホームに警察があるというのも珍しいですが、さらにホーム上に、
パトカーや白バイ、さらには警察官の通勤用の車までちゃっかり停まっています。



さらにホームの最先端に行くと、ここは全く使用されないスペースなので、
駅員さんの趣味のガーデニングコーナー(たぶん)として利用されていました。






高雄に行く途中目撃した、おそらく陸軍の駐屯地。
カーキ迷彩のトラックが所狭しと並べられていました。
列車で軍用車を運べるように線路の近くにあるのでしょうか。
それにしても不用意と言うか、何かとオープンですね。



この、線路をまたぐ渡り廊下も日本っぽい。
電梯、電気の梯子がこれすなわちエレベーター。
ただし中国語では「梯」一字で「階段」の意味があります。



台湾の少数民族がポスターになっていました。
何かイベントかと思ったのですがそうではなく、
ただ、「こんな民族がいるよ」と改めて告知しているのです。

かれらも現代の台湾で普通に文明社会を享受しているはずですが、
民族衣装や風習などをこのようにして守り続けているのでしょうか。
日本の津々浦々で地方特有の風習を受け継ぎ、お祭りやしきたりと言う形で、
次世代に残すのと同じように。

それにしても高雄には原住民の種類が多いですね。
日本統治前は言葉も様々だったため、日本政府は
台湾語と日本語を共通言語として彼らに与えました。



高雄駅構内のセブンイレブン。
だいたい日本のと同じような品ぞろえで、というか、
普通に日本語で書かれた日本製品(温感下着とか)などが置いてあるのですが、
お菓子やジュースなどは台湾独特のものが多かったです。
わたしはこのコンビニで売っている台湾のアーモンド味ののど飴が気に入り、
去年に続けて今年も買って帰りましたが、もうすでに残り少なくなりました。
たくさん買い込んで来ればよかったと思っているくらいです。



夜の台南駅に戻ってきました。



成功大学の学生らしい若い人を駅ではよく見かけます。
わたしたちが切符を買うのにまごまごしていたら、
英語で話しかけてきて手伝ってくれた男の子もいました。



このガラスケースの中身ですが、横の売店のための「物入れ」。
全体的に整理整頓が悪い感じはどうしてもぬぐえません。





ここは新幹線台南駅のできたばかりの駅コンコース。
どこもかしこもピカピカで、フロアにはお土産用のお菓子屋さんが
それこそ迷ってしまうほど種類も豊富に取り揃えられています。
「桜波プリン」。
日本の会社にちがいないと思わせるネーミングですが、
調べてみると台湾にしかないお菓子。

日本のスイーツ風、と言うイメージで売っているのでしょうかね。




新幹線台南駅からの眺め。
やたら広い緑地帯が向こうに見えますが、公園にしては何もなさすぎるし。



向こうが新幹線のホーム。
中国語を知らずとも、意味はよくわかります。



わたしは日常あまり電車で移動しないので知らないのですが、
日本でもこの液晶の電車内のお知らせは、このように
「あなたの乗っているのは二両目で、次の台南駅には
階段はホームのどこにあって、ついでにトイレもどこにあるか」
までを教えてくれるこのような親切なものなのでしょうか。
ちょっとでも早く移動したい人にとっては実にありがたいですね。
下の「閉門時強行進出」は、
「扉が閉まりそうなときに無理に降りないでください」かな?



大阪に行ったときに、「指つめ注意」という表示、さらに英語の
「Watch your fingers」
という注意書きに心から驚いたのですが、ここ台湾では、
大阪よりはずっとスマートにそれを伝えることに成功しています。

小心夾手。

さすが孔子の国の文化。
この四文字熟語で「手を挟まないように気をつけてください」
という意図が余すところなく表せているではありませんか。
小心とは中国語で「気をつける」です。
さらに英語では
「Caution keep hands clear the gates」
素晴らしい!
(挟まないように)ゲートから手をどけておいてください。

思うに日本は、五七五の「俳句標語文化」があり、
このような注意書きは英語ですら
「短く、できるだけ17文字くらいで治まるようにしなければいけない」
とか考え過ぎなのではないでしょうか。

この注意書きの文句、大阪市地下鉄に教えてあげようかな。



八田ダムを観に行ったときの最寄駅、隆田。
改札を出るのにわたしたちはちゃんと地下道を使ったのですが、
階段をあがってみるとみんなは当たり前のように、
線路の上の通路を歩いていました。
駅員さんもいたので、おそらく禁止されてはいないようです。



日本にも小汚い建物はありますが、こちらのはレベルが違う。




水辺の光景。
いまどき橋げたまで木製の橋です。
すごく新しそうですが、全く使用されている様子もなければ、
しかも河原に歩けるような道もない。
向こうの方は土砂崩れ通行もできない状態です。

・・・・トマソン?



八田ダム以降、この地方には水が潤沢に供給されるようになり、
このような養殖池があちこちに造られました。
「飛虎将軍」の杉浦飛曹長が集落を避けて飛行機を落としたのも
このような養殖池の集まっている地帯でした。





工場も線路沿いに見られました。
右から「ひまわり油」「しょうゆ」次は、
「壺底油」・・・・・?????



あまり景観に気を遣っているように見えないのが台湾ですが、
たまにはこんな光景も見られます。








アパートのベランダは、どこも独自に泥棒除けのフェンスを付けています。
結構な高層階ですが、それでもこうしておかないと入られるのでしょうか。
香港の貧民屈の風景を思い出してしまいましたが、
もしかしたらこれくらいは普通のアパートなのかもしれません。

この区画は、どうやらコンパートメント三つが一軒のようですね。
しかし、ベランダから見える外の景色がいつも格子越し、
という生活は、なかなか辛いものがあります。



でた。

デンジャラスセカンドハウス。
ゼーランディア城の付近で、実にキッチュでシュールな、
黄色い「屋上に乗っけるだけの施行方法」の家を発見し、
我々は非常に盛り上がったのですが、気が付けばこの様式は、
台湾全土に見られることがわかってきました。
しかも、物置などではなく、立派な「住居」として使われている模様。



ただし、ここのは住居は住居でも「鳥小屋」。
極限までアップしてもこの鳥がなんなのかわかりませんが、
どうも大きさから見て鶏では無いでしょうか。

屋上に鶏小屋を建てて、マイ菜園ならぬ「マイ養鶏場」?
大家さんが屋上のスペースを利用して副業でもしてるんでしょうか。
ちょっとした収入にもなるし、なんといっても毎朝産み立ての卵が食卓に!
それに、万が一地震が来て建物が下に落ちるようなことがあっても、
しょせんほら、鶏だし・・・・・・・・・って、いやいやいやいや、これまずいだろ。



そこで冒頭のセカンドハウスですが、どうやらここも住居ではなく、
何かの作業場で、ここには鳥は鳥でも、どうやらハトもいる様子。
鶏らしいシルエットもありますが・・・・まあ、中国人、ハト食べるらしいからなあ。

それはそうと、このマネキン人形はいったい何のために?

台湾にはまだまだ、はかり知れない奥深さがありそうです。