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バーキン片手に靖國神社

台湾を行く~B級グルメとスィーツ

2013-02-01 | お出かけ

故宮博物院の国宝を模した豪華ディナーやホテルのメインダイニングが、
台湾で食べたもっとも「豪華な」食事でしたが、といっても日本と比べると
どれも信じられないくらい安いものです。
佛跳墙(ブッチョウタン)という、日本で食べれば大皿20万円の超豪華スープも、
13000円のコースの一皿として味わうことができましたし。

正確に言うと、お腹いっぱいで食べられず断腸の思い(文字通り)だったのですが。

台南で泊まったシャングリラ・ファーイーストプラザは、この地域の5つ星ですから、
ここの食事は現地の人にとっては結構お高いとはいえ、



ホテルならではのゴージャスなセッティングで美味しい料理が実にリーズナブル。



チキンテンダー。
息子はいつもこのような鶏料理を頼みます。



これ一皿で十分一食分、実だくさんのスープ。
枝豆や雑穀、エビが入って栄養バランスは完璧。

デザートは、ホテル滞在中一通り全部頼んでみました。



ティラミス。
台湾で食べたティラミスはどれも美味しかったです。



ブラックフォレストという名前のケーキ。
名前に惹かれて注文しましたが、これは普通でした。



ここのパティシエは確かオーストラリアから来ているそうです。
味だけでなく、盛り付けもお洒落なのですが、このラズベリーケーキだけは
味も見かけも「いまいち」でした。

ちなみにこのケーキは何日か滞在していた期間に三人で食べたもので、
一人ひとつずつ食べたのではありません。念のため。



しかし本当においしいのはこういう「台湾ならでは」の一品。
麺より具のほうが多い、「担担麺」。
少しだけピリ辛で非常においしかったです。



ナシゴレンとサテー。
エスニック料理は何でもあります。
しかし一番多い「異国料理」は日本式の食べ物。
日本料理は、日本におけるカレーやラーメンのように、もうすっかり台湾の味になっています。



オレンジを添えたホタテガイのサラダ。



デザートのフルーツ盛り合わせ。
台湾は果物が美味しいのですが、日本のように何かと改良したり、
加工したりしない味なので、一般に皆淡白な味です。
日本の甘い果物に慣れていると、甘くなさ過ぎて野菜のように感じます。
そして、しばしば付いてくるこのスターフルーツですが、
形はともかく味が無くて全く美味しくありません。



このホテルのダイニングでは、朝昼晩とビュッフェを供しています。



閲覧注意。
といっても、出してしまってからでは全く意味なしですが。
前にも少し書いた高層ビル101の地下フードコートでは、
鶏をこんな風にショウケースに飾ってあります。
中華圏に旅行したことのある方はご存知だと思いますが、食堂の店先には
かならずこんな風にガラスで見える窓に鶏を吊って見せているのです。
鶏がバーに腰を掛けているように見えるのが、何とも言えません。

中国人や台湾人はこういうのを見て「美味しそう!」と思うんですね。
パリの朝市などでも、カモや鶏を見ているところで羽をむしったりして売るんですが、
フランス人も日本人とはずいぶん食に対する考えが違うなあと感じる光景でした。

日本では食物に対する流通が複雑になってしまっていて、鶏は勿論のこと、
下手すると魚も切り身をパックで売っているのが普通ですから。
頭がついていると「生ごみが出る」という理由で敬遠されるのでしょうか。



前にもお話しした「日式カレー」の「チキンオムレツ五穀カレー」。
この隣には「印式カレーの店」もちゃんとあります。




ここはゼーランディア城という、38年間統治していたオランダ人が作った城。
ここでジュースを飲みました。



大きなメニューにはしっかり日本語表記があります。
「加科品」が「トッピング」ですね。



台湾でジュースを頼むと、よくこういう太いストローで出されますが、
これは下に沈んでいるタピオカを吸飲するため。



まるで日本のモダンな家のよう。
台湾のお金持ちは生活のすべてを日本製品で揃えることにステイタスを感じるようで、
これはエクステリアの会社を経営している知人に聴いたのですが、たとえば家を作るとき、
門扉やサッシ関係も「日本製」にこだわってわざわざ輸入するのだそうです。
一般的な台湾の家屋を見慣れると、このような作りの家は明らかに「日式」であるとわかります。

台南の、ゼーランジア城の近くにあった「昔日本人が利用した家を新たに再現した日式家屋」
(これも観光スポット)の隣にありました。

 

てっきり喫茶店だと思って入っていくと、「おこし」のような干菓子を売るお店。
ここは外も中身も「日本風」でした。
店に入っていくと、人数分のお茶を無料で用意してくれます。
別に買っても買わなくても、ゆっくりお茶でも飲んでいってください、という感じです。
清潔な制服を着たかわいらしい店員さんは、説明を求められれば丁寧に接客しますが、
買わなければいけないようなプレッシャーなど全く感じさせないおっとりした雰囲気で、
客がお茶を飲んでいる間は黙ってカウンター付近に佇んでいるのみ。
陽の差し込む明るい店内、流れるのはモダンジャズ。

すっかりこの「日本式接客」に感動したわたしたちは、すぐさまそこでお菓子を買い求め、
お茶と一緒に戴くことにしました。



パンフレットもセンスあふれるこのお店、体にいい良質の材料を使って、
丁寧に作られたお茶菓子は種類も豊富です。
「良食草堂」。
台南のゼーランジア城と日本家屋を訪れたら、ぜひどうぞ。


ただし、こんなお洒落で清潔な最新式の建物でも、
「トイレで紙を流してはいけない」というあの掟は健在でした。(-_-)

台湾の食には多くの「日本」が関係しています。
日本式というものに「先進」「洗練」を見てくれているらしい台湾の人々ですが、
ファーストフードやチェーン店もそのままのブランドで進出しています。



台南駅前で見た日本でもおなじみ居酒屋チェーンの大看板。
デパートの中に出店しているようです。

 

高雄にあったデパート。
「漢神百貨店」。
これを日本風に読むと「かんしんひゃっかてん」。
関西在住の方は
「はんしんひゃっかてん」を思い出すかもしれません。

それもそのはず、このデパートは、阪神百貨店の台湾版。
出資と、その内容全て大阪の阪神百貨店が提携しています。
三越はライオンですが、ここは狛犬をおいています。
中華圏の人々は建物に「風水」を取り入れることが多く、最新式のビルでも
風水師にお伺いを立ててロビーに大きな壺や甕、石を置いていたりします

高雄でお昼を食べることになったので、ここのデパ地下に行ってみました。



デパ地下食堂全景。
ブルーの大きな柱にはモニターが埋め込んであり、
デパートからのお知らせや宣伝などが流されています。



日本のデパートのように小売りのカウンターが並ぶ広いスペースと、
フードコートのような飲食エリアが一緒になっています。
「森川」というのは「もりかわ」と読むのではありませんが、すき焼き定食など、
日本風のお膳ものを扱っているお店。

日本のデパ地下と違うことがあるとすれば、お店の人の客引きがそれは苛烈なこと。
前を通るたびに日本語で
「どうぞーいらっしゃいませー!」
日本語がしゃべれない店員さんは中国語で一生懸命です。
何度通りかかっても熱心に呼ぶので、しまいには迂回ルートを通ったほど。

手前に見えているのはお掃除のおばちゃんが管理している「マイバケツ」。
片付け係のおばちゃんは、ここでずっと客を見ていて、まだお皿には食べ物が残ってるのに
「すんだ?」とかなんとかいいながら同時に手を伸ばしてくるのです。
「まだ食べてる」と身振りで説明すること二度。
実に仕事熱心なおばちゃんでした。



いつものように息子の頼んだフライドチキン。



わたしとTOで半分ずつ。
日本風ラーメンと麻婆ナス。

 

デザートも我が家では「少し買ってみんなで分ける」のが定番。
これは「ビアードパパ」のシュークリーム。
ちなみにこれ、サンフランシスコにもあります。



ドンクのような「ミニクロワッサン量り売り」のブースもありました。
100元出して「これで買えるだけください」と言ったら、
ごらんのようなミニクロワッサンが5個。



日本の百貨店より、一流ブランドが入っていることを強調する店構えです。
これはどこのデパートにも共通する傾向でした。
手前はカルチエ、向こうはエルメスの表示あり。

ここのエルメスの店頭で、それはそれは美しいターコイズのショールが
「ブルー好き」のエリス中尉の目を惹きましたが、
「見てみて、あのブルーのショール、きれい!」と二人に言うと、
「はいはい、きれいだねー。じゃ次行こうか」
「次は本屋だから、見てる時間ないからね」

・・・・何も欲しいなんて言ってないじゃないの。

それはともかく、出先のモールやデパートのフードコートで適当に何か頼んでも、
なかなかおいしいものが食べられるというのが台湾のいいところ。



スイーツと言えば、こんなお店もありました。
どうもせんべい屋さんのようなのですが、ここの名物、
釣鐘焼き。
釣鐘の形をしたカステラのなかにどうやらクリームが入っているようです。

 

高雄のウォーターフロントにある巨大モール、「夢時代」。
ここでは日本のラーメン屋に入ってみました。



看板にはほとんど日本語しか書いてありません。
台湾の人は日本語普通に読めるんじゃないか?
お店の人も「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」
お客が出入りするたびに全員で声をそろえてあいさつする「日式」。

六本木ヒルズにあるサルバトーレなんとかというイタリアンレストランでは、
お客が来るたびに「ボンジョルノー!」「ボナセーラ!」
オーダーを受けるとキッチンに「なんとかかんとかポルファボール!」
とか叫んでいて、イタリア人が聞いたら妙な感じなんだろうなと思っていましたが、
まさにそのイタリア人の気持ちが理解できたというわけです。

しかし、さすがに日本語が全員しゃべれるわけではありませんでした。

 

ふんだんにもやしとねぎのかかった「京都風」と、チャーシュー麺。
トッピングは何種類か選べます。
手前のキャベツは酢漬け風サラダ。



ここで一番おいしかったのは、熱い鉄なべの上で卵をかきまぜて作る混ぜご飯。
少しバターを入れてくれるのですが、それでいい匂いが漂います。
家族が争うようにした食べたのが実はラーメンではなくこれでした。

さて、何を食べても美味しい台湾旅行が終わり、空港に向かいます。



少年野球のチームが遠征で訪れ、試合が終わって帰るところでした。
羽田で降りたら、保護者らしき人たちがが「おめでとう」と拍手で迎えていました。
台湾は野球が盛んなので、リーグの遠征がよく行われるようですね。

空港ビルは去年から改装が進み、出発ロビーにかなりの飲食店が移転していました。
最後の台湾らしいご飯を食べにそのうちの一つに入りました。



麺に、小皿はチョイスできます。



またしても担担麺。



生姜紅茶を頼んだら、こんなかわいいポットに入って出てきました。
・・・・・ミッキーマウス?

台湾は勿論メインが中華料理ですが、一般的にあっさりしていて、
また野菜なども日本のより流通経路が短いのでミネラルが失われておらず、
素材の栄養素がしっかりと摂取できるのではないかという気がします。
 
ご覧のようにいい意味で日本風が生活に溶け込んでいますし、
万が一台湾に住むことになっても、ストレスフリーだと思いました。


あえてストレスになるものを挙げれば、やっぱりあれですかね。