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中国海軍の挑発行為~レーダー照射事件を海自関係者が語る

2013-02-24 | 日本のこと

ここぞと観艦式のときに撮った「ゆうだち」の写真を出してきました(笑)。

今日は先般の中国船レーダー照射事件について。

この事件を日本政府が明らかにした後の中国報道官の態度は
明らかに挙動不審、というか「目が泳ぐ」感じで、いかにも
「こう言えと言われたから言っている」
のが手に取るようにわかりましたね。

中国さんともあろう国がこんなポーカーフェイスのできない報道官を
使っちゃダメでしょうが。

彼女がきょどるのも無理はない話で、中国側は最初
「日本の捏造だ」
などと言わせていたんですね。
これを受けて日本政府が「データを証拠のために開示する用意がある」
というと、笑ってしまうことに
「今まで何度もやってきたのに何をいまさら」
なんてことを言い出しました。
発言が数日でコロコロ変わるのですが、彼女もさぞ気まずかったでしょう。

しかし、

「今まで何度も同じことをしている」

この爆弾発言にビビったのはなんといっても前政府与党だった民主党の連中でしょう。
だって、政権発足以来(どの段階でかはわかりませんが)中国の明らかな攻撃意志を
国民に秘匿し続けていたことがばれてしまったのですからね。

なるほど、尖閣の船長逮捕案件にあんな対応をするからには、
明らかにされていない「中国の横暴案件」はあっただろうと思うのが自然です。

その後、テレビで元海幕長(赤☆さんに非ず)がペロッと
『民主党政権のときにも何度かこんなことがあった』
なんて言って「やっぱり」という話になったわけです。

しかし不思議なのはそれらの発言をマスコミは一切突っ込んで報じないこと。
まあマスコミの最近の姿勢を見る限り、中国に都合の悪い事実は
決して表に出さないようですから、不思議と言うほどでもありませんが。

それでは、どれほどのこういった「挑発行為」があったのか。
週刊ポスト2013年3月1日号によると、三年間に8件それがあったということです。


【2010年】

4月 8日:中国艦艇の艦載ヘリが護衛艦「すずなみ」に接近飛行
4月13日:P-3C哨戒機が中国艦艇から速射砲の照準を向けられる
4月21日:中国艦艇の艦載ヘリが護衛艦「あさゆき」の周囲を2度旋回

【2012年】

4月 :P-3C哨戒機が中国艦艇からFCレーダー照射を受ける
8月下旬:海自護衛艦が中国艦艇からFCレーダー照射を受ける
9月 :海自護衛艦がFCレーダー照射を受けた可能性あり

【2013年】

1月19日:海自ヘリ「SH‐60」が中国フリゲート艦からFCレーダー照射を受ける
1月30日:海自護衛艦「ゆうだち」が中国フリゲート艦からFCレーダー照射を受ける


ちなみに中国船の衝突事件は2010年の9月でした。

赤字の2012年9月のレーダー照射案件をご覧ください。
当時の首相であった野田元総理はじめ与党であった民主党が沈黙していますが、
この直前の2012年8月、自民党の山谷えり子議員らが尖閣諸島付近に眠る
戦没者のための「尖閣慰霊祭」に出席するため、政府に上陸許可を求めました。
当時の野田内閣は当然のようにこれを拒否。
「もう日本は中国の属国になっている」と言い切ったのは民主党の仙谷議員でしたが、
終始異常なくらいの配慮を中韓に対してしていた政府ですから当然の対処です。

ちなみに、この「土下座外交」「売国外交」のシンボルともいえるのが、
伊藤忠の経済人丹羽宇一郎を中国大使に据えるという人事でした。

この赤字の護衛艦に対するレーダー照射案件は、
山谷委員らの上陸許可を求める動きに対する制裁、というかこれを受けて過敏に
反応したものと考えられます。

それにしても、これだけ思いっきり卑屈に配慮しても、安倍政権になって
きちんと抗議主張することをしても向こうが同じような反応しかしないのなら、
世界に中国の非道さを訴え相手にやんわりと牽制をし続けたほうが、
国民の支持も得られるんじゃないでしょうかね。

この時の照射に対して防衛省の幹部がこのように言っています。

「レーダー照射を受けた護衛艦は、ECM(Electronic Counter Measures)
と呼ばれるレーダー妨害装置を発動させたと報告を受けている。
これはレーダー照射を受けたP-3Cが行なったチャフ
(Chaff:レーダー攪乱用の金属片)
の放出とは比較にならないほど緊急的な措置だ。
いかに危険が迫っていたかを物語っている」


ちなみに、このレーダーに付いて少し調べてみました。

FCレーダーの射程は水上であれば約20キロメートル、
上空なら約60キロメートル。
ターゲットとの距離にもよりますが、発射されたミサイルや砲弾照射の
命中率は非常に高くなります。
照射されたまま発射ボタンを押されるというのは、
いわば眉間に銃口を突きつけられて引き金を引かれるようなものである、
というのは皆さんもニュース解説でご存知かもしれません。

つまりこのことはもし照射されたのが米軍だったら、ロシア軍だったら、いや、
自衛隊以外のどこの軍であっても現在の世界基準では、
いつ戦闘状態になってもおかしくない事態だったということなのです。

さらに別の防衛省幹部によると、詳細までは把握できていないものの、
「2012年9月に中国漁船が大挙して尖閣に押し寄せようとした際にも、
警戒にあたっていた護衛艦がレーダー照射を受けた」ということです。

それではこの危険なレーダー照射をなぜ人民解放軍は繰り返すのでしょうか。
参謀本部は一月にも「全軍戦闘準備をせよ」と布告するなど、
実に挑発的な動きをさらに推し進めているようにも見えます。

中国の最高意思決定機関である中国共産党の新指導者、
習金平は、人民解放軍の党中央委員会の最高権威者でもあります。
では、これらの軍事挑発が新リーダーの命令で行われているのかというと、

「そうともいえない」

というのが消息筋の見方であるようです。
翻って、赤☆元海幕長が中国軍との交流のため面会したこともある
呉勝利海軍上将ですが、この人物はかつて米海軍高官との会談において

「太平洋を二分割して米中で管理しよう」

と発言してアメリカ側を驚かせたほど、いわば野心的な人物です。
どういうことかと言うと、最近の一連の照射事件始め挑発行為は、人民軍が
この新指導者を試すために起こしているのではないか、と言うことです。

なんとなれば、レーダーのスペック、データは各国軍隊の極秘情報です。
この、データ解析のチャンスを敵国に与えるも同然の照射を行うというのは
「よっぽどの場合」というのが現場の常識です。

つまり挑発そのものを目的として繰り返される行為は、
日本に対してと言うより中国国内での示威行為であり、
これを習金平がどの程度黙認するのか、あるいは抑えにかかるか、
その度量や意向、意思決定の様を推し測っているというのです。

しかも相手が自衛隊なら応戦されることもないという読みもあるでしょう。

中国軍は総体的に国際感覚に乏しく、しかも軍の力で国民を守る、
という使命感や任務に対する忠誠がが非常に希薄であると言われます。
少し前にコメント欄である護憲派の読者と討論したことがありますが、この方が

「シナは日本の10倍の人口で、人命が安い。
日本人一人に対し10人の命がある、と言われている。
だからシナとの有事の際は覚悟が必要だ」

と書いてこられましたが、わたしはこれは
「中国人が日本人と同じメンタリティを持っていた場合」に限ると思います。

もし日中の間に有事が起こった場合、
果たしてそんなにたくさんの中国人が国を護るために立ち上がるでしょうか。
現在の「超自己功利主義の帝国」であるこの国を見る限り、
その可能性は限りなく低いように思われるのです。
軍人ですら、その任務の目的は「私」の功利であり、
それがために国民解放軍の規律は非常に緩いと言う現状、
ましてや国民解放軍には国防のための士気などは無いに等しい
とまで言われているからです。
つまり軍幹部が気にしているのは自分のポジションだけらしいのです。

つまりこの一連の示威行為は内部の権力闘争の一端であり、
すでに習金平は軍を掌握することができなくなってきているのではないか、
というのが中国専門家の見方なのです。

つまりそういった一連の行為が国際的にどう見られているかを
国際感覚に乏しい中国海軍は考慮せず、
「尖閣のためにしたことなのに何が問題なのか」
と開き直っている可能性もある(ジャーナリスト、福島香織氏)
ということです。

「日本は20年後には無くなっているだろう」

これは中国の李鵬首相がオーストラリアの高官に語ったという言葉です。
これを「日本は中国の省になる」と解釈して、
中国の覇権主義への脅威を煽るが如くに喧伝されましたが、
実はこれは1995年のバブル崩壊後に、

「あんたたちオーストラリアは日本を当てにしているが、
この(バブル崩壊の)調子では日本に先は無いんじゃないか」

と言ったということらしいんですね。
発言の前後の状況を確かめずにこういう情報をうのみにし、
中国への敵意を滾らせてしまうなどという挙動は慎むべきだとは思いますが、
問題は上から目線で「日本は無くなる」と言っていた中国自身のことです。

この発言の20年後、つまり2015年には中国がどうなっていることやら。

軍の暴走、世界中から疎まれる民度の低い国民、
国際社会の一員として全く信頼のおけない傲岸さ、
そしてなにより、何の対策もせず今や死活問題にまでなった環境汚染。
数年内には、首都を北京から新京に移すことを共産党は考えているようです。
根本的な解決よりなにより、自分たちだけは安全なところに、と言うわけです。


小さい脳みそで体ばかり巨大に進化した恐竜が、
自分の身を自然から守ることができず斃れていく姿を、
まさに今の中国に見るような気がします。