ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

元海上幕僚長との一夜

2012-09-04 | 日本のこと


相変わらずJAVAのぼかし機能が使えないので、苦肉の策で、(←本当か?)
先日mizukiさんに作っていただいた、ルテナン・エリスのアバターの顔部分をはめ込んでみました。

mizukiさん、無断借用して申訳ありません

しかしこの写真をどうしても使いたかったのは、後ろの左側で名刺交換をしておられるのが
元海上幕僚長だからです。


・・・・・・・・それにしても、キモいタイトルをつけるんじゃない、と思われた方、すみませぬ。

この日、元海上幕僚長の講演後、隣で食事をいただき、お話をさせていただいたのですが、
海軍海自に興味を持つことわずか二年でこのような僥倖に恵まれたことがあまりに嬉しく、
ついつい自慢かたがた思わせぶりにに言ってみたかっただけでございます。



しかし、言わばこの地元のトップ企業とも言える会社の財界人が参加したこの講演会。
エリス中尉ごときが隣の席に陣取っても、元海幕長を独占できるものでもありません。
ひっきりなしに参加者が名刺交換に訪れ、話が中断されること度々。
この写真もまさに話の途中で挨拶にこられた方があり、放置中のエリス中尉の図。


以前護衛艦「さみだれ」の艦長にお会いしたとき、何の質問も用意していかなかったため、
「バトルシップを観ましたか?」などと聞いて(このブログ読者の)顰蹙を買ったわけですが、
このたびは何と言っても元海幕長です。海軍大将です。
二佐である「さみだれ」の艦長には大変失礼ですが、軍隊というものは階級社会なのです。
中佐には聞けても、大将に「バトルシップ観ましたか」などとは口が裂けても質問できません。
(聞きたかったけど)

そもそも、インタビューしているわけではありませんし、さらに話には流れと言うものがあり、
さらに同じテーブルのエラいおじ様たちがあれこれと質問もなさるので、
なかなか思うような内容の質問などできるものでもありません。

(しかし、せっかく目の前に元海幕長がいるのにろくに話をさせず、
逆に海幕長に向かって自分の経営理念を滔々と語る人って・・・・・・・・・なんなの?)

ことに、この時は講演の直後ですから、やはり中国や韓国との関係、防衛が話題になります。
それでも、士官候補生学校のことなどさりげなく聴きだしました。

海上自衛隊は海軍をそのまま受け継いでできた組織であるので、海軍のやり方、気風や慣習、
そういったソフト面がまだまだ色濃く残っているけれど、例えば士官候補生の訓練の厳しさは、
「士官候補生学校の間だけ」
なのだそうです。

言わば、その間だけ候補生として厳しくやるけれど、兵学校のような厳しさではない、
そして例えば「貴様」という呼び方は決してしないそうです。

ふーむ、そうでしたか・・・・それは残念・・・・って何が残念なんだかわかりませんが。

それから、たまたま話が及んだので、気になっていたアスロックの命中率について
(何を聴くんだエリス中尉・・・)聴いてみたのですが、これについては非常に丁寧に、
その仕組みと、動き方、さらにこの兵器の使い方などを説明して下さいました。

あまりにも細かかったので今ここに書くわけにはいきませんが(おい)一言で言うと、
「100%ではない」ということです。

一言すぎ?

ところで、この会はディナーショー?なので、ちゃんとしたコースのお料理が出ました。

 スープのジュレ。

 メインはステーキ。

 デザート。

これらのお料理を、全く残さず気持ち良いくらい平らげておられました。
お酒もいけるらしく、ボーイさんが注ぎに来る白ワイン赤ワインも、全く断らず口にしておられます。
でも、全然お腹とか出ていらっしゃらないんですよ・・・・。
引退してから太ってしまったりはなさらなかったんですね。


ところで、エリス中尉は女性ですので、海軍について調べ、考え、海軍軍人のことを知るときも、
どうしても女性の視点から考察してしまう傾向にあります。

男性なら、先日もコメント欄でお話したように、小さい時から当然の常識として知っていることが
全く基礎から抜け落ちたまま軍や戦争について語ろうってんですから、我ながら良い根性してます。
しかし、「軍女子部」同僚であるところのミルママ中尉☆☆のブログもそうですが、
「男もすなる軍ブログと言うものを、女もしてみむとすなり」
という観点から語られた軍、戦争に対する考えであるからこそ読んでくださっている方も、
もしかしたら結構おられるのかな、とも、最近思っているのです。

(紀貫之が男であることがもしばれていたら「土佐日記」はベストセラーにならなかったでしょう)

女性、特に母親を十羽一からげにして
「我が子を戦地に送りたくないから、戦争反対!自衛隊なくせ!憲法9条死守!」
と言っているようなイメージを持っている方がいるならば、それに対して
中にはこんな風に考えている女性もいることはいるのですよ、というメッセージになることを、
何となく(何となくですよ)期待している部分もあります。

・・・・というのはわりと後付けの理由です(笑)

というわけで、このような「元アドミラル」を目の当たりにして、どうしてもエリス中尉の興味は

「このスーツは、見るからにお仕立てが良いけれど、退官後、
大会社の顧問として第二の人生を歩む際に銀座のテーラーで誂えたのかしら」

とか、

「こういう方の奥様というのはどういった経歴の方で、どういう方なのかしら。
夫が海幕長、というのは妻としてどんな気分だったのかしら」

などといった、語尾が「かしら」で終わる、男には全くどうでもいい、
質問しようのないところばかりに終始してしまったことを、懺悔と共にここに告白いたします。

それはともかく、エリス中尉が次々と元海幕長を質問攻めにできなかった理由はもう一つあります。
それは、海幕長その人がエリス中尉に

「・・・・・・・・お詳しいですね」

さらに続けて

「おたくですね」

とあっさりおたく認定をしたうえ、さらにこう質問をされたからです。

「なぜそんなにお詳しいんですか?」

わーい、石破ゲル元防衛大臣と同じ扱いを元海幕長にされちゃった!
と喜んでいいのか悲しむべきなのか、ともかく、逆に質問に答える羽目になってしまったのです。
こちらからの質問は想定していましたが、まさかそう来るとは。

海幕長は何となく尋ねられたのでしょうが、答えに窮しました。
理由は山ほどあります。

おかしな政治。おかしな日本の外交。
日本がどんどん歩みを間違えておかしな方向に進んでいるのではないかという不安。
その原因としての戦後敷衍した自虐史観への疑問。
日本に誇りを持たせまいとする「ある力」への強い反感。

全ては「自分の生まれた国が好きである」という当たり前のことが当たり前でない現状への
おおいなる疑問と不満から始まっています。
では、「皆が日本を愛していた頃」、起きたあの戦争は何だったのか。
愛国心がはたして戦争を起こすのか。
そのときのことをこうやって知ること語ることで、少しでも真実に近づきたい、そういった理由です。

「なぜ海軍か」については、大抵の軍人がやはりそうであったように
「紺碧の波を切るくろがねの城、空駆ける海軍搭乗員の凛凛しさと腰の短剣に魅せられて」
といったところですが。

しかしまあ、そんなことを文章ならともかく、口で説明するには相当な準備が必要です。
想定外のこちらへの質問に対し、何の心の準備もしていなかったエリス中尉が、

「そ、それは・・・」

とめまぐるしく頭の中で考えをまとめていると、ちょうどそのとき

「皆さま、ご歓談中のところ大変恐縮ですが、おひらきの時間が近づいてまいりました」

「・・・・・・・」 orz ←エリス中尉

もうこれは無理やり頂いた名刺を悪用してお近づきになり、「元海上幕僚長との第二夜目」を設け、
行ったことはありませんが、銀座のクラブ「宣候」でもお連れしてこの続きをするしかありません。

(・・・・・・が、まだ何もしていません。今後も多分しないでしょう)


ところで、雑談中、護衛艦「さみだれ」に乗艦し、艦長の案内を受けたお話をしました。

「そこでコーヒーなどいただいてしまいました」
「ほう、それでは士官室にも行かれたのですか」
「はい!そこで出されたコーヒーのカップには、金色の錨のマークが」
「それは特別待遇でしたね」
「そうなんですか!
山本五十六司令が、この同じ海軍マークのカップで飲んだのだと思うと、感無量で」
「ははは・・・」(笑)

「何とかしてこのカップを持って帰れないかと一瞬思いました」


 提督に 何を言うやら エリス中尉 (字あまり)



次回、ようやく日米関係と、露中韓包囲網(エリス中尉命名)についてです。