ウエストナイル熱(West Nile fever)は、2014年8月26日現在、アメリカでは、カリフォルニア州(93人)、ルイジアナ州(43人)、テキサス州(30人)、サウスダコタ州(22人)など34の州と地域から12人の死亡を含む297人の患者(髄膜炎もしくは脳炎のような神経侵襲性疾患(neuroinvasive disease)を起こしたのは、そのうち53%ほど)がCDC(アメリカ疾病対策センター)に報告されているといいます。医療水準の高いアメリカで、このデータからはその致死率は4%ほど。25人に1人は死に至ることになります。日本では、2005年8月24日に出国し、8月28日から9月4日までロサンゼルスに滞在後、9月5日に帰国した30代男性が、ウエストナイル熱を発症しています。帰国時に発熱及び頭痛、その後発疹しました。9月7日に近くの医療機関を受診し、さらに9月10日、川崎市立川崎病院を受診することになります。ELISA試験で、ウエストナイルウイルスに対する特異的IgM抗体陽性となりました。中和試験でも、ウエストナイルウイルスに対する特異的中和抗体を認め、ペア血清で4倍以上の上昇があったようです。その後回復したそうです。ウエストナイル熱の潜伏期間は3〜15日で、感染しても発症しないことが多く、発症する人の割合は5人に1人ほど(約20%)です。
(追記-2014年9月5日) “The Wall Street Journal”の2014年9月4日の記事によると、マレーシアでデング熱患者の急激な増加(deadly outbreak of dengue)が起こっており、特に首都クアラルンプールを取り囲み、日系企業が数多く進出している、人口密度の高いセランゴール州で深刻だといいます。