POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 中学生になる息子を連れての今回の家族旅行は、シンガポール経由でチェンマイ(チエンマイ、Chiang Mai)に入り、2週間ほどを移動せずにチェンマイで過ごし、バンコク経由で日本に帰国しようとするものです。ひとつの都市にこれだけ長期にいるのは我が家では珍しいことです。バンコク旅行を幾度か計画し、その度にタイの政情不安で計画が頓挫した私たちは、バンコクを避けてタイを旅行することにしました。日本から入るのもバンコクのスワンナプーム国際空港を避け(1度、暴徒に占領され、閉鎖になったことがある)、シンガポールから直接チェンマイに入ることにしました。

(参考) 「タイの政情不安、ついにスワンナプーム空港閉鎖にまで。」(2008年11月27日)

 ユナイテッド航空のUA881便でシンガポールのチャンギ国際空港に到着するのは、深夜1時頃で、エアアジアのFD3452便でチャンギを発つのが21時30分です。20時間ほどのギャップがあります。この時間をどう過ごすかが検討課題になりました。シンガポールに入国せず、空港内にいてトランジット(トランスファー)する方法は、乗り換え便が「エアアジア」という航空会社ではできません。エアアジアは格安料金を提供するために「乗り換え」というサービスを行ってはいません。必ずいったん入国してから、出国ロビーでチェックインしなければなりません。

 いつもならば、シンガポール経由で他の都市に向かうときは、シンガポールに何泊かして観光することにしていましたが、今回はその方法をとるのを止めました。その最大の理由はシンガポールのホテルの宿泊費の高いこと。深夜にタクシーでホテルに入り、入浴して眠りに就くのは、大抵3時頃になってしまいます。1泊のみで12時までにチェックアウトするにはきつく、レイトチェックアウトを依頼するとしても、おちつかないものです。そこで、1泊のみではきついので、少なくとも2泊は連泊することになります。このコストが費用対効果の点で不満なのです。

 今回は空港内の制限区域(制限エリア、Departure Transit Lounge、入国審査を受ける前の到着客、出国審査を受けた後の出発客、乗り継ぎ客が一時的にいる区域)にある「トランジットホテル」に宿泊することにしました。トランジットホテルは、空港に到着するとすぐに入国手続きを経ずに宿泊できるホテルです。シンガポールへの入国手続きをとってはいけません。このことはホテル「Ambassador Transit Hotel(アンバサダー トランジット ホテル)」のサイトで強調されていますし(“PLEASE DO NOT CLEAR IMMIGRATION / CUSTOMS AS ALL AMBASSADOR TRANSIT HOTEL ARE SITUATED AT LEVEL 3, WITHIN THE DEPARTURE TRANSIT LOUNGE.”)、ホテルから送られてきた予約確認のメールにも“Upon ARRIVAL, DO NOT CLEAR IMMIGRATION / CUSTOMS as Ambassador Transit Hotels are situated on level 3, TRANSIT MALLS. Please use escalator across from Transfer Counter B. ***Luggage Claim is after IMMIGRATION ”と強調されていました。

 かなり以前にトランジットホテルを利用しようとしたことがあるのですが、そのときは利用の条件に乗り換えの「搭乗券(ボーディングパス、boarding pass)」を持っていることというのがあって、断念したように記憶しています。しかし、今回改めてホテルのサイトを見たところ、そのような記述は見当たらず。いろいろと調べたところ、あるホテル予約サイトに「乗り継ぎ時の休憩にはもちろん、深夜到着で翌朝チェックアウトし、そのままシンガポールへ入国という使い方も可能です。」という記述すら見つけることができました。



 そこで早速予約を入れることにしました。3人部屋(triple)の宿泊料金が115.35シンガポールドル。1S$=66円換算で7,600円ほど。「クラウンプラザホテル・チャンギエアポート(Crowne Plaza Hotel Changi Airport)」に宿泊することから比べるとかなりのコスト削減になります。バスタブがなく、スタンディング・シャワーしかないこと、基本はチェックインからチェックアウトまで6時間(1 Block of 6 hours)しか滞在できないこと(1時間延長ごとに16.48S$(1,100円ほど)が追加される、Extension Per hour 16.48S$)などがマイナス面として挙げられます。

 予約を入れるとまず次の文面のメールが自動送信で送られてきます。

Thank you for booking with us.

This auto reply is NOT a confirmation of your room booking.
You will receive a response within the next 2 working days

Room Reservations Office is open from Monday to Saturday excluding Public Holiday.
Please call us at (65) 6507 9797 between 9am to 7pm for any booking enquiries.

Have a pleasant day.
 

 次に送られてきたのが、予約確認のメール。その一部を紹介してみます。

Dear Mr KONNO,

Thank you for your reservation request dated 30 May 2011 21:10 - Confirmation No : 3057T3

We are pleased to confirm a Triple Occupancy Std Room for 6 hours at Terminal 3.
Kindly retain this email as a Reservation Confirmation.

Arrival Date : 20 Mar 2012 via UA803 ETA 23:55 hrs
Departure Date : 21 Mar 2012 via FD4111 ETD 19:45 hrs

Rates quoted are based on a minimum charge of 1 block of 6 hours.
Rates are subjected to changes without prior notice.
- Triple Occupancy - S$96.51 Nett
- Extension per hour - S$15.30 Nett


 トランジットホテルを利用する際に問題になるのが、手荷物の機内預け。受託手荷物の受け取り(luggage claim)は入国審査(immigration)の後にあります。入国審査を受けないで、受託手荷物を受け取ることはできないのです。ホテルからの予約確認メールには、“Luggage Claim is after IMMIGRATION”とあり、“Upon ARRIVAL, DO NOT CLEAR IMMIGRATION / CUSTOMS”と念押しをされます。



 手荷物を機内預けにし、それでいてトランジットホテルを利用することはできるようです。手荷物受取所(バゲージクレーム)で受け取り手のいない手荷物は、遺失物預り所(“Lost and Found”)に運ばれ保管されるようです(“Your baggage is taken to 'Lost and Found' automatically after the baggage belt is switched off.”)。トランジットホテルに宿泊し、入国審査を済ませ、遺失物預り所で手荷物を「手荷物預り証(“bagage tag”)」を見せて受け取り、税関(customs)を通れば、入国です。

 この方法にはある程度リスクが伴います。他の人が手荷物を持っていってしまう可能性があるのです。税関を通過するのに、手荷物預り証を見せた経験はありません。見せずとも税関を通れるのです。このリスクを負いたくなければ、手荷物を機内持ち込みにするしかないことになります。私たちは手荷物を機内持ち込みにする方法をとりました。3週間ほどの旅行になるので、着替えなどの荷物を減らすのに苦労しました。



 チャンギ国際空港に到着すると、“Transfer”(乗り換え)という表示のある方向に進んでいきます。案内板に“Transit Hotel”のある方向が示されています。かなり歩いたのですが、到着から60分は“No Show”扱いをされることはありません。予約確認メールには“Reserved room will only be held for 60 minutes after Arrival of aircraft.”とあります。到着の遅延は、ホテル側で調べているようです(“Hotel will take note of any flight delay.”)。「矢印」がやがて「エスカレータ」の形に変わります。level2からlevel3にエスカレータで上れば、そこがAmbassador Transit Hotelです(“Please use escalator across from Transfer Counter B.”)。



 予想以上に客室がたくさん並んでいます。



 3人部屋はこれも予想以上に広いもの。バジェットホテルに分類されるホテルなのですが広さに関しては満足のいくもの。  





 バスタブがないのは、このクラスのホテルでは当然のことでしょう。



 アジアのホテルでは、経験的にスリッパの提供があるところが多いのですが、このトランジットホテルにはありません。私たちが利用した部屋は、シャワーブースの床が排水口に向かって傾斜がなく、フラットなので、使用したシャワーの水がシャワーブースの外に溢れ出し、バスマットはびしょ濡れになり、履物は濡れてしまいます。私は旅先にはクロックスを持ち歩いているので、特に不便を感じはしませんでした。



 次回、シンガポール経由で例えばベトナムに行くことがあれば、トランジットホテルを利用することにして、手荷物の「機内預け」に挑戦です。現地でも手に入れられる着替えの類を詰めた荷物を預ければ、紛失してもそれなりに対処できそうです。

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