散歩写真をBGP(Back ground Photo)に
日々の徒然、主にたべもの。
わたしの居場所~M's Lunch Boxes



以前からちょっと気になっていた作品。
ドイツで制作された日本人監督による「赤い点」という映画。
ドイツで映像を学んだ宮山麻里枝監督のメガホンとシナリオです。

都内で2回だけ上映されるということで観てきました。

18年前、ドイツで暮らしていた家族が自動車事故にあい、
娘だけがひとり生き残る。
娘は叔母夫婦に引き取られ成長していくが
あるとき 赤い点でマークされたドイツの地図と両親の遺品と出会い
単身ドイツへ…というロードムービー。

音楽で感情を高ぶらせることなく 淡々として映像勝負でほろりとさせるスクリーンは
とっても好みでした。
そして 両親の慰霊碑の前で おにぎりと卵焼きをもって法要するシーンは
「おにぎりは日本人のソウルフード」という「かもめ食堂」を彷彿させました。

女性監督というと 「かもめ・・・」の萩上監督や 最近では「ディアドクター」の西川監督、「プール」の大森監督…
女性ならでは という表現でくくってしまうのは抵抗ありますが
この映画も、こまやかな映像にどきゅんです。

映画のあと 監督とスタッフのコメントやQ&Aがあったのですが
日本語 ドイツ語 英語と通訳を介してのお話。
当日は 監督の関係者が多かったようですが 日本人以外の観客も沢山で満席。
最近 満席の映画館なんて めったにお目にかかれないので…。

そして かっこええなぁ と思ったのが
3ヶ国語を操る通訳さん。
監督のスピーチをドイツ語に訳し、ドイツ語と英語のスピーチを
日本語に訳し、Q&Aで突然ドイツ語の質問が飛べば
日本語に訳しつつ、その長い回答を日本語に…(あたりまえだけど)
語学スイッチがちょっとだけ入ってしまいました。
ドイツ語なんて耳にするの、卒業以来かも…。

こういう集まりの時は
「私もわかるんですけど」ふうな顔をしながら
実は全然理解できてないという悲しい現実。

この映画の音楽は、宮山監督のご主人(ドイツの方)が担当。
ピアノとアコーディオンだけのシンプルな音楽で
「シーンとシーンのつなぎに音楽がある」という監督の言葉がまさにぴったり。
「ハリウッド映画のように 音楽で盛り上げるのではなく」
それでいて 感情の動きを繊細に表現された音楽も素敵だし
夫婦で映画を作れるなんて めちゃくちゃうらやましいと思いません?

そしてこの日、私の足元には、作りすぎたので実家に持って行く「おでん」が
2重のジップロックにくるまれてスタンバイ…という
とっても素敵な映画祭でございました。


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