おん祭のお渡り式が始まる前、春日大社への参道にはすでに馬場として砂が一面に撒かれています。
その一帯では、式の華でもある艶やかな時代行列をさらに演出してくれる名脇役、沢山の馬たちが出番を待っていました。
多くの馬たちが手綱を木に結わえられて大人しく待っていましたが、そのうちの何頭かが調教の方たちと共に、馴らしを始めていました。
普段ならば、奈良名物の鹿たちが集う飛火野に、今日だけは馬が小気味のいいリズムで闊歩しています。
特に目を引いたのがこの白馬。
朝日を受けてシルバーに輝く長い尾をなびかせて颯爽と駆けてゆく後ろ姿の美しさには、溜め息しか出せませんでした。