GOOなMONOたち

ケータイ、音楽、PC、デジカメ。僕らの毎日を楽しく彩るGOOなMONOたちをご紹介!

お父さんがキモい理由を説明するね

2014年12月14日 16時27分50秒 | 

『 父:何でもかんでも「キモい」とか「カワイイ」って形容詞で単純化するのは、女子学生の悪い癖だぞ。キモいって言葉を、もうちょっと別の表現で説明しなさい。

娘:何て言うのかな、本当に「オェェ……」て感じで気持ち悪い。ゾワゾワする。

父:毎日ちゃんとお風呂入って、歯も磨いて、清潔にしてるぞ。

娘:清潔かどうかってことじゃなくて、行動とかしゃべり方とか……存在そのものが気持ち悪いの。 』 (本文より)

背表紙に書かれた、この抜粋分を読んで、なんだかとても切なくなってしまいました…。

筆者 中山順司氏と13才の愛娘とのリアルトークなので、果たしてこのあと、お父さんは無事立ち上がることができるのか、と、マットに沈んだ矢吹ジョーを応援する気持ちで続きを読みました。

ガチトークのテーマは「なぜお父さんはキモいのか」だけでなく、「夢と目標」や「いじめ」、「人の生きる意味」や「彼氏のつくり方」など、娘を持つお父さんにとって、知りたくもあり、知らない方がいいようなテーマまで正面から逃げずに取り組み、娘と向き合ったドキュメンタリー。

僕には娘はいませんが、読むにつれて心が揺れる濃い内容です。

娘のいるお父さんが読んだら、涙で目が曇ってしまうかも…。

Steve Jobs Ⅱ(スティーブ・ジョブズ Ⅱ)

2012年03月11日 11時53分08秒 | 

1998年5月。

iMacがこの世に登場した時の衝撃は、今でも忘れられません。

ボンダイ・ブルーとホワイトの爽やかなカラーリング。今まで見たこともなかったトランスルーセントの透明ボディ。

世のプロダクトデザインの潮流を一変させた驚きのデザインは、APPLEの復活を、そしてスティーブ・ジョブズの再臨を、強く印象付けたのです。

APPLEのiCEO、そしてCEOへと戻った後も、残酷なカリスマとしての強烈な存在感は変わることなく、不屈の精神力と破壊的なまでの情熱により、世界に数々の変革をもたらしました。

ジョナサン・アイブとの強力なタッグで生み出されていくその後のAPPLEプロダクトは、徹底した素材の吟味、ミニマルの極地ともいえる要素の削減、シンプルを追及することで本質を際立たせるといったアプローチを駆使し、完成した製品から醸し出される上質な気品は、アメリカ的でもイギリス的でもドイツ的でもない、むしろ和の要素を感じさせる、静かで力強い存在となりました。

それは間違いなく、ジョブズの体に沁み込んでいる禅の心が生み出した、削ぎ落としの美に他なりません。

その美意識を世界の人々へ理解させるために、鬼人へと変わることもできるクレイジーなジーニアス。

彼の居なくなったこの世界。

未来への歩みが、少しスローになったように感じられるのです。

Steve Jobs Ⅰ(スティーブ・ジョブズ Ⅰ)

2012年03月10日 16時00分42秒 | 

APPLE Ⅱを世に出し、Macintoshを育て、PIXERを立ち上げ、iPod/iPhone/iPadを生み出した驚異のカリスマ。

昨年10月5日、世界のしくみを大きく変え続けた男、スティーブ・ジョブズがこの世を去りました。

早逝からほどなく発刊されたジョブズの生涯を書き綴った伝記、「Steve Jobs Ⅰ(スティーブ・ジョブズ Ⅰ)」では、アップル・コンピュータの設立から追放、NeXTの失敗とPIXERの立ち上げまでが、克明に描かれています。

協調や妥協を一切許さない、狂気にも似たモノに対する追及心。

創造と破壊という矛盾が一点の曇りもなく同居する、我々の理解を超えた驚異の人格。

多くの人々を魅了し続けると同時に、多くの人々を残酷に切り捨てる、まるで天使と悪魔のような性格が、ホワイトとブラックに塗り分けられた、ⅠとⅡの表紙に現れています。

人を変え、世界を変えるために必要だった戦いの歴史が、ここに綴られています。

貴志祐介 「ダークゾーン」

2011年05月29日 09時49分29秒 | 

火蜥蜴(サラマンドラ)、鬼土偶(ゴーレム)、一つ眼(キユクロプス)、死の手(リーサル・タッチ)、皮翼猿(レムール)。

ある日、プロ棋士を目指す、奨励会三段の塚田裕史が目覚めると、このおぞましい怪物達を含め、十八体の駒を率いる「赤の王将(キング)」という立場に置かれているのだと告げられる。

対する敵は、同じく奨励会三段で腕を競い合うライバル、奥本博樹「青の王将(キング)」。

率いる怪物達は、毒蜥蜴(バシリスク)、青銅人(ターロス)、聖幼虫(ラルヴァ)、蛇女(ラミア)、始祖鳥(アーキー)以下、同じく全十八体の駒。

七戦四勝で勝利を収めないと、この世から消滅させられるという運命を背負わされ、赤軍の将としてやむなく争いに立ち向かうが、それぞれの持ち駒は、互いに拮抗した特殊能力があり、手の打ち方と攻略方法によって勝敗が喫するという、瞬時の判断力と高度なシュミレーション能力を試されるという実戦式のバーチャルウォー。

読み進むうちに頭の中では、青と赤の光が錯綜する鮮やかなビジュアルで戦闘が展開され、まるで新作のテレビゲームに没頭するように、次々にページをめくってしまうのです。

この戦闘の舞台となったのは、長崎沖にある軍艦島。

この巨大な廃墟の無人島には一昨年、上陸ツアーで訪れたことがあったので、背景となる地理的なリアリティと崩壊の空気感が更に加わり、物語への投入感は高まる一方。

青の王将(キング)との手筋の読み合いや、昇格(プロモーション)能力を秘めたモンスターの描写など、終始エンターテイメントで押し切る、一気読み確実な一冊です。

川島小鳥 「未来ちゃん」

2011年05月28日 15時06分26秒 | 

「この親の仇!!」とでも言い放つかのように、目の前の食べ物に挑みかかるパワフルな視線。

スマートフォンやスマートグリッドなど、世の中が急速にスマート化していくそんな中、ひとり強烈な存在感を放つ「未来ちゃん(仮称)」の、類まれなる個性に惚れ込んで撮影を続けたという、川島小鳥の写真集「未来ちゃん」。

この表紙で、疲れ切っていたハートのど真ん中を射抜かれた人が続出している、というのも深く頷けます。

媚びず、飾らず、ただひたすらに生きる。

こんなに小さな体の中から迸(ほとばし)る「未来ちゃん」のエネルギッシュな生き方が、ページをめくるたびに姿を現し、変幻自在の無垢な表情を前に、すっかり心を鷲掴みにされてしまうのです。

「おっ?」「うわー!!」「あらら…」と、見るたびに擬音を発せざるを得ないこと間違いなしの、素敵な写真集です。

FREE

2010年09月04日 15時59分45秒 | 

世の中のあらゆるモノには、それぞれ三つの種類の価格がつけられています。

一つは有料の価格。二つは無料の価格(タダ)。
そして三つ目の価格は無料以下。つまりマイナスの価格です。

…… マイナスの価格とは?
つまり、あるモノを購入したら逆にお金がもらえるという、まるであり得ないような価格体系のこと。

今時そんな奇特な話が…と、首を捻ってしまいたくなりますが、つまりは、ポイントサービスやマイレージ、またはキャッシュバックといった、日常生活の中ではお馴染みのサービスのこと。

一見非常識にも思えるマイナスの価格ですら、これほど日常に馴染んでいるということは、
二つ目の価格である「無料」のビジネスも、すでに私たちの身の回りを見渡せば、実はもうすっかり定着しているのです。

無料からお金を生み出すなんて…。

どう考えてみても、耳を疑うような仕組みなのですが、実は遥か昔 19世紀から存在する価格戦略なのです。

ただ、現在のタダ戦略“フリーミアム:Freemium”は、過去のものとは大きく様変わりし、
デジタル世代ならではのグローバル戦略へと、ダイナミックに変貌しているのです。

“ゼロ”から生まれる新たな経済学に興味を持たれたあなたに、ぜひ、一読勧めます。

1Q84 BOOK 3

2010年08月20日 21時44分43秒 | 

BOOK 1・2での、まるで深い霧の中を手探りで歩いているかのようなミステリアスな展開とは打って変わり、BOOK 3では、青豆、天吾、牛河、その三人が抱えてきた、互いの孤独と向き合う構成へと変化していきます。

それぞれが幼いころから対峙してきた、それぞれの孤独。

孤独に突き当たり、苦しみ、自分のものとして消化していく三人の長い道程は、多くの人が、これまで心に刻んできた人生の道のりとシンクロし、深い共感を得るのです。

孤独の海の中であがきながら、深い絶望の底に沈む牛河と、途切れてしまいそうなほどのか細い一筋の光を辿りながら、最後に希望を手にすることが適った天吾と青豆。

BOOK 3は、全く予想もしていなかった、実にピュアな純愛の物語でした。

天吾と青豆のストーリーが完結を迎えたと思われるBOOK 3。
しかしながら、早くもBOOK 4の出版の噂が囁かれているようです。

その続編の有無は、著者 村上春樹氏にしか分かりません。

乃南アサ 「ニサッタ、ニサッタ」

2010年06月16日 17時58分05秒 | 
自分自身に甘く、厳しい現実を時代や周りのせいにし、犯した過ちから学ぶことが無い、どうしようもなく救えない主人公、片貝耕平(かたがいこうへい)。

自ら蒔いた種によって、有り金を失い、住む場所も失い、転落を続ける都会の生活の中で、「希望」が心の中から剥がれ落ちてゆく情けない様は、「これって、俺の事じゃん」と、笑えない気持ちでページをめくってしまうのです。

「耕平があまりに情けなくて見てられない」という、これまでの小説にないストーリー展開がどうにも気になる先には、常にがっかりな結末が約束されているのですが、再出発を誓った生まれ故郷の北海道でようやく灯り始めた小さな希望の火を、自分の不注意によって、またしても消し飛ばしてしまいます。

小さな人間のどうしようもないあがきと現実。擦れ切れてしまった心とあきらめの気持ち。

そんな中で偶然掴んだ、明日(ニサッタ)への希望のかけらを手にした耕平を、今度こそはと心から応援したくなるのです。

故郷、おふくろ、家族。読み進むうちにじんわり泣けてくる、等身大の物語です。

1Q84 BOOK 2

2010年04月16日 23時05分27秒 | 

今日、数十万人の一夜を、眠れない夜に変えてしまう小説、「1Q84」BOOK 3。

しかし、僕がBOOK 2を読み終えたのは今朝のこと。
つまり、深い森の前に、いま立ったところなのです。

暗殺者 青豆。
ゴーストライター 天吾。

はからずも二人が入り込んでしまった、二つの月が昇る1Q84年に、読者である自分自身もしっかり取り込まれてしまい、イマジネーションによって生み出された、出口の見えない一方通行のその世界が、やけにリアルに感じられてしまうのです。

日常と少しだけ違う平行宇宙(パラレルワールド)の方に、奇妙な既視感を覚えてしまうのは、多次元宇宙こそが本当の現実だからなのでは?と、考えてしまいます。

そして、青豆と天吾の、孤独に満ちた人生感は、誰もが心に抱えた影の部分。

だからこそ、ごく自然にその傍に寄り添ってしまうのです。

利休にたずねよ

2009年06月11日 22時24分36秒 | 
美に殉じた男、千利休。
世の中の全ての音を正しい音階に変換できる絶対音感ならぬ、“絶対美感”を持った利休は、その美への信念を曲げることなく、齢(よわい)七十にして、自ら切腹の道を選びました。
場面は自刃から始まり、物語は時間を加速度を増すように過去へと遡(さかのぼ)ってゆきます。
知識、アイデア、過去を否定する大胆さ。
持てる力の全てを注いで、新たな美への探究に懸け続けた、その激しいまでの情熱の源は、幼き日の切ない恋心でした。
第140回直木賞受賞を受賞した本書は、その秘められた恋心を解き明かす旅となっています。
過剰なほどに研ぎ澄まされた利休の美意識は、正に刃となって、利休自身を切り裂くことになったという皮肉な運命を、鮮やかに描き出した本書は、直木賞に相応しい本格エンターテイメントとしてお勧めの書籍です。

ROMES 06

2008年09月02日 23時23分28秒 | 
エース、キャッチャー、レフト、DH。
ニックネームで呼び合う顔の見えない匿名の犯罪集団“チーム”。
海上の要塞ともいうべき、西日本国際空港を護る世界最先端の施設警備システム“ROMES(ロメス)”を操る成嶋優弥。
完璧な動作を約束するROMESシステムの調和を乱す、さまざまな人間の感情を冷徹に分析し、姿の見えない“チーム”との戦いに挑む。
登場人物の個性を鮮やかに描き、カウントダウン・ムービーのようなストーリー展開に引き寄せられ、あっという間に読みきってしまいました。
クールな装丁に惹かれてページを開きましたが、その中身、間違いありませんでした。

ターバン野口

2007年07月02日 23時51分41秒 | 
テレビでその存在を知って以来、なんとも気になっていたターバン野口。
先日ふと立ち寄った本屋で偶然、「お札DEおりがみ:ターバン野口のつくりかた」を発見し、その奥深さに感嘆させられました。
ひとつのテーマを基にしながら、巧みなアイデア、その造詣の深さに驚き、笑いさえ忘れてしまうほどでした。
なかでも僕の心を打ったお気に入りは、手負いのおイチ、野口幼虫、アパッチ諭吉の三人です。
「紙幣を折り紙にするとは!!」などと眉を顰める人たちの眉さえ上げてしまうグッドセンスなノリに脱帽です。
    ↓
ターバン野口の世界

和の菓子 Vol.3

2007年06月29日 21時24分24秒 | 
亀屋伊織の、うのはなむすび。
スウィーティーなライムグリーンの色彩が目に鮮やかな四月のお菓子です。
味覚とは、当然のことながら視覚によって大きく影響を受けます。
おいしそうな色彩を纏った食べ物は、やはり美味しいのです。
先日、ダイエット用の真っ青なふりかけをご飯にかけてみましたが、案の定食べられたものではありませんでした。味はもちろん、かつお風味の普通のふりかけなのですが。
やはり、本能の求めには逆らえないものなのです。

和の菓子 Vol.2

2007年06月28日 23時00分08秒 | 
和菓子が愛おしいのは何故なのでしょう。
慌しい毎日の中で忘れてしまいがちな、日本の和心とシンクロするからではないでしょうか。
美しい洋菓子を前にしたときの新鮮な驚きとは違う、ふんわりと気持ちに染み込むやさしい感覚。
職人の暖かいまなざしが、そのまま菓子に表れています。
こちらは、岩間に咲くつつじを表現した、とらやの“いわねのつつじ”です。

和の菓子

2007年06月27日 23時04分40秒 | 
ピエ・ブックスの「和の菓子」です。
和菓子の美しさ。それは日本の季節感そのもの。
和菓子には、二十四の季節と共に暮らしてきた、日本人の自然への慈しみが溢れています。
ページをめくるごとに目に映る鮮やかな菓子の色彩に、思わずほころんでしまいます。
おだやかな光を感じる写真、見開きで解説した編集。
ぐっと惹きこまれてしまう、GOOな書籍です。