先月の終わり頃に撮影した、浄瑠璃寺の紅葉。
本堂から宝池越しに対岸の木々を見ると、なんともカラフルな葉の色たちが共演。
常緑の松や檜から、様々に色を変化させている楓まで、目にうれしい光景が向こう岸に見えたのです。
撮影していた近くで語っていた住職から、こんな話を聞きました。
本堂におわす九体の阿弥陀如来は、本来堂内で拝むものではなく、本堂の外から手を合わせるもの。
しかし、九体のご本尊の前に備えられた格子を開いても、そのお顔は堂内の上奥に隠れて見えないのだそうです。
ではどうやってお顔を拝顔するかというと、まず本堂前を離れ、この写真に写る東の対岸へ足を運び、静まった宝池の水面を見れば、そこに九体のご本尊のお顔が映るのだそうです。(近年池の周囲を整地したために、現在では見れません。)
俗人と仏とをしなやかに隔てる粋な演出に、古人の深い知恵を感じました。