GOOなMONOたち

ケータイ、音楽、PC、デジカメ。僕らの毎日を楽しく彩るGOOなMONOたちをご紹介!

祇園祭 山鉾巡行 南観音山(みなみかんのんやま)

2010年08月03日 23時06分12秒 | 和のディテール

全三十二基、果てしないほど続いた、祇園祭 山鉾巡行もついに最終、オーラスです。

山鉾の最期を飾るのは南観音山(みなみかんのんやま)。

“くじ取らず”のうちの一基なので、毎年南の観音さまは祇園祭のしんがりを務めます。

天女が舞う前懸が実にエレガントな印象ですが、それもそのはず、北観音山が男性なのに
対して、南観音山は女性。

しかし、山鉾の中で唯一、祇園祭の前日 宵山の深夜にかつがれて町内を練り歩くという、通称「あばれ観音」。

北観音さまへの恋心を鎮めるために、暴れさせるのだとか。

どんな世界でも、女性の方が強いのは世の常なのでしょうか…。

祇園祭 山鉾巡行 鯉山(こいやま)

2010年08月02日 21時45分33秒 | 和のディテール

山鉾の中で唯一生き物がご神体として祭られているのが、この鯉山。
(蟷螂山:とうろうやまのカマキリはご神体ではないのです)

縁起ものとはいえ、山の上に奉られたこの木彫りの鯉は、江戸の名工 左 甚五郎(ひだり じんごろう)の作とのこと。

左 甚五郎といえばやはり、日光東照宮の国宝「眠り猫」。

修学旅行の記憶で、今でも思い出すのは、三猿(見ざる 、聞かざる 、言わざる )と、甚五郎の眠り猫。

山に乗った、この躍動感溢れる大きな鯉も、強く記憶に刻まれました。

祇園祭 山鉾巡行 浄妙山(じょうみょうやま)

2010年08月01日 08時47分16秒 | 和のディテール

まるで香港映画にでる、目を見張るようなワイヤーアクション。

アクロバティックな動きの中の一瞬を捉えて、ダイナミックに表現した劇的な演出です。

舞台は宇治川、平家物語。

主役は一来法師(いちきほうし)。

その体の身軽さを生かして、敵陣への一番乗りを果たした時の様子です。

しかし一来法師のこの人形、どのようにして固定しているのでしょうか?

祇園祭 山鉾巡行 鈴鹿山(すずかやま)

2010年08月01日 08時41分55秒 | 和のディテール

かつての東海道の難所、鈴鹿峠で日々人々を苦しめた鬼(山賊)を退治したという、山の神の鈴鹿明神(瀬織津姫命:せおりつひめ)。

その姿を表したのがこの鈴鹿山。

右手に中啓(ちゅうけい)(←扇の一種)、左手に大長刀を持ち、周囲をしかと見据えています。

右欄縁を飾る紅葉の見事な舞いが、目に美しく映える紅の舁山(かきやま)です。

祇園祭 山鉾巡行 黒主山(くろぬしやま)

2010年07月31日 12時05分18秒 | 和のディテール

黒主山(くろぬしやま)を象徴するのがこの華やかな桜。

山も鉾も、遠くから眺めているだけでは、何山なのか何鉾なのか分かりずらいものですが、この黒主山は鮮やかな桜色で、その存在を鮮やかに主張しています。

ご神体で六歌仙の一人、大伴黒主が遠くを見るように桜を仰ぐ、その後ろ姿になんともいえない憂いと哀愁が漂って見えるのは、気のせいでしょうか。

日本人であれば、人生の様々な思いを、美しい桜の花と共に思い出すのが常なのです。

祇園祭 山鉾巡行 役行者山(えんのぎょうじゃやま)

2010年07月30日 23時54分50秒 | 和のディテール

修験道の開祖 役行者(えんのぎょうじゃ)、そして一言主神、一言主神(ひとことぬしのかみ)。

この三者が主役ということは、大和の国、古(いにしえ)の奈良が舞台となった山。

山岳での厳しい修行を通して役行者(えんのぎょうじゃ)はさまざまな秘術を体得しました。
鬼使いや飛行の術などを操り、数々の伝承を残した役行者は、いわば当時のスーパーマン。

しかし、中央の洞の中に見え隠れしている役行者は、山の上からはなかなかその姿を見ることができません。

彼の特異な神秘性というものが、山の上にも表れていました。

祇園祭 山鉾巡行 橋弁慶山(はしべんけいやま)

2010年07月29日 22時38分52秒 | 和のディテール

誰もが小さい頃に絵本で見た、あのシーン。

♪京の五条の橋の上~♪と、お馴染のメロディーが思わず頭の中を回想するあの場面です。

長刀を手に、怒りの表情で威嚇する弁慶。

欄干の上でひらりと舞い、強烈な攻撃を軽々とかわす牛若丸。

まるでこの名勝負をこの目で見ていたかののように、ありありと思い浮かべることができるのです。

しかし、この後の勝負って、一体どういう結末だったのでしょうか?

肝心なことほど憶えていないものです…。

祇園祭 山鉾巡行 北観音山(きたかんのんやま)

2010年07月29日 22時30分18秒 | 和のディテール

昨日紹介の船鉾(ふねほこ)までが前祭(さきのまつり)。

そして、ここからは先は後祭(あとのまつり)。

祇園祭 巡行の後列を飾る残り9つの山鉾が続きます。

「上り観音山」とも呼ばれていた、後祭の先頭を行く曳山が、この北観音山(きたかんのんやま)。

写真は、巡行も終わり、町内へと帰還したばかりの様子です。

ところで、山の右手前に見える“松坂屋”。

そう、もちろんあの百貨店の松坂屋のこと。呉服を仕入れるための京都仕入店だったとか。

このロケーション、実に渋い!

祇園祭 山鉾巡行 船鉾(ふねほこ)

2010年07月28日 23時02分29秒 | 和のディテール
山鉾巡行随一の変わり鉾、それがこの船鉾(ふねほこ)。

鉾全体を船の形へと変化させた、まるでアトラクションの乗り物のような存在です。

豪華な装飾で全身を固めた、煌めくような壮麗な船に、コンチキチンのめでたい鳴り物。

主役と観客の熱気が融合するこのシチュエーションといえば…。

そうです、ディズニーランドのデイパレード!

祇園祭が現在の形に定着したのが1500年ということですから、500年以上も昔から私たち日本人は、こうした華やかなパレードを毎年楽しんでいたのです。

そう、ディズニーの遥か、遥か、昔からですよ。

祇園祭 山鉾巡行 岩戸山(いわとやま)

2010年07月27日 22時49分36秒 | 和のディテール

岩戸(いわと)といえばそうです、それは当然のことながら、「天の岩戸」のこと。

大屋根の下には囃子方を、屋根の上には屋根方を乗せ、いかにもがたいの大きな鉾の形なのですが、これはあくまで「山」。

屋根の真中から頭上に突き出た、鉾頭の位置にセットされた松の枝の存在によって、この車が、確かに山であることを理解することができます。

中国の故事が元になっている山が数多い中、日本の神々の伝説が元になった立派な山もしっかりと存在していました。

祇園祭 山鉾巡行 放下鉾(ほうかほこ)

2010年07月27日 22時37分38秒 | 和のディテール

遥か頭上、天を衝く鉾頭。

電信柱を下に見て、見上げるほどの大きさを誇る放下鉾(ほうかほこ)の、驚くべき高さも、実は鉾の中では小さい方。

平安時代、京にはびこる様々な疫病神の面々を、強力に吸い込む為として、天高く立てられたとはいえ、何もこれほどの高さにまで掲げなくてもと、思ってしまうのですが…。

ともあれ、京を荒らした数々の疫病神たちは、勢いよく掲げられたこの鉾の先にへと、吸い込まれていくのだと信じられていたのでした。

理屈を超えた、この威容を見れば、なるほど確かにそう思えてくるのです。

祇園祭 山鉾巡行 芦刈山(あしかりやま)

2010年07月26日 22時20分16秒 | 和のディテール

古くて新しい感覚を兼ね備えた山、芦刈山(あしかりやま)。

重要文化財に指定された、ご神体の小袖の衣装も、ご神体そのものも、16世紀の作という
ことですから、どちらも相当の年代物。

また、胴懸は、琳派の巨匠、尾形光琳原画の「燕子花図」。

しかし一方、インパクト十分の前懸はといえば、山口華楊原画となるライオンの「凝視」。

古いものと新しいものとが混然一体となった不思議な魅力が、この山にはありました。

祇園祭 山鉾巡行 占出山(うらでやま)

2010年07月25日 10時15分42秒 | 和のディテール

長い釣竿を垂らすご神体は神功皇后。

肥前の国 松浦で鮎を釣り、戦勝を占ったという伝説が元になっているという占出山(うらでやま)。

鮎で占い…。さて、動物占いの現代版といえば、やはりパウル君。

ワールドカップ2010の決勝までの8戦予想、全的中の快挙を成し遂げたスーパーオクトパス。

タコの寿命は2年ほどなので、次回ブラジルでのワールドカップを予想することはできませんが、これはこれで、伝説となりうる占いのエピソードです。

祇園祭 山鉾巡行 月鉾(つきほこ)

2010年07月25日 10時06分15秒 | 和のディテール

長刀鉾と並んで、鉾頭の飾りが象徴的な月鉾。

伊達正宗の甲冑の前立を彷彿させる凛々しい三日月の飾りが、天高く掲げられています。

見物の場所を新町通りへと移すと、京都の町屋の間の狭い空間を行く、月鉾の巨体が間近に迫り、迫力満点の臨場感。

こうした狭い路地へ入り込んで来てからが、屋根の上の屋根方の手腕が試されます。

電線や(碍子(がいし)、柱上変圧器(ちゅうじょうへんあつき)などに触れないよう、
様々な指示を繰り出し、車方と息を合わせて鉾の姿勢を保ちます。

町と人と山と鉾。

これぞ京都の祇園祭

やっぱり祭はこうでなくっちゃ。

祇園祭 山鉾巡行 蟷螂山(とうろうやま)

2010年07月24日 17時32分45秒 | 和のディテール

夏の祭に喧嘩(けんか)はつきものですが、できれば係わりたくないものです。

しかし祇園祭 山鉾巡行のこの日は、運悪く巻き込まれてしまいました。

山鉾巡行が始まって最初の辻回しが見られる四条河原町の交差点は、特に多くの人で混雑するホットエリア。

巡行も半ばを超える頃には、交差点内の歩道はどこもかしこもギュウギュウの人、人、人。

観客同志が身動き取れないほど人の群れが膨れ上がる中、通過する人の通路が急激に狭くなり、後ろの方から怒号が聞こえ始めたと思ったその時、臨界を超えた人の群れは遂に、山鉾巡行の舞台である路上へと、雪崩を打って押し出されてしまいました。

警官の警笛と人々の大声が響く現場では、登場を楽しみにしていた蟷螂山(とうろうやま)は、このからくりカマキリしか写すことができませんでした。