「庭仕事の愉しみ」というと確かヘッセの書いた本のタイトルだったと思うが、何故読んだこともないのに覚えてるかというと、その本がことのほか好きな人がいて、当時盛んに薦められたことがあるからだ。ところがこちらとしては、ヘッセを卒業した人が読むのがトーマス・マンというのを聞いていて、すでに「魔の山」に感銘を受けていたので今さらと思ったので、その後もヘッセを読むことはなかった。イメージ的には女子好みの作家だった。
というのは前置きで、庭仕事だ。ウズラバタンポポという葉っぱがうずらの卵模様の花がある。2000年頃に持ち込まれた帰化植物で、これが最近えらい勢いでいろんなところで繁殖している。庭にも蔓延り他の植物を駆逐する勢いだ。花はタンポポと同じ黄色で、それなりに見えるが、兎に角増えすぎなのである。多様性を保つためにも、それを始末する庭仕事が必要になったというわけだ。ところがこれが厄介で、抜いても根っこは張ったまま。上を切ったところで次から次と新しい葉を出す。問題なのはこの地下茎。思いついたのはバーナーで焼く方法。顔を出した地下茎に火を当てる作業をひたすら地道にこなす。効果があればいいがなければ徒労。いずれにしろとても「庭仕事の愉しみと」なんていう境地にはなれない。