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No1463『わたしをくいとめて』~のんの楽しいひとりごとが炸裂~

映画の帰り道、お店のウインドゥーの向こうのマネキン達が、
おしゃべりしたり、
楽しくささやいているような気がして、
なんだか可笑しかった。

女優のんが、思い切り、独り言を言っていて、
その本音具合がさく裂していて、おもしろい。

めっちゃおもしろいのだけれど、
映画が終わってみると、
なにか違う気もして、
微妙な違和感が気になった。

のんが演じるみつ子の脳内で、
いつもみつ子の質問に答えてくれるのがAだ。
Aは男性。
もちろん、Aも、みつ子自身であることは、
本人もよくわかっている。

おひとり様で気楽に暮らしていたみつ子が恋をするところから、
この映画は始まる。
もどかしさや迷い、自己嫌悪で壊れそうにもなる。
でも、いつもみつ子を、優しくフォローしたり、慰めたり、
アドバイスしてくれるのがA。

私も、大学時代、下宿を始めた頃、
いつも、ひとりごとばかり言っていた。
自分に語りかけて、自分で答える。
私の場合は、女だった、
というか、自分が自分に話しかけて、
自分が答えているだけで、
他者的な存在ではなかった。

喫茶店でバイトしたときは、
少し変な目で見られたこともあったが、
当時は、気にもならず、
お店の窓ふきしながら、ひとりでしゃべっていたことを
思い出す。

ひるがえって、映画では、
Aは、頼りになる相談相手であり、
最後は、
初々しい恋路に向って、
みつ子の背中をぽんと優しく押してくれる
最良の理解者であり、見守り役でもある。

年下で、みつ子に恋をする青年を演じるのが、林遣都。
のんのような美人なら、一目惚れするのは、当然だし、
林遣都のようなイケメンなら、
おひとりさまで安住していたみつ子の女心が揺れるのも当然
と思うと、
相思相愛なんて当たり前でしょうと
どこかしら、しらっとしてしまう自分がいた。

でも、これは、美男美女への八つ当たりでは決してない(笑)。
映画自体に、なにか物足りないのだ。
もっとでこぼこしたり、
とんがったり、
なにか癖があったりしてもいいんじゃないか、
実際、こんなうまくいくわけないでしょう、
何か欠けているなじゃないか、
とつっこむ自分がいた。
うまくいえないけれど。

東京タワーの外周階段を上がるシーンが
数年前にひとりで登ったことがあるので、
とてもなつかしい場面だった。

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