映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No780-2白磁の壺にあう~1本の短篇アニメ映画のこと~
友達が言った。「まんまるだから」
「子どもの頃、ビー玉や、スーパーボウルとか、カンロ飴だって
みんな、まんまる。まるいもんって、つい手にとりたくなるやろ」
日曜、美術館で出会った、白くて大きい白磁の壺のことを
話したのは、一昨日のこと。
私が、その壺に強くひかれたのは、まんまるだから、
という言葉が私の胸を打った。
いうならば、まんまるにはなれず、
でも、限りなくまんまるになろうとする力を
あのてづくりの壺に、感じたからだろうか。
「白い壺がぱかっと電灯の下にあった」という
浅川伯教の日記の引用の文章を読みながら
私の頭の中に浮かんだ1本の映画がある。
夜店の裸電球から思いついたのが、
ずいぶん前に、自主上映会でみせてもらった
『納涼アニメ電球烏賊祭』(1993)。
にいやなおゆき監督の5分ほどの短篇アニメ作品。
手書きの絵を8ミリキャメラで少しずつずらしながら撮って、
こたつにもぐって、ひとりで録音した、という、
監督の涙ぐましい努力に驚くと同時に、
幻想的でユーモアのある、独特な世界に、強烈にひかれた。
まさに、画のおもしろさだ。
曖昧な記憶だが、
暗い世界の中を、電球が縦横無尽に現れ出て、
烏賊の形もおもしろくて、存分に楽んだ。
ユーチューブでも観られるので、よかったらぜひ。
(今、確認したところでは、検索ですぐでてきます。
当方のPCの具合がわるく、再生できず、確かめられずご容赦のほど)
壷といえば、小津安二郎監督の『晩春』で
父娘が旅した旅館の部屋に飾られた壺を思い出す。
人生で、一体、いくつの壺に巡り会えるのだろう。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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『烏賊祭』感想、ありがとうございます。
17~18年ほど前の小さな8ミリ映画ですが、未だに面白がってくれる方がいるのは嬉しい事です。
またそのうち大阪で飲み会しましょう。
明日はケンシロウさんの映画の初日です。
「小さな8ミリ映画」といわれますが、時空をこえて、人の心に語りかけるものがありますし、ここには永遠が刻み付けられているようにも思います。またぜひ、大阪にも遊びに来てください。