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No434『日本のいちばん長い日』~息詰まる緊迫感~

今までテレビで放送されても、終戦を決議するための会議をずっと映しているだけで、大作だし、あまりおもしろい作品ではないという先入観があった。今日、初めて観て驚いた。喜八監督、ごめんなさい。

なんという緊迫感。
手に汗握り、結末がやってきた時には
解放感で感涙しそうなほど、息詰まるものがあった。

前半、ポツダム宣言を受諾し、降伏するかどうかを決める
閣僚会議が行われる。
そして、降伏が決まり、天皇がラジオで国民に知らせることになる。
いつ連合国に電報をするのか、
いつ国民に知らせるためラジオ放送するのか、
公文書としての手続きはいつおわるのか、
天皇が録音したレコードは、放送までどこで保管するのか、
その都度、意見がぶつかり、衝突が積み重ねられる。

その一方、
降伏を受け入れられず、本土総決戦をしなければ
外地で死んだ仲間に申し訳が立たないと
奮起する若い将校たち。
反乱軍を演じる俳優たちのエネルギーが画面から炸裂する。
いまだに本土決戦を唱えるなんて
なんという奴らだと思いつつも、
信じるものに向かって突き進む熱さには圧倒される。
そして、彼らを抑えようとする将校たちも熱い。

降伏に向けての手続きが進められる一方で、
特攻隊が家族や仲間たちに見送られて、飛び立っていく不条理。

すごい群像劇だった。
陸軍大臣を演じる三船敏郎よりも
反乱軍の黒沢年男が凄かった。

岡本喜八監督って凄いんだと、あらためて思った。
熱い1日が終った。
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