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№8-1(監督編)廣木隆一監督 ヴァイブレータ

 前半は、寺島しのぶの独白の字幕が妙にひっかかったが、後半、定食屋で、寺島しのぶと大森南朋が向き合う昼飯のシーンから俄然、濃密な空気が漂い、凄くなった。大森が丼をかきこみ、食欲のない寺島を心配する。どこか、かっこつけていた二人が、初めて、お互いに打ち解けあい、ほどけた空気が流れるという様子を、ロングにひいたカメラがじわじわと二人に寄っていく、長回しのカメラで迫る、そのシーンがすばらしかった。
 ラスト。レジで清算をじっと待つ寺島しのぶのすがすがしい表情。彼女の心に溜まっていた苦しさの塊が、二人の旅を通して、確かに溶け出たんだ、ということが無言のうちに伝わり、見事な顔だった。
 廣木監督の作品は、人間の生の姿の美しさを垣間見せてくれる。
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