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No1026『マリアンの友だち』~愛くるしい少女と、すてきな大人たち~

今日は仕事始めということで、終わってから速攻で
プラネットに駆け付けました。

少し風変わりな転校生のヴァルとマリアン。
二人は、風でばらばらに飛んでいくヴァルの楽譜の紙を拾うのがきっかけで
口をきくようになる。

天衣無縫で、ショートヘアが少しボーイッシュなヴァルがすてき。
互いにひかれあいながらも、
それぞれに違うものが好きで、
ヴァルが、中年音楽家に魅かれれば、
マリアンがそれを応援し、という二人の仲睦まじい友情がいい。
十代後半ならではの、傷つきやすさと繊細さとたくましさとを兼ね備えた二人の姿。
リズミカルな会話と元気な二人の声。

道路のいろんなものを、二人が走りながら、次々と
ジャンプして、飛び越えていく姿の連写は、とてもすてきだった。

ヴァルの両親は、世界各国をあちこちまわっていて、
休暇以外は、ヴァルのそばにいない。
マリアンの両親は離婚して、
母とその友達の女性と3人で暮らしている。
でも、この母と友人とは、子どもの面倒見もよく、
かといって、自分たちの趣味も持っている感じで、
あたたかい家庭の雰囲気に包まれている。

十代後半の女の子の、ときめき、あこがれ、
友だちどうしの仲の良さはもちろんのこと、
ヴァルのお父さんのなんとすてきなこと。
落ち込んだヴァルの部屋に行って、
ゆっくりと娘に話をするときの、あたたかくゆっくりとした口調。
妻の浮気に気付いていながらも、おだやかな表情がすばらしい。

何年経ったかわからないままに、
二人が、再会し、
マリアンの部屋で、一緒の鏡を向きながら
二人が、並んで、アイシャドウをつけたり、好きな男の子のうわさ話をする。
歳月は二人を隔てない。
会えば、また仲良かった以前の頃と同じように、元気におしゃべりしている。
その姿をみていて、なぜか涙がこぼれた。
二人が、あんまりすてきで、元気で、たくましく、愛くるしかったから。

終わってからも、なんだかじーんとして、
超寒い中を梅田まで歩いて、芯から冷えきりましたが
心はなんだか温かでした。

過ぎてしまった少女時代への郷愁では決してない。
私にはない、二人の自由奔放さとバイタリティと友情にあこがれる。

大人も皆いい。
すてきでない大人もいるからこそ、すてきな大人のよさが、よけいにわかる。
大人には、それぞれに事情はあり、
浮気したお母さんはもとより、
狂言回し的な存在の音楽家ピーター・セラーズも、欠点を持った、それなりに愛すべき存在。

だからこそ、すてきな大人になりたいし、
少女のようなときめきも忘れたくない。

本当に楽しくて、うれしくて、コミカルでもあり、
傷ついたりしながら、大きくなっていく彼女たちのたくましさに、大いに元気づけられた。

これが、今年の映画はじめということで、
すてきなスタートを切ることができ、感謝。

原題は『THE WORLD OF HENRY ORIENT』
69年の「明日に向かって撃て!」のジョージ・ロイ・ヒル監督の1964年作品。
プラネットでは、カラーの新しいきれいなフィルムが大半で、わずかな欠損部分を
退色しかかった古いフィルムでつないでの上映。
上映側の強いエネルギーと、本当にこの作品が好きなんだなあというエネルギーが伝わるし
その気持ちがよくわかる、魅力的な作品。

寒空を元気にジャンプしながら、駆け抜けてみよう!

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