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16th Link!ライブ(Digital Music Event)雑感1~今、ここにあること~

音楽のライブほど、“今”を感じるものはない。
今、ここにあること、ここに生きてることを身体中で感じる。
音楽を聴きながら、リズムにあわせて、自然、身体が動く。
音の一つひとつがダイレクトに飛び込んできて、
身体が揺れる…。心が動く…。
音楽の中にまるごと浸る自分がいる。

「Mille Face」 (ミルフェイス)。
(今回のライブでは女性ボーカルと男性のシンセサイザーのユニットで演奏。(写真)
いつもはバックバンドとしてドラムとギターがいるそう)
初めて聴いた「Heartache」(YouTube)。
どこまでも高く伸びる声は、はるか高くへと私たちの心を運んでゆく。
そこでは、一体、何がみえるのだろう。
何がきこえるのだろう。
独特の音楽の世界に、すっかり酔った。
聴きながら、なんだか涙が出そうで、
今までのいろんな出会いに感謝しつつ生きててよかったと思った。
単純馬鹿の私。

音楽と聴き手の関係は、映画と同じ。
一対一の、真っ向勝負。
1年半前、Link!LIVEで初めてライブハウスに足を踏み入れた時の、
ひとりひとりが、それぞれ舞台を観て、聴き入っている空気が思い出される。
音楽と、“私”という個が、向き合う。
それぞれの心に、身体に、音楽は響く。
あなたが、私が、今、この音を、この音楽をどう聴くか、どう感じるかはあなたしだいで、
人それぞれ。
だけど、どこかで重なり合い、共鳴するところが、ライブのおもしろさ。

Link!は、コンピューターとシンセサイザーでオリジナル曲を制作する仲間のイベント。
MIDI、打ち込み、シンセサイザー、DAW(Dijital Audio Workstation)
DTM(Desk Top Muisc)などで、作曲し、つくられているから、
事前に音楽ができあがっていて、会場ではそれを流すだけのように誤解してしまう。
でも、ライブに行ってみて発見する。
想像とは全然ちがう。
ボーカルの女の子が、
生でシンセサイザーを弾く演奏者が、ギタリストがいるから。
まさに、生のライブだと実感する。

パソコンであらかじめつくられた(セットされた)音楽は、
さながら、宇宙でいえば、銀河の星のよう。
きらめく星座たちの合間を、光り輝きながら駆け抜けていくのは、
ボーカルの彼女の声であり、
シンセサイザーを弾く彼、彼女の奏でる音であり、
ギターを弾く彼の音。
銀河の星たちに負けない輝きと勢いで疾走してく。

音とがちんこで向き合う彼らの姿を目前に見ながら、
私たち観客は、色とりどりの音符という光でいっぱいの音楽世界を堪能する。

ちょうど、Link!の公式バンド「project-P」(muzie)の新曲
「Night Highway」のよう。
夜の街のいろんなネオンや街灯がきらめく「光の喧噪」の中、
ハイウェイを疾走していく車、
その車こそ、ボーカリストの生の声であり、演奏者が奏でる音。
街の光の数々は、あらかじめつくられてPC等に仕込まれた音。

私たち観客は、彼らの歌い、演奏する姿をみながら、
彼らの声、音と、PCに入って流れる音とが、
今、そこで、一体となって、生まれる音楽空間に、音の洪水に酔う。
そんな贅沢な体験がLink!のライブ。

「Matter of Fact」の音楽とダンス。
舞台で、DJの彼が音楽の速さや大きさをDJコントローラーで操作し、
その横で、ダンサーの彼が、踊る。
音楽の表情、速さの変化に敏感に反応し、踊る肉体があることで、
音楽がちがって聴こえる。

歌う身体、演奏する身体、踊る身体が、そこにある。
理想とする音楽を目指して、音と奮闘し、
体当たりで、力いっぱい音にぶつかる彼らは、きらきら輝いていて、
その奮闘する姿に、かぎりなく感動し、エールを送りたくなる。
舞台で汗だくになる彼らは、
ちょうど私が大好きな映画『カリフォルニア・ドールズ』の
リング上で闘う彼女たちの勇姿に似ていると思った。

20歳代、30歳代と若い子たちにまぎれて、
私も、音楽の世界の中で、思い切り跳んだ。
好きな曲を、今、目の前で聴ける喜びに、身体も心もあふれる。
嬉しさがこみあげる。
おなじユニットが大好きな友達と一緒に聴ける楽しさ。
“好き”のエネルギーが伝播して、会場にあふれる。
みんなが笑顔になる。

そういえば、この夏、たいしてどこにも旅に出ていない。
でも、どこか遠くに行く普通の旅行よりも、
もっと楽しく、豊かで、ぜいたくな旅をした気がした。
この夏一番の思い出。
私が私自身を感じられる場所。
それが、音楽のライブ、かもしれない。

尊敬する心理学者の河合隼男さんが
ずいぶん大人になってからフルートを始め、
練習して、演奏会までされたのを思い出す。
音楽を演奏することには、何かがあるにちがいない。

きっと何か…
よくわからないけれど。

まずは、前半、ライブ全体を通して感じたことを
思うままに書いてみました。

ネットやCDであらかじめ聴いて調べるのもいいけれど、
ライブで、初めての音楽(ユニット)と出会うことも、
大いにおもしろいことを再確認した。
私が今、大ファンのproject-Pの音楽とも、1年半前、
そうやって出会ったのでした。

(今回ご紹介するLink!ライブの写真はいずれも、主催のチェシャ猫さんから使用させていただきました。
すてきな写真を本当にありがとうございます!)

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