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No496『両替からはじまる物語』~シリアスなラストに後味も…~

続いてルーマニア の作品。
なんとも救いようのないお話。
海外で両替のお店が、やたら裏通りに並んでいるわけがわかった。
現金を扱うというのは、怖いことで、リクスを伴うのだ。
両替のレートがいいとしても、
それはリスクと裏腹の関係で、ひょっとしたらニセ札がまじっているかも。

これは、ニセ札どころか、新聞紙の紙切れを
紙幣の束にまぎれこませた、悪質な両替屋の話。

なけなしの全財産を道で両替屋にだましとられた主人公の男が
いつのまにか、生活資金を手に入れるため
自らも両替屋となって、同じ道をたどっていく。

動機は家族との新しい生活の資金を手に入れるため、とはいえ、
銀行員を装って両替を申し出、老夫婦から
全額だましとってしまうなど、相当に悪質だ。
主人公に悪意がほとんどなく、
家族に嘘をついて、能天気にプレゼントを贈ったりするところが、つらい。
着るものもいつのまにか高価なスーツやコートになっていて、
かなり厭らしい感じ。

救いは、当初、苦境に陥った主人公を助ける
弁護士志望を自称し、学問しながら、娼婦もしている
やたら明るくて優しく陽気な女性の存在。

映画では、最後まで主人公に罰はくだらない。
しかし、最後の空港での事件により、
家族は、父親のうさんくささを知る。

やがて主人公にのしかかる運命が、消して明るいものではないことを
家族の冷たい視線が暗示して、映画は終わり、
なんとも後味が悪いなあと思った。
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