映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No233「お嬢さん乾杯」~惚れた男の純真な想い~
2006-09-03 / 映画
元華族の令嬢恭子役の原節子がとても美しい。
大きな目を伏せがちにして、まばたきされたりしたら、
佐野周二でなくても、一目ぼれしてしまうだろう。
自動車の修理工場を営んでいる圭三(佐野周二)は恭子とお見合いする。
「僕は、学歴も肩書きもないけど、働き者で金儲けだけは得意なんですよ、
あなたの家の借金も、きっとなんとかしてみます」と、圭三が明るく言い切る姿が、
なんとも伸びやかで、まっすぐな心持ちを感じさせる。
二人の境遇の差は、それぞれがなじむ音楽に象徴される。
恭子がショパンのピアノ曲を奏でるのに対し、
圭三は「土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た」と
故郷の民謡「よさこい節」を歌う。
圭三が、恭子の弾いた曲のレコードを買って、
僕にはわからない、と言いつつ、何度も聴くところは切ない。
結局、二人の釣り合いがとれないことをずっと気にしていた圭三は、
自ら身をひくことを決心する。
バーのマダム役の村瀬幸子が、圭三が去った後、
あんないい男をふるなんてあんまりだ、と恭子にからむシーンは絶品。
「わたし、圭三さんを愛しています」と原が言うと、
「愛してるなんて言わないの、惚れてるって言えばいいのよ」と、またからむ。
マダムのおかげで、
原節子は、待つばかりの優柔不断なお嬢さんから脱皮して、
自ら行動するお嬢さんに変わる。
この変化を、劇的でなく、さらりと描いているところがみそ。
ふとした拍子に、主題歌「きのうまちであーった かわいむすめたち」のメロディが、頭の中に浮かんでくる。
1949年、戦後すぐの作品。
明るく快活な心を感じて、すがすがしい気持ちになった。
満足度★★★1/2(星5個で満点)
大きな目を伏せがちにして、まばたきされたりしたら、
佐野周二でなくても、一目ぼれしてしまうだろう。
自動車の修理工場を営んでいる圭三(佐野周二)は恭子とお見合いする。
「僕は、学歴も肩書きもないけど、働き者で金儲けだけは得意なんですよ、
あなたの家の借金も、きっとなんとかしてみます」と、圭三が明るく言い切る姿が、
なんとも伸びやかで、まっすぐな心持ちを感じさせる。
二人の境遇の差は、それぞれがなじむ音楽に象徴される。
恭子がショパンのピアノ曲を奏でるのに対し、
圭三は「土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た」と
故郷の民謡「よさこい節」を歌う。
圭三が、恭子の弾いた曲のレコードを買って、
僕にはわからない、と言いつつ、何度も聴くところは切ない。
結局、二人の釣り合いがとれないことをずっと気にしていた圭三は、
自ら身をひくことを決心する。
バーのマダム役の村瀬幸子が、圭三が去った後、
あんないい男をふるなんてあんまりだ、と恭子にからむシーンは絶品。
「わたし、圭三さんを愛しています」と原が言うと、
「愛してるなんて言わないの、惚れてるって言えばいいのよ」と、またからむ。
マダムのおかげで、
原節子は、待つばかりの優柔不断なお嬢さんから脱皮して、
自ら行動するお嬢さんに変わる。
この変化を、劇的でなく、さらりと描いているところがみそ。
ふとした拍子に、主題歌「きのうまちであーった かわいむすめたち」のメロディが、頭の中に浮かんでくる。
1949年、戦後すぐの作品。
明るく快活な心を感じて、すがすがしい気持ちになった。
満足度★★★1/2(星5個で満点)
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