Velo-city

"It never gets easier, you just go faster."

漕ぎ続ける・・・~伊豆半島一蹴記:前篇~

2009年07月06日 | 長距離
第1章 豪雨を衝いて:Cursing in the Rain
第2章 廃隧道を逝く:Bicicletta Caveman
第3章 びっくり自転車大集合:Bicicletta Eccentrico
第4章 無功徳の功徳:It’s Zen Time!
第5章 二つの頂:Twin Peaks
第6章 壊れゆく体:Coming Apart at Joints



第1章 豪雨を衝いて:Cursing in the Rain
土曜日のこと
来るべく川崎~直江津 C-to-Cに備えて、それに耐えうる脚があるのかを確認しに、練習にでかけました。
出発は12時半。天気予報は1時に雨があがると言っているので、それを信じてウィンドブレーカーを着こんで雨の中出発します。
雨夜のヨコハマをクルージング。こんな非日常感がたまりません。ただ夜は路側帯に何が潜んでいるのか予測できず、けっこう危険。ときどき鉄板やグレーチングのようなものを踏んで自転車がグラっとします。こわいよ~こわいよ~

夜1時半。天気予報ではもう雨がやんでいるはずなのに、茅ヶ崎近辺で豪雨になります。道路を滝のように雨が流れています。天気予報レーダーを見ると、雨雲の真っただ中。たまらずビルの軒先で雨宿りをしますが、時は深夜。引き返しようもありません。雨の勢いが弱まるまでしばらく待つか・・・
そんなとき、豪雨の中一台のママチャリが片手傘運転で横断歩道を渡っています。それを見て、豪雨を衝いて進むことを決意しました。サングラスをしては雨しぶきで視界が確保できず、とはいえサングラスを外すと雨しぶきが目に入って痛い。それぐらいの悪コンディションですが、開き直って進みます。ブルベやレースに雨天中止はないですから・・・

体力のあるうちに箱根旧道を越えて、西伊豆から回るルートも考えましたが、雨の闇クライム闇ダウンヒルの可能性があるので、普通に早川の交差点で海沿いへ。さてこの交差点に戻ってくるのは何時間後か・・・伊豆半島一蹴の開始です。

熱海までの区間、雨、真っ暗、左は真っ黒な夜の海。ひゃっほう。
時折追い抜いていく車のヘッドライトが心強い。


熱海には4時半に到着。雨はやまず、靴の中ズブズブで進みます。雨雲レーダーによると、伊東に着く頃には雨雲から逃げられそうだ・・・

第2章 廃隧道を逝く:Bicicletta Caveman
熱海~伊東は小刻みなアップダウンと、トンネルに苦しめられます。こんな時、旧道がつながっていると幸せになれます。

伊豆一蹴ライダーにお勧めの廃道、廃隧道のコーナー

まずは、網代トンネル
こちらのサイトをどうぞ。


このお魚さんトンネルは、新道


こちらは、旧道。片側通行止めですので、自転車パラダイスです。
しかし、こいつが現役だったころ、自転車で突撃するのは勇気が必要だったろうな・・・バスとの離合でさえ渋滞が置きそうなこの狭隘な隧道に、自転車を放り込んだら・・・


次はおなじみ宇佐美隧道


このトンネルで調子にのってスピードを出すと、トンネルを出たときに日光の眩しさに一瞬ホワイトアウト。


次の瞬間には奈落の底へヒューン。

そんな野趣にあふれた海の廃道です。そろそろご飯にしたいのですが、まだお店が営業を始めていません。先に進みます。
この後、やっと雨があがりますが、伊豆高原へのヒルクライムが始まるとまたポツポツがザーザーに。ウインドブレーカーを着たり脱いだり、忙しい。伊東を通過するといよいよ川奈の山岳区間へ。

第3章 びっくり自転車大集合:Bicicletta Eccentrico
伊豆高原では、例の足湯に行こうとしましたが、まだ6時。当然やっていません。そのかわり隣の伊豆ぐらんぱる公園で面白いものをハケーン!


つくば12耐でみるねぇ氏によってデビューする、双胴マスィン(4人乗り)


日本一大きな自転車と、日本一小さな自転車


上下にタンデムです。


下部座席でフンガフンガ漕いでいると、上からなにか落っこちてきそうですね。YOMEの雷とか。


チェーンがないのでよくわかりませんが、駆動部はこうなっています。


タイヤはダンロップでした。
スポーク穴は一体何個あるのでしょうか?
ぜひリムを買って、IsoyaのT田君指定でホイール組んでもらいましょう!どうやって振れをとるのか興味津々。


ちびぞうの次自転車はこれです!これはイイ!

他にも、この施設にはおもしろい乗り物がたくさんあるらしいです。

後編:壊れゆくまで へつづく

・・・壊れゆくまで~伊豆半島一蹴記:後篇~

2009年07月06日 | 長距離
前編からの続き

第1章 豪雨を衝いて:Cursing in the Rain
第2章 廃隧道を逝く:Bicicletta Caveman
第3章 びっくり自転車大集合:Bicicletta Eccentrico
第4章 無功徳の功徳:It’s Zen Time!
第5章 二つの頂:Twin Peaks
第6章 壊れゆく体:Coming Apart at Joints

第4章 無功徳の功徳:It’s Zen Time!


無功徳の功徳、とは・・・
参考文献:
臨済の教え
ウィキ
仏教談義

自転車版達磨大師のおことば
煮屋問うて曰く「自分自転車始めて已来、坂を登り、雑誌をむさぼり読み、数多の自転車遊具を買い、自転車商店(僧伽、教団)に貢ぐこと、勝(あげ)て紀す可からず(数え切れないほどである)。何の功徳有りや」
師曰く「並びに功徳無し(あなたのやっていることに意味はない)」
煮屋曰く「何を以て功徳無しや」
師曰く「此れ但だ輪天(自転車界)の小果にして有漏の因なり(煩悩の因を作っているだけだ)。影の形に随うが如く有と雖も実には非ず(そんなものは形に寄り添う影のごときもので、有なりといえども、実にあらず)」
煮屋曰く「如何が是れ真の功徳なるや」
答曰く「浄智は妙円にして、体自ずから空寂なり(練習をしたり、機材に投資したり、1をすれば1の見返りを求むは有限の行為であって空虚なことである)。是の如き功徳は世を以て(この世界では)求まらず」

自分なりに、まとめますと
何かを達成しよう、認められよう、という見返りをもとめて行動しても永遠に達人の境地には達せない。悟りを開くには、一見無意味な行為にこそ意味がある、ということではないでしょうか。

伊豆はそんな所です。修行をはじめます。ちなみに修行の際は「下田迄魚無亜腑、下田迄魚無亜腑」と念仏を唱えます。


稲取近くの第29山岳ポイントです。ここまでずっと一人で逃げているので、山岳ポイント独占状態。
ガーンと登り、ガーンと下ります。ご利益:乳酸



明け方の海に釣り糸を垂らす海上自衛隊のみなさま


かつてさくぞうとA味氏がバトルを繰り広げた山岳ポイント。無駄に登り降り。


縄地という処でした。

下田に到着しました。到着は8時半。ここでBチームのみなさんに「今浦賀です」という詐欺メールを出します。全員騙されています。


浦賀には黒船はありません。春にこの地を踏んださくぞう氏とA味さんはすぐ気付くと思ったのですが、結局みなさん私が三浦半島にいてると思い込んでいたようで。クックック。
雨で一度濡れ鼠になったので、全身クサーイクサーイ
ここまで160 km。今日の予想走行距離は350~400キロ。まだ半分も行っていない・・・
道中ずっと「下田までウォームアップ。下田までウォームアップ。」と呪文のようにペソっていたのですが、もう足を使い果たしました。


というわけで、足湯を使いサラ足を入手します。
一度リセットボタンを押し、次の区間に向けシャッキリンコ!



石廊崎に向かいます。ここ、いいコースです。ヤシの木が植えられていて、海岸沿いの熱帯雨林の中を走り抜けます。


とうとう伊豆半島の先端まで来ました。フゥ。踵を返し、横浜へ帰るぞー!!


無駄に登り、無駄に下る。
今日はエロ大王で来たので、やはり軽量バイク、こいつは最高のクライミング・マシーンだ!!って最初はひょいひょい登っていたのですが、200 kmを超えるとそんなことはすべてうやむやになります。エンジンが重いのぅ。前回と同じく、ハンドルの上で腕立てしながらゆ~っくりダンシングで登ります。



静謐なる沿岸、西伊豆極楽エリアにやってまいりました。
妻良~波勝崎~雲見の極楽バミューダ・トライアングルへ
景色は最高ですが、登りの厳しさについついアスファルトを見つめてしまいます。


妻良の漁港はよォ~
作詞 今年もさくぞう


そして走行距離は200 kmを越えます。
さてもうすぐ無駄な漁港昇降を終え、登りぱなしコースに移ります。その前に、もう一度リセットを。

第5章 二つの頂:Twin Peaks

妻良のなんでも屋(西伊豆だと下田~松崎間はコンビニなんてありませんから)で、雲見の露天風呂の場所を聞きます。去年は見落としてしまったんです。
確かに入口は小さくてわかりにくいですね。獣道を海岸にむけて降りていくと、プライベート露天風呂が!!!


すごく気持ちよい海辺の露天風呂(町営ですので無料)
これだけでも、ここまで来た価値があります。ブクブクブク。

乳酸もしっかり血液中から洗い流し、再びサラ足を入手。いよいよ山岳地帯に足を踏み入れます。


宇久須から登った時は、たしか10 kmで900m登るというえげつない斜度でしたが、松崎から登るとヤビツくらいの斜度で登って行きます。ただし海抜0mから900m登りますので、やっぱりきついです。


仁科峠にかかる橋げたのない橋上にて。
風がふいたら川にドボンだよ。


両脇から山塊が押し出してきます。山が深いです。上にいくと蝉が鳴き始めていました。


奔流に
釣り糸たらす
太公望


本格的な登りは、残り15 kmくらいから始まります。深い森の中をじりじりと高度をあげていくと…


頂上は霞がかっていました。絶景はたのしめず。

標高900mの仁科峠に到着!200 km超えてからですので、かなり脚にきてます。もうダンシングを多用できません。立ち上がるのは、お尻が痛いときだけ(笑)

この後は絶景の西伊豆スカイライン、天上の稜線を極楽サイクリング・・・のはずだったのですが、霧で何も見えません。というわけで修善寺まで思いっきり端折ります。(船越峠から達磨山までの登り返しに敵前逃亡したとも言う)
この頃になると、残り120 km、箱根越えを残し、修善寺でリタイアするか(去年と同じ)、小田原まで伊豆半島一周を完遂してよしとするか(輪行袋ないし)、どこからから電車でゴミ袋輪行で帰るか(いや、俺すごく臭いから)、自分の中でリタイアする言い訳を探し始めます。自分チキンレースの開始。
眠気も襲ってきました。大仁の道の駅で10分ほど仮眠をとります。デカビタで元気も戻ったので、山伏峠コースはやめて、箱根ルートで帰ることに。山伏峠の方が高度は低いんだけど、そのあとの無駄な登り返しを嫌い、どうせ登るなら一気に登れる箱根ルートをとりました。


狩野川サイクリングロードで三島を目指し・・・


うおー懐かしい!
このルートから箱根を登るのは、記念すべきBチーム大阪キャノンボール第一回以来だ!
http://blog.goo.ne.jp/osamuel/e/6f1f950c5809dc88ba4b2e610488b1aa

しかし、なんで箱根峠三島ルートは、いつも240キロ走ってから走らなきゃならんのだ!
残りキロ数の表示だけを励みに、屁をしてもその匂いがかげるような速度で登って行きます。
早く終わってくれ・・・登りきったら横浜までもう登りはない・・・立ちごけしそうな、時速10 km以下でじりじり上がります。



6時半 箱根峠到着。かなり達成感あり。あとは惰性で横浜まで行きます。今日中に帰れるのでしょうか。


箱根旧道を降りひと風呂あびてから、残りの道程に気をひきしめる。残りは50 kmちょい。今日の総走行距離は390 kmくらいか…

第6章 壊れゆく体:Coming Apart at Joints
小田原から横浜まで、残り50~60 kmくらい。時刻は8時半。あとは平地だけ、事故だけに気をつければ無事に日付が変わる前に帰宅できるはず。ここまでくればもう着いたも同然、とはいきませんでした。
ここにきて体が悲鳴をあげはじめたからです。
① サドル:強烈な股ズレ
2分ほどこぎ続けるとおまたがじ~~~んと痺れてくる。ときどきダンシングをして散らす>座る>しびれる>散らす
の繰り返し。そういえばこのサン・マルコー リーガルで今まで200 km以上一回しか走っていない。さすがにここまでの長距離だとクリームが必要になりますね。日本海には持っていこう。
② 膝
基本的に今回は下りでもしっかりペダルを回して、休まないようにしてました。しかし300 kmを超えた箱根あたりから、膝に痛みが。
残り30 kmを切った茅ヶ崎あたりからは、かなり重症になってきます。
下りで膝をとめる、どころか、平地でも膝を止めなくてはならないほど膝が痛い。
骨ではなく、膝を外側から支える靱帯が痛んでいるようです。

後日ニャロメ父に診断をお願いしましたが
腸脛靱帯炎
でした。
『腰骨から太股の外側を通り膝関節の外側下部(スネの骨の上端)付着しているITバンド(腸脛靱帯)』の必要以上の膝関節との摩擦による炎症、「腸脛靱帯炎」
腸脛靱帯炎とは
膝の痛みに悩む人必見

けっこう激痛である。だましだまし進んでいくが、最後は自宅までの1 kmですら恨めしかった。
信号スタート>我慢してダンシング、加速>スピードにのったら脚をとめ、休む>ときどきペダルを踏む、基本はこがない・・・

最後はママチャリと並走できるほどのスピード。平均速度も22 km/hを切りそうだ。


こんな非常になさけない状態でみなとみらいにたどり着き、ビールをぷしゅー。ここで380 km。なんとか出発から23時間後、自宅に帰着したのであった。

久しぶりの特盛ロング。しかも単独行。一人もいいね。
みなさんもいかがですか?伊豆一周。
絶対後悔す・・・しませんよ。

C-to-Cへの宿題
・サドルクリーム(絶対)
・補給代が多すぎて出費がかさむ。粉末飲料をもっていくこと。
・前日からしっかり食いだめすること。300 kmは燃料満タンでのぞまないと。
・200 km走ってから超級山岳に挑むので、なるべく軽いギアで
・休憩時に、しっかりストレッチすること。特に体側(たいそく)
・必ずポッケに非常食。大福など。

歴史的瞬間

2009年07月06日 | レース
どうも。虚言癖のあるニャロメです。



ウキヤ・アラグスク選手はすごいですね。大興奮!映像を見て感動で泣きました。朝から。こんなすごいことになるのなら,L-B-Lでスタート前にもっとサインをおねだりしておくべきだった!曰くツールはペースが速い(みんなが逃げを狙って序盤からアタック合戦が繰り広げられるから)。たとえていうならL-B-Lくらい速い。でもこれを21回やるって・・・
日本人二名が試練の第三週を乗り切れることを祈っています。




LBLスタート地点にて

ちばりょー

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ところで,先の三浦半島一周記の件ですが・・・

すいません。全部ブログネタのための虚言でした。自首します。
虚栄心を満たすため虚言をはたらき,嘘で塗り固められた三浦半島一周記をしたため,混乱を招いてしまったこと,ここにお詫びをいたしします。
反省と恭順を兼ね,小一時間ほど断筆します。

チバリョー