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"It never gets easier, you just go faster."

チビ登山第79座 安達太良山くろがね小屋: Boys are alright 【親子登山】

2018年04月23日 | 登山


先週末、YOME様は週末出張、ということで留守のボーイズは山小屋に行ってました。

目指すは智恵子抄でも歌われた「ほんとの空」がある安達太良山。そう、東北を旅すると必ず車窓に出てくる、あの美しい連山です。

あまりにも有名な「あどけない話」にでてくる一節ですが、何度読んでも心をつかみます。引用すると、

智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
あどけない空の話である。




これが、いつもチビ太のみている横浜の空


これが安達太良山の上に毎日出ているほんとうの空

東北自動車道を北上すること4時間以上、前方にこの空と山が見えたときは嘆息しましたよ・・・

いつか成長したチビ太が学校の授業でこの一節にふれたときに、六歳の春のこの日を思い出してくれるといいな。(そのころは反抗期だろうがw)

ダイジェスト

■ いつも予約でいっぱいのくろがね小屋が珍しくとれました。小学生はなんと無料!もう、通っちゃう。(自治体の子育て支援カードが必要です。)
■ 岳(だけ)温泉の源泉地でもあり、年間二万人が訪れる大人気のくろがね小屋。施設の老朽化もあり、今の山小屋は今年いっぱいで取り壊して新築するそう。味わいのある現在の小屋を楽しむのは今年がラストチャンス
■ とにかく遠い。東北道経由で自宅から300km以上。
■ 登山口からくろがね小屋までは2時間+
■ 温泉サイコー!就寝までに3回入浴。
■ 山小屋には13時過ぎにチェックイン。その後は山小屋チビ太放牧教育メソッド。4歳のかわいい女の子と友達に。
■ 夜は小屋名物の半日煮込んだカレー。朝も自炊でカレーと牛丼。昼ごはんも横浜のばあば家でカレー。カカカレレレーララライイイススス。
■ 朝5時半に出発。初心者向けの雪山とはいえ、残雪期の4月に大迫力のカール地形の登山が出来、テンションマックス。
■ アイゼンなしで登れますが、一部雪のトラバースあり(雪と泥濘が交互に現れる)。チビ太は着脱容易な4本爪アイゼンを多用。
■ 峰の辻の前後からはそれは感動の雪の稜線歩き!春を待つ白銀のトラバース。
■ 乳首山(山頂)は偏西風の通り道。爆風が吹き荒れ、体重の軽いチビ太は飛ばされそうでヒヤヒヤ。
■ 下山は薬師岳経由。緩やかな斜面で尻セード、腐り雪の林道はトレラン気味で高速下山。
■ 踏み抜き多数。雪の下の大きな穴のしたには雪解け水の小川が流れていました。
■ 春を待ちきれないエナガ、コゲラと口笛二重奏
■ ニホンウサギ、リスの食痕多数。稜線を横切る日本カモシカの足跡も。
■ ロープウェイは八時半からの営業。そして八時二十五分にロープウェイ乗り場に到着。
■ 帰宅は予定を大幅に短縮し一時四五分。
■ 帰った日、チビ太は驚愕の7時就寝。そして翌朝4時に起きて遊びだす。ありがたくない・・・

それでは、いつものように写真スタート!


定番のガイドさんとの待ち合わせプレーから。いちいち芸が細かい。登山口の雪は完全に消えていました。


くろがね小屋まで二時間。テレビでは3時間と言っていましたが、2時間でした。暑いのでこの後半袖に脱皮。


雪解け水大放出中


最初は歩きやすそうな馬車道でウォームアップ


どうやら馬車道はジグザグするので遠回りみたい。体も暖まったので直登の旧道へ。


で、春の泥濘


新品の22cmシューズがあっというまに泥んこに


ここからは腐れ雪の緩斜面。暑いです。


新芽が食べられた後を発見。ニホンノウサギでしょうかリスでしょうか


食痕を探しながらゆっくり登ってゆく




勢至平に出ると景色は開け、山頂の乳首もチラチラ見えます
1か月後ここは山ツツジが満開だろうな。


時々危ういトラバースがあるので、注意して進みます。だんだん小屋が近くなってきたのか、時々風の中に微かな硫黄臭がします。


くろがね小屋が見えた!なんて雄大な景色。


風呂好き男児、チェックインとほぼ同時にすっぽんぽんになってちゃっぷりんこ。もう、最高。


鉄山直下のバットレスを眺めながら、極楽極楽💧😃♨


今年で改築予定のくろがね小屋。寝台車みたいで全部探検したくなるそうです。


探検中


良い雰囲気。








夕食は半日煮込んだ🍛。少し辛い大人の味も大分食べられるようになりました。


ペコでしたので!






この谷は、風の通り道。深夜地震かと思ったら風が小屋を揺らす音でした。


八時の就寝まで三回♨に浸かったので、あっとあうまに八時に寝付きました。


朝三時にヘッドライトを付けて山頂に日の出を見に行く二人を見送り、朝の小屋を独り占め。


誰よりも早く起きてきて、朝五時前に牛丼と🍛のブレックファスト


今日の山男と山小屋にガール👧
四歳と六歳


朝日に中登り始めます


眼下にくろがね小屋。また来よう。
ただだし。


鉄山の岸壁を眺めながら。山登りは最高だー!


ここらへんで二人のテンションはマックスに


ほんとの空の下、気持ちいい稜線歩きはまだまだ続く


あそこを越えると峰の辻に至る長い雪原に出ます


乳首山をいじるいやらしい顔つきのおっぱい星人


ぱっと見怖いのですが、たぶん滑落しても雪質重いから大丈夫。たぶん数メートルで止まる。






誰か登山ルートを外れて歩いて行ったけしからんハイカーがいるようです。ぷんぷん。


ニホンカモシカさんでした。


2018年は檜洞丸、都心のドカ雪、蔵王、八ヶ岳しらびそ小屋、そして安達太良山と雪山を楽しみました。
これで雪山シーズンはおしまいかな?






たぶんこの尾根が馬の背尾根。向こうに続くのが鉄山で、おそらく向こう側に1900年前噴火した池の平の火口があるはず。


腐れ雪の急斜面で、脱着性の良い4本爪アイゼンが大活躍。石も入り込みましたけど。


最後の直登。ここを超えると乳首山直下です。


安達太良山の真上にはほんとの空が広がっていました。
ほんとの日焼けこわい・・・


頂上は吹きさらしで月面のような荒涼とした世界


最後はなかなかチャレンジングな岩登り


頂上は偏西風がもろに打ち付ける爆風地帯、すごい風。


一眼レフを岩の上においてタイマーで撮ったのですが、風で吹き飛ばされやしないかとひきつった顔していますね。


チビゴジラ


山の看板が帆のようになって突風が吹くと持っていかれそう


山頂からは360度の絶景。吾妻山、磐梯山も良く見えました。






このハイカーさんの背後にあるのは郡山か二本松の街並み










緩斜面の一部ではヒップそりで高速下山に挑戦





出発時刻/高度: 11:11 / 948m
到着時刻/高度: 08:25 / 1341m
合計距離: 9.75km
最高点の標高: 1662m
最低点の標高: 941m
累積標高(上り): 839m
累積標高(下り): 428m


チビ登山第78座 ミツマタ咲き乱れるミツバ岳へ

2018年04月03日 | 登山


最近チビ登山をしていなかったんで、チビ養分が枯渇気味。精神が荒み、だんだん禁断症状が出てきました。日曜日どこかに行こうね~♪、と約束はしていたのですが、保育園の卒園式から小学校入学式までの怒涛の2週間なので、あまりハードなことはさせるなとママから厳命が出ておりました。



どこか近場でゆるふわで春の訪れを見つけられ、しかもありきたりの花見ではない変わったものはないものか(←ひねくれもの)と探していたところ、西丹沢のマイナー(といったら失礼ですが、本当マイナー)な山、ミツバ岳の山頂には見事なミツマタの黄色い綿帽子の群生があり、一年のうちこの時期だけハイカーで芋洗い(とまでは行かないが)状態になるそうです。写真を見て一目ぼれ、こりゃ行くしかない。しかも往復2時間とゆるふわ登山ではないですか。

朝6時に自宅を出発、山北駅にて友人一行を驚かし(この日一行は高松山へ)、そのまま西丹沢へ。


山北駅で林道さん御一行と一瞬合流。

いつもは人っ子一人歩いていなさそうな過疎った湖畔の道路には、ミツマタ狙いと見ゆる中高年の皆さまが。そして登山口には団体様ご一行が大挙して集合していました。やばい、山頂は混みそうだ・・・


出発の駐車場にチワワちゃんがいました。この後山頂でも一緒。

最寄の駐車場が満車だったので、もう一件遠くの駐車場にとめ、車道を歩きだすと沿道には見事な枝垂桜が。


まぶしい陽光が湖面にきらめいて、今日は絶好のハイキングになりそう。奥多摩湖を更に静謐にしたようなよい所でした。




滝壺橋から入山。この山は私有地を歩かせて頂くものなので、登山道や標識はあまり整備されていません。地図上も世附権現山に至る点線、バリルートとして紹介されています。山頂までは眺望に恵まれず、杉林の急登を登るのでもしミツマタというご褒美がなかったら同行者からブーイングレベルの修行系登山道でした。くわえて、登山道は砂がういているのでスリップしやすく、「一時間程度の登りなら運動靴でいいや」とスニーカーで来たチビ太氏、滑って転んでを繰り返していました。登山靴とストックあった方が良いです。過去には滑落事故もあったそう。低山とはいえ、油断はできません。危険そうな道は手をつないで下山しました。

道中の気持ちよさは写真と解説をご覧ください。和紙の原材料になるミツマタと、ミツバ岳について少し書きます(コピペだけど)。

ミツマタ 中四国地方の特産木。コウゾ、ガンピとともに和紙の原料になり、明治以降は紙幣の原料として使用。国立印刷局によると、白皮加工したものは年間約100トン必要だが、うち9割は商社を通しネパール、中国から白皮を購入。国産は外国産より約4倍の値段という。


ミツバ岳(大出山・大嵐山)
大出山(おおだやま、誤称=ミツバタケ)への経路は、滝壺沢右岸を辿り、大平(おおびら)を経て山頂へ至る。
 滝壺橋からしばらくの間、崖沿いを辿ることになるので注意を怠らないこと!当地は、個人の所有する山であり、登山道は整備されていない。地権者の厚意により、入山が黙認されていることから自己責任を全うすること。滝壺沢から離れて大平の尾根に取り付くと植林帯が山頂まで続いている。大出山の頂には、ぽっかりとした広地があり、三椏の木が植栽されている。季節には花が広がり、平日でも登山者が多く見られる。山頂には「ミツバ岳」と書かれた自作看板が無数に点在している。「ミツバ岳」は、大出山の「三椏畑(みつまたばたけ)」のことが勘違いされて呼ばれた誤称である。
 地権者のいる山であり、三椏は、地権者の先祖が昭和初頭に小田原の造幣局に対して紙幣原料として供出するために植栽したものです。現在では三椏の利用価値も無くなり、伐採されることもなくなったことから、立派に成長して花を見事に咲かせて登山者の目を楽しませているのです。



それでは写真をどうぞ~!!!


登山口から先は、危険地帯です。滑落しないよう、細心の注意をはらって!過去にも痛ましい滑落事故がありました。


地図上では点線しかつかないバリエーションルートでありながら、渋滞発生。チビ太は何十人もぶち抜いていきました。


今日最初のミツマタちゃん。日向のミツマタちゃんはもう終わりが近いかな。


近づくととてもかぐわしい香りがします。


このために親子そろって黄色で来たんです。


ミツマタがもしなかったら、苦情しかでないであろう樹林帯の急登、修行系です。


きれいきれい~♪急坂をホイホイと登ってゆく


今年も登山の季節がやってきました。




山頂直下には見事な広葉樹林帯。まだ冬枯れ。




『今日おうちかえったらゴジラのご褒美ね~。約束だよ~。』


黄色の楽園


山の持ち主が紙の原料として頂上付近に植栽したのがこのミツマタ群生地の由来らしい。今原材料としてのミツマタは廃れ、お花畑が残ると。




黄色テーマのペアルック♪


富士山がきれいに見えました。


体重25kg。ずっしりw


いい匂い


下山しました。タチツボスミレ?







出発時刻/高度: 08:15 / 352m
到着時刻/高度: 11:08 / 348m
合計時間: 2時間52分
合計距離: 4.64km
最高点の標高: 830m
最低点の標高: 332m
累積標高(上り): 698m
累積標高(下り): 670m

歩くペース 0.9~1.0(標準)

丸一日一緒に息子とすごして、さらに仲良しになりました。